Previous Post

地球を守るために戦う巨大フタナリ星人

Next Post
no preview
DESCRIPTION


1.降り立った惑星

「ん、はぁっ…んっ…」


 脚を大きく開き、腰を少しかがめた姿勢になって、ぐいぐいと腰を突き出し、自分の股間に生えている"アレ"を、右手を使って慰めている。


「うあっ……はぁ……んんうっ……」


 右手を動かす度、快感がカラダをめぐる。”アレ”は脈を打ちながらパンパンに張り詰めていて、先端からはとろりと透明な露が伝っていた。


「あふ……んっ……」


 わたしは生物学上、女に分類される。胸だって、それなりにある。グラビアアイドルにだって負けないくらいの大きさと形も持っているつもりだ。

 でも、わたしには、女性器のほかに男性器が生えている。この星では、この形状を「ふたなり」という風に呼ぶらしい。


「んっ……はぁん……」


 右手を前後させながら、腰が引けてくねくねと動いてしまう。

 下半身から伝わってくる快感に、ついつい動きも激しくなってしまうからだ。


「はふっ……はぁっ……んぅっ」


 カラダの奥から、熱が流れだしてくる。この感覚をここの星の言葉でなんて言うんだっけ?

  いつも思い出しては忘れてしまう。えっと……なんだっけ?そう……確か………………そう!


『イク』


 ってヤツだ。

 わたしはもうすぐ、絶頂を迎えようとしている。

 でも、まだ足りない……。もっと刺激を与えて気持ちよくならないと……。

 ……仕方ない、よね。これは私の身体が持つ生理現象を解消する為の行為なんだから。

 そう自分に言い聞かせて、わたしは"アレ"を慰めている右手とは反対の手で、目の前に建っている腰ほどの高さの人工物の上に手を置いてから一呼吸つく。


「このビルにいる人たち。悪いけど、私のコレを気持ちよくするために、使わせてもらうね……」


 左手でスカートをたくし上げながらそう呟くと、ビルの中でたくさんの小人が悲鳴を上げているのが、手を伝わって聞こえてくる。

 あるきっかけを皮切りに、わたしは自分の100分の1サイズの小人が住んでいる惑星にたどり着き、そこで小人たちと共存することになったのだ。その"きっかけ"というのは……、


「んっ……はぁああん……♡♡」


 あぁダメだ。今はこのいきり立ったアレをなんとかしないと。わたしは自分の"アレ"を右手でしごきながら、左手をビルの壁につく。

 熱く硬化した肉棒が、ビルの壁に軽く触れる。


「ふああぁっ!!」


 パンパンに膨れ上がった敏感な部分に走る甘い刺激に、思わずわたしは身悶える。その刺激は下半身から脳へ伝わり、わたしの思考を快感で埋め尽くしていく。

 事の始まりを説明する余裕などない。今はこの快楽の波に溺れて、一度楽になりたい。


「あっ……はあっ……んっ!」


 右手で"アレ"をしごきつつ、左手をビルにつけて身体を支える。そして腰を前後させ、自分のモノを壁に擦りつける。


「あふ……んんんっ……」


 腰を動かす度、脳に電気が走るような強い快感がカラダを駆け抜ける。

 もう何も考えられないくらい頭が真っ白になるけど、それでもわたしは一心不乱に腰を動かしたり手を動かしたりして、絶頂へと駆け上っていく。

 はやく……。はやく……これをビルの中に入れたい……!

 もっと小人たちにビルから避難する時間を与えてあげたかったが、もうわたしの理性は限界だった。


「ごめんね……でも、こうしないと私、我慢できないの……」


 わたしはビルに向かってそう謝ると、右手で"アレ"の根元を握りながら、ビルの窓に"アレ"を突き刺した。

 バリン!!という音と共に窓ガラスを割り、分厚いコンクリートの壁を削りながら巨大な肉棒が建屋内に侵入する。


「「「きゃぁぁぁぁぁ!」」」


 中に取り残されていた小人たちが一斉に悲鳴を上げる。

 自分の何十倍もある男性器を前にした恐怖は計り知れないだろう。

 だけど、今の私にとってはそんなことはどうでも良かった。

 とにかく早くこの疼きを鎮めないと……。わたしはさらに腰を動かしながらビルの中を進んでいく。前後、左右。ピストンさせたり回してみたり。


 そうやって腰を動かすと、突き刺した"アレ"が室内で暴れまわるのだ。

 極太の肉棒がミニチュアサイズの机や椅子をなぎ倒し、壁を貫いて、まとめて押しつぶしてしまう。

 ビル全体がわたしの動きでグラグラと揺れ、挿入されたフロアは肉棒によってぐしゃぐしゃに破壊しつくされる。


「んあっ……!はうんっ!♡気持ちいい……!♡」


 ビルの内部を肉棒で蹂躙するのは最高の気分だ。

 腰を振る度に壁を貫いて内部をえぐり取られるような快感に襲われる。

 このままイッてもいいけど……もっとズボズボピストンしたいな……。

 そう思ったわたしは両腕を下ろしてビルの外壁を掴むと、思いっきり肉棒を引っこ抜いた。


 ズンッ!という音と共に"アレ"が引き抜かれる。

 先端は赤黒く変色し血管が浮き出ていて、先っぽからは白い液体が垂れている。

 血流が集まり、限界までぱんぱんに膨らみ、大きくそそり立った"アレ"。この器官の事をこの星の言葉ではどう言うのだっけ?


 ああ、そうだ。ちんぽだ。


「はぁあん……!♡♡もう我慢できないぃっ……!♡」


 わたしは我慢できなくなり、そのままがに股の格好でちんぽをビルに勢いよくぶっ刺す。


 まるで紙細工のように貧弱な床や壁、天井など至る所から亀頭を擦り付けるようにして、膣内へと侵入するようにズコバコとピストン運動を行う。

 建屋内の壁をなぞるように愛撫しつつ、クラッカーのように脆いビル内部の壁や床などを砕きながら動き回る。

 途中、いくつもの小さなものが、亀頭の先でぷちぷちと磨り潰された感覚があったが、それはきっと逃げ遅れた小人に違いない。

 彼らよりもはるかに巨大なチンポで潰してしまって、本当に申し訳ないと思っている……。

 でも、肉棒からの触覚が気持ち良すぎて堪らないのだ。

 脆い粒の様な机やキャビネット、それに混じって小人たちが、ちんぽを動かす度にぷちぷちと弾けて潰れる感触が亀頭を中心に感じてしまう。


「ああっ!!すごいっ!!すごい気持ち良いっ!!」


 あまりの刺激の強さに私は思わず雄叫びのような叫び声を上げてしまう程である。

 だがそれでも構わず私は腰を振り続けた。いや……むしろより強く激しい動きへと変わっていくのだった。


 ズン!ズンッ!ズンッ!!

 突き立てた肉棒で建物の内部を穿ちながら前後に動く度に大きな震動が響く。

 まるで大地を揺るがす地響きのような轟音が辺り一面に広がっていった。


 そして数分間ほど連続的に突いていたところでついに絶頂を迎えた瞬間を迎える。

 わたしは股間をビルの壁面にピッタリとくっつけるまでに深く挿入させると、我慢していた大量の精液を中に放った。


「出る……っ!! でるううぅぅぅぅっ!!!」


 ドピュウウッ!!ビュルルッルルーーーッ!!

 今まで溜まっていた分なのか大量に放出された精子たちがビルの内部を埋め尽くすように飛び散る。

 同時にわたしの股間の高さ付近の階層が、白濁色に爆発した。内部を染め尽くして行き場を失った精子が、窓ガラスを突き破って外に飛び出したのだ。

 さらに、それだけではなく、溢れ出してきた精液がビルの外壁を汚し、周囲一帯にまで飛散してしまう。

 ビルから溢れ、飛び散った精液は、周りにあった住宅地の上に落下し、それらの家を膨大な質量の精液で押し潰し、飲み込んでいく。


「んああぁぁ~……! 出てるぅ……たくさん出ちゃってるぅ……!」


 本物のビルを使った快感と完全なる屋外での解放感により頭が真っ白になっていくのを感じていたがそれでもなお腰を動かし続けて、尿道に残った射精を振り絞るわたし。


「んッ! んッ! ふあぁぁ……止まんないよぉぉ……!!」


 ザーメンで塗り潰され崩壊するビルの向こう側では、飛び出した精液が他のビルの上空にまで達しておりそれが雨のようにあちこちに降り注いでいる光景を見ることができた。

 わたしが放出する精液は、この星にとっては大質量になるようで、粘性のある精液が直撃すれば家を粉砕し、車を押し潰し、バラバラにしてしまう。

 直撃してしまったビルなどは、映画のワンシーンのようにガラガラと音を立てながら崩れ去る。

 また遠くの方には避難中の人々らしき影が見えたような気がしたけれど、よく見えないので気にせずに続けることにした。

 だって……そんなことよりも今はこの快楽に身を委ねていたいと思ったからである。


「んあぁん……っ♡はぁ……んっ……」


 精液を放ち終えても尚勃起状態を保ち続けている巨根の先端からはドクンドクンッと脈打つように残り汁が出続けているのが分かる。


「ふぅ……んっ……」


 精液を放ち終えた私は荒くなった息を整えようと深くゆっくりと呼吸をして、ようやく落ち着いたところで、ちんぽをビルから引き抜くために後ずさる。

 そのとき、足元の家や車などを何台も踏み潰してしまったが、それを気にしている余裕はない。

 ゆっくりとちんぽを引き抜いていくと、ずるんッと音を立てて引き抜かれた途端、大量に放出された精子達が地面へと落ちていき大きな水溜まりを作った。


 抽挿してたビルは、壁に大きな風穴があいてしまい、見るも無惨な状態になっていたが、それでも形は保てていたようだったのでひとまず安心できるところではあった。

 しかし一方で被害を受けていた市街地の方を見てみるとそこには大量に撒き散らされてしまった白い液体に包まれてしまった建物群がある様子が見えた。


(うわ……凄い量……)


