1.超巨大少女上陸
有史以来、人々は己の偉業を称えるために、モニュメントと称して様々な石碑や建造物を建て、その称賛と功績を後世に伝えてきた。
やがて、モニュメントは形を変え、より大きく、より高く、そして何処よりも巨大で偉大なモノを競うように造るようになった。
人々もいつしか、巨大建築物を賞賛し、造り出す権力者や偉人を賞賛するようになっていった。
そして、時代が過ぎ去り高度な機械文明によって繁栄した現代でも形を変え、高層ビルやタワーなど、その経済力と技術力を余すことなく織り込んだ巨大構造物は、街のランドマークとして、多くの人々の賞賛を浴び続けている。
巨大建造物が建ち並ぶ街は、まさに人類の繁栄の証なのだ。そして同時に、そんな巨大構造物は往々にして権力の象徴であることを教えてくれる。
そう、いつの時代も巨大な建造物は、多くの人々の心を魅きつけ、繁栄のモニュメントでもあるのだ。
***
その日、最初に異変に気付いたのは領海内を哨戒中の船舶だった。
10m先さえ見えないほどに深い霧が立ち込めたこの日、任務中の哨戒艦はレーダーに写し出された巨大な影を発見したのである。
それは巨大な船のようにも思えたが、船にしてはあまりにも大きすぎる。かといってこの辺りには島と呼べる陸地などは海図に載っていない。
直ちに本国へこの事態を報告し、哨戒艦は全速力で正体不明の巨大な影の調査をすることにした。
しかし、事態は恐るべき速度で進行していた。なんとその巨影は信じられない速度で移動していたのだ。
艦内が得体の知れない超常現象に浮き足立つ中、甲板から外を監視していた船員が深い霧の奥から迫り来る巨影に気付き、その正体がなんであるか目を凝らして確認してみた。
影は長い塔のように海面から突き出て、厚い雲の中に続いている。ここからだとはっきりとはわからないが、距離から換算すると、その巨大な塔の幅はこの船よりもずっと大きいと思われる。
どう見ても人類が造り出した構造物には思えないその塔は、なんと2本もあった。しかも、交互に動いてこちらに近づいてきているのだ。
船員は、慌てて上官に報告しようとしたが、その巨影はあっという間に哨戒艦の至近距離に迫ると、激しい衝撃と共に哨戒船を一瞬で海の藻屑に変え、ザブザブと大波を立てながら霧の中へと消えていったのだった。
***
海沿いの街では、海の向こうから周期的に訪れる不穏な振動を感じ取りざわついていた。その振動は次第に大きくなり、誰しもが刻々と近づいてくるソレに得体の知れない恐怖を感じていた。
そしてついに街に振動の元凶が現れる。それは、塔と思ってしまうほどに巨大な太ももだった。
ザブザブと海を割りながら迫ってくるのは、間違いなく太ももだ。だが、その大きさはあまりにも大きすぎる。
大きすぎて、太ももから上は雲の上に隠れてみることが出来ない。街の誰もがその太ももが何を意味しているかに気付き、パニックに陥った。
遠くの巨大な塔のような脚を持つ巨人が港に向かってきているのだ。
迫り来るソレは、水平線の向こうから海を掻き分け、雲を蹴散らし、悠々と進んできていた。
その距離はみるみると縮まっていく。
そして遂に、巨大なの太ももが街へと近づくにつれ、巨人が歩いて引き起こした波濤が街に襲いかかり、船は転覆して丘に打ち上げられ、港湾施設は迫り来る津波によって破壊される。
巨大構造物が街に接近すればするほど、人々はパニックに陥っていく。
街中に響き渡る轟音と共に迫り来る巨大な脚を見ては誰もが絶望し、狂ったように逃げ惑うしか出来なかったのだ。
しかし、そんな人々の真上に巨大な影が差した。全員が上を見ると、そこには想像を絶する存在が迫ってきていた。
それは、あまりにも巨大な脚の裏。海から引き抜かれた足が、大量の海水を滴らせながら、人々の真上に振りかざされたのだ。
「うあああああああああ!!!」
人々は逃げ惑うのを止めた。その代わりにまるで神でも崇めるかのように恐怖の眼差しで空を見上げる人々がいた。中には涙を流して拝む者もいた。
しかし、そんな地上の事など省みず、その場所へ巨大な足が無慈悲に迫ってくると、その巨体に見合うだけの質量を持った巨大な足裏が大地に衝突した。
ズドオオオオオオオオンンン!!!
