Previous Post

地球人の1000倍サイズの学園に留学する話 その2

Next Post
no preview
DESCRIPTION



あらすじ

 僕は今、身長1ミリにも満たない小人となっている。

 ある日、巨人の惑星への留学を一方的に決められ、留学先の学園に連れてこられてしまった。

 そこは地球人の1000倍を超える巨人たちが通う学校で、そこに入れば僕のようなただの地球人はたちまち体長1ミリ前後の小人になってしまうのだ。

 クラスの担任のリゼ先生は、1500メートルを超える長身に豊満な体型を持つ、落ち着いた雰囲気の女性だ。肩まで伸びた艶やかな長い桃色の髪を後ろでまとめ上げて、深い緑色の瞳は知性と優しさに満ちている。彼女の包容力は圧倒的で、彼女の優しさは、この星での生活で僕にとって唯一の救いだった。


 だが、学園は厳しい環境だ。1000倍サイズの巨人たちの学校で、僕のような小人が学園生活を送るのは困難を極める。

 そこで、クラスメイトのライアさんがサポート役として抜擢されたのだがこれが厄介だった。

 彼女は長く伸ばした金髪をなめらかに揺らし、碧眼が鋭く輝く彼女は、彫刻のように美しいが、サディスティックな性格の持ち主だ。

 彼女に踏み潰されそうになったり、トイレで屈辱的な行為を強要されたり、恐怖と屈辱の日々が始まった。ライアさんとは文字通り1000倍以上ものスケール差がある為、その威圧的で支配的な態度に僕は抗うことが出来なかった。


 なんとか恐怖の学園生活をくぐり抜けたのもつかの間、学園に用意された僕用の小人寮にリゼ先生が連れてきたのだが、ふとした事で彼女の巨体で僕の家が粉砕されてしまった。

 家が無くなったので仕方なくリゼ先生の自宅に泊まらさせて貰ったのだが、彼女と一緒に入浴する事となり、大変いい思いをさせて貰ったのはココだけの話だ。

1. ローファーの影の下で

 朝、僕はリゼ先生の手のひらに乗せられて、彼女の自宅から学園へと運んでもらう。

 昨夜、彼女の家で過ごした記憶がまだ頭に鮮明に残っている。

 彼女の巨大な胸に包まれた温もりと、汗と甘い香水が混じり合った濃密な匂いが、僕の鼻腔を満たしていた。

 彼女の巨大な胸に包まれた時、彼女の温に包まれ、汗と甘い香水が混じり合った濃密な匂いが、僕の鼻腔いっぱいに広がり、彼女の心臓の鼓動が僕の小さな体を震わせ、柔らかい肉に埋もれた感覚は、恐怖と幸福が交錯する異様な体験だった。


 彼女の胸の谷間から漂う彼女の体臭が、僕を狂わせる。

 僕はリゼ先生の山のような胸に抱きつき、いやしがみついて、その巨大な体に全身で触れながら、彼女の体を堪能させてもらった。

 汗で湿った肌が体に密着するたび、そのぬめりと柔らかさが皮膚に染みつく。そのじっとりとした感触に僕は、恍惚とした感覚に陥りながらも彼女の虜になっていった。

 彼女の汗が僕の唇に触れた瞬間、かすかな塩気と甘さが舌に広がり、その味が僕の感覚を狂わせ、頭から離れない。

 彼女の濃厚なフェロモンにあてられたかのようだった。


 そんな一晩を過ごした為か、まだ頭の整理がついておらず、ぼんやりと靄のかかった頭でリゼ先生の手のひらの上にいた。


「それじゃ、行きましょうか」


 リゼ先生は僕に向かって微笑みかけると僕をブレザーのポケットにしまった。そしてポケット越しに彼女の巨大な胸が大きく張り出されるために、僕はポケットの布の中で押し出される形になり、満員電車さながらの圧迫感に襲われた。


「うぷ!」


 柔らかい肉の壁が全身を圧迫する感覚に思わず声が出てしまった。圧迫感はあるものの、決して不快な圧力ではない。それは柔らかくほのかに暖かな肉体に包まれるような感覚に全身が包まれる。

 ポケットの向こう側から聞こえてくる心地良い胸の鼓動音と彼女の肌の温もりを感じながら、僕は目を閉じて身を任せてしまう。その音と振動に耳を傾けるとまるで母のお腹の中にいるように安心してしまう自分がいた。

 しかし直ぐに我に返り、「これは先生の身体なんだぞ!」などと自分自身に言い聞かせつつも心地良さは消えず。それに甘んじてポケットの中でリラックスしてしまう。


「ちょっと狭いかもしれませんが我慢してくださいね?」


 リゼ先生は穏やかな口調で僕に語りかけてくる。

 彼女の優しく包み込むような声が聞こえる度に安堵感と共に幸福感が湧いてきた。


「……はい」


 彼女は軽やかな足取りで学園までの道程を歩き始めると同時に彼女の豊満なバストが大きく揺れて、僕の身体はその揺れに合わせてポケットの中で跳ね回った。

 ポケットを通して伝わる暖かさは、まるで母性を体現した温もりのようだった。

 今まで経験した事がない感情に戸惑いつつもその温もりを求め続けてしまっていた。このままいつまでも身を預けたいという欲求が沸き起こるほど心地よすぎて気が付くと夢の中に入ってしまいそうになる……。

 でも、そんな甘美な余韻に浸る間もなく、僕は1000倍の巨人たちが闊歩する巨大な教室に連れて行かれると、冷酷な現実に引き戻される事になる。


 揺れが止まった感覚が伝わったので、僕は名残惜しい気持ちを抑えつつポケットから顔を出すと、リゼ先生は教室の前に立っていた。

 ポケットから頭上を見上げると、目の前にそびえ立つ大きな崖…ではなく扉が見えた。

 それは僕が普段地球で生活している建物と同じ存在なのに何故か違う……屹立する山のように感じてしまう。身長が1ミリにも満たない今の僕にはその大きさは途方もないとしか思えなくて圧巻の一言に尽きるだろう。


 リゼ先生は扉を開け中に入っていく。するとそこには既に生徒達が座って待機していた。

 皆それぞれの席についており談笑したり本を読んだりなど様々だ。そんな彼らを見て改めて実感させられるのは自分と彼らとの距離感だ。


 目の前の巨大な生徒達を見て思う。彼らにとって僕なんて小石程度にしか思っていないのではないだろうか?

 いやもしかしたら虫ケラ扱いなのかもしれない……そう考えると途端に恐ろしくなり背筋に冷たいものが走る。

 そんな風に怯えながら、僕はリゼ先生の手から自分の席がある、巨大な机の隅に降ろされ、木製の表面に立った。


「おはよう、小人ちゃん♪」


 席に着いた途端、上空から雷鳴のように轟く巨大な声が降ってきた。僕が見上げると巨人のクラスメイトであるライアが僕を見下ろし、ニヤリと笑っていた。

 彼女の長い金髪は今日も、朝の光を浴びて輝いている。碧眼が鋭く光り、その視線が僕を貫く。

 彼女の美貌は彫刻のように完璧で、1500メートルを超える巨体が小さな僕に対し圧倒的な存在感で威圧してくる。


「あ……ああ……」


 僕は小さく震えながら答える事しかできなかった。


「あら?どうしたの?そんなに怯えて」


 彼女はそう言うとクスクスと笑い出した。

 その笑い声は彼女の巨大な唇から発せられる振動となり、僕の体に直接伝わってくる。

 彼女の唇がわずかに動き、吐息が僕に届くたび、かすかな甘さと汗の匂いが混じった強風が吹き荒れてしまう。彼女の巨大な肺活量によって吐き出される大量の空気が僕の全身に吹き付け、周りの空気がビリビリと震える。

 そんな風に弄ぶような行動をする彼女に恐怖を感じつつも抵抗できない自分が情けなくて仕方ない……。それでも僕は何とか耐え忍ぶ。


「お、おはよう……ライアさん」


 僕は恐怖を押し殺しながらなんとか挨拶を返すことができた。しかし、その声は小さく震えており、とても彼女の耳に届いているとは思えない。


「ねぇ、小人ちゃん?そんなに怯えることないじゃない?」


 彼女はニヤリと笑うと、ゆっくりと僕の方へ近づいてきた。


「ひっ!?」


 僕は思わず悲鳴を上げてしまった。しかし、そんな僕の様子などお構いなしに、ライアさんはさらに近づいてくる。

 そしてついには僕の目の前に巨大な彼女の顔が現れた。その距離は僅か数センチ。だが僕からしたら数十メートルもの距離。

 彼女の吐息が強風となって、まるで嵐のように激しく揺れる中で、彼女の碧眼が僕を捉えて離さない。

 その瞳はまるで宝石のように美しく輝いているが、同時にその奥底には深い闇のようなものを感じた。端から見たら美少女の微笑み。

 でも、彼女のその笑顔は、天使の微笑みなんかじゃない。僕にとっては、獲物を弄ぶ悪魔の嘲笑だ。僕の全長は1ミリにも満たない。彼女の爪の先にも収まってしまうほどの小ささで、そのスケール差が心に冷たい恐怖を刻み込む。

 象のような巨人とアリのような小人。そのスケールの差を嫌というほど見せつけられるのだ。


 僕は恐怖のあまり動くことができなかった。ただ黙って彼女を見上げることしかできなかった。

すると突然、ライアさんがクスッと笑った。


「小人ちゃん、今日もよろしくね♪」


 彼女はそう言って指先をちょこんと上げて振ってきた。

 まるで、『お前なんか指先だけで潰すことが出来るんだぞ』、と言わんばかりのジェスチャーである。


 それに対して僕は怯えながら頷くことしかできない。すると今度は彼女が顔を寄せ耳元まで口を近づけてくる。

 耳元から生温い吐息が流れ込み、僕の全身がぞくりとする。そして彼女は僕の耳元で囁いた。


「今日はどんなことをしてあげようかな〜?楽しみにしててね♪」


 彼女の囁き声には愉悦と興奮が入り交じっており、まるで僕を玩具のように扱う彼女の言葉に背筋が凍る思いがした。

 彼女の巨大な指先が僕の目の前に迫っただけで、体中に鳥肌が立ち震えが止まらない。圧倒的なスケール差で彼女は僕を簡単に握りつぶすことができるだろう。その事実を突きつけられただけで全身の血流が止まりそうになるのだ。


「あらあら、二人とも仲が良さそうでなによりです♪」


 そんなやりとりを傍から観ていたリゼ先生はライアさんの本性を知らないのか、いつもの笑顔で僕を見下ろしていた。

 今日も地獄の学園生活が幕を開けた。


◆◇◆


 巨人の机は僕の視点から見ると果てしない平野だ。

 表面には木目が細かな川のように流れ、巨大ながペンで走り書きした跡が深い溝となって刻まれている。

 消しゴムのカスが人の背丈を超える岩石のように転がり、目の前に巨大な山を作っている。

 所々に広がる黒色の染みはインクの後だ。まるで池が干上がった跡の様に見えるそれは、微かな化学的な匂いを発して鼻を刺激してくる。

 全ての物が巨大であり、その重みも、この机という世界の巨大さを実感させる。


 しかし、そんな机の天板もこの惑星の生徒からすれば、なんてことの無いただの学習机でしかない。

 そしてこの天板の上に居る僕は、人間の世界に迷い込んだ虫、いや微生物のような存在なのである。

 目の前に広がる圧倒的なスケールを前にすると、自分がいかに小さい存在であるかを思い知らされる。

 僕の周りではいつも通りの日常が展開されている。

 しかし、それは巨人たちの日常であり、僕にとっては非日常であり命の危険だらけの恐怖の対象でしかない。

 教室には30人ほどの巨大な女子生徒たちがいて、彼女たちの足音が地響きとなり、僕の小さな体を震わせるのだ。

 僕はその振動に耐えながら、ただじっとしているしかなかった。


 そんな中、リゼ先生が生徒たちに席につくよう促してから朝のホームルームが始まった。

「皆さん、おはようございます」と彼女が挨拶をすると同時に大きな挨拶の声が返ってくる。その声はまるで地鳴りのようで鼓膜を激しく揺さぶるのだ。

 そして彼女はいつも通り授業を始めるのだが、彼女の声ですら小さな地震を起こすほどで僕はその度に肝を冷やした。

 小人にとっては大きすぎるその声が頭に直接響いてきて恐怖を感じたからだ……。

 そんな調子で朝のHRが終わり、1時限目の授業までの短い休憩時間が訪れた。


「ねえ、小人ちゃん?」


 突然、ライアさんが僕に声をかけてきた。彼女の長い金髪が僕の目の前に広がって眩しいほどだ。


「な、なに?」と僕は恐る恐る答える。すると彼女はクスッと笑って言った。


「面白い事を思いついたから、ちょっと遊ぼうか?」

「え?遊ぶって……何を?」


 恐る恐る聞き返すと、彼女はクスクスと笑いながら、僕を摘み上げると、そのまま放り投げるようにして床に落としたのだ!


