バイ幼馴染とスワッピング~レズ彼女を抱かせてもらう代わりに、ノンケ彼女を抱かせる話~
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こちらの作品の続編になります
めっちゃシコれるので買ってね
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最強の護身術というのは、”逃走”だと何かで読んだことがある。
毎日ジムに通い、技を磨いている優秀な格闘家であればともかく――、あなたのような一般人が争いごとに巻き込まれた際は、逃走の一手であるのだ。自身が発見されたことを知り、草食獣とは思えない筋肉で飛び跳ねて逃げる兎のように――”脱兎”で逃げなければならない。
あなたは、当然、それを知っていたので――
本来ならば、逃げるべきだったのだが――
「まあまあ、落ち着きたまえよ……ボクは何もおかしなことを言っていない。そうだろう?この国において恋愛の自由性というのは保証されているのさ♪誰が誰を好きになっても、その恋心は許されている以上……逆もまた然りだろう?キミがボクを好きになる権利が尊重されるように……ボクが、キミに飽きてしまう権利も尊重されるべきじゃないかい?」
彼女は――
いつも通り、飄々と口八丁を並べ立てていたのだ。
大学構内、階段の踊り場で彼女は詰問されていた。
筋骨隆々の雄に絡まれているならば、助けに入ることも出来たが――
「――っ!うるさい!うるさい!あなたのは全部言い訳じゃない!いい加減嘘はやめてよ!」
「嘘じゃないってばぁ、いいかい?キミがボクを愛して欲しいという感情と、ボクがキミをもう愛していない感情。これは等価だよ?本質的には同じだよ?自分の意思だけ押しつけようとすることをね、卑劣と呼ぶんだよ」
彼女は――”彼女さん”に絡まれているのだ。
彼女は、あなたの幼馴染だ。
彼女の特徴的な説明をするならば、十万字、単行本一冊分の文量を必要とするので割愛するが――
何の感情もなく、ただひたすらに事実を語るならば、彼女は自由奔放なバイセクシャルなのだ。
校則が厳しい高校で、彼女は金髪であったのに――それを咎められることもなかった。「学年主任と関係がある」「学校に寄付している篤志家の世話を受けている」「医者を脅迫して、地毛証明書を出させた」などと、噂話は多々あったのだが――
その真実を知っている生徒とは、ついぞ、遭遇しなかった。
人間としてのレベルが、まるで違う彼女。少なくとも、畳の上で死ぬことはないだろうとボンヤリ眺めるばかり。あなたの恋人にちょっかいをかけてくるのを、厄介だと思っていたので――彼女自身が蒔いた種による問題であれば、スルーする気でいたのだが――
”彼女さん”が――
「――――っ!!」
「……っと、それは洒落にならないよ?……まあまあ、落ち着こうじゃないか♪ボク達のような人間は他の動物と違い、神様から与えられたインテリジェンスがあるんだから♪ボク達は野蛮な動物とは違い、対話による解決を可能とするんだから……
だから、その……
ナイフを取り下げてくれないかい?おっかなくて話も出来ないよ……」
刃物を取り出してくれば――話は別なのだ。
彼女は、常にトラブルに巻き込まれる性質を持っている。
以前、彼女は「ボクはセックスの快楽を追究するという使命を持って、この世に生をうけたのだ」などと戯けたことを口にしたのを覚えている。
だが、彼女にとってそれは大真面目であるのだ。
生まれつきブレーキが壊れているというそれを、彼女一人の責任として問うことは出来ない。あなたも、あなたの恋人も、大きな問題点を抱えながら生きているのだ。これまた、詳しく説明するには時間がかかるので割愛するが――
彼女がトラブルに巻き込まれて、平手打ちされるくらいなら笑えるが――
流石に、犯罪に巻き込まれるそれは、見てはいられないのだ。
「お、落ち着こうじゃないか……力、強いねぇキミ……ボクと一緒にいるときは、ペンよりも重たいものを持ったことない感じだったのに……っ♪ま、待ちたまえ、ほんとに、落ち着いて……」
彼女は、”彼女さん”の手首を掴んでいる。
小さめの折りたたみナイフは、人間を殺傷するには心許ない物。
馬乗りになって、複数回刺してようやく――というところなのだろうが――
逆手の――
俗に言う”火サス握り”で”彼女さん”はナイフを掴んでいるのだ。
裁判になったときに、殺意を否定出来なくなる握り方だ。切りつけて満足するのではなく、明確に命を狙っているような雰囲気。あなたは慌てて、駆け寄る。彼女は、あるいはあなたよりも早く、あなたの存在に気が付いていたのか。「遅いよ全く……助けに来るんならもっと早く……ほんとにグズなんだから……どうしてキミみたいなのが蓮ちゃんと……」と文句を言いながらあなたを見上げる。
”彼女さん”が振り上げているのが、鉄パイプくらいであれば、あなたはその場で踵を返したが――
”彼女さん”が振り上げているのが、ナイフだから、どれほど文句を垂れてもあなたが逃げないと知っているのだ。
「なによ……っ!あんた関係ないでしょ……っ!私と、悠樹ちゃんの問題なんだから……っ!」
「関係ないことはないよぉ、ただの通りすがりでも、これは止めに入らなければいけないと思える大事なんだから。ほらほら、わかっただろう?少しは冷静になったかい?ボクとしてもね、これを事件にする気はないんだよ?ね?話し合おうじゃないか。お互いに納得するまで話し合えば、絶対に良い落としどころが見つかるはずだから♪」
彼女の軽薄な言葉は、火に油を注ぐばかりだ。
相手がブチ切れているときに、大人しく頭を下げて、はいはいと相づちを打ち、嵐が過ぎ去るのを待つ――とは、正反対の位置にいる女だ。顔面をボコボコに殴られても、舌を出しながら相手を煽るタイプの女。幼稚な暴力に抵抗を出来なくても、心が折れない限りは負けじゃないというような――闘争本能の塊のような存在だ。
”無理に助けなくてもいいんじゃないか”
”そろそろ、マジで一回痛い目を見た方がいいんじゃないか”
と、考えはするが――あなたの根は善良であるのだ。助けないわけにもいかない。
幸い、ナイフを握っている”彼女さん”は小さめの体躯だ。
手首を容易く掴むことも出来る。
ジタバタと暴れてはいるが、その程度ならば問題はない。
「――えっ?」
だから――
油断していなかったと言えば、嘘になる。
女性どころか、同じ人間として扱ってはいけない彼女ならば、手首の骨が砕けても罪悪感はないが――
そこにいるのは、別れ話で揉めている他人の女であるのだ。
万が一にでも怪我をさせたときに、問題になっては困る。”彼女さん”がナイフで刺してからならば話は別だが――現状は未遂。法律的には、”彼女さん”の罪は銃刀法違反の一つだけかもしれないのだ。だから――「まあ、普通の女ならば、これくらいの力で掴めば大丈夫だろう」の力であったし――
”彼女さん”は――
「――ふざけないでよ……離せクソがっ!!」
脳味噌のリミッターを解除しているのだ。
人体は普段、二割三割の筋力しか使うことが出来ない。だがリミッターを解除すれば、100%を発揮できる――という、バトル漫画さながらの理論を”彼女さん”は実践しているのだ。目の前の女を刺し殺すためならば、未来はいらないと思っている”彼女さん”であり――
ズボ――
と、あなたの手から、手首を引き抜くと――
”~~~~っ!?”
