「あー全く!これだから人間界の奴らは分かっていないんだ!あたしが花子だなんて、失礼しちゃうよ!」
プンプン...!と怒った様子で歩く1人の少女がいた。少し暗めな紫色の長髪と後頭部に付けた黒の大きなリボン、紺の長袖ワンピースを着ており、全体的な色合いはどこか夜を連想させる。顔立ちは整っているのだが、前髪で片目を隠しており、せっかくの可愛らしい顔はあまり見えていない。
チャラ...
彼女の手にはドクロマークが付いたネックレスのようなものが握られている。彼女の名前はやみ子さん。怪異、化物、妖怪...様々な言葉で言い表されることがあるが、つまりは"人ならざる者"と呼ばれる類の存在だ。彼女は日本において最も高い知名度を誇っているとと言っていい学校の怪談、花子さんをライバル視しており、「花子を倒すのはこのやみ子だよ!」と公言し続けている。
「ふんっ...せっかく助けてやったのに」
しかしそんなやみ子さんは先程砂場で怪異に襲われていた少女たちを助けた際、花子さんかと聞かれてしまい非常に機嫌が悪かった。そもそも自身も怪異の一員でありながら人間たちを助けるやみ子さんは花子さんと同じかなり珍しい存在で、性根は明らかに善に偏っていると言っていい。むしろ怪異を払おうとして返り討ちにあった花子さんを、「私以外の怪異に負けることは許さない」と何度か助けたことさえあった。
「まあ、怪我がないなら良かったけどさ...」
人知れずそう呟くやみ子さん。実は優しいツンデレ怪異ランキング不動の1位を誇る彼女は、今日も平常運転だ。
やみ子さんは特に目的もなく、ただブラブラと街の中を散策している。
幽霊縛りアップリケー!
「むっ!?」
すると向こうの方から何やら聞き覚えのある声が聞こえてきた。それに反応したやみ子さんは、急いで声のした方向へ走っていく。
グォォォォォオオオオオ...!
ベチッ...
パァァァァァァ...
やみ子さんが向かった先にはウネウネとした触手を大量に持つ気持ちの悪い怪異がいた。一部の界隈から需要がありそうな"それ"は、どこから出しているのか断末魔の叫びをあげながら光とともに消えていく。怪異の額にはやみ子も何度も見たことがある可愛らしいチューリップのアップリケが貼り付けられていた。怪異が消えたことによって、塞がれていた向こうが見えるようになる。
「あ、やみ子さん」
向こう側に立っていたのはおかっぱ頭の可愛らしい少女。襟のついた白いシャツにサスペンダー付きの赤いスカート。彼女こそ人間界で暴れる怪異を鎮め平和を守ってくれている怪異、花子さんだ。花子さんは手裏剣のように持っていたチューリップのアップリケをポケットにしまうと、笑みを浮かべながらやみ子さんの方へ近づいてくる。彼女のすぐ後ろではホワホワちゃんと呼ばれている巨大なケセランパサランのような生物がふわふわと浮いていた。
「ふ、ふんっ!馴れ馴れしくしないでおくれよ!あたし達はライバルで、敵同士なんだから!」
ズンズンズンッ!
やみ子さんはそっぽを向きながらそう言い放つと、花子さんがいる方とは逆の方向へ歩き出す。
「あっ...」
花子さんは離れていくやみ子さんの背中に手を伸ばしながら、少し悲しそうな声をあげた。
「大丈夫か〜?花子〜」
心配したホワホワちゃんが花子さんの周りを飛び回る。
「...うん。ありがとう、ホワホワちゃん」
少しの間やみ子さんの背中を見つめていた花子さんだったが、クルリと踵を返しやみ子さんと反対側へ歩き始めた。
「.........」
しかし花子さんの目には、何かを決心した強い意志が浮かんでいる。彼女はホワホワちゃんを連れ、何か考え事をしながら去っていった...
「はぁっ!やぁ!えやぁ!」
ある日の公園、まばらに子どもたちが遊んでいる憩いの場の一角で、やみ子さんが気合いの入ったかけ声と共にドクロマークを投げる。
カーン...