「うわああ!」と悲鳴を上げながら床に落ちた僕は、痛みに耐えつつ彼女を見上げると、彼女はニヤリと笑って言ったのだ。


「あはっ♪こうして床に落としてやると、意識してないと見失っちゃうくらいに小さいのね♪」


 その言葉を発した彼女の目はまるで獲物を狙う肉食獣のようにギラギラとしており、明らかに僕を捕食対象として見ているのが分かったからだ……。


「い、いや……あの……」


 僕は恐怖で上手く喋る事ができず、口ごもってしまう。すると彼女は再びクスッと笑うと、足元を見せつけるように靴を僕の頭上に掲げたのだ。


「ほら、君に比べて私の足って大きいでしょ?」


 と、彼女は自慢気に言った。確かに彼女の言う通り、彼女の足は僕よりも遥かに大きい。

 彼女が履いているのは、制服に合わせた黒いローファー。

 全長240メートルもある巨大な靴が、床にドスンと置かれると、教室の空気が振動し、低く重い音が耳を劈く。

 僕はその小高い山程の大きな靴に目を奪われた。靴の表面は黒光りし、つま先部分には装飾で象られた微かな凹みが刻まれている。

 革の表面には細かな擦り傷があり、彼女が歩いた証として無数の埃や砂粒が付着している。

 それらは僕の視点からは岩石や小石のように見え、靴底の溝にはさらに大きな瓦礫が挟まっている。

 彼女の足の汗が染み込んだ革からは、濃厚で生々しい匂いが立ち上り、鼻腔を刺激する。


「これでさ、踏み潰しごっこでもしようかなって♪」

「え!?ちょっと待って——」


 僕の制止の声は、彼女の耳には届かない。ライアさんはローファーを上げると、ゆっくりと僕の方へ近づけてきた。彼女の脚が靴を掲げる様子は、僕には巨大なクレーンが鉄骨を吊り上げる光景のようだ。

 上空に漂うローファーが揺れ、その黒光りする靴底が視界を埋め尽くす。靴底の溝に挟まった砂粒が、僕を簡単に押し潰せるほどの大きさで、その一つ一つが命を嘲笑うように光っている。


「ほら逃げてごらん?私、ちゃんと狙うからさ♪」


 彼女の声は楽しげで、まるで子供が虫を追いかけるような無邪気さがある。でも、僕にとっては死の宣告だ。

 ライアさんがローファーを持ち上げて靴の先端を僕に向けて傾けると、巨大な影が僕の周囲を覆った。サッカーコートサイズの影が自分の周囲を埋め尽くして、冷たい恐怖が背筋を走る。

 靴底のゴムと革が混じり合った香りの風が、体を冷たく撫で、僕は慌てて床の上を走り出した。

 僕の小さな足音など彼女には聞こえないだろうけど、死に物狂いで走った。すぐに心臓がバクバクと鳴り響き、汗が額を伝う。

 僕の全速力は、彼女の視点ではナメクジほどの速度にしか見えないだろう。それでも、命懸けで逃げ続けた。

 なんとか逃げ切ろうとする僕を、ライアさんは嬉しそうに見下ろしている。


「ふぅーん♪微生物みたいなクセに意外と速いじゃん♪」


 彼女はニヤリと笑うと、彼女は上げていた足で床を踏みつけた。


ズドオオオォン!!


 巨大なローファーが振り下ろされ、衝撃波が僕の体を吹き飛ばした。靴底がフロアタイルの表面に叩きつけられた瞬間、爆音が耳を劈き、世界が大きく揺れた。

 僕は吹き飛ばされ、勢いよく床を転がっていく。

 巨人の体重による衝撃は凄まじく、僕はその威力に翻弄される。

 彼女のローファーが再び持ち上がっていき、去った跡には、巨大な足跡がホコリの上に刻まれており、それはまるで巨大な河のようだ。あのまま踏み潰されていたらと思うとゾッとする……。


 僕は自分がまだ生きていることに驚きを隠せなかった。死に物狂いで床の上を転げ回りながらなんとか立ち上がると、彼女に視線を向けた。


「ふふっ、ほらほら、もっと速く走らなきゃ駄目じゃない♪」


 とライアさんは笑い声を上げている。彼女の声には期待と興奮が入り混じっており、彼女の嗜虐心が痛い程伝わってきていた。

 彼女は楽しんでいるのだ。僕が彼女の足から逃げまわる姿を見ることが面白くてしょうがないらしい。


 そのまま彼女は笑いながら、再びローファーを僕の頭上に振りかざす。その動きは緩慢に見えるが、それは巨人がゆっくりと動いているだけであり実際には恐ろしく速い動きなのだ。僕は必死に逃げ惑いながら、必死に叫んだ。


「や、やめて!お願いだから!!」


 しかし、彼女の遊び心は容赦ない。ローファーが再び振り下ろされ、今度は僕のすぐ横に着地した。

 ズシイイィィン!!という地響きと共に床が揺れ動き、その衝撃が僕の体を突き抜ける。僕は思わず悲鳴を上げてその場に倒れ込んでしまった。

 耳鳴りがし、体中が痛む。しかし、今はそれを気にする余裕もない。

 目の前には山のように巨大なローファーの靴底が黒光りして佇んでいるのだ……。


「ほら、早く逃げないと踏み潰しちゃうよ?」


 彼女はそう言うと、再びゆっくりと足を上げ始めたのだ!

 僕は慌てて立ち上がると急いで教室の出口に向かって走り出した。しかし彼女の一歩は僕の100メートルを遥かに凌駕しており、あっという間に追いつかれてしまう……。そして次の瞬間には巨大な足が僕を踏み潰そうとして迫ってくる!


 靴底の溝が視界を覆い尽くし、その深さは僕の身長の数十倍はあるだろう。

 靴底の影が床に落ちていて、まるで奈落の底のように暗い。

 靴底全体には埃や砂利が貼り付いていて、それが僕に向けられていると思うと吐き気がする。

 踏み潰されるアリの最後の光景と同じ物を見ている感覚に陥り、僕の頭は真っ白になる。

 だが、そんな恐怖を噛み殺してとにかく逃げなければならなかった。

 

 次の瞬間、彼女の巨大な足が踏み下ろされる! ズドオォォン!!という激しい音と共に辺り一面に砂煙が舞い上がり、視界を埋め尽くす。僕はパニックになって逃げようと走ったが、腰が抜けて上手く動けない……。

 仕方なく這うようにして逃げ続けるけど、その姿が面白いのか、ライアさんの楽しそうな声が雷鳴の様に轟き、鼓膜が破れそうだ。


「あはははは!地球人って本当に情けないのね!虫けらみたいに這いつくばって楽しい??まあ私は楽しいけどさっ♪」


 ライアさんの嘲笑うような声を聞いていると、悔しさと恐怖で涙が溢れてきた……。けれども僕は泣きながら床を這って逃げるしかなかった。

 しかし、そんな僕の様子などお構いなしに彼女の靴はどんどん迫ってきている。

 彼女の足の裏の形が刻まれた靴底が、頭上をかすめるたび、その圧倒的な質量感が心を締め付け、同時に焦燥感が全身を駆け巡る。

 僕はパニックになりながらも、床を這うようにして逃げ惑うしかなかったのだ……。


 するとまたしても巨大な足が振り下ろされて地面を揺るがす。

 ズシンッという衝撃音と共に僕の目の前にローファーが落下して目の前に土埃が舞うと同時に僕の体は宙に浮かんでしまう。

 まるで嵐に巻き込まれた紙屑のように僕は軽々と吹き飛ばされてしまいそのまま地面に叩き付けられた。


「ねえ、小人ちゃんってさ、意外としぶといよね。全然踏み潰されないんだもん。つまんないなー」

「つまんないって……!僕、死ぬかと思ったよ!」


 息を切らして抗議すると、ライアさんは目を細めてさらに笑った。碧眼が僕を貫き、その視線が体に絡みつく。


「死なないでしょ?だって、私ちゃんと加減してるもん。ほら、もう一回行くよー♪」

「え!?うそでしょ!?」


 慌てて逃げようとするけれども足がもつれてうまく動かない……。

 ライアさんは僕の様子を見てニヤリと笑みを浮かべると、


「ほーら逃げないと踏み潰しちゃうぞぉ〜♪」


 と、楽しそうに言いながらローファーを持ち上げた。

 そして巨大な靴底を見せつけながら、ゆっくりとこちらへ近づいて来る。靴底が近づくたび、空気が圧縮され、強烈な風圧が襲いかかる。 彼女の動作一つ一つが僕の生存本能に訴えかけて来て呼吸が乱れるのだ……。

 僕はその風と恐怖に耐えながら、床の隙間にしがみつき、必死に回避を続けた。


 僕は恐怖心に押しつぶされそうになりながら必死に逃げ回るが、やはり彼女の歩幅には敵わない。すぐに追い詰められて逃げ道がなくなってしまった……。

 そして彼女はそんな僕を見て満足そうな笑みを浮かべると


「逃げる場所がなくなっちゃったね?それじゃあ今度こそ踏み潰してあげるね?覚悟はできた?」


 彼女の顔は嗜虐心に歪んでおり、その笑みが更なる恐怖感を煽ってくる……。


「い……いや……許して……助けて……」


 僕の悲痛な懇願も、ライアさんの興奮をさらに高めるだけだった。

 彼女の笑みはますます深まり、彼女の笑い声が教室に響くが、他の生徒たちは興味なさげに自分の話をしている。

 微生物サイズの僕の危機など、彼女たちにとっては、どうでもいい、取るに足らない出来事に過ぎないのだろうか。

 僕は必死になって逃げ続けたかったが、体力の限界を迎えてしまっている……。

 息は切れ、心臓が激しく脈打ち、全身からは滝のような汗が流れ落ちている。


「あはは!もう疲れちゃったの?そんなんじゃ全然楽しめないじゃん!」


 彼女の楽しげな笑い声が響くと同時に巨大な足が僕に向かって振り下ろされた……!


 ズドオオオンッ!!という地響きと共に、再び世界が揺れ動き、僕の体は宙を舞った……。

 床に叩きつけられた時、全身に激痛が走り、一瞬意識を失いかけた。

 それでも僕は必死になって立ち上がる。このまま倒れていても踏み潰されるだけだと判断して何とか立ち上がることができた。

 でもその足取りは覚束なく、まるで病み上がりの病人のようだった……。


 しかしそんな状況でも彼女は容赦なく僕を追い詰めていく。彼女が足を動かすたびに空気を切り裂く音が聞こえ、巨大な足が迫ってくるのが分かるのだ……。

 そして次の瞬間には再び大きな音を立てて床を踏みつけてきたのだ……!


