「はい、じゃあテスト返していくぞー。あんまり騒がないようにな」
教壇の上に立った男性教師が教室の中を見渡しながら声をあげる。
「やべぇよ、俺勉強してなかった...」
「俺も...」
「お前らのその言葉はマジだから安心するぜ...」
ガヤガヤ...ガヤガヤ...
教師の言葉に手応えが悪かった生徒たちは恐れ戦いていた。
「じゃあまずアインから〜...」
アルファベット順に生徒が呼ばれ、答案用紙を受け取った生徒は赤字で書かれた数字に一喜一憂の様子。
「っしゃあ!耐えた!赤点回避〜!」
「うーん...やっぱりここ計算ミスしてたかぁ...」
「思ったより悪くなかった〜」
「死んだ...あーしの親にバレたから殺されるんだけど...」
「なんでお前はあんなに厳しい家なのにギャル出来てるんだよ」
ワイワイ...ザワザワ...
教師の最初の注意など、テスト返却というイベントを迎えた生徒たちは覚えていない。しかし教師も慣れたもので、多少の騒音には目をつぶりながらテスト返却を続けていく。
「前より点数上がってたじゃないか、頑張ったな.....ノンナ」
「はい」
教師に点数アップを褒められ嬉しそうに自分の席に戻る生徒と入れ替わりに、1人の女子生徒が教師の前に立った。
「いつも通り完璧だったな」
ノンナ、と呼ばれた少女に答案用紙を返却する際、教師はそのような一言を付け加える。それは彼女の点数を言っているようなもので、本来であれば他の生徒がいる前でそのような発言は褒められたものではない。
「やっぱりノンナは100点か〜」
「当たり前でしょ。てかそれ以外の点数取ってる時の方が珍しいよ」
しかし周囲にいた生徒たちはノンナが満点であったことを示唆されても特に驚いていなかった。それも当然だ。彼女の優秀さは既にクラスの誰もが知るところなのだから。
「次オルク〜。お前はもうちょっと凡ミスをだな...」
背後で次の生徒が教師から小言を貰っているのを聞きながら、ノンナは自分の席に戻る。
「ノ、ノンナちゃん...100点だったの?」
すると隣の席にいた少女が声をかけてきた。黒髪ロングの美少女なのだが少し下がった眉尻が儚げな、見る人によっては気弱に見えてしまう見た目をしている。実際その少女の正確は非常に大人しいものであり、本人の気性が容姿にも現れているのだろう。
「うん。でもメイちゃんもさっき先生に褒められてたね」
「うん...ノンナちゃんが勉強教えてくれたから...」
ノンナにメイと呼ばれた少女は少し恥ずかしがりながらも嬉しそうに答えた。ノンナとメイは小さい時の幼なじみであり、テスト前には互いの家で共に勉強するくらい仲がいい親友である。
「あぁ〜!やっぱりメイだけノンナに助けてもらってるぅ〜!」
その時、1人の少女がメイの背後から彼女に垂れかかってきた。
「きゃっ...!?シ、シーシャちゃん...!?」
メイに抱きつきながら「怒られる〜」と呻く少女はシーシャと言い、焼けた肌とショートカットが特徴的な快活そうな少女だ。運動神経抜群で陸上部のエースとして活躍する彼女だが、頭の出来はそれほど良くないようでよくテスト前には悲鳴をあげている。
「わたしも勉強教えてよ〜ノンナ〜」
「だってシーシャは一緒に勉強してもすぐ寝ちゃうじゃない」
ノンナはシーシャの訴えに苦笑してそう答えた。
「なに?委員長が勉強教えてくれんの?あーしも頼みたいんだけど」
シーシャの言葉に反応したギャルや他の生徒たちが周囲に集まり、ずば抜けて優秀なノンナの頭脳をあやかろうと口々に自分も自分もと騒ぎ始める。
「あわ...あわわ...」
意図せずノンナと共に人垣の中心になってしまったメイはどうすればいいか分からず目を回してしまう。シーシャは「なんか大事になっちゃったな...」と遅ればせながら自身の行動を振り返っていた。
「おいお前ら、授業始めるぞ。さっさと席に戻れー。あとノンナ、委員長だからって無理して全員の面倒を見る必要はないからな」
「横暴じゃん〜!ショッケンランヨウでしょー!」
「なら俺がゆっくり勉強を教えてやる。点数が悪かった者は今日補習だからな」
「「「「えぇぇ〜っ!?」」」」
いい笑顔を浮かべた教師の無慈悲な言葉に、ギャルを含めた点数の悪かった生徒たちから悲鳴があがる。
「ひぇぇぇ...!?」
その中には頬に両手を当て絶望の表情を浮かべたシーシャの姿もあった。
「ほら!授業の終わりが延びるぞ!さっさと座れ!」
手を叩きながら着席を促す教師の言葉に、ノンナの周りにいた生徒たちは蜘蛛の子を散らすように自分の席に戻っていく。
キーンコーンカーンコーン...
今日最後の授業が終わる鐘の音が聞こえてくる。それを聞いた生徒たちはいっせいに荷物を片付け始め、ある者は友人の元へ、ある者は放課後の部活動の準備へ向かうため教室を出ていく。
「ノ、ノンナちゃん...今日の"魔法クラブ"はいつまで...?」
ノンナが教科書とノートを片付けていると、席が隣であるメイが放課後の部活動について聞いてきた。
「今日は18時くらいまでかなー。メイちゃんの方は?」
裁縫部に所属しているメイにノンナが予定を聞き返す。
「私は今日作りかけのマフラーを終わらそうかなって...多分ノンナちゃんの時間に合わせられると思う...」
「そっか。じゃあ一緒に帰れるね」
「うぇぇぇん...2人とも部活行くのぉ...わたしも部活行きたぁい...」
ノンナとメイが待ち合わせ時間を話していると、補習組のシーシャが暗い顔をしながら現れた。体を動かすのが大好きな彼女にとって部活動で走り回れないというのは辛く、更にその代わりが苦手な勉強ということもあって憂鬱で仕方ないようだ。
「あはは...まあ今日は仕方ないよ」
「が、頑張ってシーシャちゃん...」
ノンナとメイは嘆くシーシャを見て苦笑しつつ口々に彼女のことを慰める。そして教室に残るシーシャに別れを告げ廊下に出ると、軽く手を振り合ってそれぞれの部活へ向かう。
ガラララ...
「あ、部長。お疲れ様っす」
ノンナが魔法クラブの部室がわりになっている教室のドアを開けると、既に中にいた女子生徒が挨拶してきた。
「オルカ、もう来てたのね。今日は新聞部の活動はいいの?」
「はい!最近はいいネタがなくてあんまり記事が書けないっすからー」
ノンナにオルカと呼ばれた女子生徒はあはは...と頭をかきながら笑う。すると彼女のチャームポイントである犬歯がチラリと見えた。彼女はノンナの一学年下の後輩で、魔法クラブと新聞部を兼部している。小柄な性格と記者向きな社交的な性格も含めて人懐っこい犬っぽさを感じさせ、広い交友関係を持つ女子生徒だ。
ガラララ...
「2人とも揃ってるわね。待たせてごめんなさい」
ノンナとオルカが話していると再び教室の扉が開き、この学校の教師の1人であるサクヤ先生が姿を現した。
「サクヤ先生、こんにちは」
「こんにちはっすー」
2人は魔法クラブの顧問である女教師に会釈する。魔法の素養というのは誰もが持っているものではなく、魔法クラブの関係者はこの教室にいる3人だけだ。
「今日の活動を始めたいのだけど、その前に...ノンナさん、今日のテストも満点だったってスヴェート先生から聞いたわよ。よく頑張ったわね」
「ありがとうございます」
ノンナのクラスの副担任でもあるサクヤ先生は昼間返却されたテストのことを話題に出し、勉学にも励んでいる優秀な教え子を手放しに賞賛した。ノンナもサクヤ先生の言葉に笑顔で返す。
「それと、オルカさんは今日の授業で居眠りしてたって聞いたけど?」
キラリ...
すると今度は「すごいっすねー」と相槌を打っていたオルカの方へ視線が向けられた。サクヤ先生がかけている眼鏡のレンズが光る。
「ひぇっ...流れ弾っす...」
まさかいきなり尖った矛先が向けられると思っていなかったオルカは、「昨日ネタ探しで夜遅くまで雑誌読んでて...」としどろもどろな様子で言い訳を始める。その姿は愛嬌があり、サクヤ先生も苦笑して「次から気をつけるのよ?」と一言注意するに留まった。
「はいっ!」
オルカが胸を撫で下ろし元気よく返事をする。このやり取りだけでも彼女の人付き合いのうまさがよく分かるものだ。
「それじゃあ魔法の練習の方へ入りましょうか」
そしてサクヤ先生の一声によって魔法クラブの活動が始まる。
「...いつ見ても素晴らしい魔法制御ね...」
サクヤ先生が感嘆のため息をつく。教室の中にはいくつもの光球が浮かんでおり、その中心にはそれらを制御するノンナが佇んでいた。
「.........」
ノンナはサクヤ先生の言葉に反応する余裕はないようで、額にうっすらと汗を浮かべながら集中した様子で光球を維持し続ける。もしこれを魔法の有識者が見れば、まず浮かぶ光球の多さに驚くことだろう。ノンナが行っているのは魔法の基礎的な訓練としてよく用いられるものだが、光球の数は1度に使用出来る魔力の量を表している。彼女の周囲に浮かぶ光球は一般的な魔法使いの数倍の量だった。
ボボボ...
ブォォ...