掌が、縦に大きく切り裂かれてしまうのだ。
包丁やハサミで、指先に二ミリほどの傷が出来るだけでも、脳味噌にジンと響くような痛みがある。紙で指を切るだけでも「ああ、どうにか時を巻き戻せないだろうか」と本気で思うほどにジクジクとした苦痛が存在するのだ。
それを遥かに凌駕した痛みに、一瞬、思考が止まり――
「…………は?」
そこが階段の踊り場であることを、忘れていたのだ。
痛みに慌てて手を離して、上体は後ろにのけぞる形となる。
そこが普通の廊下ならば、何も問題はなかった。
後ろが壁ならば体重を支えられるし、後ろに何もなくても――尻餅をつくだけなのだ。手から激しい出血をすれば、それで”彼女さん”が大人しくなるかもしれない。そうでなくても、あなたはしっかりとした暴力を解禁出来る。本来、どんな理由があっても女性にやれば「やり過ぎだろお前」と言われるような類の暴力だ。
そこが通路であれば、問題はなかったのだが――
そこは、階段の踊り場であるのだ。
自分の背後に、階段があることも忘れて――あなたは呑気に重心を背後へと移す。後になれば「ああ、どうにか時を巻き戻せないだろうか」と後悔をするのだが――残念ながら、タイムスリップは現代では実用化されていない。
あなたはそのまま――
「…………嘘でしょ?」
どだどだと、階段を転がり落ちていくのだ。
幸い、後頭部よりも背中を強打して――更には、横回転が加わり、激しいローリングをしながら転倒をしていくのだ。命の危険はないが――それでも、全身を激しく打撲して、一番下まで到達した頃には呼吸すら出来なくなる。「あっ、死んだなこれ」と本心から感じて「え?マジで死ぬの?このまま死ぬの?」と――なる程度には、激しい痛みだ。
颯爽と助けに入った十秒後には、階段から転がり落ちた馬鹿男――
それが、あなたという存在であるのだ。
幸いであった――と言えるかはわからないが――
幸いであったのは、あなたが大怪我を負ったことだ。
小型の折りたたみナイフによる修羅場が――小さく見える程度に、あなたは激しい怪我をしたのだ。大学構内に救急車が入ってきて、病院に搬送される時点で、大体の問題は小さく収まる。後に聞いた話では、”彼女さん”が折りたたみナイフを出したことは、完全に隠蔽されたらしい。治療費は”彼女さん”の親が出したとのこと。”彼女さん”からすれば災難だろう。正当な痴話喧嘩をしていたところに、何も事情を知らない雑魚が噛みついてきて、一人で大暴れをして大怪我を負ったのだ。
まあ、とにかく――
あなたと”彼女さん”の関係はそれで終わりだ。
彼女の幼馴染と、彼女の”彼女さん”であるという立場。本来、そこには何の接点もないのだ。だから、それはそれでいいのだが――
「それで……何か弁明はあるの?悠樹くん?」
「いえ……一切ございません……申し訳ありませんでした……」
あなたと、彼女――
あなたと、月島悠樹の関係は、これから始まるのだ。
――――
あなたには、黒嶺蓮という恋人がいる。
あなたという矮小な雄には、到底不釣り合いな美少女は――基本的に、温厚な性格をしている。
他人の嘘を見抜くことが出来る彼女にとって、”嘘”というのは、体調を崩すほどに不快な代物であるのだ。嘘を吐けないあなたとは、最高に相性がいいもの。あなたとしては、付き合って数年が経ち、大学生になってもなお「いや……やっぱり俺とは釣り合わないほどの美少女だな……」と苦悩するものだが――
この関係性は、黒嶺蓮の満足によってのみ成立する代物。
あなたが「黒嶺蓮はどう考えているか」を百編想像したところで意味はない。
黒嶺蓮が、あなたを好きだと言ってくれる――それが全てだ。
だから、あなたは彼女と交際関係を築けていたわけであり――
「悠樹くんがね?どんなにだらしない恋愛関係をしていても、私は怒らないよ?それは悠樹くんの自由なんだから。良い顔はしないし、アドバイスを求められれば怒るよ?でも……悠樹くんが勝手に誰かと不埒な恋をして、誰かを怒らせて、誰かに刺されても……それは悠樹くんの自由だから尊重するよ?
……でも、さぁ?
私の彼氏を巻き込むのだけは……絶対に違うよね?」
「はい……それは本当に……一切の否定が出来ません……申し訳ありません……」
だから黒嶺蓮は、ブチ切れているのだ。
あなたは左掌に裂傷を負い、右腕の橈骨がポッキリと折れていた。
医者は「綺麗に折れているから、治りも早いだろう」と言ってはいたが――
「これから大学が夏休みになるよね?……私ね?色々考えてたんだよ?大好きな先輩と何をするか、どこに行くか……でもね、それぜ~んぶ台無しになったよね?なんでかなぁ?どうして台無しになったのかなぁ?ねっ、悠樹くん、わかる?なんで私の彼氏は骨折しちゃったの?」
黒嶺蓮をブチ切れさせるには、十分すぎるものであるのだ。
普段の蓮からは感じられないような、徹底的な詰め方。
黒嶺蓮の部屋で、あなた達はソファに座っている。
月島悠樹は――
「す、全て、ボクの女関係がだらしないからです……」
今、土下座をしながら謝罪をしているのだ。
悠樹は、蓮にベタ惚れをしている。
蓮のことが好きで好きでたまらないのに――蓮は、悠樹のことが苦手であるのだ。これがたった一人の人を好きになった純愛物語であれば絶望なのだが――そこにいるのは、男も女も構わずに手を出す、ヤリチンビッチであるのだ。同情の余地は存在しない。
とにかく、月島悠樹にとって――黒嶺蓮に拒絶されるのは避けたいものであるのだ。
軽く怒らせたり、軽く嫌われる程度であれば、その反動のギャップを狙うことも出来る。
だが――深く大きく、絶望的に怒らせることがあればおしまいであり――
今、月島悠樹はそれをしてしまっているのだ。
「こ、今後は二度とこのようなことがないように、全部の関係を清算して……」
「――ちっ」
「ひっ」
黒嶺蓮は、悠樹の嘘を察知して舌打ちをする。
自ら不機嫌であることをアピールして、周囲に気を使ってもらおうとする――という幼稚な振る舞いを、普段の彼女は絶対にしない。
今、それだけブチ切れているということだ。
あなたは蓮のことが好きであるし、彼女の不興を買うようなことは出来ない。彼女を怒らせることがあっても、それは”喜ばせようとしたんだけど、結果的に”というもの。
だから、黒嶺蓮の”ガチ切れ”を見るのは初めてであるし――
「ご、ごめんなさい……その、関係を清算するのは嫌です……もっともっといろんな女の子とも、男の子とも遊びたいです……今は許してもらうために、ゲザってますけど……この場を乗り切れば元に戻ると思ってます……ボクはそういう人間性なので……ひぃ~……」
月島悠樹もまた、「この一線を踏み越えれば、戻って来れなくなる」と思っているのだろう。
悠樹がクズなのは、あなたも蓮も承知のこと。
舌先三寸でペラペラと言い訳を述べて、この場を逃れることは悠樹には出来ない。嘘を見抜ける黒嶺蓮が相手であれば、「誠心誠意の謝罪」をした方が得策であると判断したのだろう。悠樹が吐露するクズっぷりは――しかし、被害を受けたあなたですら「月島悠樹って、そういう生き物だしな」と割り切れるものだ。
「悠樹くん?聞かせて?……あの子とはどういう関係?」
「ね、狙ってた女がいまして……でも、ガードが堅いので、そいつの親友から落とせばいいかなと思いまして……」
「それで、本命を手に入れたからおさらばだったの?」
「あ、あんまり好きなタイプじゃないし……セックス気持ち良くないし……ちょ、ちょっと激しく遊んでからおさらばというか……」
「……激しくって?」
「えっと……結構、その……言うのも憚られるプレイと言いますか……お尻、アナル関連といいますか……」
陪審員が、満場一致で有罪を認めるようなクズの答弁。
黒嶺蓮が、月島悠樹との絶縁を切り出しても、あなたには止めることは出来ない。
「……ねっ、どうする?許してあげる?それとも、許さない?今回の一番の被害者に、それを決める権利があると思うんだよね」
「ひぃ~……お代官様、どうかお慈悲を……」
「悠樹くん、真面目な話をしてるときに、そういう態度はよくないと思うな」
「はい」
蓮は、あなたに求刑を求めてくる。
裁判官である彼女は、あなたの求刑を即執行するだろう。
控訴も上告も一切通用しない、暗黒の法廷だが――その悲劇を招いたのは、月島悠樹自身であるのだ。