 耳を劈く轟音と立っていられないほどの振動。朦朧とする意識の中、遅れてライアさんの嘲るような笑い声が聞こえてきた。

 あと何回この仕打ちを繰り返せば、満足してくれるんだろう……。

 彼女は僕の姿を見て愉快そうに笑うばかりであった……。


◇◆◇


 結局、休憩時間の10分間、ライアさんは飽きるまで僕を追い回し続けた。

 そして、授業開始のチャイムが鳴り響くと、彼女はやっと満足そうな笑みを浮かべて僕を解放してくれた。

 僕は全身傷だらけになり、床に倒れ伏していた……。そんな僕の姿を見てライアさんはクスッと笑い声を上げた。


「……まぁまぁ楽しかったかな。小人ちゃん、頑張ったね♪」


 息も絶え絶えに机に倒れ込み、僕は彼女を見上げた。長い脚を組んで座り、僕を見下ろしている彼女の楽しそうな表情には、無邪気さと残酷さが同居している。彼女は僕を見下ろして言った。


「次はもっと楽しい遊びしようね♪」

「え……?」


 僕は恐怖に震えた。次はどんな恐ろしい目に遭わされるのだろうか……。


「じゃあ、また次の休み時間でね」とライアさんは言い残して、数百メートルもある巨大な脚を組み直して、彼女のローファーが再び床に叩き付けられると、その重低音が僕の小さな身体を震わせる。


 彼女の太ももがスカートから覗き、僕の視界を埋め尽くす。巨大な太ももは圧倒的な存在感を放ち、足の付け根から爪先まで僕の視界を支配するように埋め尽くして、他のものが全て消失してしまう。

 彼女の体臭が風と共に僕の鼻腔をくすぐり、その 匂いは僕の脳髄まで浸透していく。

 僕は彼女の体臭とローファーの匂い、そして山のような威圧感、その全てに翻弄されるしかない。

 ライアさんは脚を組んで座りながら、指先をクルクルと回して挑発的な表情を浮かべる。僕はその様子にゾクっとして慌てて目を逸らす。


 恐怖と屈辱が入り交じり、心臓が激しく鼓動する。この惑星での生活は地獄以外の何者でもない。巨大な女の子に弄ばれる日々。そんな拷問のような日常からいつか抜け出すことはできるのだろうか?


 その疑問が頭から離れることはなかったが、ただ一つだけ確かなことがある。


 それは僕の命運はライアさん、いや、この学園の巨人たちの手中にあるということだ。

2. 昼休みの食堂

 昼休みが訪れた。クラスの巨大女子たちは各々食事を取るために席を立ち、教室を出て行く。

 僕はというと、楽しげに会話しながら食堂へ向かう巨大女子生徒を見上げている。


 この巨大な惑星で食料を得るためには自分で食料をどうにかして取得する必要がある。

 地球では普通のスーパーで食材を購入していれば良いのだが、ここではそうはいかない。

 こんな場所に地球人が使えるスーパーやコンビニエンスストアがあるわけでもない。用意された地球人用の昼食を取りに行く必要があるのだが、しかし、その行程は容易ではない。


 そもそも僕のような小人は巨人たちの世界ではあまりにも矮小すぎる存在であり認識されることすら稀であるため、巨人たちは足元など全く気にせず歩き回っているからだ。下手をすれば踏み潰されてしまう可能性があるからである。

 そのため昼食を取りに行く行為、それですら危険なものなのだ。

 僕は今まで何度も彼女たちに追い掛け回され死ぬかと思う恐怖を経験してきたからこそわかる事実だった。


 彼女たちは何も気にすることなく歩き回っているだけなのだ。

 たとえ僕を踏み潰したとしても彼女たちにとっては単なる些細な出来事でしかないのだろう。

 それでも彼女たちの体格差を考えれば彼女たちは僕にとっては脅威となり得る存在であることには違いないのだけれど。


(暫くしてから動くかな……)


 そう考えていると突然巨大な影が僕の頭上を通過した。


ドスン!


 激しい地響きが鳴り響く。振り返るとライアさんが僕の元へやってきていた。


「ねぇ小人ちゃん、一緒にご飯食べよ?」

「え……でも……」


 戸惑う僕に構わず彼女は僕を摘み上げ、そのまま歩き出したのだ!彼女の巨大な歩幅は500メートルにも達し、その一歩で何十キロメートルもある廊下をものすごい速度で進むことができる。

 そんな彼女の手のひらに乗った僕は激しく揺さぶられながらも、彼女はずんずんと歩いて行く……。


 一体何処へ連れてかれるのか……。先の読めない不安感で押しつぶされそうになる。

 だが、僕の不安とは反対にライアさんに連れてこられたのは、学校の食堂だった。



「えっ?ここは……?」


 困惑する僕とは対照的に、ライアさんは平然とした顔で答えた。


「ん?ここは食堂だよ?」


 僕は彼女が何を言っているのか理解できなかった。どうして学校の食堂に連れて来られたのだろうか……?

 そもそも、巨大女子生徒たちの体のサイズに合わせたテーブルや椅子しかないこの食堂では、僕が座る場所などあるわけがない。

 しかし彼女はそんなことは全く気にしていない様子で僕をテーブルの上に置いたのだ……。


「ほら小人ちゃん、ここでいいよ」


 とライアさんが言うがままに、僕は恐る恐るテーブル上を歩き、彼女の巨大な指が指すその先に立った。

 ここでいいと言っても僕の体の大きさではテーブルの上に立つしかないからだ。こんな広い空間でどうすればいいかも分からず、巨大なテーブルに一人立ち尽くしていると、ライアさんはそんな僕を見て楽しそうに笑っていた。


 周りを見渡すと、どこもかしこも巨人の食器や料理ばかりが並んでいる。僕の目の前には巨大な料理が並んでおり、皿の縁は視界に収まらず、中央の盛り付けが地平線の彼方に霞む程だ。山のようなサラダ、池の様なスープ、塔のように積み上げられたパンなど。

 それらは巨人の尺度で作られたものであって僕には食べられない代物ばかりだった。


「はい、これ小人ちゃんの分」


 ライアさんに差しだされたそれはまるで小さなカップに入ったプリンのようだったが、僕はその量を見て絶句した。それはどう見ても、コンビナートほどの大きさのカップだからだ。カップの高さは僕の身長の数百倍、幅は僕の街全体を覆うほどの巨大さだ。


「えっと、これって……?」


 尋ねるとライアさんは当然のように言った。


「ん?小人ちゃんのご飯だよ?」


 僕は絶句し、言葉を失った。こんな量の食事をどうやって食べろと言うのだろう……。彼女からすれば小さな量かもしれないが、僕にとってはちょっとした池ほどの量だ。

 彼女は僕の気持ちなど全く察することなく、ニコニコと笑っている。そして、彼女は僕に向かってこう言ったのだ。「食べさせてあげる」と。


 僕は慌てて首を振ったが、その意見が通るはずもなく。彼女の巨大な指が、これまた高層ビルほどのスプーンを軽々と持ち上げ、プリンを掬うと、そのままプリンを乗せたスプーンを僕に近づけてきたのだ。

 スプーンの表面は金属で冷たく光り、その上に小高山のようにプリンの塊が乗せられている。

 そのスプーンの動き一つ一つが、僕には巨大なクレーンの動きのように感じられ、その圧倒的なスケールに息を飲む。


「ほら、遠慮しないで食べなよ」


 大量のプリンの山に恐れおののく僕を見てライアは言ったが、そんなことを言われても困るというものだ……。

 そもそもこんな大きさの物を僕一人で食べられるわけがない。スプーンで掬ったプリンは、彼女からすれば一口に過ぎないが、僕からしたら自宅サイズほど巨大で、とてもじゃないが口を付けるというよりかは、全身で飛び込むという表現がしっくりくる状況だった。


「あ、あの……もう少し小さくして貰えませんか……?」


 と恐る恐る尋ねると、彼女は不思議そうな顔をして言ったのだ。


「え?だって私、これくらいのサイズがちょうどいいんだもん」


 と言いながらスプーンを動かす手を止めることはなかった。


 スプーンが傾くと、乗せてあるプリンの巨魁がプルプルと震えながら落ちてくる。

 まずい!このまま落ちたら、僕の真上にあの巨魁が降ってくる!あんな巨大なものの下敷きになったら、ひとたまりもない!プリンの山が迫り、その巨体が僕の視界を圧倒する。


 僕は慌てて彼女に制止するよう叫ぶが、しかし、その声は巨大少女には届くことはなく、プリンは重力に従って落下し始めてしまった……。


 ドチャッ!!と、大きな音を立てて、巨大なプリンが僕の頭上に落下してきた!

「うわぁああ!!」と悲鳴を上げて逃げようとしたが、僕の全身は巨大なプリンの下敷きになってしまったのだ。

 全身が生クリームまみれになり、身動き一つ取れない状態になってしまう……。

 口の中に甘い味が広がり、それと同時に強烈な重量が僕に伸し掛かる!


「あはっ♪小人ちゃんったら大袈裟なんだから!」


 と彼女は笑ったが、僕にとっては笑い事ではない。何しろ僕の身長の数百倍はある巨大なプリンが、僕の上に落ちてきたのだから。

 全身にのしかかる重量は、まるで鉄球が乗っているかのような錯覚さえ覚えさせられる。


 そして何よりも僕を恐怖させたのが、その感触だ。プリンは柔らかくもしっかりとした質感を持ちながら僕の全身を包み込むように覆い尽くすと、徐々に溶け始めてきた。それはまるで生き物のように動き回り、僕を取り込もうとしているかのようだった……。

 僕は必死になって抵抗したが、しかし巨大なプリンの前では無力だった……。

 やがて全身がプリンの重みで動けなくなり、鼻と口を塞がれると呼吸が出来なくなってしまう!  僕は必死になって暴れたが、しかし巨大なプリンが相手ではどうすることもできない……。

 苦しさのあまり、今までの人生が走馬灯のように頭の中を駆け巡り始めた時、急に体が軽くなった。

 どうやら僕は助かったようだ……。咳き込みながら目を開けるとそこには巨大なライアさんが、笑いながら落ちたプリンを崩して、僕を解放してくれていたのだ……。


「うわ〜小人ちゃん、こんなちょっとのプリンで潰されちゃうなんて、どんだけ雑魚なのw」


 と笑われて僕は腹を立てた。そもそも彼女があんな大きすぎるサイズのプリンを用意したのが悪いのではないか!と思わず言い返したくなったが我慢した。ここで言い返したりでもしたら、後でどんな仕返しが待っているか分かったものではないからだ……。

 ライアさんは僕のことなど気にも留めずに、再び巨大なプリンをスプーンに乗せると、大きな口を開けて食べ始めた。彼女の口はとても大きく、まるでブラックホールのように全てを飲み込んでしまうかのようだった。

 彼女の唇が動き、プリンがその中に吸い込まれる様子は、僕にはまるで巨大な渦に飲み込まれる光景のようだ。


 そして、彼女はあの巨大なプリンをあっという間に食べ終わると、今度は巨大なフォークを手に取り、大きなハンバーグを食べ始めた。

 そのサイズは彼女の体のサイズに合わせてあるためか、まるで小さな山のように巨大で、僕の数百倍はあるだろう。

 彼女はその巨大な肉塊にフォークを突き刺し、かぶりつくと美味しそうに頬張りながら僕を見た。

 フォークの先端がハンバーグに刺さる瞬間、肉汁が飛び散り、その一滴が僕の目の前に落ちた。

テーブルの上に広がる肉汁をこうして見るとプールのように大きく広がっている。

 もしあの肉塊を地球で作るとしたら、どれほどの土地と人口を費やすのだろう……?きっと彼女1人が地球に降り立っただけで地球の家畜は数ヶ月で食い尽くして壊滅してしまうに違いない。それほどのスケールの差が僕と彼女にはあるのだ……。