さらによく見れば、浮かんでいる光球のいくつかには炎や風を纏っている。これほどの数の光球を維持しながら属性付与まで行うなど、波の魔法使いには逆立ちしても出来ない芸当だ。専門職ではないものの魔法教育を受けたサクヤ先生は、天才としか形容しようのないノンナの才能を眩しそうな目で見つめる。
「ノンナさん、やっぱり魔法学園に進学するべきよ。あなたなら絶対に通用する...ううん、首席すら狙えるわ」
「そ、そうですか?」
魔法を解いたノンナはサクヤ先生からそう言われ、少し照れた様子で返事をした。満面の笑みで実力を褒められ満更でもない様子だ。
「ノンナさんならこの都市の推薦枠に入れると思うわ。必要なら推薦状も書くからいつでも言って」
「魔法学園かぁ...1回家族と相談してみます」
そこまで言ってもらえるのであれば、最初はお世辞と受け取っていたノンナも魔法学園への進学を真剣に考慮し始める。
「部長!サクヤ先生!見て欲しいっすー!」
その時、教室の中にオルカの元気な声が響いた。
「オルカ、どこにいるの?」
キョロキョロ...
ノンナは声がした方向に振り向くがそこにオルカの姿ははなく、どこに隠れているのだろうかと辺りを見渡してみる。しかし整頓された教室には物陰があまりなく、いかに小柄なオルカと言えど隠れるのは難しそうだが...
「まさかオルカさん...」
しかしオルカを探すノンナと違い、サクヤ先生は一点を見つめながら驚いた表情を浮かべる。
「ぷはぁっ!苦しいっすー!」
すると先生の視線の先にいきなりオルカの姿が"現れた"。
「本当に透明化魔法を使っていたなんて...これは凄いことよ!オルカさん!」
ガシッ!
サクヤ先生は興奮した様子でオルカの肩を掴む。
「えへへ...これでどこにでも取材行き放題っす!」
オルカは得意そうに鼻の下を擦りながら、透明化魔法の使い道を想像しグヘヘ...と笑みを浮かべた。
「オルカさん?まさか私が教えた魔法を悪用しようとしてるわけないわよね?」
ググ...
サクヤ先生はオルカの肩に置いた手に力を込め、迫力ある笑顔を向けてくる。
「ひぃぃ...!?ま、まさかぁ...そんなことするわけないじゃないっすかぁ...」
ブンブンと勢いよく首を横に振るオルカ。自分で墓穴を掘ってしまった彼女は、先輩であるノンナに視線を向け無言のまま助けを求めてくる。
(部長ー!フォローしてくださいっす!)
ノンナはオルカの意図に気づき、おっちょこちょいな後輩に苦笑しつつ助け舟を兼ねてサクヤ先生へ声をかけた。
「そういえばサクヤ先生。パーシー先生はいつ戻ってこられるんですか?」
「ん?あぁ、そういえばあなた達にはまだ言ってなかったわね」
質問を受けたサクヤ先生はオルカの肩から手を離しノンナの方へ向き直る。後ろでは解放された両手を合わせて拝んでいる。
「パーシー先生は明日から復帰されるそうよ。しばらく体調を崩されてたみたいだけど良くなったみたい」
パーシー先生はノンナたちのクラスの担任の教師だ。サクヤ先生より少し年上の女性で、サクヤ先生も真面目な雰囲気の美人なのだがパーシー先生も金髪をした美しい顔立ちの女性で、生徒たちとの距離が近い気さくな性格もあって非常に人気がある。しかしここ数日は体調不良のため出勤してきておらず、ノンナを含めた生徒たちは寂しがっていたのだ。
「それはみんな喜びますね!...あっ、サクヤ先生が嫌とかいうわけじゃないですよ!?」
ノンナはパーシー先生の復帰に喜ぶが、サクヤ先生の前では失礼だっただろうかと慌ててフォローの言葉を付け加える。
「そんな風に受け取ってないから大丈夫よ。私としてもパーシー先生の復帰は凄く嬉しいもの」
パーシー先生が戻ってくるという良い情報をGET出来たノンナは、後でメイちゃんにも教えてあげようと思いながら魔法の練習を再開した。その後オルカの透明化魔法が息を止めている間しか発動しないという変な癖が発覚するなどいくつかの出来事はあったものの、無事魔法クラブの活動を終えることできたノンナは裁縫部の活動を終えたメイと共に帰路へつく。道中パーシー先生が明日から戻ってくることを伝えると、メイはノンナの予想通り大人しい反応ながら喜んでいた。
「ただいまー」
ガチャリ...
「あ、お姉ちゃん。おかえりー」
ノンナが家に帰ると、ちょうど玄関にあがるところだった少女が出迎える。ツインテールをしたノンナとくよく似た顔立ちの少女だ。
「ハルノも帰ってたんだ」
ノンナは同じ中等部に通う2歳下の妹に声をかける。
「2人ともおかえりなさい」
するとリビングの方からエプロンをつけた女性がパタパタ...と玄関に向かってきた。ノンナとハルノの母親であるエノラで、美人姉妹と近所や学校で有名なノンナたちを産んだだけあり、年齢の劣化を感じさせない妙齢の美女という風貌をしている。
「あれ?お父さんもう帰ってきてるの?」
革靴が1足揃えて置かれているのを見つけたノンナが母エノラに尋ねた。
「えぇ。今日は早く仕事が終わったそうよ。久しぶりに家族みんなで食事が取れるわ。上がったら手を洗ってきてね」
珍しく夫の帰宅が早いことに上機嫌なエノラは笑みを浮かべながら娘たちにそう言う。
...シュゥー...
するとリビングの方から鍋の音が聞こえ、「いけない!」と呟きながら母親はリビングに戻っていく。顔を見合わせたノンナとハルノは靴を脱いだあと綺麗に揃えると、言われた通り洗面所で手を洗ってからリビングに足を踏み入れた。
「ノンナ、ハルノ、おかえり」
2人が部屋の中に入ると、リビングの椅子に座り本を読んでいた男性が話しかけてくる。ノンナとハルノとよく似た目をした穏やかそうな男性だ。
「お父さん、ただいま」
「お父さんもおかえりー」
ノンナとハルノは父親の向かい側に座る。男性はパタン...と本を閉じ、普段はなかなか取れない娘たちとの会話を楽しむ。父を尊敬している2人は思春期特有の反抗的な態度も見せず、最近学校であったことを笑顔で話した。
「あ、そういえば今日サクヤ先生から魔法学園に進学してみないかって言われた」
「ほう?確かノンナの副担任の先生だったね」
「うん。昔魔法学園で勉強してたんだって。この都市からの推薦枠も狙えるから、必要なら推薦書を書いてくれるって言ってたよ」
「お姉ちゃんの魔法ってそんなにすごかったの?」
ノンナは魔法クラブでサクヤ先生と話した内容を家族にも伝える。魔法学園はここからかなり離れた場所にある学校だが、その名はこの都市でも通用する程の名門校だ。
「でも魔法学園に進学したら、寮生活になるってことじゃない。ちょっと心配だわ...」
テーブルに料理を運んできたエノラが眉尻を下げながら会話に参加してくる。専業主婦である彼女は少し過保護なところがあり、ノンナが親元から離れて生活することに不安を感じているようだ。
「仕方ないさ。いつかはしなければならない事だからね。高等部への進学というのはいい機会になるかもしれない」
父親はエノラのことを宥め、微笑みながらノンナへ視線を向ける。
「お金のことは心配しなくていいよ。ノンナが挑戦したいと思うならやってみなさい。もちろん無理に行く必要はないから、地元の学校に行くというのも全然構わない」
娘の自主性を尊重する優しい言葉にノンナの心が温かくなる。
「ありがとう、お父さん」
「お姉ちゃんいなくなるかもしれないのかぁ。寂しくなるなー...」
姉と仲がいいハルノはノンナとしばらくの間会えなくなるかもしれないということを聞き、寂しそうに呟く。
「まあ、まだ決まったわけじゃないから」
「そうね。せっかく作った料理が冷めちゃうから、お話は食べながらにしましょう」
ノンナの言葉を受け、母エノラが食事の開始を提案した。机の上には料理上手な彼女が作ったご馳走がいくつも並んでいる。
「美味しそうだね。それじゃあいただこうか」
そうして仲睦まじい一家は温かい手料理に舌鼓を打ちながら家族団欒を楽しむのだった...
〜次の日〜
その日の朝、委員長であるノンナからもたらされた情報はクラスメイトたちを騒がしくした。パーシー先生復帰の知らせは瞬く間に教室中に広がり、チャイムがなった後金髪の女性が教室の中へ入ってくると、生徒たちの歓声を持って受け入れられる。
「みんな❤おはよう❤」
「「「「「「.........」」」」」」
しかし、ノンナを含めた生徒全員はパーシーが挨拶をした瞬間静まり返ってしまう。教師への反発も多い年頃の子供たちが慕うほどの良い先生が帰ってきたのになぜだろうか。
「しばらく来れなくってごめんね❤」
ムチ...❤タプン...❤
それはパーシー先生の姿、声、仕草全てが艶と色気に溢れていたからだった。以前より少し露出度の多くなった服は魅力的な肢体が映えるように計算して着崩されており、吐息の混じった声は性経験に乏しい少年少女の背筋をゾクゾク...❤と震わせる。男子はシャツの開いた胸元から見える谷間に釘付けになり、女子もパーシー先生から目が離せない状態だ。
「あ、あの...パーシー先生...?ご復帰おめでとうございます...」
副担任として後ろで見守っていたサクヤ先生も戸惑った様子で、休みの前後で一気に雰囲気の変わったパーシーに恐る恐るといった様子で声をかける。
「サクヤ先生も迷惑かけたわね❤フォローしてくれてありがとう❤」
ニコリ...❤
パーシー先生はサクヤ先生に対して微笑みながら感謝の言葉を告げた。しかしその笑みは同業の女性に向けるにしてはあまりにも淫靡なもの。
「このホームルームで皆にお知らせがあるの❤今日以降の放課後についてです❤」
呆気に取られている生徒たちを見渡し、パーシー先生はそのようなことを言い出す。
「これまで私は皆に歴史を教えてきたけど、教育の多様性という観点から試験的に道徳も教えることになりました❤なので皆には今日の放課後から数人ずつ私と一緒に道徳の勉強をしてもらいたいの❤」
「えっ...?」
「放課後も授業するってこと...?」
ザワザワ...ザワザワ...
