Previous Post

丸呑ミラクル

Next Post
no preview
DESCRIPTION

「んー……トレーナーさぁん……もうちょっとだけ、寝ててもいいですかぁ……?」

休日の昼下がり。トレセン学園のウマ娘寮、ヒシミラクルの部屋。ベッドの上にだらしなく横たわり、毛布にくるまったままのミラクルは、うとうとと微睡みながら間延びした甘えた声を上げていた。

「ミラクル…。いい加減起きないと休みが終わっちゃうぞ。掃除も洗濯も手伝ってやったんだから、午後は少し外に出て歩くくらいしないと」

「えー……めんどくさ~……。今日はずっとお部屋で、ゴロゴロしてたい気分なんです……」

ベッドの傍らで呆れ顔で立っているのは、彼女の専属トレーナーだった。休日のたびにこうして彼女の部屋に呼ばれ、身の回りの世話を焼かされている。マイペースな彼女の性質を理解し、半ば甘やかすように付き合っていた。

「わかったわかった。…じゃあ、お茶でも淹れるから、それ飲んだら起きろよ」

「えへ……ありがとうございます、トレーナーさん。……あ。そういえば…お茶淹れるなら、私がとっておきの茶葉、用意しますよ」

ミラクルはのそりと起き上がると、戸棚から小さな缶を取り出した。

「珍しいな。ミラクルが自分から動くなんて」

「ふふっ、たまにはトレーナーさんに恩返し、みたいな? ……あ、ちょっと待っててくださいね。お湯沸かすのは私がやりますから」

ミラクルは急須にお湯を注ぐ際、トレーナーの背中越しにこっそりと、ポケットに忍ばせていた小瓶を取り出した。中には透明な液体が入っている。先日、恋愛相談という名目でアグネスタキオンの研究室を訪れた際、ある目的のために特別に作ってもらった薬だ。

彼女はそれを、トレーナー用の湯呑みに一滴残らず注ぎ込んだ。

「はい、おまたせしましたぁ。一緒に飲みましょー?」

「ああ、ありがとう。……ん、なんか少し甘い匂いがするな?」

「気のせいじゃないですかぁ?ほらほら、冷めないうちに」

ミラクルのぽわぽわとした、いつもと変わらないゆるい笑顔に促され、トレーナーは疑うことなくそのお茶を口に含み、飲み込んだ。

「……ん?あれ、なんだか……急に、めまいが……」

お茶を飲み干した直後、トレーナーは視界がぐにゃりと歪むのを感じた。立っていることができず、その場にへたり込む。

周囲の家具が、壁が、天井が、急激に遠ざかっていく。いや、自分が猛烈な勢いで小さくなっているのだ。

「な、なんだこれ……ミラクル!?俺、どうなってる……!?」

パニックになるトレーナーの視界を覆い尽くしたのは、空のような高さから見下ろしてくる、巨大なヒシミラクルの顔だった。

「あー……うん。ちゃんと効いたみたいですねぇ。タキオンさんの薬、すごいかも」

ミラクルは全く驚く様子もなく、むしろ満足げに目を細めていた。

「み、ミラクル……?これ、お前がやったのか……!?」

「んー……だってぇ、トレーナーさんってば、いつもお仕事お仕事って、あっちこっち動き回るじゃないですかぁ。その度にわたしを蔑ろにして…ちょ~っとでも暇そうなら声かけようかなって思っても、すぐどっか行っちゃうし…」