彼女絡みのトラブルを避けるためにも――
ここで、悠樹を切り捨てた方がいいのはわかっている。
大学構内で「お前、月島の男か?」と絡まれたことは何度かある。
誰かの女――あるいは、誰かの男に手を出して、報復されそうになっているのだろう。あなたは幸い、今のところは「いえ、違いますが」と述べてトラブルを避けられているが――いつ、火の粉が降りかかってくるかはわからないのだ。
理屈で考えれば、切り捨てるべきなのだが――
「…………無罪?」
「…………あの、ボクが言えた義理でもないけどさ……無罪放免はその……絶対おかしいと思うよ?」
あなたは黒嶺蓮に、月島悠樹の無罪を要求するのだ。
エロいことは――
神に誓うが、その瞬間、微塵も考えていなかった。
月島悠樹というのは、根っからのクズであるのだ。
善人として生まれついた彼女が、環境によってクズと化したのならば同情の余地はあるし――同時に、更生の為に服役した方がいいとわかっている。
だが――彼女は、生まれついてのクズだ。
初めて彼女と出会った頃から「うわあ、クズがいる……」と思っていたのだ。月島悠樹は、自分らしく、何の我慢もせずに生きているだけ。普通なら、刺されそうになったら自分の性格を顧みるはずなのに――彼女は未だに、ワンチャン、黒嶺蓮とヤれないものかと考えているから土下座をしているのだ。
あなたは――
その生き方を好ましいとは思わないが、羨ましいと思っていた。
嘘を吐くことが出来ない不器用なあなたとは、大違いの彼女。太陽のように眩しく光り、最後は自らの炎で焼き尽くされることがあっても――それは、壮絶な幕切れであってほしいのだ。宇宙人と交戦して命を落とす最期があっても「ちょっと地味だな」と思ってしまう相手に――
あなたのような矮小な凡人が、何か、刑罰を下すことなど出来るはずもないのだ。
そうした――思考の一切合切を、彼女達に説明する義務はない。
「もしも自分に刑罰を決める権利があるなら、無罪」とだけ、彼女達に告げるのだ。
「……なんか、さ……先輩の為に怒っている私が馬鹿みたいじゃない?」
蓮は、ぷうっと頬を膨らませてくる。
本気で怒っているならば、先ほど悠樹に見せていた顔のように”冷たい理詰め”でくるのだ。だからそれは、彼女が上機嫌であるという証拠。「両手が不自由になるほどの大怪我を負っても、相手を許せる器のデカい男が私の彼氏」であるそれに――
蓮は、喜びを抱いているのだろう。
「……や、やあやあ、流石に今回ばかりはボクも反省を……ま、まあ、してないわけじゃないんだよ?嘘じゃないよ?嘘だったらわかるよね?……こ、心を入れ替えることは出来ないけれど、少しばかり、今までの自分を見つめ直すくらいの善処は――」
「――すっごいねぇ……自分を見つめ直すって言葉すら、嘘なの?」
「……うぐぅ~……っ」
「……なんか、キミの言うことわかるかも……悠樹くんって、哀れだよね……」
「ひぐっ」
黒嶺蓮の言葉に、悠樹は土下座をしながらビクッと肩を弾ませる。
彼女が唯一、惚れた弱みを持つ相手。
常に惚れられる側で生きてきて、大企業の一人娘ですら簡単に籠絡させられる女が――
あなたの恋人を前にすると、童貞丸出しの弱々ヘタレ男子が如く臆病になってしまうのだ。
「……ねえ、キミ?」
蓮は、あなたにもたれかかってくる。
暖かくて、柔らかくて――全身が”女の子”なんだなと、再認識させられる。
「明日から……免許合宿行く予定だったでしょ?……うんっ♪白雪ちゃんと一緒の免許合宿……大学生の夏休みって長いからさ?序盤に免許取っちゃえば、後半は車で遠出出来るでしょ?」
「す、すみません……ボクのせいでそれを邪魔しちゃって」
「ううん、違うの♪……キャンセルするつもりだったのは本当だよ?大好きな彼氏がさ、片腕骨折して、片手も大怪我負っちゃって……ご飯食べるのすら無理でしょ?誰かさんのせいで」
「は、はい……」
「でも……丁度いいこと考えたんだよねぇ~……♪」
黒嶺蓮は――
にやぁと、蠱惑的な笑みを浮かべる。
彼女は、隣に座っているあなたへと体重を預けてくる。
柔らかくてふにふにの身体。88センチのFカップというのは、グラビアアイドル級の破壊力を秘めた代物。それを実際に揉むことが出来なくても、男の子はジロジロと視姦して、網膜に焼き付けて、ひたすらにシコることで溜飲を下すことが出来るのだ。
それが今、あなたの二の腕に押しつけられている。
付き合って間もない頃は、猿のようにその乳房に夢中になっていたが――今は付き合って数年が経つのだ。勿論、興奮は当初と同じように抱いているが――「悠樹がいる以上、ここで襲っても邪魔が入る」という計算が出来るようになったのだ。性行為までの最短ルートを選ぶ為には、敢えて一歩引くという選択も出来るようになったわけであり――話が逸れた。
「……悠樹くんにさ?……お世話、お願いしちゃおっか?」
蓮は、あなたの耳元で囁いてくる。
「悠樹くん、普通のお仕置きじゃぜ~ったい響かないでしょ?……だからぁ、キミのお世話させるの……っ♪悠樹くん、キミのこと敵視してるから……っ♡キミに同情されて、無罪与えられて♡キミにご奉仕しなきゃ行けないの……一番の罰じゃないかなぁ?」
「あ、あの、お二人とも……聞こえないようにひそひそ相談されるの、一番怖いんですが……」
「悠樹くんはぁ、キミの命令に絶対服従……っ♪どーんなえっちなこと命令されても断れませ~んなやつ……っ♡……この計画の一番の問題はね?肝心のキミがぁ、悠樹くんのこと奴隷にしちゃうの、嫌じゃないかな~ってことなんだけど……ふふっ♡よかった……っ♡嫌じゃないんだね♡おちんちん、すっごく硬くして……っ♡ふぅ♡ふぅ……っ♡……明日から、免許合宿だからさ……っ♡悠樹くん帰ったら、すっごく濃厚なのしてあげるからぁ……っ♡二週間、私の代わりに悠樹くんで我慢してね?」
「あの~、蓮ちゃんさん?……ボクの人権が、すごく軽く安売りされているようなぁ……」
黒嶺蓮は――もう、スイッチが入ってしまったらしい。
あなたの股間を、ズボン越しに撫で回してくる。彼女のお手手から与えられる快楽は、さほどではない。パンツとズボン、二枚の布地を隔てた上から撫で回されるのだ。爪を立てられても、鈍痛すら感じることはないのに――
あなたのおちんちんは「あ……っ♡気持ちいいのしてくれるやつだ……っ♡」と興奮をして、ムクムクと屹立してしまうのだ。
蓮はあなたの勃起が嬉しかったのだろう。そのままあなたに顔を重ねて――”ちゅっ♡んちゅっ♡”とキスをしてくる。柔らかくてぷにぷにな唇。性欲が強い彼女は、簡単に、あなたとの行為を求めてくれる。どれほどに親しい恋人であっても、セックスを求めるというのは、あなたのような臆病な雄には難しいのに――
蓮は自分から、あなたを押し倒してくれるのだ。
「い~っぱい楽しもうね……っ♡キミは悠樹くんがいるからいいけどぉ……っ♡私は二週間、我慢しなきゃなんだからね?二週間分のすっごく濃厚なのしようね~っ♪」
「うっわぁ……っ、これが寝取られかぁ……すっごい罰だ……」
「あっ、まだいたんだ?……今日はもう帰っていいよ?邪魔だから♪そんで、明日は朝五時に来てね?」
「え~っと……その、ボクにも予定というか……」
「…………朝五時ね?」
「はい」
――――
「はぁ~……このボクが料理をする日が来るとはね……
いやはや、嫌いと言うわけではないよ?遊びとしての料理ならば好きだが……日々の食事を作るというのは”作業”だろう?ボクの為なら、そうした雑務をやってくれる人間はいくらでもいるからねぇ♪……待てよ?……まさか、ボクが食器まで洗うのか?……クソ、屈辱だ……このボクが食器洗い?女の子の機嫌を損ねたとき、お詫びをするためにやるものだろう?ボクが食器洗いさえすれば、どんな浮気でも許してもらえるのに……」
――――
「ほらっ、腕を上げろ……っ♥腋も拭くから……全く、風呂なしのアパートとはな……ああ、蓮ちゃんから聞いてるよ。24時間開いてるジムにシャワーがあるし、近くに銭湯があるし……それに、どうしようもないときは蓮ちゃんの家のお風呂を借りればいいんだろう?……ボクはタバコを吸わないけどね、喫煙所で自分のタバコを持たずに、人からもらう気満々の人間……世間一般では嫌悪されるようだよ?
それにしてもキミ、鍛えているんだね?……へぇ~♪蓮ちゃんのためにねぇ?