やみ子さんの手からまっすぐ飛んでいったドクロマークは、ベンチの上に置かれた空き缶へ吸い込まれるように命中した。
「よしっ!これで18回連続だ...」
懐からメモ帳を取りだし回数を書き込んだやみ子さんは、練習の成果に顔を綻ばせる。花子さんを倒すため修行を怠らないやみ子さんは、今日も様々なメニューを行って自分の実力を高めようとしていた。
「あたしも何かかけ声みたいなの作った方がいいのかな...」
やみ子さんは花子さんの「幽霊縛りアップリケ」というお馴染みのかけ声を思い出し、自分もオリジナリティのあるフレーズを用意しようかと考える。
「うーん、どんなのがいいんだろ?」
ガリガリ...
やみ子さんは近くに落ちていた木の枝を拾い上げると、地面に思いついた言葉をいくつか書き始めた。
〜数分後〜
「月の光 照らすよ闇 遥か彼方、星瞬く 黒き力 ドクロ光る 闇に帰れ 悪しきもの」
やみ子さんは厳選した言葉の羅列を見てうんうんと頷く。
「...長いなこれ」
そして冷静に自分の考えた案をボツにする。
ザッ...ザッ...
誰にも見られないよう足で近くの土をかけ証拠隠滅を隠すやみ子さん。
「あっ...」
しかし途中でメモ帳に残しておけば良かったのではないか、と思ってしまい、既に元に戻った地面をどこか物悲しそうに見つめてしまう。
「...いいんだ、あたしは過去を振り返らない女さ」
後ろ髪引かれる思いを振り払うように、やみ子はその場をクールに立ち去ろうとする。
「ねぇ、聞いた?」
「何をー?」
しかし近くを通りかかった少女達が何か噂話をしているのを耳にし、何となく立ち止まって彼女たちの声に耳を澄ました。
「ほら、不思議な電話ボックスの噂!なんか悩み事とか疑問になんでも答えてくれるらしいよ!」
「へー、そうなんだ」
「実際お母さんが隠し場所を忘れちゃったゲーム機の場所を聞いたら教えてくれたんだって!」
少女たちは「なんでも教えてくれる電話ボックス」というものの噂について話しているようだ。
「なんか怪しいなぁ」
「でも、ホントだったらすごいと思わない?私、この前テストで悪い点数取っちゃってそれまだお母さんに言えてないんだー。電話ボックスがあったらお母さんに怒られない方法を教えてもらおうと思って」
「えー、そんなことまで聞けるのー?それなら私も興味あるかも...」
「その話、あたしにも聞かせてくれよ」
ガサッ...
ニュッ...
その時、少女たちのそばで聞き耳を立てていたやみ子さんが茂みの中からいきなり飛び出す。
「わっ!?」
「きゃあ!?」
やみ子さんに驚いた少女たちは互いに抱きつきながら声をあげた。
「悪いね、おどかして」
「あれ、あなたは...やみ子さん?」
「っ!そ、そうだけど...あぁ、あんたたちよく見ればこの前の子達じゃないか」
「ほんとだ!やみ子さんだ!この前はありがとうございました」
やみ子さんは少女たちが名前を覚えてくれており、更に自分へ感謝の言葉を言ってきたことに分かりやすく機嫌を良くする。
「べ、別にそんなこと言われても嬉しかないよ!ほら、さっさとあんたたちが喋ってた噂の内容について教えな!」
少し顔を赤くし鼻の穴も広がっているやみ子さんは、少女たちに噂の内容を詳しく教えろと言った。
「私もそんなに詳しいわけじゃないけど...」
そう前置して片方の少女が「なんでも教えてくれる電話ボックス」について知っていることを話す。
「へぇ...なかなか興味深い内容だったよ。ありがとね」
少女から話を聞き終えたやみ子さんは、何か企むような笑みを浮かべながら少女たちに手を振りその場を後にする。
「またねー」
「ばいばい」
少女たちはやみ子さんを見送ると、そのまま公園のトイレの方へ歩いていく。
「あれで良かったの?やみ子さん行っちゃったけど...」
「あ、いいんだ。え?お礼?いらないよー。だってこの前助けてくれたし...」
「遠慮しないでって?うーん、じゃあ貰うね。ありがとう!」
噂を切り出していた少女はトイレの裏へ向かうと、何やらコソコソと話をする。もう1人の少女の分を合わせた2つの棒付きキャンディを持って戻ってきた少女は、そのまま楽しげに公園を出ていく。
「.........」
少女たちを見送った人影がどこかに消える。風に揺れ小さく揺れたスカートは、色鮮やかな赤色に見えた...