 改めて見渡してみると本当に恐ろしいほどの量だと実感せざるを得ないだろう。まさに洪水と言ってもいいレベルの大災害となってしまったのである……。


 まあ、でもしょうがないよね。地球人の何百倍も大きい存在である私がここで性欲を満たすためには仕方がなかったんだし。

 一種の生理現象による影響がここまで大きくなるのも、また仕方がないことなのである。と自分に言い聞かせて、後ろを振り返ってみる。

 ここから大分離れたエリア。そこも爆撃を受けたかのようにビルたちが倒壊したり道路に大きな亀裂が走っていたりして、いくつもの黒煙が立ち上っている。

 そして、その中心地……この星の都市部に見合わない。黒く小高い山のような物体が横たわっている。

 それは山ではない。私がこの街にやってくるまで、好き放題に暴れていた"怪獣"と呼ばれる生物。その亡骸である。


 今から数時間前。この星の現生物の中で最強の存在、怪獣との戦い。

 彼らの多くは地下深くで休眠状態にあったらしいのだけれど、現地惑星の人たちによる開発により掘り起こされてからというもの各地で暴れまわることになってしまった結果、人類側は滅亡の危機に陥ってしまっている状況に追い込まれてしまった。


 この星の技術力ではビル並みに巨大な生き物を倒すのは容易ではない。大量の兵器を使って何日もかけてやっと一体殺せる程度の話だという。

 倒すまでの間、いくつもの都市が壊滅的なダメージを受けてしまう為、怪獣を倒すために核兵器を使用して、都市一つと引き換えに倒す方法も取られていたのだという。

 そんな恐るべき怪獣に対抗できる手段を持たない人類は毎年多くの犠牲者を出しながらも必死に抵抗を繰り返し続ける……。

 しかし、その作戦も限界が近づきつつあり人類側が絶望していた時。


 宇宙からの訪問者巨人……すなわち私。


 乗っていた宇宙船のエンジントラブルにより、この惑星の衛星軌道に引き寄せられ、墜落。

 偶然にも私を見つけてくれた人たちは、とても親切で優しい人たちだった。私と同じ姿をしたヒューマノイドタイプの地球人。

 彼らは傷ついた私を介抱してくれた。最初こそ警戒心が強かったもののすぐに受け入れてくれて色々と世話を焼いてくれた。

 ほんとうにこの星の人たちには感謝してもしきれないぐらい助けてもらった。


 そんな中、怪獣と呼ばれる巨大生物に苦しめられている話を聞いて、自分なら助けになるかも知れないとおもった。

 相手が巨大ならば、こちらも巨大な自分が戦えばもっと早く怪獣を撃退する事が出来るのでは?

 そう思った私は早速、怪獣が暴れている街へと赴き奴等と対峙した。


 結果としては見事勝利をおさめる事ができたわけだが、やはり簡単ではないこともわかった。

 激しい戦闘による興奮。そして、有り余るエネルギー。巨人である事の圧倒的なパワーと、優越感。それらが入り交じった時の気持ちの高ぶりが続き、身体が汗ばむ程に火照ってしまう。

 その高ぶりを消すには、有り余るエネルギーを放出させる必要があった。


 私の場合、股間に生えたちんぽから出る精液によってエネルギーを放出させる必要があるのである。

 ゆえにパートナーとなってくれる相手が必要なのだが、この星の人間はどれも小さすぎて相手にさえならない。

 となると他に何か適当なものは無いか?と考えていたところ、ふと視界に入ったものがビルディングらしき建造物であった。


 これがちょうど良かった。

 というのも見た目が小人サイズで建てられている建物というのは、ちょうど使いやすいサイズ感であり内部も小人サイズに合わせた構造となっているので、程よい空間があるため犯し甲斐があり、それでいてそれなりの強度を誇っている。

 試しに勃起しまくったちんぽを入れてみたら、予想通りこれがまた抜群のフィット感で気持ちよかったのである。


 この惑星の建築物に詳しい現地人に聞いた話によれば、

「地震が多い国なので比較的耐久性が高い建物になっている」

 という事だが具体的にどのような構造になっているのかまではわからないらしくただ単純に頑丈に出来ているのではないかとのことであった。

 そのため私の行為には非常に適していると言えるかもしれなかった。


 とはいえやはり周りへの影響も考慮しなくてはいけない……。

 この星ではわたしの身体は160メートルという大きさだ。

 現地人の、その小ささは身長にして約2センチほどしかない。

それだけの体格差があると、ただの射精も災害級の威力になってしまうのである。


 だから出来る限り抑えめにしないといけないのだが……。

 しかし……どうしても昂った気持ちを抑えきれないのが正直なところ。ならば仕方がないと割り切るしかない。

 それに私がいなければ、この星は怪獣たちに滅ぼされていた。

 そう思うとビルの一つや二つくらい使わせてもらったって、許してくれるのではないだろうか?と思うことにした。


 うっ。やばい!そんな事を考えてたら、またちんぽおっきくなっちゃった!!


「はぁっ……うあぅっ……」


 さっき使わせてもらったビルは激しくピストン運動で打ちこんでいた為に、直径8mの大穴がぽっかりとあいて半壊した状態で放置されている。

 これじゃもう使えない。また次のビルを探すか……。


「んっ。また、おっきくなった……」


 もう一回射精したい。今すぐに出したい欲求が湧き上がってきて、どうにもこうにも我慢出来そうになかった。

 私は近くにあった立体駐車場に照準を定め狙いを定めるようにしながら歩み寄っていった。

 駐車場ならビルに比べて中にいる人は少ないだろうし(こんなところに避難する人なんかいないはず)それに中に止めてある自動車なんかを破壊することで多少なりとも発散できるはずだと思うのである。

 それからいざとなったら建屋ごと犯せば、それで済む話だし別に問題は無いはずだと思うのである。


「うっ……んっ……!」


 駐車場へ向かい大通りを歩いていると、乗り捨てられた車やバスなどの障害物が邪魔な上に足元では悲鳴を上げて逃げていく小人たちがちらほら見え隠れしているのが確認できた。朦朧とする意識の中、足元に注意を払う。


「あっ……!あふぅ……んっ!」


 でも歩くたびに勃起しているチンポがビルの壁や看板などと擦れてしまい強い快感が走ってくるのでどうしても集中できない状態になっている。

 その度に思わず甘い声が漏れてしまって恥ずかしい気持ちに襲われつつも、それ以上に気持ち良すぎて我慢できないという葛藤に苛まれていたのである。


「はぁっ……はぁっ……!」


 ズズン!!道路に乗り捨てられた数百台の車の列を跨ぎながら歩いていた途中、車線を跨ぎ越える為に片足を浮かせた途端、バランスを崩し車道脇にあったコンクリート製のビルに身体をぶつけてしまった。


「あうぅっ……!」


 衝撃で揺れるおっぱいの先端から、浮き出た乳首が建物に擦れてしまい、甘い痺れに襲われる。

 服の上からでもわかるくらい、勃起した乳首が建材を削る感覚に、思わず甲高い喘ぎ声をあげてしまいそうになるところを必死にこらえてなんとか堪える。

 思わず腰を突き入れたくなるが、ここは我慢して目的地に急ぐ。


(早くしないともう……)


 歩く度に、道路に停まっている車をいくつも踏みつぶしながら、アスファルトに足型を残し、一歩ずつ前進していく。

 足元では巨大な脚に踏まれないよう、多くの人々が車列の間を縫って逃げ惑いながらも安全な場所へ避難しようとしていた。

 その光景を見るたびに、申し訳ないなぁ、と思いながらもやっぱり興奮してしまう自分もいるのだけれども、これは仕方ない事だと彼らもわかってくれているはず。


「ふぅんっ……!! っん! くっあぁぁあっ!」


 駐車場の入り口に近づいてきたので一旦足を止める。するとすぐさま股間のあたりに熱いものが集まってくるのが分かる。


 もう我慢できなかった。

 そのまま思いっきり駐車場の入り口を蹴破るようにしながら踏み込んでいく。

 その際当然のごとく近くに停まっていた車両などは踏みつぶされるか、吹き飛びどこかへ消えて行ってしまっているわけなのだが、それを気にする余裕もなくそのまま前進していき目的の建物に到達する。


 立体駐車場の各フロアの駐車スペース。私の腰よりもずっと低いその建物は、屋上の駐車スペースは止まっている車がまばらで少なかったが、それよりも下の階層の駐車スペースは、既に満車状態となっており数百台もの自動車が止められている様子が見えるわけでなのである。