壮絶な地響きと共に、数千人を超える街の人々が一瞬にして地上から消え失せてしまうのだった。
***
「ふぅ~やっと着いたかな?」
グレー色の制服と思われるブレザーを着たカナンは足裏の感触が変わったことを感じ取り、長い時間海を歩いてようやく丘に上がってこれたことを実感していた。
「ちょっと雲が多いかな?でも、こうすれば問題なさそうだね♪」
そう呟いたカナンは、太もも付近に広がる分厚い雲を左足でサッとなぞると、それだけで太陽の光を遮っていた雲は散り散りになり、地表が見えてくる。
「~♪」
あとは、残った雲を掻き消すために左足をぐるぐると回して風の渦を作り出せば、あっという間に地上は眩しい日射しが照りつけるようになった。
そして曇天から姿を見せたそこは、1万分の1の極小サイズのミニチュア都市がところ狭しと広がっていた。
「思ったより小さいかな?でもここならなんとかなりそうだね♪」
鼻歌混じりに独り言を呟くと、眼下に広がる大都市に向かってカナンは語りかけた。
「小人の皆さんこんにちは。学校の課題で小人の国を征服することになりました。そこで皆さんには申し訳ないですが、私に支配されちゃってください♪」
カナンが言い終わると、砂粒のような街のあちこちでパニックになっているようだ。
巨大すぎる彼女からは、この大陸の小人たちの動きは小さすぎて目に入らないが、わらわらと小さいながらも言葉に出来ない恐れと戸惑いが渦巻いているのが感じ取れる。
しかしそんな小人の事情などお構い無しにカナンは話し続ける。
「もっと貴方達の街を見てみたいから歩くね♪踏み潰されたくない人は早く逃げた方がいいよ?」
そう言った瞬間、カナンが歩き出した。
ズウウウンン!!一歩踏み出す毎に大地は揺れ動く。大陸が沈み込んでしまいそうなほどの巨大な足裏がが下ろされてゆき、小人達は慌てて走り出すが、もちろん逃げられるようなスピードでは決してない。
体長15kmのカナンの足のサイズは2kmを軽く越える。その超重量級の足が踏み下ろされたとたん、大地には轟音と激震が響き渡り、その過程で生まれた衝撃波は踏み潰しを免れた周囲のビルや逃げ遅れた者達をそのまま消し飛ばして跡形もなくしてゆく。
しかし、そんな彼らに対して罪悪感を感じるでもなくカナンは歩き続ける。カナンにとってはただ歩いているだけなのだ。カナンが一歩進むごとに小人の街の大半が沈んでゆく。
巨大な存在による被害の規模は想像を絶しており、彼女の目の前に広がる街並みは瞬く間に踏み潰されて消滅してしまっていた。
「んふっ、この街は私のもの~♪そう思うと、こんなにちっさい街でも可愛く感じるから不思議だね♪」
一方的な宣言で自分の物にした小さな街の上を鼻唄を歌いながら、闊歩するカナン。しかし、その足元には人がいないわけがない。彼女に支配宣言を受けた街は、逃げ惑い混乱する人々で溢れかえっている。だが彼女から見れば、砂粒のように小さい人間たちの事など素足の裏ですら感じ取ることが出来ない存在でしかない。
彼女が、歩いただけで街の一区画は足裏に消え去り、人間の痕跡は跡形もなく圧縮された大地と同化してしまう。
人口30万人を越す中核都市であっても、彼女から見たら灰色の地面が広がるばかりで、そこにいる人間などはまともに見えない。
天高くそびえ立つ高層ビルでさえ、たかだか1〜2センチ程度の突起物にしか見えない彼女が歩けば、どこに足を下ろしても小さな人間たちの街を踏み潰してしまうのは当然の事だった。
「えへへ、みんなちっちゃくて可愛いなぁ~」
自分が歩くだけでサクサクと潰れて、奇麗な足跡に変わる様子を、カナンは無邪気に楽しんでいた。
そして、また街の一区画が足の裏で圧縮される。そんな楽しくも残酷な蹂躙劇は彼女の気まぐれで続けられていく。
「あれ?みんな私から逃げてるのかな?んふふ、健気だね~、ほら頑張って♪」
カナンは、足元を逃げ惑う小人達を蹂躙すべく、左足を高く振り上げると、小人たちの真上に街の残骸で汚れた足裏を見せつけながら、そのまま大地を踏み潰した。
ズシィイイイイイイイイイイイイイン!!!!