パーシー先生の言葉に教室の中が騒がしくなる。部活動に励む生徒も多い中、放課後の時間を拘束されるというのはいかに慕っている先生との授業と言えど好ましくない。
「あの、パーシー先生...私はそのような話聞かされてないのですが...」
サクヤ先生もそのような話は聞いておらず、思わず手を挙げてパーシー先生に質問する。
「ごめんなさい❤急に決まったことだったから❤ちゃんと校長先生から許可は取ってるから安心して❤」
「...そうですか...分かりました」
しかしパーシー先生は校長先生も知っていることだと返し、そう言われればサクヤ先生もこの場では黙るしかない。
「パーシー先生〜わたし陸上部の練習あるんだけど〜」
すると陸上部のエースとして活躍するシーシャが苦言を呈した。3年生最後の大会も近づいてきているため、練習時間を削られたくないのだ。
「できる限り部活動の時間は配慮するわ❤数人ずつに分けてやるから、全員今日受けてって訳じゃないわよ❤」
「うーん...」
パーシー先生はそう言うが、まだシーシャは納得いっていない様子。すると教卓の前に立つ女教師は胸の前で手を合わせ生徒全員に向かって"お願い"した。
「急な話で皆が驚くのは無理もないと思うけど、私のためと思って協力して欲しいの❤ここ最近は生徒一人一人と話す時間もあまり取れてなかったから、先生と雑談するぐらいの気持ちで❤ね?❤」
タプン...❤
拝みながら可愛らしい様子で頼んでくるパーシー先生。僅かに揺れた体の動きに合わせ、手が前に来たことによって強調された胸が小さく震える。
「「「「「「.........っ!?❤」」」」」」
女教師の美しく淫らな姿は、男女問わず生徒たちの脳裏にあられもない妄想を抱かせた。
「ま、まぁそういうことなら...」
「仕方ない...よね...?」
元々人望に厚いパーシー先生にお願いされ、生徒たちは顔を見合せながら頷いていく。同調圧力によってそれはクラスの全体に広がっていき、ノンナやメイ、反対していたシーシャまでもがいつの間にか首を縦に振ってしまっていた。
「ありがとう、皆❤それじゃあ今日の放課後に残って欲しい子の名前を言うわね❤」
パーシー先生は生徒たちに礼を言うと、まず1人の女子生徒の名前を呼ぶ。
「あーし?」
それはテストで騒いでいたギャルだった。
「お前は道徳が足りてないと思われたんだろ」
ギャルの近くに座っていたお調子者の男子生徒がすかさずからかいの言葉をかける。
「はぁ!?お前の方がねーだろ!」
その言葉に反応したギャルが額に青筋を浮かべ、失礼な男子生徒に売られた喧嘩を買おうとした。
「こらこら❤喧嘩しないの❤今のは失礼な発言よ❤罰としてあなたも前倒しして授業を受けなさい❤」
「......っ!?❤」
「えっ...!?あ、はい...すいません...❤」
しかしパーシー先生に宥められた2人は、その色気溢れる微笑みを向けられ挙動不審になってしまう。その後も2人の生徒の名前が呼ばれ、初回の授業は合計で4人が選ばれた形になる。
「じゃあ呼ばれた4人は今日の放課後指定された教室に行ってね❤逆に他の子達は自分の番が回ってくるまで放課後その教室には近づかないように❤」
パーシー先生は最後にそう注意すると颯爽と教室から出ていく。
「な、なぁ...パーシー先生めちゃくちゃ雰囲気変わってなかったか...」
「なんていうか...エロかったよな...」
「俺ちょっとヤベェわ...」
先生がいなくなるなり、男子生徒がコソコソ話を始める。一部は前屈みになってしまっており、股間の膨らみを隠す為に必死のようだ。本人たちは隠しているつもりなのだろうが、興奮を伴った彼らの声はそこそこ大きく女子たちにも聞こえてしまっている。
ドキドキ...❤ドキドキ...❤
普段であれば女子たちは「さいってー...」と男子に蔑みの視線を向けるだろうが、今日のパーシー先生に限っては彼女たちも男子の気持ちが理解出来てしまった。心臓の鼓動は僅かに速くなっており、胸に手を当てる女子生徒までいる始末だ。大人のサクヤ先生ですら手のひらにうっすらと汗をかき緊張した様子なのだからそれも無理はない。
ザワザワ...ザワザワ...
「な、なんかパーシー先生いつもと違ったね...?」
「そうだね...」
幼なじみのメイに話しかけられたノンナは、相槌を打ちながらパーシー先生の姿を思い出す。
ドクン...❤
脳裏に鮮明に焼き付いたパーシー先生は非常に美しく、同じ女として憧れと羨望を抱かずにはいられない。しかし同時にノンナの中で別の何かが心の奥底で湧き上がってくる。
「...ナちゃん...ノンナちゃん?」
「っ!?な、なに?どうかした?」
「え...?いや、ノンナちゃんが何か考え込んだ様子だったから...」
いつの間にかボーッとしてしまっていたノンナはメイから名前を呼ばれていることに気づかなかった。ノンナは慌てた様子て返事をしたが、メイが心配そうに彼女の顔を覗き込んでくる。
「ごめんね。ちょっと疲れてたかも。何ともないから...」
心配をかけたとメイに謝罪するノンナ。しかし彼女の頬は少し赤くなってしまっている。
(私、何考えてたのよ...!?)
それもそのはずだ。うら若き少女の頭の中では担任である金髪美女の裸体が想像されていたのだから。
ブンブン...!
ノンナは訳の分からない妄想を振り払うように頭を振る。その時ちょうど一限の教科を担当する教師が教室のドアを開け、騒がしい生徒たちといつまでも残っているサクヤ先生にどうしたのかと尋ねてきた。生徒たちは水を打ったように静かになり、サクヤ先生は慌てて自分の担当クラスへ走っていく。少年少女はパーシー先生の妖艶な姿を頭の片隅に残したまま、教卓の前で話し始めた教師の授業を聞くのだった...
「あーあ、今日買い物行きたかったのに〜」
「明日どんな感じだったか言うわ!楽しみにしとけよー」
放課後になり、指名されたギャルとお調子者の男子、その他2人の生徒が指定された教室へ向かう。ノンナを含むクラスメイトたちは自然と彼らを見送る形となった。
「...やっぱり陸上の練習時間が減るのは嫌だなー」
4人を見送ったあと、シーシャがポツリとそう呟く。彼女の声が聞こえたクラスメイトの中には数名その言葉に頷いている者もおり、放課後の道徳授業については否定的な意見を持っているのはシーシャだけでないことが分かる。
「まあ仕方ないよ。パーシー先生にも何か考えがあるんだろうし」
委員長であるノンナは教室の中で僅かに生まれた負の空気を緩和するため、難しい顔をしたまま腕を組んでいるシーシャに声をかけた。しかしその言葉はその実シーシャだけでなく全体に向けられたものであり、実際クラスで人望のあるノンナがそう宥めたことで、否定的な意見を持っていた者たちも「委員長が言うなら...」と消極的に道徳の授業を受け入れる姿勢を見せる。
「それに、ちゃんと私たちの予定と調整してくれるって言ってたじゃない。それが上手くいってなかったらまたお願いすればいいんじゃないかな」
「そっか。そうだよね...全くもう、パーシー先生も私たちと喋りたいだなんて寂しがり屋だなー」
シーシャもノンナのフォローによって納得したようだ。おどけた様子の彼女に、クラスの中から笑い声が起こる。話がまとまったことでクラスの雰囲気は和やかなものとなり、生徒たちはそれぞれ教室を出ていく。
〜次の日の朝〜
いつもと同じようにメイと共に登校してきたノンナ。しかし教室の前まで行くとクラスメイトたちが入り口近くに集まっており、教室の中を見ながら困惑した様子だった。
ザワ...ザワザワ...ザワ...