「...まさか本当にあるだなんてね...」
少女たちと別れたやみ子さんは、教えてもらった小学校近くの空き地へ到着した。彼女の目の前にはポツンと電話ボックスが置かれており、中には昔ながらの緑色の受話器が設置されている。
「.........」
やみ子さんは警戒しながらゆっくりと電話ボックスの扉を開けた。
スッ...
そしてそのまま電話ボックスの中へ足を踏み入れ、恐る恐る受話器をとる。
プルルルル...
すると番号を押していないにも関わらず、受話器の向こうから呼び出し音が聞こえてきた。これは少女に教えてもらった噂の内容に合致する。
「あとは名前を名乗ればいいんだったね...」
やみ子さんは悩み事を解決してくれる言葉を聞き出すための条件を思い出しながら、ドキドキ...と受話器の音が変わるのを待つ。
プッ...
『...はい、もしもし。』
(きたっ...!)
「あー、あたしはやみ子ってもんだけど、ここは問題を解決してくれる電話ボックスで合ってるかい?」
やみ子は緊張した面持ちで電話の向こうの相手へ尋ねた。
『初めまして、やみ子さん。はい、合っています。困った悩みを全て解決してみせますよ』
「ほんとかい...!?なら、聞きたいことがあるんだ!」
電話ボックスの中で嬉しそうに飛び跳ねるやみ子は、フゥー...と落ち着くために一息ついてから、自分の悩みを口にした。
「あたしにはライバルで花子って奴がいるんだけどね。そいつを倒してあたしの方が強いって証明してやりたいんだ。けどどうすればあたしが勝ったって言えるのか分からなくって...」
やみ子さんの悩みとは、やはり花子さんに関すること。彼女を強くライバル視しているやみ子さんは、どうしても花子さんとの勝負に勝ちたい。しかし根が優しい彼女は、本心では花子さんを傷つけたり悲しませたりすることは望んでいない。そのため自分の欲を満たしながらも、花子さんに深刻なダメージを与えることなく円満に事を終わらせる方法を模索していた。
『なるほど。それならいいことを教えてあげましょう』
なんでも答えてくれる電話ボックスは、やみ子さんの悩みを聞きすぐさまそう返してくる。
『ずばり、花子はやみ子さんの匂いに弱いです』
「あたしの匂いだって?あたし、そんなに臭い...?」
スンスン...
ガーン...とショックを受けた様子のやみ子さんは、自分の服を指でつまみ鼻を鳴らして確認した。
『いえ、そういうことではなく。花子はやみ子さんの甘い匂いの魅力に抗えないということです。キスなんてしてしまえば、すぐに負けを認めてしまうことでしょう』
しかしそうではないと訂正が入り、電話ボックスの相手は花子さんの弱点はやみ子さんの香りであると告げる。
「はぁ?何言ってんだいあんた。そんなことあるわけないだろ。つくならもうちょっとマシな嘘を...」
『嘘だと思うなら試してみてください。では』
「あっ...!?ちょっと待ちな...」
ブツッ...ツゥー...ツゥー...
電話相手の言葉を鼻で笑い取り合わなかったやみ子さんは、適当なことを言ったあげく電話を切った誰かに対し強い怒りを抱く。
「あたしは逃げる奴が嫌いなんだ...!あーもう!むしゃくしゃするね!もういいさ!花子に決闘を申し込めばいいんだ!」
やみ子さんはそう言って電話ボックスの中から飛び出すと、花子さんを探すために走り出した。
「花子ー!あたしと決闘しろ!」
「うわ、やみ子さん」
花子さんを見つけたやみ子さんは、彼女の前に躍り出るなり開口一番そう言い放つ。
「いや、でも私やみ子さんと戦いたくないし...」
しかし花子さんはやみ子さんとの決闘にいつも通り消極的であり、少し顔を逸らしながら決闘はしたくないと言う。
イラ...
そのいつも通りの態度に、機嫌の悪かったやみ子さんはさらに苛立ち、花子さんに対して詰め寄り始めた。
「...あんたいつまで逃げる気だい!そろそろあたしと決着を...!」
しかし強い口調の批判は、最後まで言い切られることなく中断することになる。
「.........❤」
フスー...❤フスー...❤
やみ子さんは花子さんの頬に赤みがさし、また呼吸も荒くなっていることに気づいたからだ。
「は...?」
やみ子さんは今まで見たことのない花子さんの様子に戸惑う。
「もしかしてあんた、体調でも悪いのかい...?」
そして怪異に対して体調を聞くという何とも天然な質問をする。
「そ、そういう訳じゃないんだけど...❤」
やみ子さんの質問に首を横に振る花子さん。しかし彼女は何か期待している様子で、やみ子さんの顔と体に視線を行き来させていた。
「な、なんだい...あたしの体になにか変なところでも......っ!?」
調子が狂ってしまうと困り顔のやみ子さんだったが、その時彼女の頭に電流が走ったかのような衝撃が走る。
(まさか...あれは本当だったのかい...!?)