たった一踏みで数万人の命を無慈悲に奪っていった彼女の脚は100m近くも地面にめり込むほどの質量を持っている。
踏み潰した部分は地形が変わるほどに陥没し、足の周囲は押しやられた土砂で盛り上がり、新たな山脈を産み出した。彼女の足裏で潰されただけでなく、周りにも及んだ災害の範囲は計り知れない。
「こうやって足跡が綺麗に残ると気持ちいいよね~♪」
自分の作った足跡が気に入ったのか、カナンは小さく笑いながら街の跡をまじまじと見ている。
彼女が歩いた痕跡はクレーターとなり、彼女の足の形に街が押しつぶされている。巨大な足型がくっきりと浮かび上がり、その圧倒的な質量による破壊のすさまじさが伝わる。
もちろんその足型の形は小人の住んでいる街だけではなく、永い年月をかけて形成された河川や丘陵すら巻き込んでおり、この大陸が長年をかけて培った地形とは明らかに規模の違うものとなっていた。
(はぁ~♡ちっちゃな街に私が来たんだぞ♡って、踏んづけちゃうの、ゾクゾクして気持ちいい~♪)
今まで自分の脚に踏みつけられてきた小人達の事など1mmも考えず、カナンはただ単に素足で街を潰しながら歩いて、その街に消えることのない巨大な足跡を刻む、マーキング行為の楽しみを噛み締めていた。
もちろん彼女の脚は、そこに何人の人間が取り残されていようとも、無慈悲に歩みを止めることはない。
「うん!もっと私のものだってことをいっぱい教えてあげなくちゃ♪」
そう呟いたカナンは、ズシンズシンと足を踏みならしながら、まだ無事だった街へと迫り始める。
***
近くの空軍基地から飛び立った戦闘機たちは、蹂躙劇を繰り広げる大巨人にミサイル攻撃をしようとしていた。
世界最高峰の霊山を軽く超える体長15kmの巨人は、栗色のセミショートヘアをなびかせながら楽し気に歩いている。あんな超巨大少女であっても、彼らが装備している兵器を放てば、ダメージを与えることは出来るだろう。
射程距離に入った戦闘機から一斉にミサイルが発射される。目標は地上で暴虐の限りを尽くす巨大少女だ。
幾百のミサイルや機関砲の弾丸が彼女に襲いかかり、焼け焦げた空気の匂いが辺りに立ち込める。
だが、少女は傷を負うどころか、小さな虫でも払いのけるかのように煩わしそうにするだけで、彼女の身体に触れたミサイルは何一つとしてダメージを与えることは出来なかった。
「きゃっ!なに?なんか飛んできたよ?」
突然自分に飛来した物体に気付いたカナンが驚いて周りを見渡すと、顔のあたりから腰までの高さをうろついている戦闘機の大群を見つけた。
「も~、ちっちゃいくせに攻撃してくるんだね~」
言葉とは裏腹にカナンは怒ることもなく、むしろ少し楽しそうな様子で笑うのだった。
(この子達、頑張って自分の街を守ろうとしてるんだ……。すっごく弱い癖に一生懸命頑張ってるんだよね? そんなことされたら、応えてあげたくなっちゃう♪)
ズウウンン!! 巨大な少女の一歩が戦闘機の編隊に向かって踏み出され、大地を揺るがす。ただそれだけのことで発生した振動は、大地を震え上がらせる。
こちらを見つめながら、動き出した1万倍の巨大少女の動きに、思わず動揺してしまう戦闘機たち。
「んっふふ~」
カナンは自分が踏み出しただけで、動揺してしまうホコリのような戦闘機たちを見て上機嫌になると、まずは少し手加減してちょっかいをかけてみることにした。
「ほらほら~♪もっと速く逃げて私を楽しませてよね?」
ズウウンン!!ズウウンン!!ズウウンン!!!