 しかし、そんなことを考えている間にも彼女はどんどん食べ進んでいく。巨大なハンバーグの切れ端を一口で頬張り、その大きな口でかぶりつく。

 彼女の口が開き、ハンバーグがその中に吸い込まれる様子は、まるで巨大な渦に飲み込まれる光景のようだ。

 彼女の歯がハンバーグを噛み砕く音が、雷鳴のように耳を劈く。彼女の喉が動き、ハンバーグを飲み込む音が、僕の体を震わせる。

 あの山の様なハンバーグを彼女はあっという間に平らげてしまう。彼女の食欲は底なし沼のようで、僕には理解できないスケールだった。


「小人ちゃんは食べないの?」


 ライアさんは面白半分に聞いて来た。ただの食事風景だけで、圧倒されている僕を見下して楽しんでいるのである。

 しかし、僕は首を横に振る事しかできなかった……。彼女の食事風景はあまりにも圧巻すぎて、自分が食べることなど考えもできなかったのだ。


 そしてついに最後の一欠片を食べ終わると、ライアさんの食事が終わった

「ふぅ、お腹いっぱいになっちゃった♪」と言いながら満足げにお腹をさする姿はまるで子供のようで微笑ましい雰囲気さえ漂っている。

 しかしそんな表情とは裏腹に彼女の胃袋は宇宙のように大きく、一体どれほどの食材をその中に呑み込んだのか見当も付かないほどだった……。

3. 更衣室の特別授業

 午後の授業が一段落すると、クラスメイトの生徒たちが何やらソワソワし始め、女子生徒たちの会話が多くなる。

 僕は教科書を開きながら、彼女たちの話し声に耳を澄ませてみた。


「今日の体育はプールだね」

「楽しみ!」

「そうだね。最近暑いし」

「プールサイドで日焼けしたくないなぁ」


 彼女たちの会話は明るく弾んでおり、その内容から察するに今日は体育の授業があってプールに入る予定があるようだ……。


 その会話を聞いた僕は思わず息を呑んだ。僕は決しておよげないわけではないのだが、この惑星で水泳をするのは不可能だ……。

 なぜならプールは巨人たちの体格に合わせて設計されているため水深1000メートル以上の深さがあるプールに入れば間違いなく溺死してしまうだろうし、それに水中では巨人たちと同じスピードで泳ぐことも出来ないからだ……。


「体育の授業は楽しみだね♪」


 後ろから声をかけて来たのはライアさんだった。彼女の口調は軽いがその目は明らかに僕を蔑んでいるのがわかるのだ……。


「でも、プールが大きすぎるから入れないよねw」


 ライアさんは笑いながら僕に言ってくる。確かに彼女の言う通りだ。僕の体格では到底プールに入ることはできないだろう……。

 そもそも僕の体の大きさを考えればプールというより湖や海のようなものと言えるかもしれない。


 もし仮に泳ぐことができたとしてもその深さに耐えることができる自信はない。

 それにいくら泳ぎが得意だと言っても巨大な巨人たちの前では蟻同然なのだ……。

 僕は彼女の言葉に対して何も言い返すことができずに黙っているしかなかった……。


 すると彼女はニヤリとした表情を浮かべて口を開く。それはまるで悪魔のような微笑みであり、その瞳には好奇心と愉悦の色があったように思う。


「グズグズしてないで移動するよ」


 彼女は僕を掴むとそのまま手の平に乗せて有無を言わせず、歩き出した。


「ちょ……ちょっと待って!?」


 彼女は僕の言葉を無視してどんどんと進んでいく。

 やがて彼女の足は止まった。そしてそこには巨大な扉が立ちはだかっていた。

 

「さあ小人ちゃん、着替えるよ♪」


 と彼女に言われてもどうすればいいのか分からない。しかし彼女は迷うことなく中に入っていった。中に入るとそこはまさに巨人たちの楽園であった。


 白い壁紙が張られた清潔感のある部屋には巨大な鏡が設置されており、壁一面にはロッカーが並んでいる。天井は高く吹き抜けになっており開放的だ。


 ここはまさに別世界であり夢のような光景だった。

 だがその一方でここは異質な空間でもあった。

 ここにいるのは皆巨人ばかりなのだ。彼女たちの巨大な体躯が並ぶ様は壮観の一言につきる。


 彼女たちの体は美しく輝いている。若い思春期特有の肌はまるで陶器のように白く滑らかで美しい。

 それら全てが僕にとって刺激が強すぎたのだ。しかも、彼女たちは恥ずかしがることもなく堂々とその姿を見せつけているのだから尚更である。

 僕は顔が熱くなるのを感じながら目を逸らすしかなかった……。


 ライアさんはそんな僕を見下ろすと、不敵に笑いながらそのまま着替えを始めた。

 巨大な制服が脱ぎ捨てられると彼女の豊満な肉体があらわになる。

 その姿に思わず見惚れてしまいそうになるが僕は理性を保つのに精一杯だったのだ……。

 彼女の衣服が床に落ちていくたびに僕の心臓は激しく高鳴っていく。

 彼女の全身が露わになるとそれは圧巻の一言につきるものであった。

 彼女の肢体はとても美しく芸術作品とも呼べるほど素晴らしいものだったのだ。彼女の顔は整っていて美しい。同時に淫靡な魅力も感じさせるものであり見る者の欲情を掻き立ててしまう魔性のものでもあった。


 僕は思わず生唾を飲んでしまったが彼女にバレないように平静を装ったつもりだったのだがどうやら無駄な努力だったらしい。

 彼女はニヤリと口角を上げると僕の方を見て妖艶な笑みを浮かべた。

 彼女の手には巨大な水着が握られておりそれを着るために彼女は手に取ったのだ。

 その水着は紺色をした学校指定のシンプルなデザインであったが、彼女が着れば間違いなく映えるものであるだろう。


(やっぱりライアさんは綺麗だな……)


 僕は彼女の裸体を眺めながら内心で呟いた。

彼女の胸は大きいだけでなく形も良く垂れることなく綺麗な弧を描いていた。

 また彼女のヒップラインも素晴らしく臀部がキュッと引き締まっており非常にセクシーである。

 そして彼女の太腿もスラリとして長く健康的でありながらもどこかエロティックな印象を与えつつも、それでいて柔らかい印象を与えてくれる。

また彼女の足も長くすらりとしており、美脚と言っても過言ではないだろう。


 そんな彼女を見ているとなんだかドキドキしてきてしまって仕方がないのだ……。

 そんなことを考えているうちに彼女は水着を身に着け終えたようだった。

 ライアさんの身体はスタイル抜群であり、グラビアアイドルのように華奢で美しい四肢を持つ美女なのだ……。

 単なる競泳水着でも彼女が着るだけで、より一層色っぽさが増していて思わず見蕩れてしまうほどだ。


「はいっ、プールに行こ?」


 彼女は僕に向かって笑いかけてくれる。

その笑顔はまるで女神のように慈愛に満ちたものであるが同時に残酷さも内包しているものであったのだ……。

 僕は彼女の誘いを断ることが出来ずに彼女と共にプールへと向かうことになった。


 更衣室を出るとそこには巨大な空間が広がっていた。巨大な空間に作られた屋内型のプール。そこは窓ガラスからは日の光が差し込んでおり、開放感と採光性を確保している。それに室内なので天候に左右されることはなく、快適な室温も確保されていた。

 そして目の前にあるのは巨大なサイズのプールだ。その大きさたるや僕の住んでいた街全て入ってしまえそうな広さはありそうでまるで巨大な湖を見るかのようだった……。


「プール楽しみだね!」


 ライアさんは嬉しそうにはしゃぎ回っているが僕としては不安の方が大きかったのである。

 まず第一にここは巨人の為に設計された施設であるためサイズ感が違いすぎる点が挙げられる。


 例えばこのプールにしても彼女たちの身体のサイズに合わせて作られているため地球人である僕にとっては大きすぎるのである。

 その証拠にプールの水面で揺れ動く波の高さは地球換算で数百メートルに及ぶだろうし深さだって、どれほどの深さがあるのかも分からないほどの大きさなのだ……。


(本当にこれ大丈夫なのか……?)


 そんな不安を抱いている間にも女子生徒たちが集まり、授業が始まってしまった。


 先生の指示に従って列を作り順番に水に入る巨人たちの姿を見ていると圧巻であると同時に恐ろしい光景でもあった。

 特に彼女たちが水の中に入るときの轟音は凄まじいもので、まるで地震でも起きているのではないかと思えるほどの衝撃を受けたのだ……。


(それにしてもみんなスタイルいいなぁ……)


 彼女たちの肉体美を見て思わず見入ってしまうが今はそんな場合ではなかった。

 僕はプールサイドの一角で見学をする事になっている。

 それはそれで良いのだが、問題は巨大な彼女たちが水に飛び込む際に発生した水飛沫が、こちらに津波のように襲いかかってきた事だ。


 凄まじい勢いでプールサイドを濡らして行く水の濁流。この世界では彼女たちの足裏をほんの少し濡らす程度の水量なのだろうが、僕にとっては押し寄せてくる洪水レベルの高波なのだ。


「うわっ!?」


 反射的に逃げようとするがその勢いは凄まじく、避ける暇もなく僕は押し流されてしまう。


(やばい!?溺れる……!)


 慌てて顔を水面から出そうと手足をばたつかせるがその甲斐も虚しく僕は飲み込まれてしまうのだった。


(息ができない……!)


 必死にもがくが助けは来ない。このままでは死ぬという恐怖に襲われる。

 なんとか立ち上がろうとするがバランスが崩れてしまい再び水の中に落ちそうになったところでライアさんの手が伸びてきて救い上げてくれた。


 彼女の指先に掴まれて宙吊りになるような格好で助けられ、手の平に落とされた。彼女の手の平の上で仰向けになった姿勢で寝転がる僕を見下ろすライアさんは愉快そうな顔で小さく僕にだけ聞こえる声量でこう言った


「私のおかげで命拾いしたね♪」


 ニヤリと笑うその表情はまるで悪魔のように不気味だった。


(冗談じゃないよ……)


 僕は心の中で呟くが言葉に出すことなく飲み込んだ。


「先生、小人ちゃんが溺れたみたいなので、保健室連れて行ってきますね」

「あら、そうなの?大変。ライアさんお願いしますね」

「は~い♪」


 ライアさんは僕を手の平に乗せたまま、プールを後にした。


◆◇◆


「さてと、これで二人きりになれたね?」


 ライアさんはプールから更衣室に戻ったが、保健室に行くことなく、そのまま更衣室に留まっていた。どうやら僕を助けたフリをしてここまで連れ出すつもりだったらしい。

 彼女は僕を手の平に乗せたまま、楽しそうな笑みを浮かべている。

 その瞳は獲物を狙う獣のようにギラつき、背筋に寒気が走った。


「どうしたの?顔色が悪いみたいだけど?」


 彼女の手から僕を解放してもらいたかったがそんな願いは叶わない。

 僕は手のひらの上で身を縮める事しか出来なかった……。


「ふふっ♪」


 ライアさんはニコリと微笑む。その優しい表情からは想像もつかない恐ろしい企みをしているに違いない……。

 僕はこれから何が起こるのか想像してしまい恐怖を感じていたが何も出来ずただ震えていた。

そして遂にその時は来た……


「じゃあまずは裸になってもらうね~」


 唐突に告げられた言葉に戸惑う。しかし彼女は動こうとしない僕に苛立ちを隠さず眉間にシワを寄せ睨みつけてきた。


「早く脱ぎなよ?」


 怒りの籠った低い声音で命令され背筋が凍る思いがした。

 言われた通りにするしかなかった……。

 僕は覚悟を決めるとゆっくりと服を脱ぎ始めた。震える手でボタンを外しシャツを脱ぎ捨てズボンを下ろす。


「おっ!ちゃんと脱いだじゃん♪偉い偉い!」


 褒められても嬉しくないどころか恥ずかしいだけである。下半身だけ露出させた状態で羞恥心で顔を赤く染めた僕を見て彼女は満足そうに笑っていた。


「それじゃあ、泳ぎの下手クソなあんたに、私が特別授業をしてあげる」

「え……!?いやちょっと待って!?」


 抗議の声を上げる間も与えられず彼女の手が上昇し始める。


「ふふ、こんな粒みたいなのが、同じ知的生命体なんて信じられないけど面白いからいいわよね」


 僕の頭上のほうで聞こえるその声は嘲笑を含んだものだった。

 ライアさんは手のひらを更に顔に近づける。目を引く、薄紅色の巨大な唇が目の前まで近づいてくる。その唇はプールで濡れているせいか妖艶にテカっている。


「あんたに合うプールなんてここにはないから、私がプールを作ってあげる」


 ライアさんの言葉の意味はよく分からなかった。僕が混乱している間にもライアさんはニヤニヤと笑い続ける。 


「だからあんたのために……ベェ……」


 巨大な舌をベロンっと出し、僕を乗せた手のひらに唾液を落とした。手のひらに落ちた唾液はすぐに直径1メートル程の水溜りを作る。


「ほらっ!これで十分でしょう?」


 手のひらを傾けながらニヤつくライアさん。まさかこれがプールというつもりなのか?