……それにしては、あんな小さな子にすら抵抗されて、階段から落ちてしまうようだが……全く、ほらっ♥次は下だ♥さっさとズボンを脱いで……っとと、これもボクがやらねばならないのか……っ♥全く、不愉快もいいところだ……♥……おちんぽ勃起させてるようだが……っ♥これは、性処理のおねだりかい?それともぉ……っ♥エッロ~いメスが目の前にいるとぉ♥勝手におちんぽ勃起しちゃうだけかい?後者だよな?後者だと言え。いや、言わなくてもいい。いいかい、性処理はいつでもボクに命じろよ?”ボクに命じない限り、性処理は必要がない”と判断するからな?」
――――
「……トイレの世話までさせられるなんて、まるっきり介護じゃないか……っ♥ううっ♥何が悲しくて、ボクが、キミの尻穴を拭かねばならないんだ……っ♥んんっ♥ふぅ♥ふぅ♥共同トイレというのも腹が立つな……ゆっくり排泄する時間すら担保されないものを自宅とは呼ばないだろう……」
”こんこん”
「――――っ!?……あ、ああ、悪かったね……か、介助だからな!?見ての通り、両手が不便な人間の排泄を手伝うという!慈悲による介助だ!こんなに美しいボクが、こんなどうしようもない男に連れ込まれて、強引に襲われたわけではないからな!勘違いはしないように!……ほら、キミもさっさと行くぞ!……あ~もう……ちくしょ~……ボクが何をしたって言うんだ……ちょっと女の子に酷いことしただけじゃないか……」
――――
「はぁ~……このボクが、どうしてこのボクが、こんな冴えない男のために世話をしなければならないのか……全く、世の中というのは理不尽だねぇ……」
あなたは今、自室で座りながら映画を見ている。
風呂なしトイレ共同の、六畳一間のボロアパート。
現代社会においては、スマホ一台あれば大体の不便は解消することが出来る。ミニマリスト、というわけではない。狭い部屋には、意味のないものが散らばっている。ただ――男子大学生が一人で生きていく上では、それだけの空間があれば十分であるのだ。
黒嶺蓮は、実家が太い女の子だ。
マンションの一室を借りて、そこで生活をしている彼女とは生活のランクからして違う。彼女にとって、そのアパートというのは「逆に、ボロすぎて興奮をする」というものだ。隣人がAVを見ながらシコっている音まで、聞こえてくるような環境で――黒嶺蓮という、高嶺の花の美少女が汚されてしまうのだ。彼女はそういう背徳感を、是として考えているのだが――
「あ~もう……いいから、キミは座ってろよ~……っ。邪魔なんだから……あ~……せめて蓮ちゃんのお家だったらなぁ……カメラ仕掛けたり、下着物色したり、一杯やりたいことあるのにぃ……キミの家にカメラ仕掛けて何になるんだよ~……?……いや、でも……蓮ちゃんがたまに来ることを考えると……アリ、か?」
彼女は――
月島悠樹は、そうではないらしい。
片腕を骨折して、片手に裂傷を負ったあなた。
それは、日常生活を著しく困難にする代物だ。
片手の指先だけはどうにか使えるので、無様ながらも日常生活を過ごすことが出来るが――逆に言えば、あなたは無様な生活を余儀なくされる。人間らしく箸を使うことは難しく、犬食いを要求されるだろう。風呂に入ることも出来ないので、身体を濡れタオルで拭くだけ。それにしたって、自分一人で濡れタオルを用意することすら出来ないのだ。たっぷり三十分かけても、身体を少し濡らすだけで終わり。そうした障害を持つ人間が、生活基盤を整えた上で過ごすのとは違う。あなたの日常は、両腕が使えることを前提に組まれているのだ。
だから、それが遮られると――
座りながら、タブレットで映画を見る――程度しか楽しみがないのだ。
「それにしても……本当に散らかっているなぁ、キミの部屋……大体、キミの部屋の掃除はボクの仕事ではないだろう?ボクの役割は、キミの日常の現状維持のはずだ。使う前よりも綺麗に、なんておかしな言葉が許されるのはトイレの張り紙だけだぞ?全く……」
月島悠樹は――
メイド服を着ながら、ぐちぐちと不満を口にして――
それでも、しっかりと掃除をしているのだ。
黒嶺蓮に提示されたのは「自分が帰ってくるまで、住み込みで、彼の日常を支えてあげること」であった。
悠樹は最初、それに不満を示していた。
「このうら若く、可愛らしい女の子を、餓えた野獣と同じ檻に閉じ込めるなんて~」とペラペラ口にしていたが――「嫌ならやめてもいいよ?」と言われると、反論は出来ないらしい。「はい」とだけ答えて、悠樹は贖罪の条件を全て呑む。
だから彼女は、今、あなた専用メイドというわけだ。
「なぁ~……適当な女の子派遣してやるしさぁ、そいつに性欲処理もさせてやるから、口裏合わせて……そっか、こいつそれが出来ないのかぁ……使えねえなぁ~、ほーんと……
ん~?ボクは口の使い方までは蓮ちゃんに命令されてないからねぇ~?ボクは蓮ちゃんの命令には逆らえないけど、キミに従順に従う理由もないんだからなぁ~?勘違いするなよぉ~?ばぁ~かっ♪」
月島悠樹は、不機嫌そうに口先を尖らせている。
嘘が吐けないあなたには――口裏を合わせることは出来ない。
蓮に「悠樹くんはどうだった?ちゃんとメイドやってた?」と聞かれても、無言を貫くしか出来ない。初対面の相手には通用しても、付き合いの長い蓮には「言えない、ということは否定なのだな」と理解されてしまう。月島悠樹は、今、執行猶予中であるのだ。それが仮に真っ黒ではなく、色落ちした黒シャツのような灰色であっても、実刑判決は出てしまう。
月島悠樹は――
二週間弱、従順に、あなたのしもべになる他ないのだ。
「はぁ~……それにしても……ここにいると色々思い出すなぁ……」
悠樹は前屈みになり、床に散らかったプリントを拾っている。
臀部を突き出す体位は――余りにも蠱惑的な代物だ。
彼女が着用しているメイド服は、普段、蓮との行為の際に使うものだ。
あなたも勿論、コスプレセックスは大好きだが――
それ以上に、蓮がそれを大好きであるのだ。
あなたのおちんちんが、コスプレをするといつもより硬くなることに気が付いてしまった。硬い肉棒で膣奥をゴリゴリと削られる上に――淫らなメイドのごっこ遊びに、自身の感度まで昂ぶってしまうというもの。「気持ち良すぎて、ドハマリしすぎて、朝一の講義がある前日は絶対にやれない」という欠点があるようなものであり――
月島悠樹は、黒嶺蓮が普段使っているメイド服を着用しているのだ。
『蓮ちゃんの匂いがする~っ♪あ~、これたまんないねぇ……』などと上機嫌にのたまっていたが、あなたにとってそれは「コスプレセックス用の衣装」でしかないのだ。悠樹の大きな臀部が、あなたの目の前に見せ付けられている。彼女がそれを意識して、誘惑のために尻を振っていてもエロいのに――意識せず、見られてるとも思わず、不機嫌ながらも従順に従っている光景。
股間が硬くならない方が、おかしいのだ。
「キミさぁ……?人のお尻をジロジロ見て……っ♪あまりにも卑劣であり、下劣であり、品性を疑う行為だとは思わないかい?それが黒嶺蓮という、キミの恋人ならばわかるよ?だが……このボクは違うだろう?嫌で、嫌で、嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で仕方ないけれど、キミのメイドになってやっている身なんだぞ?