「...?どうしたの、みんな」
メイと顔を見合わせたノンナはクラスメイトの不可解な行動に首を傾げ、何をしているのかと尋ねる。
「あ、ノンナ。見てよあれ...」
すると集団の中にいたシーシャがノンナの声に気づき、眉をひそめながら教室の中を指差した。
「....?うん....えっ!?」
ノンナはシーシャの指先を追って中を見る。そしてその光景を見た彼女は驚きの声をあげた。
「それでさぁ❤」
「えー❤うそー❤」
教室の中ではギャルともう1人の女子生徒が楽しそうに会話している。2人とも昨日パーシー先生の放課後授業に呼ばれた生徒だ。仲がいいという印象はない彼女たちだったが昨日の放課後で意気投合したのだろうか。しかしノンナを含めたクラスメイトたちが驚いたのは別のところにある。
「あっ❤あっ❤」
「......っ❤ 」
なんとギャルと女子生徒の足元にはそれぞれお調子者の男子ともう1人の男子生徒が四つん這いになり、彼女たちの"椅子"として使われていたのだ。プルプル...と震える彼らは時折声を漏らしているが、その声には何故か喜びの色が混ざっている。
「あれ❤みんな来てんじゃん❤なんで入ってこないの❤」
同級生が同級生に座られている、という異様な光景に絶句していたクラスメイトたち。しかしギャルが入り口に集まる皆に気づき、手を挙げながら明るく声をかけてきた。
タプン...❤ユサ...❤
するとその動きに合わせ、女性らしい膨らみを帯びてきた胸が艶めかしく揺れる。まさか下着をつけていないのだろうか。
「「「「「.........っ!?」」」」」
ギャルの昨日までと明らかに違う雰囲気にノンナを含むクラスメイト達は呑まれてしまう。それはギャルだけでなくもう1人の女子生徒もそうだ。今の彼女たちは年齢に対して過剰な妖艶さを放っていた。
「みんな、どうかしたの?」
「ふふっ...❤」
その時、生徒たちの背後からサクヤ先生が声をかけてくる。同時にパーシー先生のクスリ...❤と笑う声も。
「っ!?ちょっとあなたたち!何してるの!?」
生徒が見つめる教室の中の様子を確認したサクヤ先生は大声をあげ、ギャラリーの人垣をかき分けながらギャルたちの元へ向かう。
「サクヤ先生❤落ち着いて❤」
スッ...❤
しかしパーシー先生が肩をつかみそれを止めた。
「いや、流石にあれは...!」
「そんなに興奮したら生徒たちが怯えちゃうわ❤ほら、まずはゆっくり深呼吸しなさい❤」
「は、はい...」
スゥゥゥゥ......❤
サクヤ先生はパーシー先生から生徒に言い聞かせるような優しい声色で諭され、鼻からゆっくりと息を吸い込む。
フワァァァァァ......❤
すると彼女の鼻に甘ったるい香りが侵入してきた。パーシー先生の香水の匂いだろうか。
「.........っ❤」
ズクン...❤ズクン...❤
その香りを嗅いだサクヤ先生の体は、彼女自身も気づかないうちに少しずつ熱を帯びていく。
(あ、あれ...?何だか頭がボーッとして...)
クラ...❤
スンスン...❤スンスン...❤
いつの間にか気持ちを落ち着かせるための深呼吸は、匂いを吸い込むための行動へと変わっていた。サクヤ先生はだんだんとぼやけていく思考の中、鼻を鳴らして甘い香りを嗅ぎ続ける。
「...ヤ...生❤...サクヤ先生❤」
「っ!?はいっ!」
パーシー先生に声をかけられたサクヤ先生は、ハッと我に返った。
「あの子たちへの注意は私に任せて欲しいわ❤いいかしら❤」
「えっ...?わ、分かりました...」
(なんで私パーシー先生の声を聞いてこんなにドキドキしてるの...?)
ドクン...❤ドクン...❤ドクン...❤
サクヤ先生はパーシー先生の提案を受け入れながら、何故か高鳴っている自身の胸に手を当てる。
「ありがとう❤」
パーシー先生はサクヤ先生の肩を優しく引き位置を交代すると、教室の中へ入っていく。ノンナたちはその様子を固唾を飲んで見守る。パーシー先生がギャルたちに話しかけているようだが、それぞれがにこやかな表情をしているということが分かるものの声までは聞き取れない。
「はーい❤すいませんでした〜❤」
しかし数回言葉の応酬が行われたあと、ギャルは笑いながら謝罪の声をあげた。その場で立ち上がってお調子者の上から退くと、彼女に倣うようにもう1人の女子生徒も男子生徒を解放する。
「みんな入ってきなさーい❤そろそろホームルーム始めなきゃね❤」
「「「「「.........」」」」」
パーシー先生に手招きされ、生徒たちはゾロゾロと教室の中へ入っていった。
(なんの説明もないの...!?)
さっきのあれは何だったのか説明が欲しいというのがノンナの正直なところだったが、パーシー先生は全員が着席したのを確認するとそのまま朝のホームルームを始めてしまう。今日の連絡事項の確認、授業の変更等いつもと同じような話が続き、いっこうに先程の出来事については触れない。連絡が一通り終わると、パーシー先生はグルリと生徒たちの顔を見渡した。
「それと、今日の放課後の授業を受けてもらう人は...❤」
そして放課後の道徳授業を受ける生徒の名前を読み上げる。今回は男子生徒2名、女子生徒3名の合計5人のようだ。
「あの、先生。今日私早く帰りたいんですけど...」
すると名前を呼ばれた1人の女子生徒が少し言いづらそうに手を挙げる。その子にはかなり年の離れた弟がおり、今日が5歳の誕生日だったため家族で祝うための準備をしに帰りたかったのだ。
「いや、絶対受けたほうがいいよ❤そんなに時間かかんないし、マジで人生変わるから❤」
「えっ...?」
しかし近くの席に座っていたギャルがその女子生徒に向かって放課後授業を受けるべきだと言い始める。
「そうね❤時間もそれほど取らないと思うし、この授業はみんなに是非受けて欲しいものなの❤どうしても駄目だったら途中で抜けてくれて構わないから、ちょっとだけでも参加してくれたら嬉しいわ❤」
「うーん...じゃあ、ちょっとだけなら...」
更にパーシー先生が"途中で帰宅しても良い"という発言をしたため、その女子生徒はそういうことなら...と授業への参加を了承した。
「ありがとう❤一緒に"勉強"しましょう❤じゃあ朝のホームルームはこれで終わります❤」
パーシー先生は女子生徒に微笑みかけるとホームルームの終了を告げた。
「ほんとにすごかったよっ❤」
「マジ最高だったっしょ❤あーしも受けた時はやばかったもん❤」
「うん❤結局最後までいちゃった❤"あんなくだらないこと"のために帰らなくて良かったよ〜❤教えてくれてありがとう❤」
次の日、教室の中では件の女子生徒とギャルの間でそのような会話が繰り広げられていた。ノンナを含む他の生徒たちは放課後の授業を受けた生徒たちの異変を感じ取り、不安や疑念を内心に抱えている。しかし弟思いの姉が誕生日を祝うことを「くだらないこと」と切り捨てた異常事態にまでは気づけない。
「みんなおはよう❤それじゃあ朝のホームルームを始めましょうか❤」
不穏な空気が流れる教室。そんな中パーシー先生が教壇に上がりいつもと同じようにホームルームを始める。そして最後にまた5人の生徒の名前が呼ばれた。
「ほんとこれまでの人生損してたんだって気づいちゃった❤」
「ほんとにそう❤パーシー先生には感謝してもしきれないよね❤」
クラスの半数以上が道徳授業を受けた頃、教室の中では授業を賛美する声がそこかしこからあがるようになっていた。授業を受けた者とそうでない者を見分けるのは簡単だ。授業を受けた女子生徒は以前より明らかに魅力が増しており、男子生徒はそんな女子生徒にへりくだっている。
「あーし喉渇いたんだけど❤」
「はいっ❤いちごミルクでよろしいでしょうか❤」
今もギャルが暗に飲み物が欲しいと言っただけで、お調子者だった男子生徒が自販機に向かうため教室を飛び出していく。ギャルをからかうことも多かった彼は、今や従順な"パシリくん"としてギャルに良いように使われていた。
「ちょっと流石にあれは良くないよ」
その現場に出くわしたノンナは眉をひそめながらギャルに注意する。
「え〜❤なんでよ❤あいつも喜んでるじゃん❤」
「それは...」
しかしギャルにそう言い返され、ノンナは言葉を詰まらせてしまった。そう、何故か男子生徒たちは女子生徒に使われると嬉しそうな顔をするのだ。虐げられているというよりは奉仕、献身という言葉が当てはまる彼らの様子にノンナも強い反論が出来ないでいた。
「はぁ、はぁ...❤お待たせしました❤」
するとちょうどその時お調子者の男子生徒がパックジュースを持って教室の中へ駆け込んでくる。
「お、早いじゃーん❤」
ギャルは男子生徒から飲み物を受け取るとストローを刺してそのまま飲む。
ゴク...❤ゴク...❤
脈動する喉とストローに触れる唇が艶っぽい。男子生徒はギャルのことをうっとりと見つめ、ノンナも一瞬目を奪われてしまう。
「......っ!」
しかしノンナはギャルから視線を外すと異様な空気を醸し出す2人から逃げるように自分の席へ戻る。このようなやり取りがクラスの半分で行われているのだから、授業を受けていない生徒たちはノンナのように居心地が悪そうだ。
「ノ、ノンナちゃん...大丈夫?」
幼なじみであるメイもその1人である。彼女は豹変したクラスメイトたちに怯えながらも、疲れた顔を見せるノンナのことを気遣った。
「なんか嫌だよねー、最近の雰囲気」
シーシャもノンナとメイの近くに来ると、小さな声でそう囁く。あまり大々的に言うと喧嘩が起こりそうな空気が今の教室には流れていた。
「今日魔法クラブの活動があるから、サクヤ先生に相談してみようと思うの」
ノンナは副担任であるサクヤ先生の名前を出す。この件について直接話したわけではないが、サクヤ先生もこの状況を良くないと感じているのは明らかで、目に余る行動に対して注意することが増えていた。彼女に相談すれば現状を打破する方法が見つかるかもしれない。
「はーい❤みんな席について〜❤」
そんな話をしているとパーシー先生が教室に入ってくる。シーシャはじゃ、と軽く手をあげて自分の席へ戻り、ノンナとメイは着席したまま前を向く。
「今日の三限にあった私の歴史ですが、明日の数学と変更になりました❤ちょっとだけ出張があるの❤ごめんね❤でも放課後の授業は予定通り行うので安心してください❤」
パーシー先生は今日の連絡をスラスラと読み上げる。そして例のごとく今日の放課後に呼び出す生徒の名前に差し掛かると...
「メイさん❤」
「......っ!」
(メイちゃんが...)