「嘘でしょ……こんなのに飛び込むなんて……」


 ライアさんの目を見ると本気でやるつもりだと分かって焦る。


「何言ってんの?これはあんたの授業なんだよ?ちゃんとやり遂げなきゃ駄目でしょう?」


 そう言われてしまえば拒否することは出来ない。


「早く飛び込みなさいよ?それともここで潰してほしいの?」


 冗談とは思えないその台詞にゾクリとするものを感じる。

 僕は死にたくない一心で飛び込んだ。


ベチャァァァ……ッ


 生暖かな粘性のある池に頭から飛び込むと全身に纏わりつく液体によって動きが鈍る。さらにその液体は粘り気が強く身体中に絡みついてくる。

 思い通りに体が動かせず、息継ぎをしようと顔を上げる度にヌメヌメとした液体がまとわりついて来る為なかなか水面まで浮き上がることができない。


 藻掻けば藻掻くほど沈んでいく悪循環。それにつれて肺の中の空気が完全に無くなり窒息死寸前まで追い込まれる。


「ゴポッ!ゴポォッ!」


 口から吐き出される泡がねっとりとした速度で水面へと昇っていく。

 このままでは確実に死ぬ。

 必死に藻掻くものの身体は言うことを聞かずただ沈んでいくのみだった。


(死ぬ……)


 死が目前に迫ったその時突然身体が浮かび上がり、強制的に水上へ引き上げられた。


ゲホッ!


 激しく咽返る声と共に大量の唾液を吐き出す。


「ふーん。なかなか頑張ったわね」


 指先で僕を摘み上げたライアさんはニヤニヤ笑いながらこちらを見下ろしていた。

 助かった安堵と屈辱で涙が出る。こんな目に合っているというのに彼女は全く悪びれた様子もなくただ僕を嘲笑っているのだ……。


「でもまだまだね。まだ溺れただけじゃなくて全然泳げてないじゃん」


 そう言われても泳げるわけがない。そもそも今の僕にはそれが出来ないことぐらいわかっている筈だ。


「それにさっきの態度は生意気だったからお仕置が必要ね」


 そう言うとライアさんは大きく口を開けて舌を出した。そして僕に向けて赤く濡れた巨大な舌を伸ばしてきた。

 生臭い匂いが充満する中、大きな舌先が僕の目の前に広がっている。


「ひっ……!?」


 僕の身体よりも遥かに大きな…いや、ビルよりも大きな舌はゆっくりと近づいてきた。

 逃げ場を求めて周囲を見渡してもどこにも逃げ道など存在しない。ただ眼前に迫りくる巨大なピンク色の物体だけが視界を埋め尽くす。


ザリッ


「っ!?」


 突如として全身を生暖かくて柔らかな肉の塊に押し付けられる感覚に襲われる。

 それが舌の上に乗せられてしまったことに気づくが既に遅い。

 彼女の唾液が持つ粘りが僕の体にまとわりつき、身動きが全く出来ないのである。

 動けなくなった状態ではどうすることもできない。


「さぁて、どうしようかな~♪」


 楽しげな声で呟くライアさんに対し恐怖心を抱き始めていた……。


「せっかくだから、特性プールの中で泳ぎ方を教えてあげる。感謝しなさい?」


 その言葉の後、舌は再び唇の向こうへと引っ込んでいく。

 ライアさんの口内に僕を入れたまま。


「ウグゥ……!?」


 唇が閉じられ、真っ暗な狭い口腔内で仰向けになったまま身を捩るが逃げ出す手段などどこにもなかった。

 彼女はその舌の上で僕を弄ぶように転がし始める。

 上下左右にグルングルンと回転させられ平衡感覚が狂い始める。


「ハァッ……ハァッ……」


 息苦しくて堪らない。

 彼女の舌先によって翻弄される小さな存在はただひたすらにその責め苦に耐えるしかない。

 口蓋垂の奥へと運ばれ舌根部に押し付けられたり天井近くまで持ち上げられたりと様々な方法で甚振ってくる。

 息が詰まるほどの圧迫感と恐怖感が襲ってくる。


ベチャッ!


 舌の先端を打ちつけられた瞬間全身に響き渡る衝撃。

 視界が歪むほどのダメージを受けて意識が朦朧となる中でもなお責め手は緩まない。

 唾液と混ざりあった涎まみれになりながら悶える様は傍から見れば無様極まりなかっただろう。


「あら?もう限界?まだ始まったばっかりなのに」


 愉しそうな笑い声とともに執拗に繰り返される拷問。

 舌先が動き回るにつれ、口の中の唾液が溜まっていき、みるみる水位が上がってきているのが分かる。

 このままじゃ息ができなくなる……!焦燥感を募らせ必死になって脱出を試みる。


「フフッ」


 しかし抵抗虚しく舌先で簡単に捕らえられてしまう。

 僕を捕らえた巨大な舌は、容赦なく小さな体を唾液の湖に引きずり込んだ。大量の唾液が口内に入り込んできて窒息しそうになる。


「ほらほら、もっと頑張らなきゃ沈んじゃうよ?」


 無邪気に笑いながら舌を操るライアさんは残酷な事を言ってくる。


「ゴボッ!ゴボッ!」


 呼吸困難に陥りながらも懸命に足掻く。

 ライアさんは僕を舐め回すかのように舌先で弄んで楽しんでいる。まるで遊び道具扱いだ。


「うぅ……」


 最早限界だった。これ以上続ける気力も体力もない。


「あれ?もう限界かな?しょうがないなぁ~。特別に解放してあげる」


 ライアさんはそう言うと僕を手の平に唾液と一緒にペッと吐き捨てた。

 僕の体はほとんど彼女の唾液に塗れ、ぐったりとしていた。

 彼女は手についた唾液をペロリと舐め取り満足気に微笑む。


「はいこれで終わり♪また遊ぼうね♪」


 ライアさんが言うのと同時に終礼のチャイムが鳴った。こうして僕の地獄の授業は終わりを告げたのであった。

4.自宅訪問

 その後、僕は残りの授業も何とか乗り切り、怒涛の二日目がようやく終わった。

 放課後になり、生徒たちがそれぞれの部活や帰宅に急ぎ出す中、僕も仮住まいのある旧校舎へと向かうはずだったのだが……。


「ゴメンナサイね、直哉クン。今から急ぎの会議があるの。だから、お家まで連れて行く事が出来なくなってしまって……」


 そう話すのは、今日の朝、僕を教室まで運んでくれたリゼ先生だ。桃色の髪を揺らしながら、おっとりしつつも申し訳なさそうに話す先生は、どんな時でも優しさで溢れている。


「いえ、大丈夫です。今日は僕一人で帰ることにします」

「そんな、直哉クン1人だけだと、危なすぎます!」


 リゼ先生の言う通り、この旧校舎に続く道は、僕の1000倍以上の体躯を誇る巨人が闊歩する危険地帯だ。

 それはアリが学校の中を歩き回り、無傷で生還する様なもの。もし、道中運悪く巨大生徒に遭遇し気付かれないまま、その巨大な足が差し迫ったとしたら、命の保証はないだろう……。

 リゼ先生が不安になるのも、当然の話だった……。

 だからといって、これ以上彼女に負担を強いるわけにはいかない。

 危険は承知の上で、巨人たちの生活圏に足を踏み入れるしかないのでは……。

 僕とリゼ先生がお互い考え込んでいると、不意に背後から声をかけられた。


「なら先生、私がお家まで運んであげますよ♪」


 振り返ると、そこに立っていたのはライアさんだった。彼女は笑顔で僕の方に近づいてくる。その笑顔はとても優しげで、思わず見とれてしまいそうになるほどだった。

 しかし、今でこそ猫を被った優等生の振る舞いをしてるが、先程まであの巨大な口の中で僕を溺れさせて楽しんでいた事実を忘れてはいけない。その事を思い出すと、つい体が強ばってしまった。


「あ!それは名案ですね!じゃあお願いしても良いかしら?」


 とリゼ先生が言うと同時に僕の体はひょいと持ち上げられた。そしてそのままライアさんの手の中に収まる。


「ちょ、ちょっと待って下さい!」


 僕は必死に抗議するが、2人は聞く耳を持ってくれないようだ……。


「はい、責任を持って送り届けします」

「よろしく頼みますね♪」


 そう言ってリゼ先生は笑顔で手を振りながらその場を立ち去ってしまう……。僕はもう諦めるしかなかった。


 取り残された僕はただ呆然とするしかなく、そして当然ながらこの後もライアさんに振り回される事になるのだった。


◆◇◆


 目的地に到着し立ち止まるライアさん。そこは旧校舎が建っている敷地の入り口。ライアさんは慣れた手つきで旧校舎の鍵を開けると、その内部に入っていく。


「それで、あんたの家がある教室はドコ?」


 既に人の目がなくなった事で、あの冷徹で残酷な本性を現したライアさんが僕を問い詰める。


「あ、あの……1階の2つ目の教室です」


 僕は震える声でそう答えるも、ライアさんは僕を手に乗せたまま、ニヤリと不適な笑みを浮かべたのだ……。


 ガラガラと巨岩の障壁の様な扉を、ゆっくりと開き、そのまま中に入った。

 ガランとした教室の真ん中に机を集めて並べただけの簡素な部屋で、机の上には僕が住んでいた地球の街を模したミニチュアの街が広がっている。

 何もかもが地球の1000倍サイズのこの惑星の中でここだけが唯一、僕達の住む地球と同じサイズで再現されている。


「ふーん、これが虫けらの巣か……。思ってた通り小さっ…」


 ライアさんはそう言うと、僕を乗せたままゆっくりと教室の中に入っていく。そして僕を机の上に下ろさずに、彼女はミニチュアの街の前に立った。

 眼下に広がるミニチュアの街は、上空から見ると数センチ以下の大きさの家が所狭しと並んでいる。

 なるほどライアさんのような巨人から見ると、この街も家も虫けらの巣と呼ばれても仕方ない……。

 そして街の中央には、不自然に地面が大きくえぐれたクレーターのような物が2つ綺麗に並んでいる。

 あれは昨日リゼ先生がうっかり転んでしまった折りに、彼女の大きな胸を押しつけて出来たクレーターだった。

 あのクレーターの下には、僕が住む家もあった。でも、今は巨人の"うっかり"によって、崩壊し、跡形もなくなってしまった。

 あの巨大おっぱいプレスの事を思い出すと、あの時の衝撃と恐怖が脳裏に蘇り、思わず身震いした。

 ライアさんはその巨大なクレーターの前に立ちはだかると、ゆっくりと屈みミニチュアの街を確認しているようだった。


「ねえ、この小さな街って本当に地球と同じ大きさなの?」


 ライアさんが不意にそう聞いてきたので、僕は慌てて答える。


「はい」と僕が答えると、彼女は少し驚いた表情を見せた後、クスッと笑って続けた。


「ふふ、そうなんだ?ならさ、私みたいな巨人ならこんな小さな街は一跨ぎで壊せるって事だよね♪もしあんたがこんな小さな街の中に住んでいたとしたら、逃げる事すらできなかったんじゃないかな?w」


 ライアさんはそう言うと、さも可笑しそうに笑った。

 その通り彼女がその気になれば僕の街なんてあっという間に滅ぼされてしまうだろう……。そう考えるとゾッとしたと同時に背筋が凍ったような感覚に襲われたのだ。


「ねぇ、この大きな穴は何?どうしてここにこんな穴があるの?しかも2つも……」


 彼女は、ミニチュアの街にある2つのクレーターを指差しながら不思議そうに聞いてきた。


「それは昨日リゼ先生がうっかり転んでしまった時の跡です……。そのときの衝撃で街が崩壊してしまって……。また新しい街に交換するまでは、このままだそうです」


 僕がそう説明すると、ライアさんはニヤリと笑みを浮かべて言った。


「ぷっ、転んだだけなのに、街が崩壊するの?ふふ、ザコすぎるでしょ地球人w」


 彼女はそのまましばらくクレーターを眺めていたかと思うと突然立ち上がって言ったのだ。


「ねぇ、ならさ、この街は私が少しくらい壊したって構わないってことだよね?」

「……え!?」


 唐突な質問に戸惑う僕だったがライアさんは構わず続けた。


「だって、新しい街に交換されるんでしょ?なら、私だって少しくらい壊してもいいって事じゃないの?」


 ライアさんは無邪気な笑顔で言う。その笑顔はとても魅力的だったけど、この女は何を考えてるんだ!?