……この前のアレで
ボクのことを堕としたと思ったら……大間違いだからな?」
月島悠樹は、視線に目ざとく気がつく。
振り返り、あなたを見つめて、見下ろしてくる。
彼女が口にしているのは――
以前、ここで行われた4P交尾のことだろう。
詳細は割愛するが――
あなたは、月島悠樹を自らの肉棒で”ぐちゃぐちゃになるまでブチ犯した”という経験があるのだ。
それ以来、悠樹はまるで「何事もなかったかのように」という態度であなたに接している。元々、恋人以外との性行為というのは、軽々に口にする話ではない。その場にいた、彼女のセフレであり、蓮と一緒に免許合宿に赴いている黒川白雪も――顔を赤らめて、生唾を呑み、淫靡な雰囲気を漂わせてくるが――
直接、言及することはないのだ。
極上美少女との4Pセックスというのは、知られたとき、あなたの身に危険が及ぶもの。
あなたという雄を一人殺害するだけで、優秀なメスが三匹、市場にばらまかれるのだ。
それが倫理の介在しないボードゲームの話であれば、あなたですら、雌を独占しているあなたを始末した方がいいことはわかる。
だから、彼女達が軽々にそれを口にしない道理は成り立つのだが――
月島悠樹だけは、どこか違うのだ。
あの夜を――
彼女は「なかったこと」にしたがっている。
「いいかい?ボクという存在はな、男にも女にも屈することはなく……常に上に立つ側なんだぞ?ボクの気まぐれで恩寵を与えることはあるさ。ご褒美として、ボクの方から動いてやることがあれば、ボクのことを犯させてやることもあるさ。だがな、いいかい?だがそれらは全て、ボクの主導で行われるべきなんだ。キミのような矮小な凡人が、ボクをおちんぽで屈服させてアヘアヘ言わせたいなんて……エロ漫画の読みすぎじゃないかな?
……ふふっ♪ご明察♥
あれはぜ~んぶ……演技だよ、ば~かっ♥」
――ということに、したがっているのだ。
月島悠樹という存在は、常に相手を屈服させる側。
「あなたにおちんぽをブチ込まれて、アヘアヘ言わされて、最後はおまんこに力を込めて”ぷぴぷぴ”と中出しザーメンをひり出したこと」すらも、演技であると主張したいのだろう。
あなたとしては、別に、問題はないのだ。
これが餓えた男子であれば――月島悠樹を逃しはしないだろう。
スリーサイズ95・58・92のHカップ。断言をするが――彼女レベルの美女を抱く機会というのは、通常の男では生涯得られないだろう。超高級風俗で、見ず知らずの男に抱かれる――ということすら彼女達は無縁。その肉体を独占するためならば、億単位の金を払っても惜しくない太客ですら大勢いるに違いない。
月島悠樹は、人を惹き付ける魔性の人間性を持っているが――
それ以上に、彼女の肉体が最強の武器であるのだ。
グラビアアイドルが裸足で逃げ出すような、極上の肢体に、最上級のテクニックが詰まっているのだ。黒川白雪のようなレズビアンにのみならず――「普通に男の子が好きなんだけどなぁ」というタイプの女ですら堕とすことが出来る存在。彼女の手指というのは、通常のオスのペニスを遥かに凌駕した快楽があるのだ。
そんな極上のバイセクシャル美女と関係を持ち、肉棒でアヘアヘと言わせて、弱みを握っている状態。
猿になるな、という方が無理な話なのだが――
「まあ、キミでよかったよ……うんっ、強がりじゃなくてね?
キミの恋人は……黒嶺蓮だからね♪
あの身体を好き放題貪ることが出来るんだ……♪キミがボクに本気になる理由はないだろう?ボクのように、優秀な生き物がハーレムを望むのとは違い……キミのように矮小な雄は、たった一人の恋人がいればそれで十分♪この二週間を乗り切れば、蓮ちゃんとのセックスが待ち受けているんだ……♪ボクにがっついてぇ、蓮ちゃんに見損なわれるリスクなんて、犯さなくていいもんなぁ?」
彼女の言葉通り、あなたには黒嶺蓮がいるのだ。
88センチFカップで、あなたのことが大好きな後輩彼女。
悠樹を抱くことがあるとすれば、それは「蓮との関係性には一切影響が及ばない範囲」であるのだ。性欲でムラムラして、悠樹に性処理をお願いしても、それは自慰行為の延長線上に過ぎない。「利き手を使ったオナニーが出来ないから、月島悠樹の身体を使って自慰行為をする」というそれが、あなたの踏み越えられる一線。
それより先のボーダーラインを踏み越える必要は、あなたにはなく――
「……エロい目で見られるのはね、意外と嫌いじゃないんだよ?
ボクという存在の価値を理解して、高く評価して、エロい目で見ているんだろう?自分のような凡人ではぜ~ったいに手の届かない優秀なメス……と判断して、ボクを脳内シコペットにして妥協する……そういう彼らのことは嫌いじゃなくてね……
腹立たしいのは……ボクのことをエロい目で見ないやつさ
『ボクよりも価値があるものを知っている』『だから月島悠樹は大したことがない』とでも言いたげなあいつら……あれが一番嫌いなんだよ……♪それこそね?蓮ちゃんみたいに価値がある子は別だよ?あの子に嫌われないためなら、好かれるためなら、ボクは全部を投げ捨てることが出来るけどねぇ……
……蓮ちゃんのことを知っている……というだけで……
ボクのことを低く見る……キミみたいなやつは大嫌いなんだよ」
あなたは――
”どさっ”と、その場に押し倒される。
布団の上に仰向けになると、あなたの身体の上に、月島悠樹が跨がってくる。
仮に――
両腕が無事であっても、あなたは抵抗することが出来ないだろう。
悠樹は身体を前屈みに倒してくる。胸元を近づけて、腹部を遠ざける猫のような体位だ。あなたがそれをはねのけようとすれば、必然、彼女の胸を掴むことになる。それが男同士の喧嘩であったり、あるいはあなたの命を狙ってきた暗殺者であれば躊躇いがなくても――
現状で、あなたは「ただ、押し倒されただけ」であるのだ。
恋人の黒嶺蓮であるならばともかく、”幼馴染”の悠樹をはねのけるために――
その豊満な乳房を掴むわけにはいかない。
月島悠樹も、それを理解しているから――胸を差し出しているわけだ。
クラシカルスタイルなメイド服。「主人が劣情を催さない為に」と、肌の露出を避けたメイド服は――それが故に、劣情を催すという歪な服装だ。胸元の95センチHカップの破壊力を、あなたは知っている。凡人の雄が、生涯、指先一つ触れることすら叶わない乳肉。大勢の雄は「その95センチHカップを、間近で拝みながらオナニーさせてもらえる」とあらば、万札を容易く浪費するのだ。
昨夜――黒嶺蓮と、濃密交尾をしたというのに――
「……ふふっ♪そうだよねぇ?
キミの性欲が……普通の男子と一緒ならば、蓮ちゃんはそもそもこんな提案をしないさ……っ♪異常性欲者であるキミが、他の女子を襲って新聞沙汰にならないように……ボクが派遣されたんだから……っ♥」
あなたの肉棒は、どうしようもなく硬く隆起してしまうのだ。
「月島悠樹はめちゃくちゃシコれる」と「月島悠樹でシコったら負けな気がする」は両立する。あなたは逃げようとするのだが――彼女に跨がられている姿勢であるのだ。両腕が万全に使えても、逃げ難いというのに――
「抵抗しても無駄だぞ~♪くふふ……っ♥」
今のあなたは、両腕を使うことが出来ないのだ。
「いやはや、考えようによってはこれは役得だねぇ……♪黒嶺蓮という美少女を独占するキミ……♪大勢の男子から恨まれているのは知っているよねぇ?器量が良くて、頭も良くて、性格も良い美少女が……っ♥キミみたいな冴えない男子と大学構内でラブラブ……っ♥ボクはね、キミがいつ刺されてもおかしくないと思っているんだよ?ああっ、安心したまえ♪キミが刺されたとき、ボクは証言台にしっかりと立ってやるからな?被害者は刺されるに足る人物であったから、ボクは被告の情状酌量を要求します……ってね♪」
月島悠樹は、上機嫌でペラペラと舌が回っている。
先ほどまでの態度とは大違い。そもそも、月島悠樹というのはそういう生き物なのだ。修羅場に追い込まれて、一分後には殺されているかもしれない場面でも――反省を口にせずに逃げ切ろうとする人物。黒嶺蓮に、嘘を感知する能力がなければ――
彼女はあんな無様な土下座謝罪は、絶対にしない性格であるのだ。
「キミも知っての通り……ボクはね?セックスが上手いんだよ♪
以前のことを覚えているだろう?あの堅物の蓮ちゃんも、ボクの指使いにはメロメロさ……っ♪蓮ちゃんの愛情を鞍替えさせることは難しいけれど、セックスの上手さはどっちが上か~って質問ならぁ……ぜ~ったいにボクを選ぶだろうねぇ♪
ああ、勿論……あの醜態も忘れてはいないよ?あれはボクの人生で最大の屈辱だったからねぇ……っ♥だがあれは……キミに攻撃の手段があったからだ。卑劣なキミがボクに媚薬を飲ませて、ボクのことをぐちゃぐちゃにしたからだ
……ボクはね?蓮ちゃんにキミの性欲処理を頼まれたんだよ?