親友の名前を呼ばれ、ノンナは隣に視線を向ける。
「わ、私...呼ばれちゃった...」
メイは不安げな目でノンナの方を見てきていた。
「シーシャさん❤」
「っ!」
するとその間にもう1人の友人の名前が呼ばれ、ノンナは再び反応する。メイは仲のいいシーシャが一緒なことに少しだけ安心したのか、ホッと胸を撫で下ろしていた。
「それでは名前を呼ばれた人は今日の放課後3階の306教室に来てください❤連絡は以上❤今日も一日頑張りましょう❤」
パーシー先生はそう締めくくると教室から出ていく。
「うわー。陸上部の練習が休みだったから今日かもとは思ってたけど...ほんとに呼ばれちゃったよ」
ホームルームが終わるなりシーシャがノンナとメイの元へやってくる。
「シーシャちゃんと一緒ならちょっと安心かも...」
「お、嬉しいこと言ってくれるじゃん!このこの〜」
メイの言葉にシーシャが反応し、いつものようにじゃれつく。
「.........」
友人たちの姿を見つめながら、ノンナは1人黙ったまま考え事をしていた。
(何か嫌な予感がする...でも、2人に行かないでって言うには理由がないし...)
パーシー先生の放課後の授業について疑いを持っているのはノンナだけではない。メイやシーシャを含め、多かれ少なかれ残された生徒は不信感を抱えている。しかし決定的な何かがあるかと言われればそのようなこともなく、結果としてノンナはメイとシーシャに注意した方がいいという抽象的な助言しか出来なかった。
〜その日の放課後〜
「サクヤ先生、ちょっと相談したいことがあるんです」
魔法クラブ用の教室でサクヤ先生と会ったノンナはそう切り出す。
「...だいたい言いたいことはわかるわ」
サクヤ先生はノンナの目を見て話の内容を察したようだ。
「あの、もしかしてジブンはどっか聞こえないところに言った方がいいっすか?」
真剣な雰囲気を感じ取ったオルカがおずおずとそう尋ねる。
「大丈夫。というよりオルカも聞いておいた方がいいかも」
ノンナはパーシー先生の「実験」という言葉を覚えており、この現象が他学年にまで及ぶ可能性を危惧していた。そのため後輩のオルカにも状況を理解してもらおうと自身のクラスの現状を事細かに説明する。
「そ、そんな大変なことになってたんすね..」
ノンナが一通り話し終えたあと、オルカは興味と不安半々といった様子で呟いた。新聞部の記者としては大スクープになる話題だが、性格が変わってしまうという話には恐ろしさを感じずにはいられない。彼女は怖い話は嫌いなのだ。
「今日は私の友達が2人呼ばれてて...」
「メイさんとシーシャさんね?」
サクヤ先生の言葉にノンナが頷く。
「とりあえず明日2人にどんな感じだったかは聞こうと思ってます。もし何か怪しいことをしていたら...」
「その時は任せてちょうだい。私が責任をもって職員会議で発言するわ」
サクヤ先生は言いづらそうにしているノンナの言葉を引き継ぎ、力強く首肯した。その頼もしさを見たノンナは不安が取り払われる。
「ジブンにも何か手伝えそうなことがあったら教えて欲しいっす!」
ピョンピョンッ!と小さな体で存在感を主張するためその場で軽く飛び跳ねたオルカも協力を申し出てきた。
「ふふっ...ありがとう」
可愛らしい後輩の様子に癒されたノンナの表情は緩み、状況が好転するという希望を持ち始める。
「失礼しまーす」
「し、失礼します...」
その頃、シーシャとメイはパーシー先生に指定された教室に他の生徒たちと共に訪ねてきていた。
ガララ...
「よく来てくれたわね❤さ、入って入って❤」
教室の扉が開きパーシー先生が顔を見せると、彼女は嬉しそうに笑みを浮かべシーシャたちを教室の中へ招き入れる。
ムワァァァァァァン...❤
「「「「「......っ!?❤」」」」」
教室の中へ入った瞬間、生徒たちはピンク色にモヤがかった空気に触れ甘ったるい香りを吸い込んでしまった。
「せ、先生...換気しませんか...?❤」
モジ...❤モジモジ...❤
シーシャはそう言いながら教室の奥にある窓の元へ行こうとする。メイを含めた他の4人は内ももを僅かに擦り合わせその場に立ちつくす。
「えっ...?」
しかしシーシャは教室の中にパーシー先生以外の人影があることに気づき声をあげた。部屋の香りに気を取られていたが、パーシー先生の他に2人の女性が部屋の中に佇んでいる。
「あら〜❤今日もまた可愛い子たちね〜❤」
1人目は艶やかな黒髪をした優しそうな女性。心が疲れている者であれば思わず甘えたくなってしまうような母性を纏っている。
「今日は女の子だけなのかしら❤」
2人目はドレスを着た上品な美女だ。大きく開いた胸元は非常に扇情的で、凹凸激しい抜群のプロポーションを際立たせている。メイクに彩られた顔は非常に整っており、同性であっても思わず見とれてしまう程に美しい。
「えぇ❤今日はナタリアさんが来てくれるってことだったから少し予定を変更したの❤やっぱり女子の方が少し難しいから❤」
ドレスを着た美女の質問にパーシー先生が笑顔で答える。彼女たちはパーシー先生のママ友であるサーシャとナタリア。それぞれ治癒士と大商会の夫人として生活しているはずだが、なぜ学校にいるのだろうか。
「あ、あの先生...この人たちは誰ですか?」
シーシャとメイと共に来ていた1人の女子生徒が不安げな表情を浮かべパーシー先生に尋ねる。いかに信頼している先生とはいえ、放課後の授業に見知らぬ女性がいるとは聞いていない。
ジリ...
生徒たちの体は僅かに後ろへ下がり、何かきっかけがあれば教室の外へ出ていきそうだ。
「大丈夫よ〜❤怖くないから、安心してその場でリラックスしてねぇ〜❤」
しかしそんな少女たちに黒髪美女サーシャが見た目によく似合う声で語りかける。まるで注射を嫌がる小さな子供をあやすような優しい声色だ。
「っ!?❤」
「あ、あれ...?❤」
カクン...❤
しかしその声を聞いたシーシャたちの体に異変が起きる。彼女達の体は"サーシャの言葉に従う"ように力が抜けてしまい、その場に立つのがやっとの状態になってしまった。
「あら❤サーシャさんったらそんなことが出来るようになってたの❤」
ドレス美女ナタリアがメイたちの様子を面白そうに見つめながらサーシャに尋ねる。
「えぇ〜❤声に魔力を乗せてるだけなんだけど、これをするとみんなもっと可愛くなるのよ❤」
サーシャはそう言って混乱した様子の女子生徒たちに微笑みかけた。まるで聖母のような慈愛に満ちた笑顔に、うら若き少女たちは心を乱されてしまう。
「パ、パーシー先生!これってどういうことですかっ!?」
シーシャは体の自由を奪われた状態になり、慌てて担任のパーシー先生へ声をかける。
「ごめんねシーシャ❤でもあなたもきっと分かってくれると思うわ❤女聖教の素晴らしさを...❤」
しかしパーシー先生から返ってきたのはそのような答えだった。どこか夢見心地なうっとりとした声に、シーシャは何とか首を動かしてパーシー先生の方を見る。
「っ!?!?❤」
そして視線の先にあった光景を見て彼女は絶句した。
「「〜〜〜〜〜〜っ❤❤❤」」
共に来ていたメイ以外の3人の女子生徒のうち、2人がパーシー先生に肩を抱かれている。
ギュウゥゥゥゥゥ...❤
そして彼女達の顔はパーシー先生の腋の中に閉じ込められており、顔を上にあげたままビクビクッ❤と体を震わせていた。
ムワァァァァァァァ...❤ムン...❤ムンムン...❤
(先生の匂いぃぃ❤好きぃぃぃぃ❤)
フスーッ❤フスーッ❤フスーッ❤フスーッ❤
(もっと欲しい❤もっと嗅ぐのぉ〜❤)
2人はパーシー先生の腋に顔を埋めたまま汗で蒸れた濃厚な腋臭をたっぷり嗅がされ、一瞬で堕ちてしまう。
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
性に興味を持ち始めた頃の少女たちに成熟した美女の肢体はあまりにも過激すぎる。女聖教への信仰によってより魅力を増したパーシー先生の体であれば尚更だ。強化されたフェロモンは生徒2人を瞬く間に性奴隷へ変えてしまった。
「んむぅぅぅぅぅぅ......❤❤❤」
フゴフゴ❤フゴフゴ❤
そして残る1人はパーシー先生の胸に抱きしめられ、豊満な乳房に顔を埋めくぐもった声をあげている。
ムニュゥゥゥゥン❤タプン❤ムチ❤
フワァァァァァァ...❤
柔らかな感触とミルクのような甘い香りに包まれ、女子生徒は赤ん坊の時の幸せを思い出してしまった。
フーッ❤フーッ❤フーッ❤
クンクン❤クンクン❤
ビクンッ❤ビクッ❤ビクビクッ❤
あっという間にパーシー先生の胸に魅了された彼女は自ら先生の腰に手を回し抱きつきながら絶頂する。
「積極的ね〜❤」
「自分の生徒だもの❤教え子に正しいことを教えるのが教師の役目よ❤」
3人の女子生徒を自身の体に溺れさせるパーシー先生は、サーシャの言葉にそう返す。彼女が浮かべる笑みは見たことがないほど蠱惑的なものだった。
「やぁぁぁぁ...❤」
するとその時、メイのいた方から彼女の小さな悲鳴が聞こえてくる。
「メイ!?」
その声に反応したシーシャが急いでメイの方へ顔を向けた。しかし体は言うことを聞いてくれず、友人を助けに行くこともこの場から逃げ出すことも叶わない。
「うふふ❤あなたすごく才能がありそうね❤きっといい"お仲間"になれると思うわ...❤」
いつの間にかメイに接近していたナタリアが後ろから彼女の体を抱きしめ、耳元でそう囁いた。元高級娼婦として様々な人物と関わってきた美女はメイに何かの素質を感じ取ったようで、吐息のこもった艶やかな声で少女のことを勧誘する。
クチュ❤クチュクチュ❤グチュリ❤
更に無理やり開かされているメイの股からいやらしい音が聞こえてきており、そちらに視線を向けるとナタリアの手がスカートの中へ侵入していた。部屋の中に充満した媚香によって既に興奮状態にあったメイは熟練の手つきで秘部を弄られ腰をガクガク❤と震わせている。
「お、お股触らないでくだしゃいぃ...❤」
「あらどうして?❤こんなにおまんこビショビショになってるのに❤この感じだと2日に1回はオナニーしてるわね❤大人しそうな見た目なのにエッチな子❤」
「ひゃぁぁぁぁ...❤」
メイはナタリアに自慰行為の頻度さえも見抜かれながら手マンされ続け、甲高い悲鳴をあげてしまう。
(こんなに気持ちいいの初めてだよぉぉ...❤もうダメぇぇ...❤)
「あぁぁぁぁぁっ...!?❤」
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
押し寄せる快楽に抗うことは出来ず、ついにメイは絶頂に達してしまった。背筋を硬直させ焦点の合わない目を彷徨わせながらその場で痙攣する。
「あ...❤あぁ...❤」
ジュン...❤トロ...❤
友人たちが次々と快楽に溺れる姿を見せつけられたシーシャはどうすることも出来ず、その場で股を濡らした。
その日の放課後、とある教室からは少女たちの甘い声が響き続けたという...