「はぁ……はぁ……」


 そしてついに目的地へ辿り着くと同時に股間のモノを取り出し準備完了。

 すでに十分すぎるほど硬くなっているソレをギンギンにおっ勃てたまま狙いを定めるようにしてゆっくりと腰を沈めて行った。

 まずは第一弾と言った具合に指を最上階の天井に引っ掻けるとそれを持ち上げてみる。


 まだ、たいして力も入れていないのに、簡単に上層階を支える柱が破壊され、天井が浮いてゆく。

 その勢いで建屋が傾いてゆくのを感じると共に、そこに停められていた無数の車が、勾配のきつくなった駐車場の上にとどまることができず、反対側へと転がり落ちていった。


「ふぅぅぅ……んっ!」


 引き剥がしてゆくと、下の階の駐車スペースが姿を現し、そこには駐車されている大量の車が停まっていた。


 私は完全に天井を剝がし終えると、いらなくなった天井を後ろに放り捨てて、いよいよ目的のモノに手を伸ばす。

 いくつもある車の中で、一番大きそうなワゴンタイプの車を選ぶと、上からガシっと鷲掴みにして持ち上げた。


 私は興味本位でゆっくりと顔を近づけて中を覗き込んでみた。

 すると中にはなんと男性と女性が2人も入っていた。きっと逃げるタイミングを逃してしまい、パニック状態で車内で怯えている状況なのだろうと思った。運の悪い人……。


「悪いけど、私はこれからあなた達が乗っている車でオナニーをするの。だから、降りて頂戴……?」


 車を地面に置いてから、囁くと二人は恐怖からか泣き出した。

 まったく……。そんなに怯えなくてもいいのに。


「ああ……。もう我慢できないからはやく降りて!!」


 ちょっと強く言いすぎてしまったかもしれないけど仕方がないよね?私だって我慢の限界なのだ。

 車の方は私が降りろと言うや否や彼氏の方だけが慌てて外に飛び出して行った。

 それを追う様に彼女も慌てて降りて行った。


 これで良し。と私は車を再び持ち上げると、今度は股間に擦りつけるようにして持ち上げた。

 亀頭に密着させると同時にその感触を感じ取れるようになり一気に興奮が高まってくる。


 私のちんぽに対して、車の大きさは亀頭が何とか入りそうなくらいの大きさしかない。

 私の巨大化したちんぽは車でさえも挿入することは難しいくらいの大きさまでに成長しているのだ。


「それじゃ、いただきます♡」


 車をもった手でちんぽを優しく撫でまわすと、弱いものがくしゃくしゃ磨り潰されていく感触が心地良い。

 でも、その度にその間に挟まれている車はメキメキと音を立てて歪み壊れていってしまうのだ。

 ボンネットが潰れヘッドランプが砕け落ち、ドアはねじ曲がっていく。


 車体はどんどん潰れてゆき、最後にはほとんど原型を留めぬ姿へと変わってしまっていた。

 その光景に私はゾクっと背筋に寒気を感じると同時に得も言われぬ快感を覚えていた。

 その気持ち良さといったら比喩抜きでおかしくなるほどのものであったが、すぐに車はダメになり、快感は止まってしまう。


「一台で足りないなら……もっと使えばいいよね♪」


 私はそう言うと再び駐車場に手を伸ばし、止めてある車を何台か鷲掴みにするとそのままちんぽを握りしめた。

 そして同じ要領でグチャグチャに潰していくとやはり先ほどと同じ感触がして気持ちよくなった。

 手とちんぽの間でたくさんの車が握り潰されると、それはまるでミンチのようにぐちゃぐちゃになってしまう。

 ギンギンに勃起したチンポの先からカウパー液が滴り落ちてゆく。


「はぁっ……はぁっ……!」


 車を破壊しながらオナニーを続けるうちにいつしか駐車場は全フロア分の車の殆どを握り潰してしまった。


「ふぅ……んっ……」


 もうほとんど何も残っていない状態になってしまった駐車場を前にして、それでもなお私はオナニーをやめることができずにいた。

 駐車場の次のフロアを先ほどと同様にぶち破り、捲り上げて、下の階層をさらけ出す。


 次の階層は停まっている車が比較的少なく、オナニーに使えそうなのは僅か十数台程度しかない。


「はぁっ……はぁっ……はぁっ……」


 私はそこに残っていた車を全て鷲掴みにして握り締めながらオナニーを始めた。

 手のひらの中でちんぽに挟まれた車を潰す感触が気持ちいい。


 でも……。


「まだまだ足りない……」


 仕方なく、天井裏から垂れ下がっているパイプなどを片っ端から引き千切り、そのフロアの屋根を引き剥がし始めた。


「ふっ! ふぅっ!!」


 金属の骨組みが千切れる感触とともに、瓦礫を投げ捨てる音が辺りに響く。

 その音に混じって微かに悲鳴のようなものが聞こえたような気がしたのだが……気のせいだろう。

 とにかく今の私にとってそんな事はどうでも良かったのである。

 次の階層で使える車を片っ端から握り潰していくがそれでもやはり足りない。

 そうすると、もう車を探すことすらめんどくさくなってしまう……。


「はぁっ……! もうダメェッ! 我慢できないのっ!」


 叫びながら、上部分が破壊され半壊状態の立体駐車場に跨り馬乗りになると、わたしの重量に耐えきれずコンクリートが砕け陥没していく。

 私の太もも、お尻の下で何層ものフロアが上から順番に弾ける様にして崩壊し、その衝撃でさらに下の階のフロアが潰されていく。

 この立体駐車場で唯一の出入口である建物正面のエントランスから脱出しようと大勢の小人が群がっているが……それは関係ない。

 そして、ちょうどいい高さにまで陥没すると、崩壊はそこで止まってくれた。


「はぁっ……はぁっ……!!」


 息遣いを荒くしながら、崩壊寸前の駐車場の天井に両手を置き、わたしの腰より低い高さの建物に向かってガニ股になりちんぽを突き出す。


「入れるね……?」


 もう快感を貪ること以外どうでも良くなってきていた。

 先端を擦り付けているだけで気持ちいい。もうダメ。我慢できない。


「んっ……! っはぁ……! 動かすねぇっ……!」


 ズンッ!メキメキッ……!!

 巨大な亀頭を建物の中に捻じ込みはじめた。駐車場の入り口を通る前に天井を剝がしたので入り口自体は拡張されているが、それでも亀頭は大きい。入り口は歪んでしまった。


「んっ……ふぅっ! はぁっ……! っんんっ!」


 腰を突き出す度に巨大な亀頭が建物を破壊してゆく。コンクリートを粉砕し、鉄筋を断ち切ってゆく感覚が心地良くてたまらない。


「はぁっ……! もっと欲しいっ! はぁっ……! もっとっ!」


ズズズ……!!


 徐々に駐車場の鉄筋コンクリートの柱が崩落していく。それに伴いわたしの体重が掛かる面積が増えていくためますます崩壊スピードが上がって行くのだ。


「はぁっ……! っはぁっ! っんんっ! はぁっ……!」


 腰を動かす速度を上げると快感もそれに比例して増加していく。


「はぁっ……! はぁっ! はぁっ! もうダメェッ!」


 巨大な亀頭が、駐車場の内部で暴れまわる。先端が車を抉り取りながら、壁や柱を壊してゆく。


「はぁっ! んっ! ああっ!」


 そして遂には根本まで駐車場に突き刺してしまった。


「んっ! くっ! んんんんっ!!」


 腰を突き入れる度にズシンッ!!という衝撃波が発生して周囲の建物を崩壊させていく。


「ふっ! くぅっ! ふぅっ! ふぅっ!」


 さらに何度もピストン運動を繰り返し激しく責め立てる。そのたびに周囲のビルが倒壊し街は廃墟と化していく。


「はぁっ! もうダメッ!! 出ちゃうううっ!!」


 絶頂を迎えた私はついに射精してしまった。

 ドピュッドピューーーッ!!!

 大量の精子達が勢い良く飛び出し駐車場の内部を埋め尽くしていく。それはあっという間に溢れ出て、駐車場の外壁から噴き出し周囲を飲み込んでいった。


「はぁ……はぁ……」


 射精を終えた私は呆然としていた。


「はぁ……はぁ……」


 目の前に広がるのは瓦礫の山と白濁した海だけだ。それ以外は何もない。文字通り全てが破壊され尽くしてしまったのだ。


「ごめんなさい……。みんな……」


 私は静かにつぶやいた。あとに残されたのは自分の精子でドロドロになった廃墟。その向こうではいくつもの足跡と精液溜まりが残され、怪獣が倒れている。


 私の活躍によって、この星の文明と人類は救われた。

 でもそれは同時に多くの犠牲の上に成り立つ勝利でもあった。街は跡形もなくなり大勢の人たちが命を落とした。その責任は重大過ぎるものだろうと思う。

 それでも今はただ喜んでおくべきなのではないだろうか。少なくとも今はそれで十分なのだと思いたい。


 私は最後に街へ感謝の言葉を投げかけて、都市を後にした。

2.日常の裏の渇望

 怪獣退治をしてからというもの、私は地球人の一人としてこの星で生活を送っている。

 もちろん巨人のままではなく、普通の人間の姿でだ。

 初めの頃は文化の違いに戸惑ったりする事もあったけど今ではすっかり慣れてしまい特に困ることもなくなってきたと思う。

 今日も私は街へと出かけることにした。


「今日はどんな服を着ていこうかな」


 私は呟くように、クローゼットから服を取り出してベッドの上に並べる。


「やっぱりこの服にしよう」


 私は洋服ダンスから薄ピンク色のブラウスを取り出して着替えることに決めた。ボトムは黒のスキニーを履き、全身鏡の前に立って自分の姿を確かめてみる。


「よしっ」


 着替えを終えると意気揚々と玄関にたち、お気に入りのブーツを履いて、私は外へと出て行った。


***


 高層ビル群の林立するこの街はまさに都会そのものといった趣があり、歩いているだけでも楽しい気分になることができる素敵な街だと私は思っている。

 空高くそびえ立つ巨大建築物の数々は圧巻の一言であり見るものを魅了せずにはいられない魅力を持っていると言ってもいいだろう。


「やっぱりすごいなぁ」


 街を行く人達の様子を眺めながら私は一人呟いた。

 街がこれほど大きければ、そこを行きかう人々の数も必然的に増えていくものだ。様々な服装の人達が行き交っている中、高層ビルを縫うように張り巡らされた道路には片側だけで4車線もあるのにまだ足りないとでもいうかのように何台もの車が連なって走っている。