……わかるかい?ボクが一方的に攻撃することを許されているのさ……っ♥
キミのオナニーのために♥ボクは嫌で嫌で仕方ないけど、この身を差し出してやると言っているんだからねぇ……♪……キミに拒否権はないぞ?ボクの処理を拒むというのは、蓮ちゃんからのお誘いも断るのも同義……っ♥可愛い彼女を裏切れないだろ~?」
月島悠樹は――
”すりすりっ♥”と、あなたの股間を撫で回してくる。
ズボン越しに、彼女の掌が這いずり回る――
というそれだけで、あなたは腰が弾んでしまうのだ。
成り行きによって、二人の美女を抱くことが出来たが――あなたの女性経験のほとんどは、黒嶺蓮に支配されている。蓮が気持ちいいと思う触り方や腰使い、があなたにとっての正義。
一方で月島悠樹は、片っ端から食ってしまうタイプの――ヤリチンビッチだ。
戦場に初めて出た新兵と、数多の戦場を生き残った歴戦の強者程度の差はあるだろう。少なくとも――、一方的に責められたときに、あなたに勝ち目は悉皆として存在しない。
悠樹はあなたの股間を撫で回して、太腿や腰を愛撫してくる。
ズボン越しであるのに、彼女に触られる度に熱を感じて――それが徐々に、股間へと集中していくのだ。
「人間はね、苦痛には耐えられるように出来ているけど……快楽に耐えられるようには出来ていないんだよ……♪こんな役目を渡されて、ボクも鬱憤が溜まっていたけれど……ふふっ♪
キミを好きなだけいじめていいと思うと……溜飲が下がる思いだ……♥」
月島悠樹は、いたずらっぽく笑みを浮かべる。
”クッソ……どこまでいっても、顔が良すぎる……っ!”と、あなたはそればかりだ。
悠樹は、あなたのズボンを脱がせてくる。
下着一枚になると、肉棒の隆起は明らかだ。「おやおや……っ♥ボクのことを恋人と間違えて、発情しているようだね……っ♥」と調子に乗りながら、彼女は”カリカリ♥””コリコリッ♥”と爪先で、その膨らみを引っかいてくるのだ。
背筋にぞわぞわとした快楽が、こみ上げてくるのだ。
直接シゴかれるそれとは違い、微弱な快楽。
”ちんカリ”と言うのは、永遠にそれをされ続けても射精に到ることはないのだ。
それはつまり――
「ふふっ♪切なそうなお顔だね……っ♥さっきまでぇ、蓮ちゃんを裏切る気はないぞ~っ♥ボクは月島悠樹には負けないぞ~ってツラしてたのに……っ♥今はぁ……っ♥ちんちんカリカリの続きを待ち望んでる、お猿さんのお顔……っ♪」
月島悠樹次第では、あなたは永遠に射精出来ないのだ。
サドであれ、マゾであれ――優秀なメスに弄ばれるというそれは、男の子の金玉に直接響くものだ。嫌いなはずがない。悠樹はやがて、あなたの下着まで脱がせて――
”ぼろっ♥”
と、肉棒が露わになる。
「いやはや……これは参ったねぇ……っ♪普段あれだけ、ボクに冷たい態度を取って……っ♥ボクのことを邪魔者扱いしてくるくせに……っ♥
ボクのことを……孕ませたいと思ってしまうんだね、キミの本能は♥」
あなたの肉棒は――
情けなくなるほど、凜々しくそそり立っている。
「月島悠樹の膣内ににゅっぷんと挿入して、ヘコヘコと腰を振って、おちんぽがおかしくなるような射精がしたい」と訴えかけてきているのだ。悠樹は、あなたの肉棒に”ふぅ~っ♥”と息を吹きかける。吐息という微弱な快楽は、出来上がっていなければ、耳穴に注ぎ込まれても何も感じないのに――
”びぐびぐびぐ……っ♥”と、亀頭が弾んでしまうのだ。
「やあやあ……♪キミの身体は正直だねぇ♥キミのことは嫌いだよ?法律が許されるならば八つ裂きにしてやりたいくらいさ……♪ボクの愛しい蓮ちゃんを寝取っている、醜い間男だが……っ♥
キミのおちんぽは……ふふっ♥嫌いじゃないよ?」
”つんっ♥”と悠樹は、亀頭を人差し指でつつく。
それだけで――
”ああ、自分という雄は、月島悠樹の指一本にも勝てないんだな”と理解される。
「この間の蓮ちゃんとのセックス、見ていたよね?ボクはね……ほら……っ♥この指だけで、彼女を虜にすることが出来たんだよ?女の子を孕ませる側の性別である、キミが、おちんぽを使っても出来ないこと……っ♥ボクはこの指でヤり放題……っ♥ん~?どうした~?ボクはまだ、指一本しか使っていないぞ~っ?女の子の人差し指に勝てないほど……キミは弱っちい雄なのかな~?おーいっ♪」
悠樹は、あなたの肉棒を人差し指で撫で回してくる。
あなたの亀頭を優しく撫で回して、カリ首に爪を立てて、裏筋を”つつ~っ♥”となぞってくるのだ。
自慰行為では――絶対に味わえない快楽だ。
彼女の指の、指紋の溝までも感じ取れるような――繊細なタッチ。悠樹はあなたの顔をじいっと見つめている。あなたの顔の微細な反応で、何が気持ちいいのかを感じ取ることが出来るのだろう。モルモットを見つめる科学者のような表情をするのが道理だが――頬を赤らめて、瞳を潤わせたそれは、俗に言う”男好きする表情”だ。
月島悠樹の性経験というのは、単純な回数だけの話ではない。
彼女は優秀な雄と、優秀な雌が大好きであるのだ。
RPGのプレイヤーが、最初はスライムを倒してレベルを上げて、装備を調えて、更に強いモンスターを倒し、もっと良い装備を買い――を繰り返して魔王を倒すように、彼女もセックスの技術を積み上げてきたのだ。黒川白雪という極上美少女を虜にして、他の男に抱かせられるようになるまで惚れさせたのは――その結果であるのだろう。
生まれついての極上の才能に、弛まぬ鍛錬を加えた最上級の指技に――
”びぐびぐ……っ♥びっぐんっ♥”
「あっは……っ♪ちんぽ、雑魚だねキミ……っ♥この程度の前戯でイっちゃうのかい?んっ?蓮ちゃんに相応しくない雄だって自覚するまで♥潮噴いちゃうまで♥イジめつくすのも面白そうだ……っ♥蓮ちゃんが帰ってくるまでにぃ、お尻の穴を徹底的に開発調教しちゃうのもいいなぁ……っ♥……いや、だめだ、蓮ちゃん献身的だから……そっちの性癖を開拓するだけになりそうだな……」
あなたは、全身を弾ませながら悶えるばかりだ。
涙を流して、涎を垂らして――まるで、陵辱される女のように身悶えしている。
月島悠樹という極上の美女にとって、あなたという男は全くのボール球であるのだが――
それはそうと「黒嶺蓮の彼氏であり、以前、自分をアヘアヘ言わせた男」が悶えている姿に興奮しているのだろう。
あなたの肉棒を指先一つで愛撫しながら、あなたを弄ぶばかりだ。
以前――
黒嶺蓮は、月島悠樹に犯された。
詳細は割愛するが――互いに合意の上のスワッピングであり、犯罪性は一切存在しない。
故に――
それは、あなたの雄としてのプライドを徹底的に傷つけるものだ。
あなたには”おちんちん”という、最強の武器がある。
男性器と女性器は相性抜群であるというのは、人間の本能の話。「おちんちんをおまんこに入れて、腰を振るのが気持ちいい」という本能があるから、80億匹の猿が地球上で覇権を握っているのだ。黒嶺蓮との交際においても、結局のところ、メインディッシュは”おちんちん”だ。指先や舌を使った愛撫は、所詮、前戯に過ぎない。女性同士の性行為というのは、手慰みのお遊びだと思っていたのだが――
『んおおおおおお゛……っ♥あぐぅ♥うぎゅっ♥んんんん゛~~っ♥』
あなたの恋人である、黒嶺蓮は――
『うぐっ♡ゆる、ゆるぢで♡ぐだじゃい……っ♡ごわれるぅ♡あだま、おがぢぐなるがらぁ♡ふぁ、ふぁいっ♡悠樹くんのが、上、です♡セックス、上手いの♡気持ちいいの……っ♡ふぅ♡ふぐぅ♡生き物として、先輩より♡格上、だからぁ♡許してぐだじゃい……っ♡うううううう゛~っ♡♡』
月島悠樹の手指に、いとも容易く屈服してしまったのだ。
嘘が吐けない彼女の敗北宣言は、普通の女の比ではない。
「その場を逃れるための方便」という言い訳が通用しないのだ。
黒嶺蓮という雌が、あなたよりも、月島悠樹を格上だと思ったのは紛れもない事実。
勿論、蓮は「セックスが気持ちいいのは悠樹くんだけど、私が好きなのは先輩」という理屈を採用している。あなたも、その儚い理屈に縋っている。だが――どこまで行けども――
「あの日の蓮ちゃんを責めないであげてくれよ?ボクが雌として……いや、人間として優れているんだから仕方ないだろう……?こうして……っ♥蓮ちゃんを裏切れないと思っているキミですら♥ボクの指先でおちんぽが終わってしまうんだ……っ♥」
あなたよりも、黒嶺蓮を気持ち良く出来る相手がいることは事実なのだ。
月島悠樹は、もう、完全に自分のペースを取り戻している。
相手を”ご主人様”として敬うメイド服に袖を通しているのも――そうした、一つの倒錯的なプレイと扱えば屈辱は存在しない。”ご主人様”を弄び、陵辱するメイドプレイに置き換えながら――
「さてさて……キミ?メインディッシュはこれからだよ?