「い、いや、それは……」


 僕がしどろもどろに言いかけると彼女はクスクスと笑いつつ言った。


「ふふん♪だってさ?あんたの家なんて本当なら息を吹きかけただけで吹っ飛ぶような代物でしょ?でも今はそんなザコ家がたくさんある。なら、少しくらい遊び心があっても良いじゃないw」


 ライアさんはそう言うと再びミニチュアの街に向き直った。そしてゆっくりとその手を広げて街の上に翳したのだ。

 彼女の手の平は90メートル近くあり、さらにそこから70メートルもの指が5本もあるため、それだけでも沢山の家屋がすっぽりと覆われてしまった……。


「ふふん♪こんな小さな街に私が手を出したらどうなるかな?きっと一瞬で跡形もなく消し飛んじゃうね♪」


 彼女は楽しげに笑いながら言う。僕はただ黙ってそれを見守る事しかできなかった。


「あっ、や、やめ……」

「それ、どぉーん!!」


 次の瞬間、彼女の巨大な手が街に触れたかと思うとそのまま押し付けるように手の平が大地に落ちてしまった。


どぉおおおおおおんんんん!!!


 耳鳴りがして暫く何も聞こえないような大轟音が鳴り響き、ミニチュアの街が一瞬にして崩れ去る。まるで砂の城を崩すかのごとく、簡単に……。そしてそれは一瞬の出来事だった……。


「あはは!脆すぎるでしょw」


 ライアさんは笑いながら言う。彼女はそのまま何度も指先で街をつついたりして遊び始めたのだ……。

 白く長い指が街の中を縦横無尽に走り回る。高層ビルの様な巨指が、まるで虫を潰すかのように、街の中を破壊していく。

 その圧倒的な質量の前には小人の街などひとたまりもなかった……。

 自分の住んでいた街が巨人の手によって壊されていく光景を僕はただ見ている事しかできなかった……。


「はい、おわりっと♪」


 ライアさんがそう言うと同時に、街は跡形もなく崩れ去った。そしてそこには瓦礫の山だけが残ったのだ……。

 その圧倒的な力の前に、僕はただ呆然とする事しかできない……。


「どう?私の指は?」


 彼女が笑いながら言うが僕は何も答えられなかった……。


「いいこと思いついちゃった♪」


 そう彼女は言うと、僕をミニチュアの街に降ろしたのだ。

 一体どういうつもりだろうか?不安げに空を見あげてみると、彼女は悪戯っぽい笑みを浮かべ、口を開いた。


「ふふん♪ じゃあ次はここに座ってみよっかな〜♪」


 ライアさんが悪戯っぽい笑みを浮かべ、ミニチュアの街の上に座ろうと動き出した瞬間、僕の心臓は凍りついた。

 彼女の巨大な体が机の上に登り、僕の視界が一瞬にして暗くなった。

 彼女の全長500メートル以上もあるお尻が、上空を埋め尽くすように迫ってくる光景は、まるで世界の終わりを予感させるものだった。


「や、やめてくれ! ライアさん、お願いだ!」


 僕の叫び声も虚しく、彼女を静止させることはない。彼女の巨大なお尻がゆっくりと降下してくる。

 彼女の股下にいる僕が見上げれば、彼女のスカートの中のパンツがよく見える。

 だがそれを見ても興奮することはできなかった……むしろ絶望感の方が大きい。

 地球人からしたら絶望的な質量感を持つ破壊の象徴でしかない巨大パンツ。全長500メートルを超えるお尻を包む下着は、地球の街全体を軽々と覆い尽くせるほどの面積を持つ。

 布一枚がまるで要塞のような圧倒的な厚みを持ち、その表面には複雑な皺やシームラインが浮かび上がっている。

 まるで天空に広がる雲海のように威圧感を与えるその光景に圧倒されながらも必死で逃げようと試みたところで、地球人の足では到底逃れられないだろう。


「ふんふ~ん♪」


 彼女は鼻歌混じりに機嫌良さげに腰掛けようとする。

 それと同時に机全体が激しく揺れ動き始め、ミニチュアの街は崩壊を始める。

 瓦礫と土埃が舞い上がり視界が遮られていく中でライアさんのお尻はどんどん大きくなっていった。

 彼女のお尻が近づくにつれ、上空が完全に塞がれていく。ミニチュアの街の上空を埋め尽くすその巨大な臀部は、まるで巨大な天蓋が降りてくるようだ。彼女のお尻の肉が視界を圧倒し、その質量感が僕の心を絶望で満たす。


 まるで山脈のように聳え立つ巨大なヒップ。光が遮られ、街全体が彼女のお尻の影に飲み込まれる。

 それはあまりにも巨大すぎて視界全体を覆い尽くしてしまうほどだった。


「ライアさん、やめてくれ! 街が……!」


 僕の声は震え、涙が溢れてくる。だが、ライアはそんな僕の様子を無視して、ニヤリと笑いながらさらに腰を下ろしてきた。

 彼女のお尻がミニチュアの街に近づくにつれ、空気が圧縮され、強烈な風圧が襲いかかる。風圧だけで街の小さな建物が軋み、ガラスが割れる音が響き渡る。

 やがて、巨大なお尻は徐々に接近してきて……。


「うわぁああああああああっ!?!?」


 ドズゥウウンンンッ!!


 耳をつんざくような轟音が響き、地面が激しく揺れた。彼女のお尻がミニチュアの街に着地した瞬間、衝撃波が辺り一面に広がり、僕の体は宙を舞った。

 彼女のお尻が地面に叩きつけられた衝撃は、まるで巨大な隕石が地球に衝突したかのようだ。ミニチュアの街は一瞬にして崩壊し、ビルや家々が粉々に砕け散る。

 彼女のお尻が地面に沈み込むにつれ、地面に巨大なクレーターが形成されていく。

 クレーターの縁には、膨大な質量で押しのけられた土砂や崩れ落ちた瓦礫が山のように盛り上がり、かつての街の面影は完全に消え去った。


「うわぁああ!!」


 僕は叫びながら、吹き荒ぶ風に耐えるべく必死に瓦礫の隙間にしがみついた。

 彼女のお尻が地面に触れた。ただそれだけで、地盤は沈み、地面が揺れ、建屋は見るも無残な瓦礫に変わり果てる。彼女のお尻の質量は、地球の街を簡単に押し潰せるほどの重さなのだ。


「ふふっ、ほら見て! 虫けら君の街、跡形もなく潰れちゃった♪」


 ライアは満足げに笑いながら、腰を少し傾け、彼女の2つあるお尻の片方を軽く持ち上げて、その惨状を見せ付けてきた。彼女のお尻の下で、かつての街は完全に消滅していた。


「ライアさん…どうして…」


僕はぺたんと座り込み、呆然とその光景を見つめることしかできなかった。

 彼女のお尻の下で、僕の暮らす街は完全に消え去り、瓦礫の山だけが残されていた。彼女の圧倒的な力の前では、僕の存在も、街の存在も、あまりにも無力だった。


「あぁ、楽しくなってきたわ。もっと楽しい遊びしたくなってきちゃった」


 ライアは立ち上がり、僕を見下ろしながら笑った。

 彼女の碧眼がキラリと光るが、彼女の次の「遊び」が何なのか、考えるだけで体が震えた。

6. 巨人の家

 僕の街はライアさんのお尻の下で、無惨にも瓦礫の山と化してしまい、完全に住む場所を破壊され尽くしてしまった……。

 彼女のお尻は僕の仮住まいがある街をいとも簡単に破壊し、跡形もなく消滅させてしまったのにも関わらず、ライアさんは何事もなかったかのように涼しい顔で僕を眺めていた。


「ゴメンねぇ、虫けら君。君の住むお家、ゴミカスに変えちゃったぁ♪。あー、でも元々ゴミみたいな物だったっけ?あはっ」


 彼女はクスクスと笑いながら、僕を見下ろしてきた。その姿はまるで女王様のようであり、まさに支配者そのものだった。

 彼女は笑いながら、下着に張り付いていた街の残骸を見せつけるかのように、片手ではいている。街の瓦礫が足元にばら撒かれるたび、僕は恐怖で体が震えた。


「じゃあ行こっか」


 彼女は突然僕を摘み上げた。僕は小さく悲鳴を上げて、彼女を見上げるしかなかった。彼女の巨大な瞳が僕を見つめ返すと、その迫力に圧倒された……。


「ちょ、ちょっと待ってください!一体どこへ……」


 僕が慌てて尋ねると、彼女は微笑みながら言った。


「え?私の家に決まっているじゃない」


 彼女は当たり前のように答えた。

その言葉を聞いた瞬間、頭の中で警鐘が鳴り響く。この女の家に行けば何をされるか分からない。本能的に危険を感じ取った僕は抵抗しようと試みるも、彼女の手はビクともしない。

 そしてそのまま彼女の家へと連れていかれてしまったのだった。


◇◆◇


 ライアさんの家は学園の寮とは違い、巨大なマンションの一室だった。全長数百キロメートルはあるその建物は、僕の視点から見るとまるで小惑星のようだ。

 彼女の部屋に連れて行かれると、テーブルの上に降ろされた。

 彼女の部屋は地球の大都市がすっぽりと収まるほどの広さがあるのではないだろうか?家具一つ一つでさえ、超高層ビル並みのスケールだ。

 ベッドのマットレスは、僕には雲のように雄大に聳え、その上に置かれた枕は僕の家を丸ごと覆えるほどの大きさだ。


「どう?人間の住む家は?虫けらの巣とはぜんぜんちがうでしょ?」


 ライアさんは得意げに笑いながら言った。そのスケールに圧倒されながら、僕は彼女を見上げた。

 ライアさんはテーブルの前に座り込んだ。彼女の巨大な体が近くにあって、その圧倒的な質量に怯える。

 ライアさんの息遣いがすぐそばで聞こえてくる。

 彼女の呼吸の音が大きな風となって響き渡り、その風圧で僕の髪が揺れる。


「は、はい……。す、すごく大きいですね……」


 僕は緊張しながら答えた。彼女と彼女の巨大な家を見ているうちに、自分が本当に小さな存在であることを思い知らされる。


「ふふん♪でしょ?地球人の住む世界は違うのよ」


 彼女はそう言いながら僕を見下ろした。


「それよりさぁ・・・」


 ライアさんの口調が変わる。まるで獲物を見るかのような冷たい視線だと思った瞬間だった。


 ドスンッ!