 これだけの規模を持つ街なのだから当然ながら公共交通機関も発達しており電車やバスなどの路線網は非常に充実していて目的地へ行く為の選択肢には事欠かない。

 そんな都市をしばらく歩いて巨大な交差点で信号が変わるのを待つ。


「ん~~~」


 大きく伸びをする。そしてそのままゆっくりと深呼吸をした後で辺りを見回してみる。周囲の人達はこちらの事をちらりと見てから去って行く者達と興味津々といった感じで見つめて来る者達とに別れているようだ。

 まぁ、私は地球で上位の容姿を持つ美少女らしいので、道行く人が目を奪われるのも仕方が無いことと言えばそうなのかもしれない。でも、あまり凝視されると流石に恥ずかしい……。

 とりあえずこれ以上注目を集めないようにと祈りつつ大人しく信号が変わったのを確認して、足早にその場を去った。


「あれがこの街の中心なんだ……」


 目的地に到着した私は目の前に広がる光景に思わず感嘆の声を上げてしまった。それほどまでに壮大な景色が広がっていたからだ。

 ホームに並ぶ電車やバス、タクシーなどが目についたが何よりも目を引いたのは巨大な駅ビルだった。

 まるで塔のように聳え立つそれは駅の入り口付近にある案内板によれば地下6階地上60階建てとなっており延床面積は約28万平方メートルにも及ぶとのことだ。


「すごい……」


 それを見上げては、なんて大きいのだろうと、感嘆し改めて目の前の高層ビルの大きさに圧倒されてしまう私であった。

 ビル全体から感じる威圧感は凄まじく、その迫力に飲み込まれそうになってしまう。


「こんな大きな建物を作れるなんてこの星の人たちって凄いんだな……」


 駅ビルの全貌を一望し終えると、私はビルに店舗を構えているカフェに入った。

 店内に入ると可愛らしいウェイトレスさんが笑顔で迎えてくれた。そして席へと案内される。

 注文して、しばらくすると紅茶とケーキのセットが届けられると早速食べ始める。美味しいと評判のお店で期待していた以上に美味しかったので自然と笑みが溢れる。


「ふぅ~」


 食事を終え一息つく。とても幸せな時間だった。

 さてとお腹も膨れたし街を探索しますかね。


「ありがとうございました~」


 お店を出る時にもまたウェイトレスさんに見送られ外に出ると、待ちに待ったウィンドウショッピングタイム!

 私は鼻歌交じりに歩き始めると楽しげな雰囲気の中、商業エリアを散策して行く。色々な商品を見て回るだけでも楽しいし、新しい発見もあるので飽きることがないし時間が過ぎるのが早い気がする。


 そうやってお店を回っているうちにあっという間に時間が過ぎてしまった。

 そろそろ帰ろうかなと思っていた時、突如として警報音が鳴り響いた。

 内容は近くで怪獣が現れた事を知らせるアナウンスだった。

 突然鳴り始めたアナウンスと共に辺りは騒然となった。


「早く戦わなきゃ……でも、ここだと……」


 私はさっきまで買い物していたのでビルの室内にいる。今ここで巨大化してしまえば、ビルは内側から破壊され甚大な被害が出てしまうだろう。

 それならばひとまず外に出てから戦闘態勢に入ろう。

 そう思いついた私は早速行動に移ろうとした。が、地上に降りられるエレベーターは止まっており、階段も混雑していてしばらく降りられそうにない。


 となると……。

 私は少し躊躇したがこの状況を打開するためには仕方ないと思って覚悟を決めた。

 握っている手を真っ直ぐに上に差し出し、巨大化した。


バーン!!!


 その瞬間ビルの屋根が破裂し巨大な音と共に爆風が起こった。そして周囲の人々を吹き飛ばした。

 悲鳴と共に逃げ惑う人々。その様子を遠目に見ながら私はゆっくりと体を巨大化させていった。 身体全体でビルを弾き飛ばし、更に上空に向かって視線が移動していく。

 100倍の大きさになった身体は高層ビルよりも遥かに大きく圧倒的な存在感を醸し出している。その大きさはビルよりも二回りも大きい。


 辺りを見渡す前に、まずは、手の平に乗せている小さな買い物袋たちをなくさない様に、胸の谷間に押し込む。これらは今日の大切な戦利品だ。なくすわけにはいかない。


 一安心ができ、ようやく、足元に視線を向けてみると、思わず、あっ!と声を上げてしまった。

 巨大化する前に存在していたビルやその周囲の建物が吹き飛んでいたのだ。右足のブーツが公園を踏みつけ、左足のブーツがビルの並びを踏み潰していた。

 どうやら巨大化した際にビル群の密集した区域の真上に足の位置が来てしまったみたい。

 足の周りですらそんな有様なのだから、当然私が買い物をしていたビルは、巨大化した際に跡形もなく吹き飛ばされていた。


 左足を上げてみると、ブーツの靴底の模様が刻まれた公園の中央が陥没している。

 あの公園にはたくさんの人達が集まっていた事を思い出し、もう少し考えて行動すべきだったなと反省した。

 とりあえず、ビルにいた人達、踏みつけてしまった地域の人達に謝罪をした。


「ごめんなさいね」


 それから気を取り直して、今後の対応を考えることにする。まずは怪獣の位置と種類の確認をしてから行動開始だ。


「……! そこか……!」


 どうやら怪獣はかなり近い場所に出現したらしい。

 その場所はこの街の西側に位置する海沿いの港湾地区だった。私は早速その方向へと足を向けた。


 ズシィィィィィン……


 一歩踏み出すとそれだけで大地が揺れるのを感じた。しかし今はそんなことを気にしている場合ではない。一刻も早く現場に駆けつけなければ……。私は途中に立ちはだかる大小様々な高層ビル群の中を突き進んで怪獣に向かって行く。


 ズガンッ!!ガシャァアアンッ!!ドゴォオオッ!!……


 巨大な私が走ると、轟音とともにすさまじい地響きと振動で、周囲の建物の窓ガラスは全て砕け散り、古いアパートや住宅はそれだけで崩れ落ちてしまう。

 さらにブーツの直撃を免れたビルも私の身体が軽く当っただけで殆どの窓ガラスが割れ、壁面は崩れ落ちた。

 それでも私は構わず進んでいく。しかし、大都会は巨人が走るスペースすらないほどに高層建築物が密集している。だからといって通れる幅の道を探しながら、歩いていたのでは時間がかかりすぎる。


「うぅっ……この道、狭すぎ……」


 私は独り言を呟きながらぎっしりと建っているビルを縫うように移動した。

 むろん巨大な私の身体の前にはどのビルもひとたまりもなかった。私の肩が当たればビルは大きく凹み倒れてしまう。巨大な足が当たればビルは傾いてしまう。


 それでも尚突き進んでいく私。すると目の前には一際高い超高層ビルが見えてきた。さっきお茶とケーキを食べたカフェのあるビルだ。見た時は巨大なタワーの様に見えていたが今はそうではない。

 その高さは私の胸元ぐらいまでしかなく。まるでちょっとした本棚か衣装ケースのよう。

 そしてその大きさの差は歴然としていて、もし仮に私が思いっきり手を振り上げたらこのビルの上部は間違いなく崩落してしまうだろう。


「んっ……♡あっ……♡こんな時に」


 私は独り言を呟くと股間の方へと視線を落とす。スキニーの股間を大きく盛り上げているそれは私の股間から生えている器官だ。

 本来は生殖器としての役割を持つこの部位は普段は下着の中で窮屈そうに収納されていたりするわけだが、巨大化を始めてからは常に勃起した状態が続いている。

 しかもそれが今ではパンツがはち切れんばかりに膨らんでいる。


「もう、こんなになってるなんて……」


 思わず頬が熱くなる。

 しかし、これも仕方ないことなのだ。私はこの巨大サイズになって怪獣との戦いに向かうときに性的な欲求を抑えられなくなる体質になってしまったみたいだ。


「ふぅーっ……落ち着かなきゃ……」


 深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。よし。

 私は改めて街全体を見渡すと怪獣のいる方向を見定めた。すると街の東の海上から現れた怪獣が街の最深部に向かって進行しているのが見えた。


「行かないと」


 私はそう言って走り出した。走る度に地面を揺らしながら駆けて行く。地面に立っている建物は私の足に当たると崩れ落ちていく。その様子を見ながら私は心の中で謝っていた。本当にごめんなさい。