『花子はやみ子さんの甘い匂いに弱い』
頭の中に思い浮かぶのは、電話ボックスで教えられた花子さんの弱点。あの時はくだらない嘘を、と怒っていたが、今の花子さんを見ればやみ子もまさか...という気持ちがよぎってしまう。
(いや...でもさすがに...)
スンスン...❤スンスン...❤
(か、嗅いでるねぇ...)
やみ子さんがいやいや...と内心首を横に振るが、花子さんの息遣いはあの言葉が正しかったとしか思えないものだ。
(花子が...あたしの匂いを?)
ドクンッ...❤
そう考えたやみ子さんの胸が高鳴る。ヒクヒク❤と鼻を鳴らしながらやみ子に少しづつ近づいてくる花子さんを見ると、やみ子さんは複数の感情が重なり合って訳が分からなくなってしまった。
「きょ、今日のところは勘弁してやるよ!」
ダダダダ...!
そう言い残したやみ子さんは逃げるようにその場から走り去る。
「あっ...後ちょっとだったのに...」
彼女の背中を花子さんは残念そうに見つめるのだった。
「あたしにどうしろって言うんだい...!」
花子さんから逃げ出したやみ子さんは、未だに顔を赤くしながら独り言を呟く。
「ん?」
俯きながら歩いていた彼女は前方に何か雑誌が落ちているのを発見し、横を通り過ぎようとしながらチラリ...と視線を向けた。
「なっ...❤」
そしてそれを見たやみ子さんはさらに顔を赤くする。落ちていたのは成人向け雑誌であり、表紙には四つん這いになった裸のおじさんに座るボンテージを着た女王様の写真が載せられていた。
これであなたも女王様❤どんな豚にも完全勝利❤
表紙にはピンクと紫の文字でそう書かれている。なんてものを落としているんだと思いながらすぐさまその場を立ち去ろうとするやみ子さんだったが、表紙の『完全勝利』という文字を見たことで思わず立ち止まってしまう。
「...そうだ、あたしの目的は花子に勝つことじゃないか」
やみ子さんは半ば建前と化していた自らの野望を改めて口にする。先程は恥ずかしくなって戦略的撤退(?)をしたが、花子さんに勝つ為ならばどんな手段も厭わないべきだ。やみ子さんはキョロキョロと周囲を確認し、雑誌を拾い上げて懐へ隠すと、人のいない場所を探して再び歩き始めるのだった。
〜次の日〜
花子さんはやみ子さんから送られてきた"果たし状"を持って、指定された廃墟へ到着する。
「来たね、花子...」
「やみ子さ...ん? 」
やみ子の声がした方へ振り向く花子さん。彼女は仁王立ちするやみ子の服装を見て、いつもと違うなと首を傾げた。やみ子さんはいつもと同じ紺のワンピースを着ていたが、スカートの丈は膝上程度にまで高くなっており、また袖は肩からないノースリーブになっている。"教科書"を読み終えたやみ子さんが自分で考え新調したものだ。
「.........」
カツッ...カツッ...カツッ...
そんな新衣装を身にまとったやみ子さんは、無言のまま花子さんに近づいてくる。
「え、えっと...」
ズリ...ズリ...
やみ子さんの顔はどこか凄みがあり、花子さんは思わず後ずさってしまう。
トス...