 ライアさんはテーブルに手をつき、腕を曲げて顔を近づけた。彼女の顔がすぐ近くにある。ライアさんの巨大な顔が近づいてきた。

 巨大な顔の輪郭がぼんやりと霞んで見えるくらいに近い。


「ねぇ、ここまで連れてこられたんだから、どうしたらいいかくらいわかるわよね?w」


 ライアさんは妖艶な笑みを浮かべながら言う。

 彼女の巨大な瞳がこちらを見つめて、蛇に睨まれたカエルのごとく僕は恐怖で身動きが取れなくなる。

 彼女の巨大な手が僕の体を摘み上げる。そして、そのまま部屋の中央にあるベッドへと連れていかれる……。


 ベッドは僕の視界全体を覆い尽くすほど大きく、敷かれたシーツはさながら白い大海原とでも表現できそうなほど広大だ。

 そのシーツの上に、僕はちょこんと下ろされ、彼女の巨体を見上げるしかなかった……。


 ライアさんはそのままベッドに腰掛けた状態で、僕を見下ろしてきた。彼女の巨大な脚が僕の目の前に広がり、その存在感に圧倒される……。彼女は微笑みながら言った。


「さあ、私の玩具として、ちゃんと私の期待に応えてくれるかしら?ゴミ屑の分際で、私の遊び相手になれるなんて幸せ者ね。感謝しなさいよ?」


 彼女の碧眼がギロリと光ると、その威圧感に圧倒されそうになる……。しかし、何とか勇気を振り絞り肯定の意を表す為に大きく頷く。


 それを見たライアさんはニヤリと笑いながら制服を脱ぎ始めた。

 ブレザーを脱ぎ、ワイシャツのボタンを一つずつ外していく。彼女の指がボタンを弾くたび、布が擦れる音が耳に響く。

 ワイシャツの下から現れたのは、レースのあしらわれた淡いピンクのブラ。

 彼女の豊満な胸がそのブラに収まりきらず、溢れんばかりに揺れている。


「ふふっ、私の体見てドキドキしてる?昨日、リゼ先生と何かあったみたいだしさ♪」

「何!?どうしてそれを——」

「女の勘だよ。まぁいいや。虫みたいなクセに性欲だけは人並みにあるんだね。」

「そ、それは……」


 ライアさんはクスッと笑うとそのまま僕を摘み上げ、彼女は僕を指先で摘み上げ、そのまま自分の胸の谷間に降ろした。

 胸の肌は温かく、わずかに汗で湿っており、その感触が体に絡み、僕の体が汗で濡れた部分にぴったりと吸い付く。彼女の柔肉が僕の体を撫で、そのぬめりが肌に染み込む。

 胸の谷間は、彼女の高い体温と代謝のいい汗腺から出る汗の湿気で、ムワッとした熱をはらんで、視界に映る白いバストの表面には汗が光り、その滴が一筋の線を描き、ゆっくりと彼女の谷間の中に落ちていく。

 そんな細かな汗の通り道が、肌の表面にはいくつも浮かび上がり、僕の視点からは丘を流れ落ちる沢のように見える。


「ちょ、ちょっと待ってください!」


 ライアさんは僕を気にせず話を続けた。


「なぁに?虫けらが一丁前に恥ずかしがってるわけ?w」


 彼女はそう言うとニヤリと笑ったのだ……。そして僕を胸の谷間に押し付けながらこう言った。


「ふふっ、虫けら風情が生意気ね♪まぁいいわ……じゃあ、まずは舐めてもらいましょうかね……♪」


 ライアさんはそう言いながら、僕の体を軽く指で弾いた。その刺激に僕は思わず声を上げてしまう。


「……あうっ」と情けない声が口から漏れてしまった。


「なに、勝手に感じちゃってるの?w虫の分際で気持ち悪い。まあいいや。ほら、早くしなさいよ?ゴミ虫君?」


 彼女はそのまま胸を寄せ上げ、僕の体を挟み込んだ……。彼女の巨大な胸が潰れるようにして僕を包み込む。

 彼女の胸の大きさは僕を握り潰すことすら容易にできるほどに大きく逞しいものであった。

 このままでは潰されると思い、必死になって彼女の柔肌から流れ出た汗を舐めた。

 だが、彼女は僕の1000倍もある巨人なのだ。その巨体から出る汗の量も凄まじく、僕が何度舐めたところで、ライアさんの肌を流れる汗は全く無くなる気配がない。


「はぁ……ぜんぜんダメね。ホント虫けらって、存在価値のないゴミカスなのね」


 ライアさんはそう言うとさらに強く胸を押しつけてくる……。柔らかく張りのある乳房が僕の体を包み込み、そのまま肉の海へと沈んでいく……。

 彼女の胸はあまりにも大きく、僕の体は完全に覆われてしまった……。そして、その圧倒的な質量によって僕を押し潰そうとしてくる……。


「んぐぅ!苦しっ……」


 僕は必死に抜け出そうとするが全く動けない。それどころか逆に締め付けが強くなってしまい余計に苦しんでしまう……。

 彼女の胸は柔らかくもあり硬くもあり不思議な感覚だった。が、相手は数百万トンクラスの超巨大質量。その圧倒的な重量に僕の体は悲鳴を上げる……。


「あはっ♪情けないなぁ……。女の子の胸にすら勝てないなんてさ♪」


 ライアさんは楽しげに笑いながら、さらに強く胸を押しつけてきた。彼女の胸が僕の体を圧迫し、呼吸すらままならない状態に追い込む……。


「どう?気持ちいいでしょ?人間のオスなら喜ぶものなのよ?それが苦しいってことは、あんたは相当な雑魚ってことでしょw」


 彼女は僕を完全に弄び始めた。


「ほら、早くしないと窒息しちゃうよ?w」


 彼女の胸の中で必死に踠くも全く意味がない。むしろ踠けば踠く程窮屈になっていく始末だ……。

「んっ……くっ……!」


 ライアさんはそのまま僕を胸で挟み込むようにしながら上下左右に揺さぶり始めた。柔らかく大きな乳房が僕の顔面に当たり息ができなくなる……。

 しかしそんなことを気にする様子もなく更に強く押さえつけてくるのである……。


「ほらほら頑張りなよ虫けらぁ♪ほら頑張れぇえ〜♪」


 そう言ってさらに強く胸を押し当ててくるのであった……。その度に甘い香りが漂ってきて頭がボーッとしてしまう……。


「あはっ♪虫けら君、私のおっぱいで潰れちゃいそうね。」


 ライアさんは笑いながら言った。僕は必死にもがくが、彼女の胸は柔らかく、弾力があり、僕の抵抗にビクともせず、押した腕を優しくだが、圧倒的な重量感で押し返してくる。まるでマシュマロの壁を押しているかのようだ。


「苦しい?でもさ、あんたの下半身、元気になってるよ?」


 ライアさんの言葉にハッとする。いつのまにか僕の股間は大きく膨らみ、ズボンを押し上げていたのだ。それは紛れもない勃起だった……。

 まさか自分の体が快感を感じているなんて思わなかった。


「私におっぱいで押しつぶされて興奮するなんて……いいわ♪もっと気持ち良くさせてあげる」


 ライアさんはさらに強く胸を押し当ててくる。もはや完全に彼女の巨大な胸の中に包み込まれてしまった僕は、その圧倒的な質量と柔らかさの前に為す術もなく蹂躙されてしまう。

 彼女の胸の谷間は汗で濡れており、それが潤滑油となって僕の体を滑らせる。まるでローションプレイでもしているかのように滑りが良くなり、彼女の胸に擦りつけられる度に快感が走るのだった……。


「あはっ♪虫けらのクセにいい声出すじゃん……♪」


 彼女はそう言いながら、さらに強く胸を押し付けてきた。その圧倒的な質量によって僕は完全に制圧されてしまい、もはや抵抗も出来ずになすがままになっている……。

 ライアさんは僕を抱きしめたまま、胸をゆっくり上下させるようにして、優しく揺らし始めた。その振動が僕の体に伝わり、全身をマッサージされているかのような感覚に陥る。柔らかく張りのある乳房と、彼女の体温を感じながら全身の血流が速くなっていくのがわかる……。


「うっ、うっ……。」


 僕は情けない声を漏らしながら必死に耐えようとするが、そんなことで耐えられるはずもなくあっさりと陥落してしまい……そのままライアさんの乳房の中で果ててしまう……。


「えっ?もうイッたの?早すぎw虫けらは我慢もできないの?ほんっとに情けないなぁ♪」


 とライアさんは笑いながら言った。そして彼女は僕を摘み上げるとその顔をじっくりと観察してきたのだ……。


「はっ、虫けらの精液って、すっごく少ないのね?ほら、見てよ。私の汗よりもずっと少ないのよ?」


 ライアさんはそう言いながら指先で、胸に吐き出してしまった精液を指さした。

 彼女の言う通り、小人の僕の精液はライアさんの汗つぶの100分の1にも満たない極小のものだった。


「これじゃ、ハエの精液の方が多いんじゃないの?あはっ、ほんと地球人って惨めな生き物ね」


 とライアさんは笑いながら言った。その笑顔からは侮蔑の色がありありと見えていた。


「うぅ……」


僕は情けない声を漏らしながら俯いてしまう……


「ふん♪勝手に私の肌に射精した罰として踏み潰してやりたいところだけど、汚した場所さえ見失いそうになるくらい小さいし、寛大な私はあんたを玩具としてこき使う事で許してあげる♪」


 ライアさんはそう言うと、胸の谷間から僕を掴み上げると、ベッドの上に仰向けになって倒れ、そのまま僕の体を下腹部に降ろし、彼女の巨大な女性器に押し付けられた……。


 そこは既に汗で蒸れており、ライアさんの甘酸っぱい匂いが充満している空間であった。そこに押し付けられている僕は息苦しさと同時に興奮を感じてしまい股間が疼くのを感じていた……。

 ライアさんは自分の巨大な女性器に人差し指を当てるとこう言った。


「はい♪ここがあなたの仕事場だよ♪私のアソコを綺麗にしてもらおうかな?虫けらはゴミみたいなチンポしか持ってないから、せめてゴミらしく私の体を掃除するの♪」


 そう言いながら彼女は指で僕をつまみ上げて自分の股間に近づける。

 僕は咄嵯に制止の言葉をかけたが、すでに時遅しである……。僕の体がずぶずぶと穴の中に飲み込まれていく。それと同時にライアさんの女性器の中に侵入したことで強烈な匂いに襲われた……。


「んっ……くっ……」


 ライアさんは甘い吐息を漏らしながらさらに奥へ奥へと押し込むようにしてくるのである……。

 彼女の性器は柔らかく湿っており、温かい肉の谷間に小さな体が呑み込まれていく……。彼女の内部から分泌された愛液が潤滑剤となりヌルヌルと滑り込んでいく。まるで生暖かい沼に落ちてしまったかのように身動きが取れなくなってしまう。


「んっ♡簡単に入っちゃった♪あんたみたいなゴミでも役に立てることがあるんだね〜。ほら早く掃除しちゃってよ……。虫けらの掃除が遅くて私はストレス溜まっちゃうんだけど?はやくしないと、このままつぶしてもいいんだけど?」


 ライアさんは苛立ちを含んだ声でそう言った。彼女の巨大な女性器に取り込まれた僕は必死に抵抗しようとするも全く歯が立たない。それどころか動けば動くほどさらに深く呑み込まれてしまう始末だ……。


「はぁ……こんな簡単なこともできないなんて……やっぱりゴミなんだね……」


 ライアさんはため息混じりに言うと今度は僕の背中を手で押しつけるようにして、そのままゆっくりと指を動かし始める。

 その動きに合わせて、僕は為す術もなく彼女のビル程の長さの指先に翻弄され、生暖かい膣内のあちこちを掻き回されて、責め立てられてしまう……。


「んっ……♡はぁ……♡あっ……♡」


 ライアさんが喘ぎ声を上げると同時に膣内が激しく収縮を繰り返す。その度に僕は強い圧迫感に襲われる。


「んっ♡虫けらの割に結構頑張るじゃん……♪ほらもっと奥まで入りなさいよぉ!」


 ライアさんはさらに強く押し付けてくる。そして今度は人差し指と親指を使い僕の体を挟み込んでくるではないか!僕は慌てて逃げようとするが、指先だけでも巨大な彼女からは逃げられるはずもなく、完全に自由を奪われた状態となってしまい、なすがままに振り回される。