 私は足元に注意しながら走って行く。その際出来るだけ小さい建造物や車などを踏まないように気を付けるのだった。


 そして数分後には怪獣に追いついた。

 怪獣は青い皮膚を持ち二足歩行で歩く爬虫類型の生物だ。大きな尻尾を持ち、頭部の形状からして恐竜のような印象を受ける。


「あれが今回の敵……」


 怪獣は私が現れると驚いたように鳴き声を上げてこちらを見た。まるで巨大なトカゲのような姿をしているが顔つきは獰猛な肉食動物を思わせる。


「グルルルゥウウウッッッ!!」


 突然現れた私に対して敵意を向けているのか唸り声を上げている。


「ふふっ……ちょっとかわいいかも?」


 私がそう思ってしまうのも理由がある。街を蹂躙している怪獣の大きさは50メートルほどで、私からすれば小型犬サイズ。この大きさだと可愛いペットみたいなもの。

 それでも地球の住民にとっては脅威だろう。その証拠に怪獣が触れた建物は倒壊していくし、道路や線路にさえ爪痕を残して、道路を踏み砕き建物を蹴飛ばして進んでくる。


 私自身もビルを吹き飛ばしながら進んで行く。周りの風景が一瞬にして変化するスピードで走っている。

 巨大な足が踏みつけられた途端に地面に亀裂が入りコンクリートの舗装された道路は砕け散った。


「よし、このまま一気に倒してあげる!」


 両手を広げ飛び込んでくる怪獣を避けながら、私は怪獣に飛びかかると首を掴んで放り投げた。

 空中で回転しながらオフィスビル群の中に勢いよく着地すると土煙があがり、周りにあったオフィスビルが木っ端微塵に砕け散ってゆく。

 私は怪獣に追撃を加えるべくビルの瓦礫に近づいていった。


「これで終わり!」


 そう叫びながら拳を振り上げて怪獣を殴った。拳がめり込むと怪獣の悲鳴が響き渡った。


「グギャアアアッッ!?」


 断末魔の叫び声と共に血を吹き出しながら地面に倒れ込んだ。

 私は倒れた怪獣の頭に足を乗せた。そして踏みつけてやると頭蓋骨が砕ける音がした。私は何度か体重をかけて踏み潰すと怪獣の頭がぺちゃんこになった。


「ふぅ……」


 一息ついて私は立ち上がった。街は惨憺たる有様となっていた。怪獣と私が暴れたことで建物は倒壊し道路は陥没しており、立ち上る黒煙が私が通ってきた道を示している。

 そして私を中心に円形に広がる更地。それはまさに破壊の痕跡だ。それを見た私は何とも言えない気分になった。


「また、被害が出ちゃった。ごめんなさい……」


 謝って済む問題じゃないけどそれでも謝らずにはいられなかった。私は心の中で強く思った。


「でも……」


 私は自分の股間を見た。そこには私の勃起した肉棒がスキニーを大きく盛り上げて自己主張していた。もう完全にズボンの形を変えて

外からでも肉棒のカタチがわかるほどだ。


「あっ……♡」


 私はまた小さく喘いだ。私の身体は完全に欲情していた。もう我慢できなかった。

 私は下着の中に手をいれ、手で包み込むようにして自分のモノを握った。そして上下に擦り始めた。


「んっ……もう……♡」


 私は悶えた。気持ちいい。すごく気持ちがいい。私は夢中で手を動かした。どんどん気持ちが良くなってくる。もっとしたい。もっと気持ちよくなりたい。


「んふぅっ……♡」


 息を整えながら私は周囲を見渡した。私が満足するにはまだ足りない。もっと欲しい。

 私は近くにあるビルに目を向けた。今日、立ち寄ったカフェが入っている高層ビルだ。

 さっきはこのビルにカフェがあってケーキを食べたんだっけ。あの時は、見上げて感嘆するほどの高さを誇っていたビルも、今はもう、その高さは私の胸元ぐらいまでしかない。

 ビルの屋上は展望台のようになっていて、テラス席を含めて数多くのテーブルと椅子が設置されていた。

 私はビルに近づいて、上から覗き込むようにして眺めると、そのビルの屋上に人が集まっているのが見える。

 たび重なる揺れのせいか、エレベーターと非常階段両方が使えなくなって、閉じ込められているのだ。

 野次馬根性で怪獣と私の戦いを見物に来ていた人々は、頭上の視界を、巨大な私の上半身で埋め尽くされてしまった事に恐怖し悲鳴を上げている。

 人々の悲鳴を聞いて私はゾクッとした。と同時に私の頭の中で何かが壊れた気がする。私はニヤリと笑った。


「♡」


 そして私は試しに自分の乳房を持ち上げ、ビルの屋上の上に乗せてみた。ズズンと重い音の後、ビルの屋上にいた人々は乳房の下敷きになって押し潰されたか、その衝撃で屋上から地面へと放り出された。

 ずっしりと乗せられた私の乳房はビルの屋上を粉砕し、下2階分くらいまでを押し潰してしまった。

 最高水準の強度で建築された高層ビルでさえ、私の胸は重すぎたようで、乗せられたビルはメキメキと不穏な音を立て始めた。


「あーあ。壊れちゃう……♡」


 私の甘ったるい声は、もはや聞こえていないだろう。ビルに取り残された人達の恐怖に歪んだ表情が浮かんでくるようだ。

 そんな彼らの最期を想像するとますます興奮してきた。

 体重をかけていき、ビルが私のおっぱいを支えきれなくなり、音を立てて中の構造物が歪んでいくのを感じ、順番に潰れていく。

 ビルの最上階部分が潰れてゆく様はまるで砂上の楼閣のようだった。もうすぐ壊れる。私はそう確信すると笑みを浮かべた。


 次の瞬間にはバキバキメキメキという音と共にビルが崩壊し始め私のおっぱいは更に下の階層を押し潰していった。

 私は乳房を屋上に乗せたままビルが倒壊するのを待った。

 しかし意外と頑丈なのかビルは崩れずに持ち堪えた。でももうすぐ限界が来るだろう。


 でもそれだけだとつまらない。正直言うと、巨大化する前からこのビルでセックスしたらどれだけ気持ちいいだろうかと、ずっと考えていたのだ。

 実際に目の当たりにした今、興奮を抑える事が出来ない。私はこのビルを犯したいという衝動に駆られた。

 だから私はビルを押し潰したりしないで壊れないギリギリのラインを見極めつつ私の欲望を満たそうと思った。

 私はビルの屋上に乗せていた乳房をどかしてビルの隣に立った。そして手を伸ばし、ビルの最上階部分に指先が触れる。


 ミシミシ……メリメリ……メキメキ……パリン! パリパリパリッ!


 ビルの屋上部分が指の形に沿って潰れてめり込む。ビルの最上階付近に、5本づづ計10本の指の跡が大きく刻み込まれた。ガラス張りの天井部分が割れるとビル内にいた人達が悲鳴をあげながら落ちていった。


「っ♡」


 私は思わず舌なめずりをした。ビルの正門から人々が慌てて出てくる。

 私の顔を見て恐怖している様だ。私を見上げる人々の顔には絶望の色が滲んでいる。そんな彼らを見下ろすのは本当に愉しいものだ。

 私はその場でついに禁断の行為に手を染めた。

まず最初に右手を使ってベルトを外し始める。


カチャッ……シュルッ……ストンッ……


 ベルトを緩め終わると続いてジッパーを下ろしそのまま引きずり下ろしていく。

 すると中に隠されていた白い下着があらわになった。それと同時に濃厚なメス臭と先走り汁の匂いが漂ってくる。

 この香りを嗅いだだけで脳髄にまで染み込んできて理性を溶かし堕落させる甘い毒のようだ。


「んっ……♡くぅっ……♡」


 私は下唇を噛み締め喘ぎ声が出そうになるのを必死で堪えながら作業を続けた。

 左手でパンティをずらして露わになった、ガチガチに固くなった肉棒を外へと出した。

 その大きさは平均的な成人男性の数十倍はあるであろう太さと長さを持ち合わせており、その質量に見合った熱量と硬度を併せ持っていた。

 また表面には血管が浮き出ておりそれが脈打って、さらに先端からは透明な液体が流れ出ておりそれが潤滑油となりヌルヌルになっている。


「んっ……♡」


 私はビルに勃起して凶悪な形状と化したちんぽを擦り付ける。

 ビルの外壁はガラス張りだったが今はもう殆ど割れてしまっていて無惨な姿を晒していた。

 その上部は私が乳房を乗せたことでヒビが入り上部が崩壊し始めている。

 私はそんなビルの状態を気にすることなく、両足を開いて股間を近づける。勃起したちんぽをビルに押し当てた。


「ひゃっ……♡」


 金属特有の冷たい刺激がゾクゾクした快感を走らせる。その快感に耐えきれず身体をビクつかせたが、すぐに体勢を立て直してビルに突き刺す。

 私の股間の先端がビルの硬い壁を砕く様に押し破り、内部へと侵入した。その衝撃によってビルは大きく揺れ動く。ビルの上階に取り残されていた人達が何ごとかと不安そうに窓越しに見ている。


(ふふっ……もっともっと壊してあげるね)


 私は心の中で呟くと更に力を入れて押し込んでいく。ビルの中を覗き見ると人々はパニック状態になり逃げ惑っていた。そんな彼らの様子を見て嗜虐心をくすぐられる。


(ごめんなさい。でも止められないから♡)


 私は心の中で謝ると再び腰を動かし始めた。先程よりも奥まで挿入することができた。そのおかげで今までとは比べ物にならないくらい強い刺激を受けた。


「あぁっ……♡すごぉっ……♡」


 その快感に頭が真っ白になりそうになるがなんとか踏みとどまった。

 そしてゆっくりと引き抜くと今度は勢い良く突き入れた。


 ズシンッ!

 その振動によってビルが軋む音が響いた。ビルの窓ガラスは振動で割れてしまって、ビルの中にいた人たちも衝撃でちんぽを突き刺した反対側から吹き飛んでしまう。


「んっ……♡はいった……♡」


 股間がビルの壁面にピッタリとくっつくまで深く押し入れるとちんぽの先端が何層もの壁を突き破った。

 そのままビルの中で擦り付けるようにして前後に動かしてみる。


「あっ……♡あっ……♡」


 ちんぽを動かす度に壁の破片が飛び散りビルを傷つけてゆく。ビル自体も激しく揺さぶられており今にも崩れてしまいそうだ。


「んっ……♡はっ……♡きもちぃ……♡」


 私は一心不乱に腰を動かし続ける。ちんぽを突き刺したことでビルが揺れ動き、先端を擦った所は構造物を押しつぶして、瓦礫の山に変えているのが伝わってくる。

 突き潰されたフロアはあっという間に淫靡な香りを放つ空間に変わってしまった。


 私は腰を動かすことを止めようとしなかった。むしろ加速させていく一方である。

 腰の動きが激しくなるにつれてビルはさらに大きく揺れ始めた。

 ビル自体が崩れ始めたのかガラガラという音と共にビルの壁面が崩れ落ちる音が聞こえるようになった。


「んっ……♡んっ……♡んっ……♡んっ……♡」

(もっと……もっと激しく……♡)


 ちんぽの先端がビルの主柱を突き破ったことで更にビルが揺れる。その衝撃で壁にヒビが入り亀裂が入っていった。

 途中にあったエレベーターシャフトを破壊し、丁度そこにあったエレベーターの箱を、亀頭とビルの構造物との間でぐしゃりと潰した。

 床には割れたガラスの破片や崩れた壁の破片が散乱していた。


「あぁ……♡ダメぇ……♡壊れちゃう……♡」


 私はそう言いながらも腰の動きは止められなかった。


 ズン!ズン!