ボクの指の……たった一本に勝てないということは……♥」
”わきわき……っ♥”
「果たして……十本全部を使ったら、どうなるのかなぁ?」
月島悠樹は、あなたの肉棒に指をそっと添わせる。
恋人による手コキは、幾度となく味わってきた。
その度に気持ちいいと思い、精神的な充足感を得られていた。
だが――
あなたの目の前にあるのは、快楽を越えた恐怖であるのだ。
「まあまあ、遠慮することはないよ……っ♪キミのおちんぽを徹底的に気持ち良くして♥帰ってきた蓮ちゃんとのセックスでは到底満足出来なくなり、セックスレスになり、関係が自然消滅する……というそれは、ボクにとっては最高のハッピーエンドなんだからね……♪
……それでは、味わってもらおうか……っ♥
キミが……男の子に産まれてきた意味を……っ♥」
悠樹は――
”ぬちゅぬちゅぬちゅぬちゅ~~~っ♥♥♥”
と、あなたの肉棒を十本の指で陵辱するのだ。
”~~~~~っ!?”
「ふふっ♪そうだよねぇ、気持ち良すぎると、逆に声が出なくなっちゃうんだよ……っ♥酸欠でクラクラするかい?安心していいよ?快楽で死ぬことは……まあ、多分ないから♪」
あなたの肉棒を這いずり回る手指は――まるで、触手のようなものだ。
健全な男の子であるので、自身の肉棒は幾度となくシゴいてきた。
初めて精通に達した日から、毎日毎日、日課のようにオナニーを繰り返してきた。
勉学や部活動における継続的な努力は億劫でも、オナニーをめんどくさいと思ったことはない。毎日毎日、繰り返しシゴき続けてきたのに――
「ああ、まだ自分のおちんちんには、こんな性感帯が残っていたのか」とわからされるのだ。
十本の指がそれぞれ、全く違う動きをしているように感じられる。プロのピアニストが、まるで魔法でも使うかのように指を動かして、鍵盤を叩き、美しいメロディーを奏でるような――惚れ惚れしてしまう動き方だ。
亀頭も、カリ首も、裏筋も、陰嚢も、陰茎と陰嚢の付け根も――それどころか、彼女はあなたの”包皮”までも性感帯として愛撫してくるのだ。数人の女の手で同時に愛撫されるそれとは、比較にならないほどの気持ちよさ。大勢の相手と経験を持ってきた月島悠樹が――全身全霊を持って、あなたの肉棒をもてなしてくれるのだ。
彼女がその気になれば、あなたは二秒で敗北してしまうのに――
”ぬちぬちぬち♥ぬじゅるるっ♥ぶじゅっ♥かりかりかり♥ぐじゅぐじゅぐじゅ♥”
「おやおや~っ♪どうしたんだい?そんなに情けない顔をして……ふふっ♥蓮ちゃんの彼氏で……ボクのことをアヘアヘ言わせたキミが……っ♥簡単に負けてしまうのかい?
う~ん♪これはこれで腹が立つね……っ♥ボクが負けた相手がぁ、とっても強く凜々しい雄であれば溜飲も下がるけれど……っ♥こんな弱い相手に?たとえまぐれであっても?敗北を喫したというのは……ボクの名誉に関わるものだからね……♥
……イきたいのかな?
びゅるびゅる~♥びゅっびゅ~って……ボクのお手手でぇ♥さいっこ~に気持ちいいびゅっくんお射精したいのかな?
……ふふっ♪だめに決まってるだろ~っ♥」
いつまで経っても――
あなたは、射精させてもらえないのだ。
「なあ、キミ?わかるだろ?ボクくらいテクニックを極めちゃうとね……♥一瞬でイかせるのと同じくらい容易く、永遠にイかせないことも可能なんだぞ?射精には引き金が必要だからね……っ♥人差し指で引き金を引く、その軽い力……っ♥それに満たないギリギリで焦らし続ければ……ふふっ♪
おちんぽを壊すことなんて、ボクには朝飯前なんだぞ~っ♪」
月島悠樹は、上機嫌にあなたを弄んでいる。
彼女にどれだけ深い策謀があるのか――あなたには、それを推し量ることすら出来ない。
だが、今日の彼女は”思いつき”で行動をしているのだ。
幼子がトンボの羽をもぎとる際、「トンボは最強の捕食者と言われているが、所詮は人間には勝てない雑魚にすぎない」と考えながら、自身の尊厳の為の戦いを行っているのではない。
「羽根をもいだら、なんか面白そう」以上の発想はないのだ。
月島悠樹の手コキも、それと同じ。
触ると、ちょっとキモい声をあげるオモチャで遊んでいる――だけなのだ。
本気で壊されることはない、とは思っている。
悠樹にとって、黒嶺蓮の不興を買うことは絶対に避けなければならない。保護者が不在の内に、オモチャで激しく遊ぶことがあっても――帰宅したときに壊れていれば、それは確実な叱責となるのだ。
理屈では、わかっているのに――
”びぐびぐびぐ……っ♥びぐんっ♥ぶぐっ♥ぐぐぐぐ……っ♥”
「あ~っ♪その顔、たまらないねぇ……♥気持ち良すぎて、イきたくて……っ♥足をバタバタと弾ませちゃって……♪押し倒してレイプ出来ればいいのにねぇ♥ボクは所詮、か弱い女の子なんだから……っ♥腕力に物を言わせれば、キミが余裕で圧勝出来ちゃうのに~っ♪
……それが出来ないキミだから……遊び甲斐があるんだよ♥」
あなたの肉体は、本気で、壊される恐怖に脅えて――期待をしているのだ。
「ボクも鬼ではないからね……♪
ボクのご機嫌を取ってくれたらぁ、イかせてあげるよ?