彼女はゆっくりと手を伸ばし、親指と人差し指で、数ミリほどのサイズになったトレーナーをひょいっと摘み上げた。

「わたし、やっぱり面倒なことは嫌いで……いちいちトレーナーさんを探したり、誰かに取られないか心配したりするの、すっごく疲れるんです。だから……」

ミラクルの目は、いつものとろんとした穏やかさを保ちながらも、水底のような底知れぬぬるい独占欲に濁っていた。

「ずっと、私の中で、一緒にいたいなって。そうすれば、探す手間も、離れ離れになる寂しさも、全部なくなって普通に幸せでいられるでしょ?」

「な、何を言ってるんだ……? 中って、まさか……!」

トレーナーが事態の異常さに気づき、顔を青ざめさせた時、ミラクルはぽかんと大きく口を開けた。

そして、摘み上げたトレーナーを、そのピンク色で湿った薄暗い空洞の上へと持っていった。

「…いただきまーす♡」

「やめ、やめろミラクル! 俺だぞ! 食われるっ、やめ――」

トレーナーの悲鳴は、ヒシミラクルのふっくらとした唇が閉じられると同時に、完全に遮断された。

「んっ……ふふっ……」

ミラクルが満足げに唇を舐める。

トレーナーの視界は、完全な暗闇と生暖かいピンク色の肉の壁に覆われてしまった。

「うわあっ…」

彼が落とされたのは、ミラクルの口腔内、広大な舌の上だった。

足元は唾液で滑り、立ち上がることすらできない。周囲からは、先ほど飲んだお茶の微かな香りと、ウマ娘特有の甘く熱い息の匂いが充満している。

「み、ミラクル! 出してくれ! 冗談だろ!?」

彼が必死に叫びながら、巨大な歯を叩き、隙間をこじ開けようとするが、当然のようにウマ娘の閉ざされた口は鋼鉄の扉のようにピクリとも動かない。

『ん〜……ふふっ、トレーナーさんがお口の中で……くすぐったいですねぇ』

外から、ミラクルの楽しそうな声が響いてくる。口という密閉空間にいるため、彼女の声は骨伝導のように直接トレーナーの全身を震わせた。

ズズンッ、と足元が大きくうねる。

「うわっ!?」

ミラクルの巨大な舌が動き始めたのだ。柔らかく、しかし筋肉の塊である強靭な舌が、トレーナーの小さな体を掬い上げ、口蓋にぐりぐりと押し付ける。

「がはっ……!ぐ、ぐるじ……っ!」

全身が大量の唾液にまみれ、ねっとりとした粘液が服に染み込んでいく。ミラクルの舌は、まるで食後のキャンディを味わうかのように、ゆっくりと、ねっとりとトレーナーを口の中で転がした。

『んっ、ちゅっ……れろぉ……んんっ……。トレーナーさん、なんだかしょっぱくて、でもあったかくて……美味しいかも?』

彼女の味蕾がトレーナーの全身を舐め回す。ウマ娘の強烈な体温と湿度が、急速に彼の体力を奪っていく。耐久化薬のせいで体は潰れないが、巨大な筋肉に揉みくちゃにされる圧迫感と、唾液による息苦しさは元のサイズの人間が巨大な洗濯機に放り込まれたようなものだった。

「あ、あぁっ……助け、て……!」

『ふぁ〜あ……なんだか、あったかいの含んでたら眠くなっちゃいました。……じゃあトレーナーさん、行ってらっしゃいですね』

巨大な音が響いた次の瞬間、トレーナーの足場となっていた舌が奥へと傾き、喉の奥の真っ暗な穴が大きく開いた。

「あ、あああぁぁぁっ!!」

唾液の濁流とともに、彼はブラックホールのような食道へと一気に滑り落ちていった。

「ぐあっ!げほっ、ごほっ……!!」

猛烈な勢いで暗闇のチューブを落下していく。

周囲は、先ほどの口腔内とは比べ物にならないほどの強力な筋肉の壁に四方八方を囲まれていた。ミラクルの食道である。

そこは、獲物を胃袋へと送り込むための一方通行の道。彼女がゴクリと喉を鳴らすたびに、食道の筋肉が波打つように収縮し、トレーナーの体をギューッと締め上げながら下へ下へと押し流していく。

「あがっ! 息、が……っ!」

強烈な運動…四方から迫る生暖かい肉の壁が、トレーナーを隙間なく包み込み、まるで万力のように全身をプレスする。

耐久化されていなければ、この時点で全身砕け散っていただろう。しかし、死ぬことができない体は、ただただウマ娘の内臓の力強さと、息ができない絶望感だけを延々と味わわされる。

ドクン、ドクン、ドクン……!