巨体に見合う巨大な歩幅の速度から生み出される暴力的なスピードで小さな戦闘機たちを追い回す様に、右手を伸ばして手軽に振り回す少女。その長く伸びた手先に触れてしまった機体は、一瞬にして巻き込まれて、無惨なまでに叩き潰されてしまう。
「あはは♪結構すばしっこいんだね~♪」
小さな機体から放たれたミサイルをデコピンで撃墜しながら、カナンは楽しそうに笑っている。
巨大な少女が、戦闘機を追いかけ回す度に、巨大な脚が地表の街並みを踏みにじっていく。
あの山のような素足の前では、高層ビルも普通の家も人間でさえ関係なしに、それらをぐしゃぐしゃに踏みつぶし、周囲に膨大な砂煙を巻き上げて、あの巨大な足裏に張り付く汚れのひとつに変えてしまう。
しかし、そんな彼女は自分の一踏みで数千人の命が一瞬にして失われたことなど微塵も気にしていない様子だ。
続いて脛の辺りを彷徨いていた編隊をまとめてズシン!と足を降ろして、街のなかを逃げてゆく数千を越す小人ごと戦闘機を踏みつけるカナンだが、そこには少しも悪びれた様子はなかった。
しかし小人達からすれば、それは情け容赦のない一撃に違いはない。そんな理不尽な仕打ちを受けながらも何とか攻撃を続ける戦闘機たち。
「もっともっと逃げなきゃダメだよ?じゃないと私のおもちゃになっちゃうんだから♪」
楽しそうに呟くカナンは、懸命に戦う戦闘機たちをさらに嘲笑うかのように上体を反らして胸を張り、付き出した胸先で戦闘機を跳ね飛ばした。
ズドン!と胸先で爆撃機が跳ね飛ばされて大爆発を引き起こす。しかし、その爆炎と残骸は彼女のブレザーをほんの少しだけ汚した程度にとどまる。
「あははっ♪おっぱいの勝ちー」
そういって軽く笑いながら、胸元を軽く叩けば、散った戦闘機の痕跡は跡形もなくなくなってしまう。
そして、そのまま残った戦闘機とも戯れるため、戦闘機を追いかけ始めた。
「ほらほら、私のおっぱいで潰されちゃう前に逃げてみて?がんばれ♡がんばれ♡」
そんな小人を馬鹿にしたような応援をしながらカナンは自分の乳房を両手で持ち上げて、その下にいるちっぽけな存在を見下すのだった。
最大推力で加速する戦闘機に対して、ただ普通に歩くだけで追いついてしまう巨大少女。
その足元では、巨大な足が振り下ろされる被害が拡大してゆく。
ドゴォォンン!と轟音が鳴り響き、過ぎ去った脚の下には足跡に置き換わった都市の跡だけが残る。
人々の懸命な逃避行動も虚しく、数十キロも離れたはずの巨足が持ち上がると、一瞬で数十キロの距離を移動した少女の素足が、人間たちの頭上に翳され暗い影を落とす。
見上げれば、薄汚れた素足の裏からパラパラと埃や小さな残骸が舞い散り、地表に叩きつけられれば、巨大な瓦礫となって小人たちの街に降り注ぐ。
その後、カナンの片足が振り下ろされれば、街の一区画分のビルをなぎ倒し、車は踏みつぶされ、人々は蒸発する。
少女の足裏が通り過ぎた後に広がるのは瓦礫の山か、あるいは踏み下ろした衝撃波でズタズタにされた道路や建物の残骸か。
どちらにせよ、そこにいたはずの数百数千の人間たちのことなど、巨大少女は気にも留めない。
いま彼女が夢中になっているのは、目の前をふらふらと飛び回るちっぽけな存在だけだ。
「ほら、頑張って逃げて♪」
そんなことを呟きながら、足元を逃げ惑う戦闘機に手を伸ばし、指先で機体に触れる。たったそれだけのことで小人の機体は大爆発を起こし、爆炎を発して燃え盛りながら地表に落ちてゆく。
「あはは♪脆いなぁ~♪」
そんな墜落機のことも意に介さず笑い声を上げるカナンの下半身では今も爆撃機や戦闘機が決死の覚悟で攻撃を仕掛けている。
しかし、そんな攻撃が通用する相手ではなかった……。
***
「あ~あ、みんないなくなっちゃった……」
気付けば、カナンの回りにいた戦闘機はほとんど撃墜されたか、弾切れで帰投してしまい、すっかりと小人の戦闘機は姿を消してしまった。
「つまんないなぁ~」
そんな独り言を呟きながら、カナンは新たなおもちゃがないか、地表を見渡してみる。辺りは、彼女が歩き回った証拠の巨大な足跡がいくつもついており、見渡す限りの巨大なクレーターと化していた。
「あれ?何してるのかな?」
カナンが見渡してみた先には、郊外の開けた空き地と思われる地区に、黒い砂粒のようなものが集まっていた。
それは地上部隊が集結している地点であった。
大きな盆地になっているその場所に所狭しと大型の戦車や装甲車が展開している。
「あはは、なにそれ。今度はそれで、私と戦うつもりなの?」
大音量の嘲笑が世界を揺るがす。今度は、カナンは彼らに明確な興味を示し始めていた。
(んー、どうやって遊んであげよっかな?)