「あっ...」
すると彼女の背中は後ろの壁にぶつかってしまった。
ドンッ❤
そんな花子さんに対しやみ子さんは体をさらに近づけ壁に手をつく。いわゆる壁ドンの体勢だ。
「っ!?❤」
ドキン...❤
花子さんはやみ子さんのいきなりの行動に、胸をドキドキ❤とさせながら彼女の顔を見つめた。
「あんた、あたしにキスして欲しいのかい?」
「へっ...?❤」
やみ子さんが花子さんの顔をじっと見つめながら質問してくる。
(急に何を...❤あっ...❤やみ子さん、まつげ長い...❤)
花子さんは質問の内容に戸惑いつつも、自分を見下ろすやみ子さんの顔に見とれてしまう。
「さっさと答えな、この豚」
「んひっ...!?❤」
するとやみ子さんは冷たい声で花子さんを豚と呼び、改めて質問に答えるよう命令してきた。
「し、して欲しいです...❤」
(な、なんかやみ子さんいつもと様子が違う...❤)
やみ子さんの質問に頷いてしまう花子さん。
「声が小さいねぇ...もっと大きな声で答えなっ!」
「はひぃっ❤やみ子さんに、キスして欲しいですぅぅ❤」
ビクッ❤
やみ子さんの声に肩を震わせた花子さんは、大きな声でやみ子さんとキスがしたいと叫ばされる。
「へぇ、あんたあたしとキスがしたいんだ...なら、目を閉じなよ」
「......っ!?❤」
(ま、まさかっ...!?❤)
やみ子さんにそう言われ、急いで目を閉じた花子さんの内心は喜びでいっぱいだった。
クイッ...❤
「はふっ...❤」
するとやみ子さんの指が花子さんの顎をゆっくり持ち上げてくる。ついに来るのか、と花子さんは期待に胸を膨らませながら唇に触れる柔らかい感触を待った。しかし、いつまで経っても花子さんが望むキスは行われない。
フゥゥゥゥゥゥゥゥ❤
代わりに花子さんの顔全体に、たっぷりと甘い匂いを含んだ温かい風が浴びせられた。
「ふへっ...?❤ほぉぉぉぉぉぉぉぉ!?❤」
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
予想と違う刺激を与えられた花子さんは、情けない声をあげながらガクガク❤と体を震わせる。
「馬鹿だねぇ...そんな簡単にキスしてもらえるわけないだろう。あんたなんかあたしの息で十分さ」
「あひっ❤おぉぉっ...!?❤んんんっ...❤」
フワァァァァァァァン...❤
クンクン❤クンクン❤
花子さんはやみ子さんの甘い吐息の香りにうっとりとし、夢中でフンフン❤と鼻を鳴らしてしまう。
「やみ子さんの吐息すごいぃぃ❤ま、負けちゃうぅぅ...❤おっ...❤」
そして彼女は"予め用意していたセリフ"を何とか言ったのだが、それは当初の予定より遥かに心がこもっている言い方だった。
(き、効いてるっ...!)
やみ子さんは目の前で蕩けた顔を見せる花子さんを見て、電話ボックスの言っていたことは間違っていなかったのだと確信する。
(勝てる...あたしは花子に勝つんだ...!)
昨日のSM本の女王様の所作を参考にしていたやみ子さんは、花子さんの様子を見てそのやり方も効果があるようだと自信をつけた。
「ふ、ふふっ...❤」
花子さんを圧倒し興が乗ってきたやみ子さんは、前のめりの姿勢が口調にも現れてくるようになる。
「あんたあたしの匂いが好きなんだってねぇ❤なら、お望み通りもっと味わわせてやるよ❤」
声に艶が乗り始めたやみ子さんは、吐息の残り香を吸い込んでいる花子さんの後頭部に手を回し、そのまま自分の胸へ抱きしめた。
ムギュゥゥゥゥゥゥゥ❤
「んぐぅぅぅぅぅぅぅ!?❤」
ビクンッ❤ビクンッ❤
花子さんはくぐもった嬌声をあげる。少女の若々しくハリのある胸の感触と甘い胸の香りを顔全体で堪能させられた彼女は、ピーン...❤と両手両足を硬直させガクガク❤と腰を震わせていた。
ムニュン❤モチ...❤
フワァァァァァァン...❤
(やみ子さんのおっぱいぃ❤すごいよぉぉぉ❤)
ヘタァ...❤
気づけば花子さんの体の力は抜けてしまい、全身で甘えるようにやみ子さんにもたれかかっている。もしやみ子さんが体を離せば、そのまま床に倒れ込んでしまうだろう。
「何勝手に休んでるんだい❤次はこっちさ❤」
スッ...❤
やみ子さんは花子さんの顔を自身の胸から離すと、ゆっくりと腕をあげツルツルの腋を見せつけた。
ムワァァァァァァァン...❤
「〜〜〜〜〜〜っ!?❤❤❤」