 ビルが軋み、揺れ動く度にビル内の物が壊れ崩れていく。


「あっ……♡あっ……♡イクッ……♡イッちゃうっ……♡」


 ビルの壁面に私の巨根が何度も打ち付けられその度に壁面が崩れてゆく。

 気付いたら私はブラウスに包まれた胸がビルにのしかかっていた。私はビルに腕を回して、まるで恋人を抱きしめるかのようにして強く引き寄せるとちんぽが更にビルの奥深くへと沈んでいった。


「あぁ……♡いい……♡」


 フロアはすでに原型を留めておらず、ちんぽがオフィスの設備を削るようにして進み続けるたびにビルは崩れていきやがてちんぽはビルの中心を貫通させるように、何度も突き犯していく。


「あぁ……♡凄い……♡」


 崩れ落ちてきた瓦礫がちんぽにまとわりついてきて、それが自分のちんぽの力強さを物語るような感覚に襲われて背筋がぞくっと震えた。


「あぁっ……♡イクッ……♡イックゥウウッ……♡♡♡」


 ドピュッドピュー!ビュルルルー!ブシャー!!

 大量の精液を放出し続けるちんぽがビルに突き抜け、ビルの最上階から地下までねっとりとした精液が駆け巡っていった。

 すぐに有り余る精液の圧力に耐え切れずビルは中層部を中心に、至る階層から精液が噴き出し、白濁の噴水となっていた。


「んっ……♡はっ……♡」


 射精が止まると共に私は膝をガクつかせ顎をのけぞらせて、体を震わせた。


(ふぅ……♡終わった……)


 荒い呼吸を繰り返しながら目を開けると目の前にはかつてビルだったものが佇んでいる。

 私の体重をかけ続けていた乳房によるものなのかビルの上階部分が完全に消失しており残骸と成り果てていた。

 さらに中腹部は何度もちんぽで突き崩したことにより穴だらけとなっており中の様子を伺うことはできないが少なくとも人が生きている可能性はないだろう。

 私がちんぽを入れた箇所はもちろんのこと他にも被害は及んでおり、今やこのビルは私のちんぽによって支えられて立っているだけの状態であった。


「んっ……♡くっ……♡んっ……♡はぁっ……♡」


 ビルの壁面からズルんと、ペニスを引き抜くとビル全体がぐらりと揺れた。その拍子に最後まで残っていた柱が折れ曲がり、遂に限界を迎えた。


ガラガラガラ!ガシャン!


 耳を劈く様な轟音を響かせながら崩れ落ちるビルだったものたち。それらは瓦礫となって地面に散らばっていった。


(やりすぎちゃったかな?)


 私はビルの残骸を見下ろしながら苦笑した。

 ビルは完全に崩壊していてとてもじゃないが人間が生存できる環境ではなかった。もちろんビルの中にいた人達の安否についてはわからない。かなりの数を巻き込んでしまったとおもわれる。


 だけどどちらにせよ私の責任であることには変わりない。いくら性欲が溜まっていたとはいえこれは流石にやり過ぎたと思う。まあでも今更後悔しても遅いんだけどね。

 私は小さく息を吐き出して気持ちを切り替

えると、ビルを粉砕してしまった自分の勃起したペニスを見る。

 未だ衰えることを知らないそれはまだまだ元気いっぱいだった。


「ふぅ……♡まったくもう……♡」


 私は自分の淫乱ぶりに呆れながらも笑みを浮かべた。でもしょうがないよね。だって気持ちよかったんだもん。仕方ないじゃん。


(それにしても……)


 私は眼下に広がる光景を見つめながら思う。そこにあるのは私がたった今作り出したばかりの新世界だった。かつてそこに存在していたものはもう何も残っていない。文字通り全てを破壊し尽くしたのだ。


「これが本当の『破壊神』ですか……♡」


私はそう呟くと再び笑みを浮かべた。


(さてと……♡もう少しだけ、協力してもらおうかな?♡♡)


 私は近くの手ごろなビルを何棟かお借りして性欲を発散させたのち、被害の出ていない場所まで歩いてから、身体を縮めて元のサイズに戻った。


(うんっ、買ってきた物は無事みたい♪)


 私は巨大化した時胸の間にしまい込んでいた今日の戦利品が無事であることにほっとした。

 今日の戦いは一段と激しく動いたけれども、ちゃんと胸の谷間に挟んで大事に守っておいたので落としたりしなかったようだ。

 良かった……。買い物袋に入っている服や下着などを眺めていると自然と顔が綻んだ。そしてそれらを大切に抱えるようにして家路についたのであった。

3.とある少女の回顧録

 その人はカフェに入った時から普通ではなかった。

 店内に入ってきた時から彼女は目立っていた。まず目を引くのはその容姿だ。黒髪ロングに整った顔立ちをしていて、いかにも美人系のお姉さんといった感じだ。身長も高くスタイルが良いことも相まってモデルのような雰囲気がある。

 服装は薄ピンク色のブラウスにボトムは黒のスキニー、そしてシンプルなブーツと非常にオシャレであり街中ですれ違えば誰もが振り返ってしまうような美しさを兼ね備えている人物だった。

 彼女は優雅に店内へと足を進めていく。その姿はまるでファッションショーのランウェイを歩いているかのようだった。


 何処かで彼女を見たことがあるような気がしたが、その時は何者なのか直ぐには思い出せなかった。

 その当時、私は駅に併設された高層ビルに入っているカフェテリアの店員のアルバイトをしていた。

 私はマニュアル通りの接客をして彼女を案内して注文をとる。

 彼女は窓際の席を選び、デザートセットを注文した。


 それから彼女が食事を済ませ、退店して暫くしてからのことだった。店の外から大勢の悲鳴が巻き起こったのである。

 周りの客が騒いでいる。何事かと思って音のした方に視線を送ると店の外の大通りには、パニックになって逃げ惑う人々の姿があった。


「なにが起きてるの……?」


 そう思った瞬間、店の中に突如として大きな振動が発生したのだ。

 地震にしてはおかしいと思いながらも私は咄嗟に机の下に隠れる。すると間も無く轟音と共に衝撃波が襲ってきたのであった。


ドォーン!!!


 大きな音が耳をつんざく。その直後、窓ガラスが割れガラス片が飛び散る。その場にいた人達は何が起きているのか理解出来ていないようだったが私も同様であった。

 しばらく呆然としていた私だったが落ち着きを取り戻すと状況を把握しようと考える。まずは状況の確認から始めることにした。

 店の外に飛び出し、混乱する人々に混ざって、皆が向いている方向に視線を移してみるとそこには信じられない光景が広がっていたのであった。


「嘘……!?」


 目の前の光景は現実離れしたものであった。

街の中心部にある超高層ビルが粉砕されたり倒壊したりしていた。ビルだけでなく近くの建物も同様だ。

 まるで爆弾でも落とされたかのような有様である。


「そんな……」


 茫然自失状態のまま私は立ち竦んでいた。

 更に恐ろしいことに、その破壊の元凶がすぐそばに聳え立っていたのだ。

 青い皮膚の二足歩行で歩く爬虫類型の巨大生物。そう紹介するのが正しいのだろうか。

 その姿はどう見ても怪獣だ。それは全長約50メートルもあり20階建てのオフィスビルと同じくらいの大きさだ。

 怪物は長い尻尾を持っていて、動く度に近くのビルが軒並み破壊されていく。

 まるで悪夢を見せられているかのような気分だ。こんな非現実的な光景を見れば誰だって信じたくないと思うだろう。


「ど、どうしよう……」


 私が恐怖と混乱の中で身動きが取れない状態の中、怪獣はこちらに向かって歩いてくる。

 徐々に近づいてくるにつれてその迫力は増していった。

 そして遂にカフェのあるオフィスビルまでもうすぐの所まで迫り来ていたのである。

 私はこのままここで死ぬかもしれないと本気で思い始めた頃だった。


 突然、上空から空を覆う大きな影が辺りを覆いつくしたのだ。


「えっ……?」


 私は上を見上げてみる。

 すると遥か高い位置に巨大な影が見えた。それは逆光でよく見えなかったが、間違いなく人型であるということだけは判別できる大きさであった。

 その人影はどんどん大きくなっていき最後には私たちの前にその姿を現したのである。その大きさはおよそ160メートル位あり巨大怪獣の倍近くあるサイズであった。


「あれは……」


 私は目を凝らしてその人物を注視する。そこに立っていたのは間違いなく女性だ。しかも見覚えがある顔をしている。

 長い黒髪に端正な顔立ちをしていて肌は白くて美しい。身長は高くスタイルが良くてまさに完璧なプロポーション……。


「あの人、もしかして……」


 私の脳裏に浮かび上がったのは、カフェで見かけたあの女性客。

 その時思いだした。そうだ、あの人は怪獣が出現する度に戦ってくれる女巨人だ。

 彼女については報道管制を敷かれているため、ニュースでも取り上げられる情報は数少ないのだが、それでもいくつかの情報はネット上に出回っている。


 彼女は怪獣と対峙するために登場したのだ。

 その姿は威風堂々としていて正義のヒロインそのものだ。

 これから怪獣と戦うためにここに来たのだろう。


(すごい……!)