そんな事を考えているカナンは、地上から雄大に見える様に自分の巨体を見せつけながら、ゆっくりと戦車がいる盆地に迫ってゆく。
ズシン!ズシン!と歩く度に、地表の地形は変えられてゆく。それでもお構いなしに彼女が歩む足を踏み下ろす度に、踏み付けられた砂粒のような小人がすり潰されていく。
巨大少女が近づいたのを契機に、地上部隊の砲火が一斉に始まった。数十門の戦車砲から発射された砲弾はカナンの足の指先や指の股に降り注ぐが、そのどれも彼女の肌にかすり傷すら負わせられない。
(わ~♪必死な所が可愛い~♪)
意に介さない様子で足元を覗き込んでいるカナンは、今も砲撃を加えている戦車を見つけると、ちょんと足の指先で突いた。
ズウゥン!!凄まじい衝撃波と共に一区画丸ごと消し飛びクレーターが出来上がる。
そんな攻撃をされた小人の戦車は跡形もなく吹き飛び、周りにいた車両も衝撃で横転するなど、甚大な被害が出ている。
しかし、カナンはそれでも懲りずに砲弾を送り込んでくる戦車をいとおしく思い始める。
「あはは♪頑張って抵抗してるんだね?んふふ~いいね~♪」
既に壊滅に近い損害を被っている地上軍だが、そんな彼らでも必死になって義務を果たそうと果敢に攻撃を加える軍隊を見ていると、可愛いと感じ始めたようだ。
「ほらほら、そんな攻撃じゃ私は倒せないよ?もっと頑張ってよ♪」
カナンの楽し気な応援を受けて、地上部隊もどうにか攻撃を続行して戦車から砲弾を次々に発射する。
そんな小人軍の熾烈な攻撃が続く中で、カナンは攻撃の殆どが彼女の膝より上に届いていないことに気付いた。
「あっ、そっか、私がおっきすぎるから、攻撃が届かないんだね。じゃあこうしてあげる」
そう言って、カナンは瓦礫の山脈のような巨体を屈めていく。そして、両ひざを軽く広げしゃがみ込んだ姿勢になって、地上の攻撃をより生身に近いところで受ける形に移行した。
巨大な足が、住宅地や道路を踏み潰しながらしゃがんでいく姿は凄まじい迫力と破壊をまき散らしている。
「ほ〜ら♪これで届くよね?ちゃんと当てないとひどい目に遭うよ?」
巨大な少女の姿勢変更に気圧された地上軍もすぐに持ち直し、ポツポツと光を放ってカナンを攻撃してきている。
しかし、その攻撃は捲れたスカートから現れた巨大パンツの繊維に遮られ、彼女の美しい身体を汚すことは叶わない。
「あはは♪なんだかくすぐったいな~」
そう言ってクスクスと笑うカナンは、総力を挙げ自分を攻撃してくる地上の攻撃を目の前にしてご満悦だった。
そんな光景を見下ろしながら、悠長に攻撃の当たっている太腿の付け根をポリポリと掻いている。
大量の人間たちにスカートの中を見られているのに、恥ずかしさを全く感じることすらなかった。こんな微生物レベルの人間ごときに見せても、毛の一本にも恥ずかしいと思うことなどないのだ。
「もう~♪このパンツお気に入りなんだからあんまり汚さないでよね!」
そんなことを言いながらぷりぷりと怒る彼女だが、とても楽しんでいるようにも見える。
そして、今度は指先で戦車を軽々と掴んでしまう。掴まれた戦車は巨大な指から逃れようと必死に指の間でキャタピラを回すが、カナンの圧倒的な握力の前には無意味であった。
「あれれ?こんなに簡単に捕まっちゃっていいのかな〜?みんなを守る大切な戦車でしょ?あはは♪」
そう言いながら、カナンは摘まんだ戦車を嘲笑を込めた目付きで観察するように見下ろす。
「あは♪みんなちっちゃいね~♪私の指だけで潰れちゃいそう♪」
そう言ってカナンは突如、戦車を口元へと運び……口に放り込んでしまった。
「んちゅ、ぅむ……♡」
味を楽しむように口に含んだ戦車を舌で転がしてみる。大して味のない極小の戦車の中に、微量な塩っけが混じり合って絶妙に美味しい。