[newpage]
〜次の日の朝〜
「何かあったのかな...」
サクヤ先生とオルカと共に魔法クラブの練習を終えた次の日、ノンナは不安を抱えながら1人学校へ登校する。いつもであればメイと共に通学路を歩いているはずなのだが、メイの家を訪ねると彼女のお母さんから「あの子ならもう家を出たわよ?」と言われてしまった。用事や体調不良で共に登校できないことはあったものの、言いようのない胸騒ぎがノンナの心を騒めかせる。
「おはよう❤ノンナちゃん❤」
ノンナが教室に到着してすぐ、彼女へ朝の挨拶をかけてくる少女の声があった。
「っ!?お、おはよう...メイちゃん」
こちらに笑みを浮かべる幼なじみの少女の姿。しかしそれを見たノンナはそれがこれまで共に過ごしてきたメイとは全く違う。
「今日はごめんね❤シーシャちゃんが一緒に登校したいって言うから❤」
引っ込み思案だったメイは余裕の笑みを浮かべ、ハキハキとした様子でノンナに話しかけてくる。スカートを履いたまま足を組むその姿は自信に満ち溢れており、これまでの女子生徒たちと同じく淫靡な魅力を放っていた。
「ほら❤シーシャちゃんも謝らなきゃ❤」
「う、うん...❤ごめんね、ノンナ...❤」
更にメイは隣に立っていたシーシャに謝罪を促す。話を振られた彼女はいつもの快活さが鳴りを潜めており、どこかキョドキョドとした様子でノンナに謝ってきた。中身が入れ替わっていると言われても納得してしまうような2人の変貌に、ノンナは言葉を失う。
(やっぱりあの授業はおかしい...!2人に受けさせるべきじゃなかった...!)
ノンナは手を握って唇を噛み締めた。もっと自分が危機感を持っていればこの事態は防げたはず。クラスの中で浮いた存在になってしまうことを恐れ勇気を出せなかったが故にメイとシーシャはおかしくなってしまったのだ。責任と罪悪感がグルグルと全身を巡るままノンナの1日は終わる。
「女聖教ってほんとうに素晴らしいんだ❤ノンナちゃんも早く授業受けられたらいいね❤」
家に帰るまでの間、メイは目を輝かせながらノンナに女聖教の素晴らしさを語っていた。皮肉にも彼女がここまで能動的に話すのは幼なじみのノンナでも初めての経験である。さらにパーシー先生によってまた新たに4人の生徒が呼び出されており、今頃メイと同じように授業を受けているのだろう。
「じゃあまた明日❤」
「うん...」
ノンナは暗い表情のままメイと別れ帰宅する。父は出張でおらず、今日は母と妹3人で食卓を囲む。
「ノンナ、大丈夫?何だか元気がないみたいだけど...」
母のエノラがノンナのことを心配し、顔を覗き込んでする。
「何か学校で嫌なことでもあったの?」
妹のハルノも姉の様子がおかしいことは察知していたようで、エノラの言葉に同調してそう尋ねてきた。
「ううん。なんでもないよ」
ノンナは心配をかけないように無理に明るく振る舞う。今ここで相談しても解決には向かわない。そう思い自らの気持ちを胸の奥底へ沈めようとする。
「そう...あ、そういえば今日メイちゃんのお母さんが家に来たわ。もうすぐ近所でイベントがあるから行ってみないかって」
エノラはノンナの空元気に気づいていたが、それを無理に聞き出そうとは思わなかった。違う話題を出して空気が悪くならないように気遣う。
「へぇー、面白そうだね。なんのイベントなの?」
それに乗ったハルノがどんなものなのか尋ねる。
「なんだったかしら...名前を言ってた気はするんだけど忘れちゃったわ。詳しい話は明日してくれるみたいだから、その時聞いてみるわね」
ノンナはエノラとハルノの気遣いを理解し感謝しながらも、メイとシーシャ、そしてクラスの皆を元に戻すためにはどうすればいいのかを考えるのだった...
「はい❤じゃあ今日はここまで❤次回は小テストがあるからちゃんと勉強しておくようにね❤」
キーン...コーン...カーン...コーン...
チャイムの音と共にパーシー先生が授業の終わりを告げる。以前とは全く違う印象を漂わせる彼女だが、歴史の授業は非常に分かりやすいままだ。
「先生〜❤」
机の上でトントン...と資料をまとめるパーシー先生にギャルたち女子生徒が声をかける。放課後の授業を受けた生徒たちはむしろ変化する以前よりパーシー先生のことを慕うようになり、授業が終わったあともこうして話をしにいくようになっていた。
「.........」
ノンナはそれを横目に見ながら、教室を出ていくメイとシーシャの姿を確認する。
「ほら❤行こ❤」
「う、うん...❤」
メイがシーシャの手を引き、シーシャは顔を赤くしながらそれに従う。これまでからかっていた少女に対する態度とは思えないしおらしさだ。
(昨日も抜け出してたけど、どこに行ってるんだろう...)
クラスメイトたちを元に戻す決意を固めたノンナだったが、その方法については未だこれといったものを思いついていない。メイとシーシャを追いかければ何かヒントがあるかもしれないと思い、ノンナはこっそりと2人の後をついて行くことにした。
「もう待ち......ね...❤」
「......は......❤ 」
手を繋ぎながら廊下を歩くメイとシーシャ。主にメイが話しかけ、それにシーシャが恥ずかしそうに答える形になっているようだが、その中身までは聞くことは出来ない。
スッ...
すると2人は廊下を曲がり、後をつけるノンナからは姿が見えなくなる。
「............っ!」
音でバレないように足音を殺しながらノンナは急いで角を曲がった。
(いない...!?)
しかしメイとシーシャの姿は見えず、ノンナは2人を見失ってしまった。
(廊下を渡り切る時間はなかったはず...てことはこの教室のどこかに...)
ノンナは廊下に面する教室のいずれかにメイとシーシャがいると予測し、1つずつ中を確認することにする。
1つ目の教室......誰もいない
2つ目の教室......誰もいない
フゥゥゥ......
ただの学生であるノンナが潜入や尾行に役立つスキルを持ち合わせているわけがない。バレないように教室の中を覗き込むというのは思った以上に難しく、また神経をすり減らす行為だった。
...❤......❤
...ゃ......❤
「っ!」
ノンナが3つ目の教室を確認しようとしたその時、1番奥の教室から微かにメイとシーシャの声が聞こえてくる。
「............」
ノンナはできる限り静かに廊下を移動し、物音のする教室の前の廊下に到着した。
(一体何をしてるのかな...)
そして廊下に面する窓からこっそりと教室の中を盗み見る。
「シーシャちゃん❤いっぱい吸っていいよ❤」
メイが教室の机に座り、床を見下ろしながら足を揺らす。
「んふぅぅぅぅぅぅっ❤」
ムギュゥゥゥゥゥゥ...❤
彼女の足元にはシーシャが跪いており、顔全体を踏まれてくぐもった声をあげていた。
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
メイの足が顔を踏みにじる度、雷に打たれたかのようにシーシャの体が震える。
モワァァァァァァァ...❤
「私の足どう?❤」
「んひっ❤はいっ❤メイ"様"のおみ足すごくいい匂いでしゅぅぅぅ❤」
蒸れた足フェロモンを押し付けられたシーシャはマゾスイッチが入ってしまい、同級生を様付けで呼んでフゴフゴ❤と鼻を鳴らす。
「ノンナちゃんの前では""メイ様って呼んじゃダメだからね❤最近私たちの様子が変わって疑ってるみたいだから❤」
「はひぃぃ❤分かりましたぁ❤」
シーシャを見下ろすメイはノンナの知る少女ではなくなっていた。相手を踏みつけ支配することに喜びを感じるその姿は、まさに女王と呼ぶに相応しい。
「.........っ!?❤」
バッ...
ノンナはシーシャがメイに奉仕する現場を見てしまい、口元を押さえて廊下にしゃがみ込んだ。
ドキドキ...❤ドキドキ...❤ドキドキ...❤
(2人とも何してるの...!?❤)
ノンナの心臓は友人たちの淫らな交わりを見てから高鳴りっぱなしである。ドク❤ドク❤という音が頭の奥まで響き、外に漏れてしまってないかと心配にすらなってしまう。
(と、とにかくこの場から離れなきゃ...❤)
ズリ...ズリズリ...