 彼女から発せられているものは気迫のようなものではなく純粋な存在の大きさによる威圧感であり、私達一般人にとっては計り知れないパワーを持っていることが分かるのだ。

 その証拠に怪獣の方も警戒しているのが分かる。


 お互い睨み合いを続けていた二人であったが先に行動を起こしたのは彼女の方だった。

 巨大な女性が道路に沿って駆け出すと、一歩踏み出すごとに振動と衝撃であたりのビルのガラスは全て砕け散り、車は横転し、小さな人々は立っていることすら出来なかった。私もその衝撃で地面に転倒してしまう。


 ずどおおん!!ずどおおおおんん!!!ずどおおおおおん!!


 激しい音とともに大地が揺れ動く。彼女の足元にあった道路が陥没し大きな亀裂が入る。

 その影響で周囲の建物の窓ガラスは全て砕け散り、古いアパートや住宅はそれだけで崩れ落ちてしまい、近くにあった高層マンションが免震構造のためなのか、大きく揺れている。


 だがそんな時、視線の先で巨大なブーツが踏み下されるのを見て驚愕する。

 ブーツが大通りに落ちる瞬間、人でいっぱいの片道4車線の道路が薄暗く巨大な影に覆われていく。

 ブーツの底には、道路を埋め尽くすほどたくさんの自動車があり、その間を駆け抜けようとする人々もまた沢山いたのだ。


 しかし次の瞬間、ブーツが踏み下ろされたとき、そこの下にいた大勢がその下敷きにされた。 彼らの上に落下してきたブーツがアスファルトを踏み砕き、衝撃で瓦礫と砂煙を巻き上げた。その威力は凄まじく、ブーツの周りにはクレーターが出来上がるほどであった。


 人々の悲鳴をよそに巨大なブーツがこちらに迫ってきている。

 私は怖くなってとっさに体が動き、人波とは違う方向、さっきまでいた高層ビルの中に逃げ込んだ。

 それと同時に、直前まで私が立ち尽くしていた場所に巨大な彼女のブーツが踏みつけられた。


 ずうううううんんん!!!


 巨大な重量に地面は凹みアスファルトが砕けて粉々になる。巨大な足が落下する衝撃で、踏みつぶしを免れた人々が宙に浮く。

 私はオフィスビルの中に辛うじて避難できていたが、その衝撃波で吹き飛ばされた。ほかの人たちも吹き飛ばされてオフィスビル内は阿鼻叫喚に包まれた。

 私は吹き飛ばされた衝撃で、痛みに歯を食いしばりながら巨大な彼女の方を見た。

 小山のような大きな巨足は再び持ち上がり、次の一歩の為に進んで行ってしまった。


 後に残されたのは、道路に穿たれた巨大な足跡。全長24mの足によってつくられた足跡はアスファルトを踏み砕き地面に1mほどの深さの穴を形成していた。

 人間や車を簡単に押し潰してしまうほどの巨大さと重圧。

 もしもあのままあの場所にいたらと思うとゾッとする思いだ。彼女が動く度に地面が大きく揺れていて常にバランスをとらないと立っていられないほどだ。


 このままでは危険だと判断した私は急いで避難しようとした。

 しかし、地面も未だにグラグラ揺れている。それは、まだ巨人たちが近くにいるという事だ。このまま外に出れば、あの巨大な足にいつ踏み潰されてもおかしくはない……。でもどうすれば……。


 そんなことを思っていると、轟音と共に建物全体が激しく揺れた後に、ひときわ大きな爆発音が響き渡ったのだ。

 それを機に、あれだけ激しかった地鳴りや揺れがピタッと収まり静寂が訪れた。

 窓から外を見ると怪獣が倒れている姿が見えた。

 煙が晴れてゆく中で、勝利した女巨人が仁王立ちで怪獣の骸を見下ろしていたかと思えば、巨人はそのままこちらに向かって歩いて来たのだ! 


「えぇっ!?こっち来るの!?」


 私は慌てて声を上げた。ほかのビルにいた人たちも状況を理解して、ビルから逃げ出そうと一斉に外に向け走り出した。私もその後に続くように走る。


 だが既に遅かった。

 巨大な彼女は私たちが避難するよりもずっと早く、このオフィスビルへたどり着いてしまったのだ。

 ビル全体が地震のように大きく揺れるような錯覚に陥る。


「きゃっ!?」


 天井に吊り下げられた電飾が落ち、瓦礫となった床材と共に大量の埃や砂塵が舞い上がる。


「嘘……」


 目の前に見える景色が信じられなかった。

ビルのエントランスホールのガラスの壁には巨人が履いているであろう小山のようなブーツで埋め尽くされていた。

 エントランスホールは4階部分まで吹き抜けの構造となっており、ガラス壁もかなりの高さと広さを持っている。

 が、それをもってしても、巨人のブーツのくるぶしすら入り切らず、あまりにも巨大すぎて全体像を捉えることができない。ゆえに巨大なブーツのヒールとつま先部分だけがガラスの壁越しに見ることが出来た。


「凄すぎる……」


 私は思わず、この光景を作り出している巨大な彼女に惚れてしまっていた。自分とはスケールが違う存在に出会ったとき、脳が混乱してしまったのかもしれない。


 突然、ビルが大きく揺れ動いた。もしかしたら仁王立ちしていた巨人がオフィスビルに手を掛けたのかもしれない。


ずんっ!


 地響きが伝わり足元が震える感覚。そのあとに聞こえる地鳴り。そしてガラス製の窓が割れる音。

 巨大な彼女に掴まれたことでオフィスビルはミシミシと音を立てていた。その衝撃で多くのガラス窓が割れてしまい降り注ぐガラス片にあたりの人々はパニックになっていた。


 私はなにが起きているのか知りたくて、スマホを使って外の状況を調べてみた。すると、誰かが撮影しているのか、私たちがいるビルに手をかけている巨人のライブ映像が見つかった。

 それにしてもなんて大きいのだろう……。このビルの最上階の展望室にも登った事があったけども、その時は周りに匹敵する建造物がないことで、この街の隅々まで見渡せる展望に驚いたのをよく覚えている。

 そんな高層ビルをあの巨人は、まるで抱き枕を抱えるようにして、聳え立っているのだ。あまりの存在の違いに驚いて声も出ない。


 映像はまだ続いている。巨大な彼女はズボンのベルトを弄りだすとそのまま一気に引きずり下ろしたではないか。

 そして露わになる下半身。その中心にある巨大な男性器を見て驚愕せずにはいられなかった。なぜならそれは余りにも常識はずれの大きさだったからだ。

 到底人の域を超えているサイズ。それが今まさに自分達のいるビルに向かってきているのだから恐怖を感じない方がおかしいというものだ。


「いや……嘘でしょ……」


 私は無意識のうちに言葉を漏らしていた。しかしそんな願いは届くことはなくむしろ行為は進んでいく。

 あの巨人が怪獣を倒した後の行動について、私は噂程度に話を知っていた。


 女性の容姿をしていながら男性器を併せ持つ彼女。怪獣を倒した後は、目についた建物を吟味しては、気に入ったものに挿入するのだそう。

 その後はまるで性行為をするかのように、ビル相手に腰を振り、蹂躙しはじめる。

 つまり今の彼女は獲物を見つけた獣と同じ状況なのだ。

 巨大な手によって鷲掴みされているビルの中で私は祈ることしかできなかった。


(お願いします……ヒドイことはしないで……)


 しかしそんな思いとは裏腹に事態は進行していく。

 ビルを股間に寄せていく巨人。彼女の亀頭に触れたビルがぐしゃっと潰れる。


 ずんっ!!


 さっきまでの比ではない衝撃。ビル全体が大きく揺れ動く感覚に襲われる。

 恐らくは巨大な彼女の肉棒がビルにねじ込まれているからに違いない。

 やがて延々に感じられる揺さぶりとともに、建物内に亀裂が入っていくと同時に様々なところから異音を発するようになってきた。

 その音は段々と大きくなって行き、破滅的な音が轟くようになってきた。


バキバキッ!バリバリッ!


 何かが折れるような嫌な音と同時に天井から埃がパラパラと落ちてくる。


 今私たちの上空では、信じられないことに巨人がオフィスビルに男根を突き刺している状況の真っ只中にいる。

 スケールの違う性行為に翻弄され、巨人の快楽の為に犯されている哀れなビルの中で私たちはただ怯えることしかできなかった。


「いや……そんな……」


 私は天と地がひっくり返るような激震の中、床に這いつくばって、落ちてくる瓦礫に当たらないように必死に身を守りながら呻く。

 まさか本当にビルを使ってセックスしてしまうなんて……。

 ビルは未だ挿入の際の衝撃で建物全体が激しく揺さぶられ続けている。


ずうううぅぅんんん!

ずうううぅぅんんん!


 巨人の注挿の度にあちらこちらで悲鳴が上がる。

 ビルの内部では天井から蛍光灯が落ちてきたり天井版が割れて落ちてきたりと散々な有様となっていた。

 そんな中でも巨大な彼女は己の欲望の赴くままに動き続けているようだ。


ずどおおおん!

ずどおおんん!!

ずどおおん!!