「んふふ……♪ほらぁ〜!まだまだ終わらないよぉ〜?」


 ライアさんはさらに強く挟み込む力を強めてくる。その度に体に激痛が走るが彼女はお構いなしといった感じだった……。


「あっ♡……んっ……♡ふん♪虫けら君の小さな体だと、私の指もおまんこも大きすぎるみたいね?ほらっ!もっと頑張って藻掻いてちょうだい?」


 ライアさんはそう言うとさらに激しく手を動かし始めた……。彼女の指が僕を掴み上げ、そのまま上下に動かされる……。


「あっ♡んっ……はぁ……」とライアさんは小さく喘ぎ始めた……。その声はとても艶っぽくて、色っぽい吐息だった……。彼女は自分の指、そして僕の体で感じているようだ……。

 彼女はさらに激しく指を動かし始める……。

 いくら大洞窟のような性器でも、それが年頃の少女のものには変わりない為なのか、むせ返るほどの濃厚な雌臭に加え、フェロモンがむわりと広がっていた……。


「あはっ♡んっ……ふぅ……虫けら君の体小さいけどその小ささがかえっていいわ♪なかなかのオモチャかもね♪」


 と彼女は満足げな表情を浮かべていた。そして僕はもう限界を迎えていた……。


「あっ……んっ……くっ……!」と情けない声を出してしまう僕……。それでもライアさんは手を休めることはなかった……。


「あはっ♡もうイキそうなの?早すぎるんじゃない?wほらほらまだ終わりじゃないよ?しっかり我慢しないとダメでしょ?w」


 彼女はその挑発的な言葉とは裏腹に、彼女の吐息はどんどん荒くなっているし、指先の動きも激しくなってきている……。

 彼女の膣内で僕の肉棒が擦りあげられ、締め付ける肉壁によってきつく扱かれる。その暴力的なまでの快感に僕は頭がおかしくなりそうだった……。


 僕は必死に抵抗しようとするものの、圧倒的な質量の前に為す術もなく飲み込まれてしまう……。

 全身を包み込むような柔らかさと温かさに包まれながら、膣内を搔き回される感覚に頭が真っ白になる。

 人間が何千人と飲み込めそうな巨大な彼女の女性器は、僕を優しく包み込みながらも容赦なく責め立ててくる。

 その圧倒的な質量と圧迫感に僕は為す術もなく屈服させられてしまう……。

 ライアさんは僕を掴んだまま激しく指を動かし始めた……!その動きに合わせるように膣内が蠢き始める……。

 それは、女性器が男性器を締め上げるのとまったく同じ動き。人間であれば通常の反射反応なのだろうが、問題なのはライアさんに挿入されているのが、立派な男性器ではなく、地球人サイズの僕だという事だ。

 ケタ違いのサイズを誇る肉の洞窟が不気味な音を立ててながら、急速に狭まってくる……!


「まっ、待って!それ以上は無理っ!」


 僕は必死に叫んだが、ライアさんは聞く耳を持たずにさらに強く締め付けてきた……!

 まるで、映画にでてくる洞窟のトラップのように左右の肉壁が狭まってきて、僕の体を挟み込み始める……!そしてそのまま僕を一気に呑み込んでいったのだ……。

 僕は必死にもがこうとするものの、ライアさんの肉壁にしっかりと握られており逃げることが出来ない!いや、例え逃げ出したとしても、こんな巨大な体から逃れるすべなどないのだが……。


「はぁ……♡はぁ……♡んっ……♡」


 ライアさんは息を荒げながら絶頂を迎えようとしているようだった……。その声に合わせて僕も限界を迎えてしまいそうになる……。


「あはっ♡んっ……♡ふふ……虫けら君ってばもうイっちゃいそうなんだぁ?いいよ〜?好きなだけ出しちゃえば?ほらっ!ほらぁ!!!」


 彼女は楽しそうに笑いながら言った。しかし僕にはそれに答える余裕などなかった。彼女の膣内はまるで生き物のように動き回りながら僕を挟み、プレスしててきたからだ……。


「あぁん♡小さすぎて何も感じないけど、あんたがここにいるってことを考えるだけで、最高に興奮しちゃう♪」


 ライアさんはそう言うと、僕の体を握りしめている指先に力を入れる。僕は悲鳴を上げることすらできなかった……。


「あはぁ♡いいわぁ!虫けら君、もっと私を感じさせて?」


 ライアさんはそう言いながらさらに指を動かし始める……!その動きに合わせて彼女の膣内が蠢き始めた。それはまさに生き物の体内のようで、僕の体を容赦なく締め付けてくる……。それと同時に僕の分身も、命の危険を感じてなのか、彼女のフェロモンに当てられてなのか定かでは無いが、今迄にない程に張り詰めていた。


「ら、ライア……さん……。本当に……、もう、ムリ。潰れ、そうです……」

「んっ♡はぁ♡あとちょっとでイケそうなの…♡だから、もう少し頑張りなさい?私の玩具になるんでしょ?」


 彼女はそう言いながら指を動かし続けた……。もう、僕の事などお構いなしといった様子だ。

 僕はただ、巨人の彼女の指に翻弄され続けるしかなかったのだ……。

 完全に独りよがりのスペクタクルオナニーショーもクライマックスを迎えつつあった。


「あぁ♡!!いい♡!イク、イっちゃう!虫けら君の事なんて忘れて、思いっきりイッちゃう!!」


 彼女はそう叫ぶと全身を痙攣させて絶頂した。

僕も小さな分身をめいいっぱい振り絞りながら、精を吐き出した。

 それと同時に彼女の股間から大量の潮が吹き出し、僕はその勢いに吹き飛ばされてしまった……。


「あはぁ♡気持ち良かったぁ♡」


 ライアさんは満足そうに言うと僕を掴み上げてきた。そしてそのまま僕を顔の前に持ってくると言った。


「ねぇ?どうだったかしら?」

「……す、すごいです……」


 僕はそう答えた。正直言って今まで経験したことがないほどに圧倒された……。

 全身を彼女の愛液でずぶ濡れにされて、さらにハード過ぎる奉仕で、もはやまともに歩く事も出来ない状態なのだ……。

 こんな山のような巨大少女のオナニーに付き合わされたのは、人類史上でも僕だけだろう……。


「ふふん、そうでしょ?虫けら君みたいな小さな生き物が相手だと、私のおまんこは大きすぎるみたいね。でも……想像してたよりもずっと気持ちよかったわ♡」


 ライアさんはニヤけた顔でそう言うと、掴み上げた僕を揺さぶり始めた。まるで小さな虫けらを捕まえて弄ぶかのように……。


「中々、楽しませてもらったわ。いい虫けらの遊び方を見つけちゃったかも♪」

「そ、それは良かったです……」


 ライアさんは僕を掴んだまま、僕を自分のお腹の上に降ろしたのだった……。

 彼女の巨大な腹部は柔らかくて温かいが、その表面は非常に敏感だ。僕は恐る恐る彼女の肌に手をついた……。

 彼女の巨大な腹部はとても柔らかくて温かい。そして何よりも大きいのである……!まるで山の上で寝そべっているかのような感覚だった…。そして、そんな場所で仰向けに寝そべっている僕の遥か先にはライアさんの顔があった。彼女の整った顔は軽く汗ばんで頬も紅潮しており、いつもより一層美しさを増していて、思わず見惚れてしまいそうになるほどだった……。

 そして、彼女はそんな僕を見下ろしながら言った……。


「あはぁ♡虫けら君って本当に可愛いわね?もっと遊びたくなっちゃった♡」


 ライアさんの指先に徐々に力が入り、ひ弱な僕は彼女のお腹の上にあっさりと押し付けられてしまった。


「ねぇ、私まだ満足していないのよね……。だから、まだ付き合ってもらうわよ?」


 ライアさんはそう言うと僕の体をさらに強く押し込んできたのだ……!

 その力は凄まじく、僕は抵抗もできず彼女のお腹に飲み込まれてしまった!そして直径数十メートルはあろうかという巨大なヘソの中へ入れられてしまった。彼女は指先で僕を虐げながら、円を描くように白く巨木のような指をゆっくりと回し始めた。


「んっ♡もうダメ……♡我慢できない…。いただきます♡」


 ライアさんはそう言うと再び、僕を彼女の割れ目に押し付けた……!

 そこは先程のオナニーによる大量の愛液と潮で濡れており、僕の全身はすっぽりと飲み込まれてしまった。ライアさんが指を動かすたびに肉壁がうねり始める……。


「んっ♡あはぁ♡」


 彼女は艶っぽい声を上げながらさらに激しく指を動かしてきた!彼女の膣内の温かさに包まれながら僕は必死にもがくが、全く身動きが取れずただ快楽を受け入れるしかなかったのだ……。


「あぁ♡地球人を使ってオナニーするのって最高!!♡」


 彼女はそう言いながら、激しく指を動かし挿入を繰り返す。こうして僕が解放されたのは、彼女の満足がいくまで弄ばれた後だった……。


「はぁ♡気持ちよかったぁ♡」


 彼女は満足げにそう呟くと僕を放り投げ捨た……。

 僕はそのまま広大なシーツの大地に叩きつけられ、全身を強く打った衝撃で意識を失ってしまったのだ……。

5. 微かな変化

 目を覚ますとライアさんは既にシャワーを浴びていたようで、制服ではなくバスローブを着用しており濡れた髪を拭きながら目が覚めた僕に気づくと、こちらを見下ろしてきた。


「あら?やっと目が覚めた?」とライアさん。僕は慌てて起き上がるが、全身がズキズキと痛み上手く動けない……どうやら相当強くやられてしまったようだ……。


「うぅぅ、ライアさん……酷いです……。」と僕は涙目で訴えた。

「あはっ♡ごめんね?ちょっとやり過ぎちゃったかしら?」


 と、彼女は悪びれる様子も無く言ったのだ。


「もう!僕を殺す気ですか!?」

「でも虫けら君って本当に弱いわね?私みたいな女の子にすら勝てないなんてさ」


 ライアさんはケラケラと笑いながら、ベッドに腰掛けて僕の隣に座った。


「あはっ♡でも虫けら君の小さな体も嫌いじゃないわ?毎日可愛がりたくなるし、色々と遊べて楽しいもの♪」


 そんな言葉と一緒に僕の体を指先で突いてきた!僕は彼女の巨大な指先にビクっと反応してしまうとライアさんは嬉しそうに笑った。

 そしてそのまま人差し指を立てて僕に向けてくると言ったのだ。


「ねえ正直、私、小人ちゃんにちょっと言い過ぎてるかなって思うときあるんだよね」

「え?」


 突然の言葉に、目を丸くする。彼女は少し照れたように髪をかき上げながら続けた。金髪が揺れ、その動きが視界を埋める。


「だってさ、小人ちゃんってすぐ潰れそうなのに、意外と頑張るじゃん。それ見てると、なんか……可愛いなって思うときあるんだよ」

「可愛いって……」


 困惑しながらも、彼女の言葉にわずかな温かみを感じた。

 彼女のサディスティックな態度は変わらないけど、その中にほんの少しの優しさが混じり始めている気がする。その微かな変化に戸惑いながらも、ライアとの距離が少しだけ縮まったような錯覚を抱いた。

 碧眼が僕を見つめ、その瞳にはいつもの嘲笑とは異なる光が宿っている。


「だから、さ。もっと面白くしてよ? 虫けらでもさ、退屈させないぐらいには頑張ってね♪」


 冗談交じりの言葉に笑顔がこぼれる。ライアの指先が僕の頬を軽くつつき、その力加減にはほんの少しの手加減が感じられたのだった。


続く?


七重山吹 PIXIV FANBOX 125 favs
VIEWS1
FILES1 file
POSTEDJul 15, 2025
ARCHIVEDJun 10, 2026