ズウウウン…
ぬっと巨大な影が都市を呑み込み、
夜のような暗さになる。
「きょ、巨人だあ!!」
「で、でけええええ!!!」
「な、何て迫力だ…!」
並のビルよりも巨大な肉の球体。
人間の肌と同じ色をしている。
枯山水のような美しい模様の溝が球体に掘られている。
それが女性の足の親指の先端だとはすぐには認識できない。
似たような巨大な球体が他にも四つ聳える。
球体の大元の足は更に巨大。
巨人女性の皮膚はどんな鉱物・金属よりも頑強だ。
足裏となれば更に強靭。
人間の柔らかい肉や骨はもちろん、ビル群のコンクリート・鉄骨・ガラスを圧縮粉砕しても、
全く傷がつかない。
重機車両や電車さえも数ミリの薄さに踏み潰され、
指紋の波が刻まれる。
満員電車だろうと金属と金属の間の何千人もの体をサンドイッチし、足裏クレーターの底の“電車箔”にしてしまう。
何兆テラトンという超新星
「「「みなさ〜ん
こんにちは〜。
わたし浄大姫華と申します。
巨人で〜す。」」」
「「「トイレをお借りしてもよろしいですか〜?」」」
巨人の排泄に耐えうる便器など存在するわけが無い。
「「「あ、安心してください。
あなた方の技術力では、わたしの体重を支えられる便座は建造不可能だってことは知っています。
ですので、和式便器でかまいませんのでお借りできませんか?」」」
当然、姫華の巨重を支えられる建造物などない。
「「「もし無理ならぁ
お断りしても構いませんよ〜💗
まあぁ…」」」
ドドドォォ…
グオオオオオオオ…
「「「断れば都市ごと皆さん一粒残さず踏み潰しますけどぉお💗」」」
巨大な足裏が空を覆い、夜になったたかのような闇が都市を呑む。
足裏はゆっくりと大気を圧縮しながら降下する。
一番高いビルに少し触れるところで静止する。
(その際にそのビルの屋上にいた数十名は圧死)
人々の悲鳴。
その悲鳴をかき消す轟音。
ドッグウウンンン…ドッグウウンンン…
巨人の足裏から伝わる脈拍の重低音。
空気が姫華の皮脂の匂いに支配される。
「「「だってそうですよね?
女子一人にトイレひとつ貸せない無能都市は必要ないですよね?
人口10万規模の都市なんて腹の足しにもならないし、
食糧としても使えないゴミカス都市なんて、
踏み潰しちゃってもいいですよね〜?」」」
グオオオンンンン…
グオオオンンンン…
巨大な5本の極太の足指がうごめく轟音。
「「「ふふふ…
冗談ですよ。」」」
足裏が上空に上げられる。
とてつもない巨重の肉天井を軽々と持ち上げる巨人の大腿筋の凄まじいパワーに自然と土下座し平伏す人々。
巨足は、やがて後退していき、
元の足跡クレーターに踏み降ろされる。
ズッドオオオオオンンンンンンン…
「や、やった…助かった…」
「踏みつぶされずに済んだ…生かされたんだ…!」
肉天井が去り、眩しい青空が再び人々に希望を与える。
巨大暴力の象徴である巨足から解放された今もなお、
足裏の汗腺から発せられていた巨獣臭は人々の髪や服に留まらずビルや道路にも染み付いて残っている。
この染み付いた匂いは未来永劫残るだろうと誰もが思った。
しかし次の瞬間その予想は裏切られる。
グオオオオオオオオオオオオオッッ…
とてつもない風圧とともに凄まじく濃厚な臭気の塊が都市を襲う。
「何かとてつもなく巨大な物体」が上空にある。
巨人女の肛門だ。
巨人がしゃがみ込んで肛門をヒクヒクさせる。
「ヒクヒク」という音ではなく、
ズッゴオオオオンンン…
ズッゴオオオオンンン…
という轟音。
括約筋が収縮するたびに大気が激震する。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
巨人は和式便器にまたがるようにしゃがみ込んでいた。
「「「冗談ですよ…
そんなこと一々聞くわけないじゃないですか?
あ…?
何か助かったとか勘違いしてる頭の悪いゴミムシが居るみたいですね…。
残念💗
今から超デカグソをブチ込む予定は、
冗談ではなく決行されます💗
皆さんにわざわざお伺いを立てたのは冗談です。
微生物に対して「トイレを貸してください」なんて聞くと思います?
聞かずにブリブリ排泄しても誰も文句言えないし、誰にもわたしのデカグソを止められないですよね?
わたしは宣言してやってるだけ良心的ですよね~。
優しいから排泄宣言してあげました💗
まぁ逃げられるわけないんですけどね💗」」
※※※※続く※※※※