ノースリーブであるため、やみ子さんの毛ひとつ生えていない腋はその蒸れたフェロモン臭を直接花子さんへ届けてくる。
はっ...❤はっ...❤はっ...❤はっ...❤
ダラン❤と舌を垂らした花子さんは、まるでお預けされた犬のような息遣いをしながらやみ子さんの言葉を待つ。
「嗅げ❤」
「はひぃぃぃ❤」
パフン❤
そして許しが出た瞬間、すぐさまやみ子さんの腋に顔を押し付けた。
「ほぉぉぉぉぉぉぉぉ!?❤」
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
ブシュッ...❤
その瞬間花子さんは獣のような喘ぎ声をあげてしまう。股から噴き出した愛液が下着を貫通して太ももヘツツゥ...❤と垂れている。
モワァァァァァァァァァ...❤
(やみ子さんっ❤やみ子さんの匂いっ❤しゅきぃぃぃ❤)
カクカク❤カクカク❤
やみ子さんの腋から香る甘酸っぱい芳香は、吐息や胸とは違い蒸れた汗の刺激が含まれていた。それが女の子特有の甘い香りと混ざり、花子さんを魅了する芳香へと昇華している。
「こんなにおまんこ濡らして...❤あたしの匂いを嗅いだだけでこんなになるなんて、あんた変態だったんだねぇ❤」
クチュリ❤
「ふおぉぉぉぉぉ!?❤」
やみ子さんが花子さんの顔に腋を押し付けたままスカートの中に手を入れ、花子さんの秘部を指で触ってきた。花子さんは甘い声をあげながらもっともっと❤と甘えるように腰をクネらせてしまう。
ビクンッ❤ビクッ❤
トロォ...❤
花子さんの体が一際大きく震える。彼女はやみ子さんの腋臭と手マンで同時に責め立てられ、絶頂に達してしまったのだ。
「おほぉ...❤」
ズルズル...❤
ドサ...❤
花子さんの顔がようやくやみ子さんの腋から解放される。花子さんは壁に背中をつけたまま、ヘナヘナ...❤とその場に崩れ落ちてしまった。
「花子、こっちを見てごらん❤」
そんな彼女の前に立つやみ子さんは、花子さんを見下ろしながら声をかける。
「はへぇ...❤んっ...〜〜〜〜〜〜〜っ!?❤❤❤」
やみ子さんの命令に従った花子さんは、視線を動かして言葉にならない嬌声をあげる。
スッ...❤
ムンムン...❤ムワァァァァン...❤
「ふふっ❤いい顔じゃないか❤」
やみ子さんは自身のスカートをたくし上げ、下着を花子さんに見せつけていた。花子さんを責めて興奮したのか、紫色の下着にはうっすらと湿った部分がある。
「あたしのココ、嗅ぎたいだろ?❤」
「〜〜〜〜っ❤❤❤嗅ぎたいっ❤嗅ぎたいですぅ❤」
花子さんはやみ子さんの質問に何度も首を縦に振った。
「なら、この勝負はやみ子の勝ちですと宣言しな❤」
「は、はいっ❤」
やみ子さんの言葉を聞き、花子さんは1度立ち上がって足を開くと、腰を低く落としヘコヘコ❤と情けない腰振りを始める。
「やみ子様の勝ちですぅ❤花子はやみ子様に完全敗北しましたぁ❤」
ヘコヘコ❤ヘコヘコ❤
花子さんは命令されていない屈服腰ヘコダンスを踊りながら、やみ子さんに媚びた笑みを見せた。
「......っ❤これであんたはもうあたしのライバルじゃなくなった❤これからはペットとして可愛がってあげるから、覚悟するんだよ❤」
パサッ...❤
やみ子さんはそう言いながら花子さんの顔にスカートを被せ、そのまま自身の女性器に顔を押し付けさせる。
「むぐぅぅぅぅぅ❤❤❤ほへぇぇぇぇぇ❤」
ビクビクッ❤ビクンッ❤ビクッ❤
ムチムチ❤ムチムチ❤
ムワァァァァァァァァ❤❤❤
花子さんはやみ子さんの太ももに顔を挟まれ、彼女の一番濃い匂いをたっぷりと嗅がせてもらう。
クンクン❤スンスン❤フスーッ❤フスーッ❤
ビクンッ❤ビクッ❤
やみ子さんのフェロモンに包まれながら達する絶頂は、花子さんの脳にやみ子さんの魅力を徹底的に刻み込んでくる。
クイッ...❤
チュウゥゥゥゥゥ...❤
(あ、甘いぃぃ...❤)
やみ子さんがとどめに花子さんにキスをしてきた。チュパチュパ❤といやらしい音が響き、花子さんはやみ子さんの甘い唾液の味に魅了される。
「さあ、ついてきな❤今日からたっぷり可愛がってあげるよ❤」
「はひぃ...❤」
そこから花子さんはやみ子さんの住処に引越した。彼女の首にはやみ子さんから付けられた首輪が光っており、花子さんが誰の所有物であるかをしっかりと周囲示されてしまっている。
プルルル...