壁のすぐ向こう側から、ミラクルの巨大な心音が轟音となって鳴り響く。彼女の命の鼓動が、自分を消化器の奥底へと運んでいく。

「だ、出して……嫌だ、こんな……!」

必死に壁を叩こうとしたり、上へよじ登ろうとするが、ぬるぬるとした粘液に滑り、さらに強烈な筋肉の収縮によって身動きもできぬまま強制的に下へと押し込まれる。

そして、長い長い肉のトンネルを通り抜けた瞬間。

ぽちゃん、と。

強烈な酸の匂いが立ち込める、生暖かい液体のプールへと落下した。

「ぷはっ!はぁっ、はぁっ……!げほっ!!」

強烈な酸の匂いにむせ返りながら、トレーナーは液体のプールから顔を出した。

周囲は完全な暗闇。しかし、肌に触れる空気はサウナのように熱く、足元にはドロドロとした消化液が湖のように広がっている。

見上げれば、今落ちてきた食道の入り口が、完全に閉ざされているのが見えた。

ヒシミラクルの胃袋の底。そこが、彼の行き着いた終着点だった。

「あ、あぁ……俺は、本当に……ミラクルに食われ、た……」

胃酸のプールの中で、トレーナーは絶望に打ちひしがれた。通常であれば、この強酸の海に落ちた瞬間に皮膚が焼けただれ、数時間後にはドロドロに溶かされて彼女の栄養となっていただろう。

しかし、薬による細胞硬化のせいで、彼の体は全く溶けない。ただ、熱い。息苦しい。そして、周囲を囲む巨大な胃壁が、異物を感知して激しくうねり、何度も何度も彼に押し寄せては圧迫してくる。

『……んっ、トレーナーさん、無事にお腹に着いたみたいですねぇ』

胃の壁越しにくぐもって聞こえる、ミラクルの穏やかで間延びした声。

『あったかいですか?苦しくないですか?……あ、薬効いてるから、溶けたりしないんで安心してくださいね。私、トレーナーさんがいなくなっちゃうより、ずっと生きたままお腹の中にいてほしいですから』

ボコンッ、ボコンッ!

胃壁が大きく波打ち、トレーナーを優しく、しかし圧倒的な質量で揉みくちゃにする。

「ミラクルっ!出してくれ!こんなところ、生き地獄じゃないか!!」

『地獄じゃないですよぉ。そこは、私の一番安心できる場所。……んふふ、私のお腹、今すっごくいっぱいで、ぽかぽかしてる。トレーナーさんが私のお腹の中で動いてるの、すっごくよくわかって……♡』

外の世界では、ミラクルがベッドの上に仰向けに寝転がり、少しだけふっくらと膨らんだ自身の下腹部を、愛おしそうに撫で回していた。

彼女が外からお腹を撫でるたびに、胃袋の中の空間が狭まり、天井の肉がトレーナーの頭上にのしかかってくる。

『もう、お仕事しなくていいですからねぇ。他のウマ娘のところに行ったり、勝手に帰ったりするのも、ナシです。……これからは、24時間365日、ずーっと私と一緒にいましょうね』

「いやだ……出して、出してくれミラクル……っ!!」

『ふぁ〜あ……お腹いっぱいになったら、本格的に眠くなってきた……。トレーナーさんも、私の心音聞きながら、ゆっくり寝るといいですよぉ。……おやすみなさい、私のトレーナーさん』

ミラクルの声が遠ざかり、やがて、規則正しく穏やかな寝息へと変わった。

ドクン、ドクン、という心音と、スゥー、ハァー、という肺の膨らむ音が、胃袋全体に響き渡る。

強酸のぬるま湯に浸かりながら、周囲の肉壁にギューギューと締め付けられるトレーナー。

逃げ場はない。光もない。死ぬことすら許されない。

彼はただ、ヒシミラクルという少女の体内で、終わりのない永遠の同居人として生き続けるのだ。

「……あ……あああぁぁぁ……っ」

絶望の嗚咽は、ウマ娘の分厚い脂肪と筋肉に阻まれ、外の世界に届くことは永遠になかった。

(…ちょっと、怖がらせすぎちゃったかも…?また後で出してあげるんだけど…まぁ、そのときに沢山甘やかせばいっか…)

それ反対だぞ PIXIV FANBOX 33 favs
VIEWS1
FILES1 file
POSTEDJun 16, 2026
ARCHIVEDJun 15, 2026