ふふっ♪嘘を吐けないキミが、果たしてどうやってボクを喜ばせるのか……っ♥楽しみだなぁ♪ああっ、安心したまえよ?ボクは滑り芸や無様もちゃ~んと笑えるタイプだから♥おちんぽ気持ち良くなってぇ、脳味噌ドロッドロになって♥何も考えられない無様な根暗陰キャが精一杯やる一発芸……っ♪ちゃ~んと評価してあげるからなぁ~っ♥」
悠樹は――
”ぐいっ♥”と、顔を突き出してあなたを見つめてくる。
「顔が良すぎる」と、それ以外の思考が浮かんでこない。
月島悠樹はバイセクシャルであり、気に入った相手を片っ端から食い散らかすが――その相手にも性癖というものはある。
そうした性癖を――土足で踏みにじるのが、月島悠樹の顔面であるのだ。
異性愛者の女性を――あるいは、同性愛者の男性を問答無用で黙らせるのが悠樹の顔面だ。「美」に、性別は関係ない。月島悠樹の首から下にある媚肉たっぷりのスタイルは、おまけに過ぎない。あなたは黒嶺蓮という恋人がいるので、誘惑されることはないが――それでも、蓮と付き合っていなければ。悠樹の顔面を持った男の娘に口説かれれば、間違いなく、道を踏み外したことであろう。
互いの鼻息が触れ合う至近距離で、悠樹に見つめられるのだ。
傾国の美女という言葉の意味が、理解出来てしまう。
この顔に見つめられれば――人間は、全てを捧げてしまうのだ。
あなたは、ほとんど思考をすることが出来ない。
嘘を吐けないという体質で、円滑で友好な人間関係を築くことは困難だ。最初からそれをないものと割り切っているので、傷を負うことはないのだが――”悠樹に媚びなければいけない場面”において、あなたは頭が真っ白になる。多種多様な人生経験を歩んできた人間とは違うのだ。逆に悠樹であれば、ワンワンと鳴いて媚びを売ることが出来るのだろうが――あなたにはそれが出来ず――
だから――
”むちゅ…………っ♥”
「~~~~…………っ!?」
あなたは――
顔を突き出してきた悠樹に、接吻をするのだ。
”むちゅっ♥”と、唇同士が触れ合う。
悠樹はあなたの無様な顔を眺めて笑っていたので――反応が遅れたのだろう。
あなたにキスをされて、いつもとは違い「んひっ♥」と間の抜けた声を出す。
それから――
即座に、この状況で芋を引くわけにはいかないと思ったらしく――
”れっろぉ~……っ♥んれんれんれ……っ♥れるれるれる……っ♥”
あなたの口腔へと、舌をねじ込んでくるのだ。
月島悠樹の手指が、あなたでは絶対に勝てない快楽であるように――彼女の舌使いもまた、極上と呼べるもの。彼女の舌が女性器を舐め回すだけで、異性愛者の女ですら、悠樹への屈服を宣言してしまうのだ。舌でサクランボの茎を結ぶのは朝飯前であり――舌で折り鶴を作れるようなそれに――
「ふぅ♥んじゅるるるるっ♥むちゅ♥んれぇ~……っ♥ボクのこと、舐めすぎだろ♥んっ♥んちゅ……っ♥
キミ程度のキスが……ボクへのご褒美になると思っているのかい……?
すっごいムカつくね……っ♥いいかい、これがご褒美だよ……っ♥ボクという優秀な雌が、キミという矮小な雄にキスをしてあげる……っ♥そのときだけ、この行為はご褒美と言うんだ……っ♥全く……っ♥根暗陰キャは、ほ~んと……っ♥暴走すると、何をしでかすかわからないね……っ♥」
あなたは、もう、骨抜きにされてしまうのだ。
唇と肉棒を悠樹に支配されている状況。蓮があの日、「先輩よりも悠樹くんの方が気持ちいい」と告げた言葉の意味がわかる。あなたが好きなのは黒嶺蓮であるし、長いスパンで考えたときに満足できるのも蓮なのだが――
たった一夜――
何もかも忘れて、破滅的なセックスを出来るのは月島悠樹であるのだ。
「全く……っ♪本当に腹が立つな……っ♥ボクに媚びを売れと言われて、キスをするなんて……♥んふっwんふふ……っ♥いや、まあ……っ♥一発芸よりは笑えたよ♥仕方ない……っ♥マリアナ海溝よりも深い慈悲の心を持つボクだ……♥
許してあげるよ……っ♥」
悠樹は――
”ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅ♥♥♥”
と、あなたの肉棒を激しくシゴき上げてくる。
先ほどの、実況解説すら間に合わない、10本の指がそれぞれ別の動きをする手コキとは違い――ひたすらに単調なものだ。10本の指をピタリと合わせて、上下にシゴくだけの代物。我慢汁でぬるぬるのどろどろに汚れた肉棒を弄ぶそれは――
気持ち良すぎて、一瞬で射精をしてしまうものだ。
精液を搾り取る以外の目的を持たない、合掌コキのようなそれに――焦らされ続けたあなたが我慢出来るはずもない。「出せ♥出せ♥イけ♥イけ♥」と悠樹が耳元で囁くので、あなたはそのまま――
”びゅるるるるる~っ♥ぶびゅるるる~っ♥びゅ~っ♥びゅるる~っ♥”
”どびゅどびゅ♥びゅるびゅる♥びゅるる~っ♥びゅぐんっ♥びゅ~っ♥”
”びゅくびゅくっ♥びゅるびゅる♥びゅるるる~っ♥ぶびゅるる……っ♥”
”…………っ♥♥♥”
「ほらほら~……っ♥まだ出るだろ~♥金玉空っぽになるまでぇ♥びゅるびゅるしちゃえ~っ♥びゅっくんしちゃえ~っ♥」
月島悠樹の手コキで――射精をしてしまうのだ。
今までの人生で感じたことのない――勢いの良すぎる射精。
濃厚な精液が、尿道を遡上していくその感触で――背筋がゾクゾクと震えてしまうほど。悠樹は、尿道に残った最後の一滴までを搾り取っていき――
「見たまえよ……っ♥ボクのこの可憐なお手手……っ♥掃除も家事も食器洗いも、女にやらせてるから、少しも荒れていないお手手が……っ♥
キミのザーメンでぇ……べ~っとり汚れてしまったんだぞ~?」
彼女は、あなたに掌を見せ付けてくるのだ。
白濁としたザーメンは、半固形のゼリー状のようになっている。昨夜、黒嶺蓮と「免許合宿で我慢できるように、二週間分の特濃交尾」を堪能したのだ。本来であれば、水のように薄いものになるのが道理なのだが――
「……んれぇ♥れるれるれる♥んじゅっ♥んちゅるるるる……っ♥んぐんぐ……っ♥……ぷはぁ♥……まっず♪」
月島悠樹との性行為は、まさしく、命を削るような代物であるのだ。
数日単位であるが、確実に寿命が縮まったのだとわかる。違法薬物よりも遥かに効果が強い脳内麻薬。これを繰り返しやり続ければ、きっと、あなたの人生は容易く壊されてしまうのだろう。
「ふふっ♪本当はも~っと、徹底的にいたぶってやりたいところだけど……っ♥まだ初日だからね♪ここで無理をしすぎて、壊れてしまってもつまらないし……っ♥それにぃ……っ♥ボクはいいものを手に入れたからね……っ♥
……キミが考えるボクへのご褒美……っ♥
キス、なんだね……っ♪
蓮ちゃんに言ってやろ~っ♪ボク、キミの彼氏からちゅーされたぞ~って……っ♥嘘じゃないもんねぇ?これは紛うことなき事実♥あ~、楽しみ~っ♪蓮ちゃん、ワンチャンキミに愛想尽かさないかなぁ~……っ♪」
月島悠樹は、上機嫌のご様子。
おもちゃを買ってもらった幼子の喜びと、同じだ。
彼女がいずれ、あなたに飽きてしまうときも――幼子と同じように一瞬なのだろう。それが今日の夜なのか、明日の朝なのか、それとも――、二週間、飽きることはないのか。あなたにはわからない。言語を解さない幼児の心を推し量ることが出来ないように、月島悠樹の感情も、あなたという凡人には到底理解が及ばないのだ。
わかっているのは――
今の悠樹が上機嫌であるということだけ、だ。
「いいかい、キミ……♪この二週間で、ボクはキミを徹底的に堕としてみせるからね……っ♪そりゃまあ、キミがいきなりね?蓮ちゃんと別れたいよ~って言い出したら……その責任は何故かこのボクが取らされることになるけど……うんうんっ♪3Pしたいとか、スワッピングしたいとかぁ、キミに本心から思わせて言わせる分にはセーフだろう?ふふっ♪楽しみだねぇ……っ♥ボクのおもちゃとして♥精々、愉快な音を響かせてくれよ、キミ……♪」
月島悠樹は宣言をしてから、立ち上がり、手を洗う。
六畳一間の狭い空間であるのだ。この場から逃げ出すことは出来ない。「極上の美少女に、おちんちんをたっぷりいじめ尽くしてもらう」という状況でありながら、あなたは僅かな絶望を感じて――それから「ザーメンまみれの掌を洗う女の子って、めちゃくちゃエロいな」と、そんなことを考えた。