声が漏れないように手で口を押さえたまま、ゆっくりとその場から這って逃げるノンナ。
「ふふっ...❤」
メイは廊下に一瞬視線を向け笑みをこぼすと、足元で喘いでいるシーシャへ視線を戻す。
「はい❤ぎゅ〜❤」
そしてシーシャの顔に両足を置き、そのまま足裏で顔全体を包み込んだ。
モワァァァァァァァ...❤
「〜〜〜〜〜〜〜っ!?❤❤❤」
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
濃厚な足の香りに包まれたシーシャは全身を震わせ、そのまま絶頂してしまうのだった...
キーン...コーン...カーン...コーン...
最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。
「ノンナちゃ...「私、今日用事があって!...またね!」
隣の席に座るメイがノンナに話しかけてこようとするが、ノンナはそれより先にまくし立てるように言い切ってその場から逃げた。
ダッ...
「...ノンナちゃんったら可愛い反応するなぁ❤」
クスクス...❤
メイはノンナの背中を見送りながら笑みをこぼす。
(どうしよう...2人を元に戻すことなんてできるの...?)
いつもはメイと2人で歩く帰り道を1人で足早に進むノンナの頭の中は昼休みのことでいっぱいだった。
ドクン...❤ドクン...❤
「......っ!?❤」
ブンブン...!
脳裏にメイとシーシャの姿が浮かび、慌てて頭を振ってそれを遠さげる。
「...ただいま」
ガチャ...
「おかえりなさい」
玄関の扉を開けるとエノラが出迎えてくれた。
「ちょうどついさっきまでメイちゃんのお母さんが来てたのよ」
「......っ!?❤そ、そうなんだ...」
ビクッ...
メイの名前を聞いたノンナの肩が震える。
「晩御飯の準備もうすぐできるからちょっと待っててね」
「うん...」
エノラはパタパタ...とスリッパの音を鳴らしながらキッチンの方へ行く。
「あ、そうそう。メイちゃんのお母さんがさっき教えてくれたんだけど、今度やるイベントは女聖教っていう団体のやつなんだって」
「えっ...!?」
ドサ...
その時エノラは思い出したかのようにメイの母親から教えられた情報に伝えた。それを聞いたノンナは衝撃のあまり持っていたカバンを下に落としてしまう。
「シーシャちゃんのお母さんも一緒に行くみたいで...ノンナ?」
娘の異変に気づき、エノラが言葉を切って振り向いてくる。
「...お母さん。それ絶対行っちゃダメ」
「え...?ど、どうしたの?」
ノンナの頑なな態度に戸惑うエノラ。しかしノンナはその質問には答えず、振り返って玄関を出ていく。
ガチャッ...
「ノンナ!?」
背後から聞こえてくる母の声を無視して来た道を走り出すノンナ。
「先生っ!」
「っ!?どうしたのノンナさん?」
走って学校に戻ったノンナはそのままサクヤ先生の元を訪ねた。サクヤ先生の前には透明化魔法について相談しに来ていたオルカもおり、目を丸くしてノンナの方を見ている。
「ぶ、部長何かあったんすか?」
「私のお母さんに女聖教のイベントの話が出てきて...」
オルカの問いかけにノンナは焦燥感に駆られた状態で返事をした。それを聞いたサクヤ先生はより真剣な表情になり、「...実はこんなものがあるの」と1枚紙を取り出す。
「これは...なんですか?」
「パーシー先生が放課後の授業を受けた生徒に配っていたものよ。どうやら希望者を対象に明日勉強会が開かれるらしいの」
「...っ!それは...」
サクヤ先生の話を聞いたノンナは目を見開く。
「ここに乗り込んで、パーシー先生と生徒たちの目を覚まさせようと思ってるわ」
サクヤ先生は覚悟を決めた顔でそう告げた。するとそれまで黙っていたオルカがおずおずと手をあげる。
「...それならジブンも協力出来るかもしれないっす。透明化魔法で中の様子を探ってくるっすよ」
「オルカさん...気持ちは嬉しいけど、これはすごく危険な事で...」
「それは分かってるっす。別にこのことを記事にしたいとかじゃなくて、ジブンも先輩と先生の役に立ちたいんすよ」
「......」
オルカに真っ直ぐな目で見つめられたサクヤ先生は少しの間悩む。
「...分かったわ。でも危ないと思ったらすぐ逃げること。いいわね?」
「もちろんっす!記者は引き際が肝心っすから!」
オルカの元気いっぱいの返事にノンナとサクヤ先生は僅かに表情を緩ませた。するとサクヤ先生は個人的に所有しているという通信用の魔道具を取り出し片方をオルカに渡す。透明化魔法を使って潜入したオルカから情報を得るという作戦だ。
「それじゃあ明日の朝この学校に集合しましょう」
「「はい!」」
サクヤ先生の言葉にノンナとオルカは力強く頷く。その後帰宅したノンナは心配するエノラの追求を何とかかわしながら食事と入浴を済ませベッドの中に入った。
(メイちゃん、シーシャ...待っててね)
興奮と不安、期待が入り交じり眠りにつくことが出来ないノンナは友人たちの姿を思い出し、必ず彼女たちを元に戻してみせると誓う。
「それじゃあオルカさん。本当に気をつけてね?あなたの安全が第一だから」
「はいっす!」
次の日の朝魔法クラブの教室に集まった3人は最後の打ち合わせを行い、勉強会が開かれていると思われる大教室に向かうオルカをノンナとサクヤ先生で見送る。
「それじゃあ行ってくるっす!」
オルカは2人に手を振り教室を出ていく。そして数分後、サクヤ先生の手に収まる魔道具から通信が入ってきた。
『今教室の前まで来たっす。誰かが入るのを待って、こっそり一緒に入るっすよ...』
「分かったわ」
ノンナとサクヤ先生はオルカの報告を待ち、固唾を飲んで魔道具を見つめる。
『潜入に成功したっす...教室の中にはいっぱい人がいるっすよ。後、なんかすごく甘い匂いが...あ、誰か来た』
オルカの魔法には消音効果がないため、報告の声は断続的だ。しかしある瞬間を境に数分間オルカの声は聞こえなくなってしまう。
「先生、もしかして...」
ノンナの中にオルカが捕まったのではないかという最悪の想像がよぎる。サクヤ先生もそれを否定することは出来ず、2人はオルカの救出に向かおうと慌てて準備をし始めた。
ザザ...
『...こ、こちらオルカっす...連絡遅れてすいません...』
その時、魔道具から再びオルカの声が聞こえてくる。
「オルカさん!大丈夫なの!?」
サクヤ先生はホッとした顔をしながら飛びつくように魔道具へ話しかけた。
『はい...バレかけてずっと隠れてたっす...今教室の奥にみんなが集まってて、中に入るのは今がチャンスだと思うっす...』
オルカは自分は無事であると言いながら、今が突入のチャンスであると報告してくる。
「...ありがとう!オルカさんはそのまま安全なところに隠れていて。後は私たちが何とかするわ」
『...了解っす...あっ...❤』
プツン...
オルカの返事が聞こえたあと通信が切れ、ノンナとサクヤ先生は顔を見合わせ大きく頷いた。途中までしていた準備を急いで終わらせると、ノンナとサクヤ先生は急いで大教室の方へ向かう。
「ノンナさん、最後の確認よ。触媒はちゃんと持ってる?」
「はい!」
サクヤ先生に問われたノンナは頷きながら懐から木の枝を取り出す。それは大規模な状態異常回復魔法の触媒となる希少な木の枝を加工したものであり、サクヤ先生が用意した秘策の一手でもあった。
「この魔法の効果範囲は半径10メートル。全員が集まっているところにうち込まなきゃいけないんですよね」
ノンナの確認にサクヤは大きく頷く。パーシー先生たちの様子は明らかに魔法によるものであり、この作戦が成功すれば彼女たちの正気を取り戻すことが出来るはずだ。
「メイちゃんを...みんなを救いましょう!」
「えぇ」
ノンナとサクヤ先生は互いを鼓舞し、扉の前まで来ていた大教室の中へ突入する。
ガラララ...
「『聖なる光よ...!』」
勢いよく扉を開けたノンナはそのまま魔法の詠唱を開始した。
ガシ...
「っ!?」
しかしそれは横から伸びてきた手に腕を掴まれたことにより中断させられてしまう。
「ノンナさ...きゃっ!?」
ドンッ!