「はい、もしもし。」
やみ子さんがくつろぐ横で、花子さんがベルの鳴る受話器をとった。やみ子さんの家に花子さんが持ち込んできた彼女の私物だ。
「はじめまして、A子さん。はい、合っています。困った悩みを全部解決してみせますよ」
そしてどこか聞いたことのあるフレーズを電話相手に伝えている。
「.........」
それを聞いたやみ子さんは、寝転がっていたソファから立ち上がり足音を殺しながら電話している花子さんに背後から近づいていく。
「なるほど。それなら...んみゅぅぅぅぅぅ!?❤」
ギュムッ❤
そして履いていた白のヒールを脱ぐと、受話器に耳を当て話している花子さんの顔に押し当てた。
モワァァァァァァン...❤
「あたしの前で他のやつの相手をするなんていい度胸だね...❤」
「ご、ごめんなさいやみ子様ぁ❤...すいません、後でかけ直しますっ❤」
ガチャッ...❤
あん❤あひぃぃぃぃ❤あん❤
とある部屋の中で少女たちの喘ぎ声が響く。
後日『なんでも答えてくれる電話ボックス』の噂には"答えてくれない時もあるらしい"という内容が追加されたらしいのだが、その真偽は定かではない...
※いただいていたリクエスト
ちょっとマイナーな作品になりますが、新年初リクエストを送らせていただきます。
「学校のコワイうわさ 花子さんがきた!!」(2010年版)から、やみ子さんが花子さんを匂い責めでレズ堕ちさせてしまいますが、実は…という話をお願いします。
やみ子さん
・一人称はあたし。新版設定なので「~だよ」、「~さ」と少しだけ中性的な喋り方をする。花子さんをライバル視して、いつか倒すと宣言している…のだが、花子さんのピンチに駆けつけたりと、ツンデレ気味で良い子なのを隠せない。
花子さん
・一人称は私。人間に味方する、心優しいオバケの少女。やみ子さんとは仲良くしたいと思っている。
※このお話だけの設定
・何度も救われた経験から、やみ子さんをちょっと倒錯気味に好いている。やみ子さんに何とか自分のご主人様になって欲しい。
あらすじ
・花子さんを倒すため、やみ子さんは修行の日々を送っていた。ある日、どんな疑問にも答えてくれる不思議な電話の噂を聞き、試してみることに。
・「どうやったら花子を倒せる?」と質問したところ、電話の向こうからは「花子さんは、やみ子さんの甘い匂いに弱い。キスなんてしたら、すぐ負けちゃうかも」という、ふざけた回答が。
・無駄な時間を過ごした怒りから、やみ子さんは花子さんに決闘を挑むことに。ところが決闘を嫌がる花子さんに、やみ子さんが詰め寄ると鼻を鳴らしてうっとりとした表情を見せる。
・もしや電話は正しかったのかと、やみ子さんは花子さんに抱き着いてみる。花子さんは夢中で匂いを嗅いで「このままじゃ負けてしまうわ♥」などと言い出す。
・花子さんが匂いに夢中な姿を見て、やみ子さんは気分がよくなり、胸に顔を埋めたり、甘い吐息を吐きかけたり、腋に顔を挟んだりして徹底的に花子さんをやっつける。
・最後は足で挟むようにして下着に顔を埋めさせ、とろとろになった花子さんにトドメのキス。花子さんは「やみ子様の勝ちですぅ♥」と腰をヘコつかせて敗北甘媚びし、やみ子さんは完全勝利する。
・その後、花子さんは敗者の証として、やみ子さんにご奉仕するため共に暮らすようになり、首輪をつけて上下をわからせた花子さんと共に、やみ子さんは悪霊退治を続ける。
・花子さんは時どき、何処かからかかる電話で相談を受けているのだが、やみ子さんは特に気にせず、自分以外にかまける花子さんへ“しつけ”するのであった…。