 規則的に振動する大地。

 激しいピストン運動が繰り返される度にオフィスビルは大きく形を変えてしまっていった。

 巨人の陰茎が突っ込まれたのは20階以上の中層フロア。

 亀頭はコンクリート製の壁を豆腐のようにいとも簡単に粉砕していき、列車ほどの陰茎によってビルの中は歪みきっていく。


 フロア内の書架やパーティションなどが薙ぎ払われてゆき、その度にビルの中から木霊する住民の悲鳴。


 誰かが泣き叫ぶ声が聞こえてくるがそれでも、巨人の途方もないピストン運動による轟音と破壊音でかき消されてしまう。


「きゃああああ!!!」


 私のいる下層エリアもかなりの被害を受けている。

 巨大な彼女がピストン運動をする毎にビルの階層ごと捻れていく轟音と揺れが襲ってくる。

 その度に私は床に伏せて悲鳴を上げる。とても立ってなんかいられなかった。

 このままではいつ崩壊してもおかしくはない状況である。

 早く逃げなければと考えたのだが、足が思うように動かない。未曽有の地震のような揺れで満足に立つこともままならない状況だ。

 なんとか壁際まで這いずって行くのがやっとだった。その間も地震は続いている。それどころか、どんどん酷くなっているような気がするぐらいだ。


 そんな地獄のような現場の中心で行われている行為はあまりにも過激なものとなっていた。

 彼女にとってみればただの性交に過ぎないのかも知れないが、私たちからすれば災害そのものと言っていいだろう。


 今行われていることは人類史上最悪の蹂躙と言ってもいいのではないだろうか。

 自分の性欲さえ満たせれば犠牲者がどれだけ出ようとも関係ない。そういう価値観を持った上で行動しているように見受けられるのだ。


 ずどおおん!ずどおおおん!ずどおおおん!ずどおおおん!


 揺れる地面が建物の歪みを加速させる。もう一刻の猶予もないだろう。

 私は周囲にいる人々を見渡してみた。皆一様に不安そうな表情を浮かべている。当然といえば当然のことである。なにせ巨人に襲われて命の危機に瀕しているのだ。冷静でいろというのが無理な話だ。

 かくいう私も恐怖のあまり震えが止まらなくなっていた。


 今すぐにでもここから離れたい気持ちで一杯だが、メインの入り口は巨人のブーツで踏みしめられ、瓦礫と巨大な足で塞がっている。

 エレベーターやエスカレーターももちろん機能していなかった。

 唯一希望があるとすれば非常階段ぐらいだろうか。


 しかし、ここまで激しい揺れの中、果たして無事に脱出出来る保証などどこにも無い。下手をしたら途中で崩落してぺちゃんこになってしまうかもしれない。

 ならばこのまま残って身を任せるしかないのか……。


 しかしその考えは甘かったと言わざるを得なかった。

 巨人が突然咆哮をあげたと思った次の瞬間には大きな振動が私たちを襲った。それはこれまで体験したことのない規模のものだった。


ずどぉおおおおん!!!


 今まで以上に強い揺れが起きると同時に建物がまるで竜巻の中に放り投げられたかのような感覚に囚われる。

 天地がひっくり返り、平衡感覚が狂う。上下左右の区別がつかなくなるほどの衝撃。


ズドオォォン!!


 轟音と共に建物全体に激しい震動が走る。おそらくこのビルを串刺しにしている巨人が一層深くまで差し込んできたのだろう。

 ビルの中にある鉄骨の折れる音と共に生々しい巨大な肉塊が動き回る嫌な音が聞こえるようになってきた。


(ここにいても潰されるだけっ……!)


 私は意を決すると非常階段に向かう。

 ビル内に設置された非常階段は地下駐車場へ繋がっており、そこを通っていけば地上に出れる筈だと考えた。

 私の他にも何人かの人達が左右に揺さぶられながら階段へ走っていく。


 ずどおおん!ずどおおん!ずどおおん!

 背後からは変わらず大きな音が鳴り響いておりそれが私達の精神を蝕んでいった。

 巨大な彼女が激しく腰を動かす度に地震のような揺れが起こり、それに連動するようにビルは今にも崩れ落ちそうである。


 階段を一段飛ばしで駆け下り地下へと続く階段を下っていった。やがて出口につながる非常扉に辿り着いたところで外に飛び出した。

 そこから出ると真っ暗闇が広がっていた。ビルの電気系統は完全にダウンしており停電しているようだった。

 スマホのライトを点けて周囲を照らしながら歩を進めた。幸いなことに地下駐車場は瓦礫等が散乱してはいるものの、歩くには困らない程度の状態だった。

 瓦礫や破裂した水道管の水溜りができている場所を注意して避けながら歩いていくとやがて出口らしきものが見えてきたので、そちらの方角を目指した。

 だが、その時だった……。


『「あっ……♡あっ……♡イクッ……♡イッちゃうっ……♡」』


 上階から響いて来る大音量の嬌声。

 彼女の喘ぎ声と同時に発せられる轟音。

 どうやら彼女の絶頂は近いようだ。

 それと同時に地面が大きく揺れて、天井から砂ぼこりがパラパラと落ちてくる。


 突然の出来事に床に叩き伏せられ、痛むガラダに声を上げる私達だったが、更に事態は進行する。


『「あぁっ……♡イクッ……♡イックゥウウッ……♡♡♡」』


 再び彼女の雄叫びが木霊する。

 それに呼応するかのように地面が激しく揺れ動いた。


 ズゴォオオン!ドシンッ!!

 巨大地震のような揺れは私達を翻弄していった。そしてついにその時が訪れる事になる。


 メリメリィイッ!!


 凄まじい音と共に支えを失った壁や天井などの建材が落ちて来た。だが、それだけではない。


「おい!上から何か落ちてくるぞ!!」


 誰かが指さしてそう叫んだ。つられて私も上を見る。


「キャーーッ!!」


 悲鳴を上げる周囲の群衆。私も同じように叫んでいた。


 皆が見た方向には、私たちが先ほどまで下りていた非常階段。その階段を猛烈な勢いで、白濁した大量の液体が、地下空間に流れ込んできたのだ。


「嘘でしょ!?」


 私は思わず息を飲んだ。あの光景を見て尚平然としていられる者はいないだろう。

 私は今自分が目にしているものが現実の出来事なのか信じられなかったからだ。

 何故ならばその液体は間違いなく精液だったからだ。それも大量の……。


 その質量は想像を絶する程膨大な量に及び、まるで津波のように押し寄せて来たのだ。

 あまりの迫力に誰もが言葉を失い立ち尽くしている。

 いきなり得体の知れない物体が雪崩れ込んできて自分達の住処を飲み込もうとしているのだから恐怖以外の何物でもないはずだ。


 やがて白い奔流が駐車場を飲み込みながら、こちらに押し寄せて来た。

 粘り気のある半固体のそれが凄まじい勢いで周囲の車や瓦礫を飲み込んで行く。

 その様子はまるで白い海の津波のようであり、あっという間に周囲は泡立った精子だらけとなった。

 当然逃げ遅れた者達はそのまま飲み込まれてしまった。周囲を埋め尽くす白濁した世界。その光景はまるで地獄絵図のようであった。

 大量の精子にのみ込まれると辺り一面が真っ白に塗りつぶされる。

 地下駐車場の面影は全く感じられない。もはや原型をとどめていない建物の残骸と夥しい量の精子が溢れ返り白一色に染め上げられていた。


 私は呆然自失となって立ち竦んでいた。

(終わった……全部……)

 心の中で呟く。涙が止めどなく流れてきた。だがそれを拭う事さえも許されぬまま、私は白濁した洪水によって押し流されてしまった……。


***


 目覚めるとそこは見慣れぬ天井だった。私はベッドに寝かされていたようでゆっくりと起き上がると辺りを見回した。

 どうやら病室のようだがどういう経緯で此処に来たのか思い出せずにいた。するとそこへ一人の医師がやって来て話しかけてきた。


「意識が戻ったのか……」と医師が言いかけたところでハッと思い出した。そうだ私はビルにいたんだ。

 記憶が蘇ってくると同時にあの時の映像がフラッシュバックするように鮮明に蘇ってきた。

 私は慌てて口を押さえる。吐き気が込み上げてきたからだ。


 しばらくして落ち着くと医師から診察を受けた。その結果、特に大きな怪我はないとの事だったのでホッとした反面、やはり気になる事が多かったので色々と訊ねてみることにした。

 まず第一にどうして自分が此処に運ばれてきたのかを聞くと、どうやら地下駐車場を埋め尽くし行き場を失った精液は、そのまま地上へと間欠泉のごとく吹き上がり、あちこちに飛び散った。


 そんななかで自分は精液と一緒に外に押し出された数少ない生存者の一人として保護されたのだそうだ。

 あの時居合わせた人々の中には行方不明になった人も多く、未だに遺体が見つかっていない生死不明の犠牲者が少なくない状態らしいとのことだった。


 さらに詳しく話を聞くと今回の騒動における死者数は千人を超えるとか超えないとかで現在警察や消防隊が懸命な捜索活動を行っている最中だということも知る事ができた。


「そうですか……」


 沈痛な表情で告げる医師に対し力なく答えることしかできなかった。

 それからしばらく安静にしていれば退院できると言われたので大人しく療養する事にした。

 翌日になると早速検査を受けさせられたのだが問題ないと判断され退院を許可された。


『あの事件から1カ月が経ちました。未だに安否確認が取れていない人々もいます。被害に遭われた方々にお悔やみ申し上げます。なお詳しい情報については分かり次第お知らせ致します……続いて本日もニュースをお伝えします。本日の朝7時頃に〇✕市にて……』


 テレビ画面にはアナウンサーが深刻そうな表情で淡々と原稿を読み上げていた。

 私は自宅のベッドに横になりながら、まだ生きているという実感を得ることができずぼんやりとしていた。


 あれから一ヶ月が経過した今でもあの日のことを夢に見る。そして目が覚める度に恐怖が蘇り泣きじゃくる日々を送っている……。


――とある女性の手記より

七重山吹 PIXIV FANBOX 128 favs
VIEWS1
FILES1 file
POSTEDSep 11, 2025
ARCHIVEDJun 10, 2026