ノンナを助けようとしたサクヤ先生も何者かに突き飛ばされ、床へ倒れたところをのしかかられて拘束されてしまった。
「こんな危ないことしちゃダメだよ❤ノンナちゃん❤」
「メ、メイちゃんっ...!?」
自身の腕を握るのが幼なじみのメイであることに気づき、ノンナは驚きで声を失う。
「な、なんでここに...」
「それはこっちのセリフだよ❤"あの子"が教えてくれなかったら危なかったんだから❤」
メイはそう言って教室の奥の一角に視線を送る。
「んほぉぉぉぉぉぉ❤さ、最高っすぅぅ❤」
するとそこには床に跪き顔に白い布を被せられたオルカが嬌声をあげていた。
「っ!?!?」
ノンナは後輩の変わり果てた姿に絶句し、そしてメイの言葉を思い出し、遅れて彼女が自分たちのことを裏切ったのだということを理解する。
「初めまして❤可愛いお嬢さん❤」
するとメイに掴まれたノンナの背後から女性の声が聞こえてきた。
「あっ...!?❤」
サワ...❤
そして同時にノンナの臀部を優しく撫でる手の感触が伝わってくる。部屋の空気をピンク色に変えるほどに焚かれた媚香の香りはノンナの体を非常に敏感にさせていた。
「彼女はナタリアさん❤私に女聖教を教えてくれた師匠みたいな人だよ❤私と一緒にノンナちゃんの事を気持ちよくしてくれる人❤」
メイはノンナの耳元でそう囁き、スカートの中に手を入れてノンナの股に触れてくる。
クチュリ...❤
「っ!?!?❤」
ビクンッ❤
幼なじみから秘部に触れられたノンナは体を仰け反らせ、声にならない悲鳴をあげた。
「なかなか積極的ね❤なら私も失礼するわ❤」
モミ...❤モニュン❤コリコリ❤
するとナタリアも参戦し、形の整ったノンナの胸を後ろから揉みしだいてくる。
「すごいハリね❤若さに嫉妬しちゃうわ❤」
「ノンナちゃん❤恥ずかしがらなくて大丈夫だよ❤みんな今は洗礼の儀を受けててそっちに夢中だから❤」
ナタリアとメイがノンナの左右の耳に囁く。
「あっ❤あっ❤」
「女聖教に入信しますぅぅ❤」
メイの言う通り、オルカの周りではノンナのクラスメイト達が同じように跪き顔に白い布を置かれて喘いでいた。みな一様にうっとりとした声と恍惚の表情で、その中にはノンナの友人シーシャの姿もある。洗礼の儀、と呼ばれるこの儀式は、教祖から与えられた"聖布"から溢れる芳香で信者へ生まれ変わらせる女聖教の重要なものだった。
「んひぃぃぃぃぃぃぃっ!?❤❤❤」
その時、教室の中にサクヤ先生の悲鳴が響く。
「先生っ!?」
ノンナはメイとナタリアに体をまさぐられたまま、声が聞こえてきた方向へ顔を向ける。
「はぁい❤ちょっとだけ我慢してくださいね❤すぐに終わりますから〜❤」
ズズズ...❤
微笑むサーシャから頭に触れられ、魅了魔法を大量に流し込まれたサクヤ先生は白目を剥いたままガクガク❤と体を震わせていた。
パチッ❤パチパチ❤
(あっ❤頭の中っ❤いっぱい流れ込んできて❤)
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
頭の中をサーシャの魔力が巡り、これまで築いてきた価値観が凄まじい多幸感と快楽に塗り潰されていく。
ジョボ...❤ジョロロロ...❤
あまりの気持ちよさにサクヤ先生はその場で失禁し、床にお漏らしをこぼす情けない姿を呆然としたノンナに見られてしまった。
「サクヤ先生〜❤女聖教の素晴らしさ、分かっていただけましたか〜❤」
「はひ❤はひぃぃぃ❤わかりましたっ❤私が間違ってましたぁぁぁ❤女聖教は素晴らしいものでしゅぅぅ❤」
ビクビクビクッ❤
サクヤ先生はサーシャの質問に対して本能の赴くままそう答え、人生で最も激しい絶頂を味わう。
「あっ...❤」
ドサ...❤
脳の許容量を超えたのか、絶頂を迎えたサクヤ先生がその場にゆっくりと崩れ落ちる。しかし気絶してもこの鮮烈な記憶は脳に刻み込まれ、起きた時には世界が変わって見えることだろう。
「う、嘘...❤そんな...❤」
頼りになる副担任のサクヤ先生が堕ちる姿を見せつけられたノンナは絶望の表情を浮かべる。
「大丈夫だよ❤ノンナちゃん❤」
「あなたも早く楽になりなさい❤」
クチュクチュ❤
コリコリ❤
メイとナタリアはノンナを信仰という底なし沼に誘う言葉を囁きながら、女性器と乳首それぞれの性感帯をいやらしく責め立てた。
「おっ❤んっ❤あぁぁぁっ❤」
ビクビクッ❤ビクンッ❤
ノンナの体がそれに抗えるはずもなく、彼女は幼なじみと妖艶な美女の手で絶頂に達してしまう。
「あっ❤」
プツン...❤
股から愛液を噴きながら、ノンナの頭の中で何かが切れる音がした。
ゾクゾクゾク❤
次の瞬間、ノンナの頭と体は幸せとは何かを理解し背筋に凄まじい快楽が駆け巡る。ノンナの目にはメイやナタリア、そしてこちらを見て微笑むパーシー先生が女神のように美しく見えた。
「はーい❤お待たせ❤ノンナちゃん...で合ってたわよね?❤」
サクヤ先生をメスに変えた美女サーシャがノンナの方へゆっくりと近づいてくる。これからノンナは床に這いつくばるサクヤ先生と同じように魅了魔法を頭に流し込まれ、女聖教の従順な下僕に変えられてしまうのだろう。
(早く...❤早く楽にして欲しいよぉ...❤)
しかし自身の人生がここで変わることを理解した上で、少女はそれを願ってしまった。
「あへぇぇぇぇぇぇぇっ!?❤❤❤」
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
数秒後、新たな信者で溢れる教室に女子生徒が女聖教への入信を果たす。
「おかえり、お姉ちゃん」
「ただいま❤今お母さんは?❤」
「お母さんならリビングで掃除してるよ?お母さーん!お姉ちゃんが帰ってきて...んむっ!?」
帰宅した姉に母の居場所を聞かれリビングに声をかけようとしたハルノは口元を覆う布によって声が出せなくなった。
モワァァァァァァァ...❤
一瞬遅れてハルノの肺を甘酸っぱい香りが満たす。
「〜〜〜〜〜〜〜っ!?❤❤❤」
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
まだ性を知らない少女は鼻から吸い込んだ芳香の魅力に一瞬で支配され、魅惑の香りを吸いこもうとフンフン❤と荒い呼吸をし始める。"自分の靴下"で妹の顔を覆うノンナはその姿を見て満足そうに頷いた。
「ハルノにはお姉ちゃんが教えてあげるね❤」
スッ...❤
ノンナはハルノの耳元でそう囁くと、彼女の頭に優しく手のひらをかざす。
「『魅了(チャーム)』❤」
ズズズ...❤
そしてサーシャから教わったばかりの魅了魔法を使い、大事な妹の脳内を女聖教に都合のいい存在へ作り変えた。
「んぎゅぅぅぅぅぅぅっ!?❤❤❤」
ビクビクッ❤ビクビクッ❤
玄関先に人生初の絶頂を迎えるハルノの嬌声が響く。
「ちょっと、どうしたの!?2人とも大丈夫!?」
異変を聞きつけたエノラが玄関での光景を見て言葉を失う。
「捕まえて❤」
「...はい❤」
ノンナはそう命令し、ハルノは言われた通り母の後ろへ回り込んで動けないように拘束した。
「ちょっと!?2人とも、どういうことっ!?」
エノラは娘たちになぜこのようなことをされなければいけないのか理解出来ず、混乱した状態でノンナとハルノに問いかける。
「ごめんねお母さん❤私が間違ってたよ❤女聖教の教えを説いて貰える場所に行っちゃダメだなんて❤お母さんだけじゃなくて家族みんなで行かなきゃいけないのに❤」
母に謝罪するノンナの目は女聖教に対する狂信的な信仰で染まっていた。そして抵抗するエノラの頭に優しく手を置き、ハルノの時と同じように"正しいこと"を頭の中に直接送り込む。
「〜〜〜〜〜〜っ!?❤❤❤」
エノラの生まれ変わる声を聞きながらノンナは非常に満たされていた。これから家族全員の人生を女聖教に捧げられる。
「......っ❤」
ビクン❤
そんな素晴らしい未来を想像するだけで、天才と呼ばれた少女は絶頂に達してしまうのだった...
※いただいていたリクエスト
ギャランドゥ先生に書いていただいた女聖教のお話が素晴らしかったので追加エピソードを書いていただければと思います。
登場人物
・委員長(真面目、魔法の天才)
・幼馴染(気弱)
・元気っ子(2人と仲良し)
・母、妹
・モブ生徒、先生
【あらすじ】
委員長は最近クラスの雰囲気がおかしくなってきていると感じていた。担任のパーシー先生が歴史だけでなく、なぜか道徳の授業として女聖教の教義を教えるようになってからだ。
授業といっても放課後に個別に受けるものだったが、受講した女生徒は妖艶な魅力が溢れるようになり、男子生徒は女性に従順になる。授業は概ね好評だったが、女生徒達の雰囲気が変わって、女聖教に傾倒していく事を委員長は気にしていた。クラスの副担任も同じ危機感を持っており、親身に相談にのってくれた。
そんな中で、幼馴染と元気っ子が授業に呼ばれる。委員長は心配だったが、理由なく授業を止めることできなかった。委員長の心配した通り、次の日には幼馴染は別人のように妖艶な魅力を醸すようになり、元気っ子は幼馴染をからかう事はなくなった。
ある日、委員長は元気っ子が幼馴染に淫靡な奉仕している場面を目撃し、その夜に母から幼馴染母と元気っ子母に女聖教に誘われた事を聞く。2人の変貌の原因が女聖教だと考えた委員長は、母に絶対に行かないように伝えた。
そして、副担任にその事を伝えて一緒に授業を止めることにする。
パーシーが授業を受けた生徒達と勉強会を計画している事を知った2人は当日に会場に乗り込んだ。そこは堕ちた生徒が正式に女聖教に入信する場となっており、あちこちで生徒への洗礼が行われていた。2人も会場に焚かれていた媚香によって身体が疼いて動けなくなり捕まってしまう。そして、委員長はナタリアと幼馴染に身体を弄られながら、副担任がサーシャに魅了の魔法をかけられる様子を見せつけられる。その後、委員長もサーシャから魅了の魔法をかけられる。副担任が堕ちていく姿に心揺れていた委員長は魅了の魔法に抗いきれずに堕ちていった。
そうして女聖教徒になった委員長は、家に帰り、サーシャに習った魅了の魔法で妹を従順な奴隷に堕とす。その後、母に自分が間違っていた事を伝えて女聖教への入信を誘う。抵抗する母を妹に抑えさせて、魅了の魔法で奴隷に堕とし、正式に入信させるべく教会に向かうのだった。
どうぞよろしくお願いします。