いや、美味しいというよりも、この世界では精強な戦車も、彼女の口内では飴玉以下にしかならない。その優越感が彼女を昂らせて、ますます上機嫌になっては、次々に戦車を口に運んでいく。
「んぐんぐ……♪ちゅぱぁ……♡んっふふ~♪美味し♡」
地上最強の戦車部隊といえども、巨大な彼女の口に放り込まれてしまえば逃げられない。
少女の舌の動きで身体を磨り潰されながら飲み込まれるのを待つしか無いのだ。
「はふ……」
その後は戦車だけに留まらず、目の前にいた兵士や車両も二口、三口とまとめて摘まんでは口にいれて、咀嚼したのち、カナンは上を向いて大きく伸びをした。
「んっ、ふぁぁ……ごちそうさまでした♪」
まるで食事を終えたような言い方をしたカナンだが、地上では彼女が食い散らかした部隊の成れ果てしか残っておらず、その報告を聞けるものはいなかった。
「でもまだ、足りないかな……?」
大量にいた地上部隊も巨大な彼女からしたら、シュガースティック一本分程度のカロリーでしかない。
この程度では彼女を満足させることは出来そうになかった。
(もっと美味しいの、食べたいなぁ)
再びカナンは周りを見渡してみる。地上の街は最初に比べて大分数が減ってはいるものの、まだ結構な数が残っている。
一先ず、破壊され尽くしたこんな所ではなく、もっと人が多い場所に移した方がいいかもしれない。
カナンは立ち上がり、自らの躰の大きさに相応しい速度で移動を始める。一歩を踏み出すたびに、地震のように大地が震え、更に遠くのビル群が崩壊する。
ズウゥン……ズウゥン……。
そんな地響きを鳴らして歩み出したカナンは、次の目的地を定めて再び歩き出したのだった。
***
一方地上では多くの市民が逃げ惑い、地下へと避難している。ここは都市の中心に位置した地下鉄の駅だ。
都市の中心部ともなると、地下への入り口も広く、複数の路線に乗り入れるために複雑に入り組み、広大な地下街も形成されたのだが、今の市民にとってはここが防空壕代わりのシェルターになっている。
ズウゥン……ズウゥン……。
足元からは定期的に振動が伝わってくるが、それは超巨大少女が歩いたり身体を動かしたりするときの地震の揺れによるもので、現実離れした巨大な侵略者の存在が夢ではないことを突きつけて来る。
だが、ここにいれば足元の少女に踏みつぶされることは今のところ免れている。
しかし、少女は時折立ち止まって何かを探すような仕草を見せたあと再び何処かへと歩いてゆく。それは恐らく新たな獲物を探しているのだと思われた。
遺伝子の片隅に記憶された捕食者に狙われる恐怖が呼び起こされ、市民たちの精神を少しずつ蝕んでゆく。
そんなことを考えつつ避難民たちはじっと息を潜めて身体を丸める様にして侵略者の行進が過ぎ去るのを祈っていた……のだが。
ズウゥン……!ズウゥン……!!
突然先ほどよりも強く振動が伝わってくるようになると、頭上からパラパラと埃のようなものが落ちるのを感じる。
少女の巨大な体躯が確実にこちらに近づいて来ているのだ。
どうか、見つからずに通りすぎてくれ……!そう願わずにいられない。
ズウゥン!!一際大きい衝撃と揺れが地下を襲い、人々の不安と恐怖が臨界点を超えてしまう。
「いやだ!!死にたくない!!」
そんな市民たちの悲鳴が地下通路に木霊する中、ガラガラガラ……という崩れていく瓦礫の音が聞こえてくる。
そして次の瞬間、今度は天井に亀裂が走ったかと思えば、瞬く間にそれが広がってゆき、頑丈だと信じていた天蓋が激しい裁断音と共に取り払われ、代わりに巨大な少女の笑顔が現れた。
「あはは!みーつけた♪」
地上からの天使のような笑顔が、地下に犇めき合うひ弱な人間たちを見下ろしていた。そんな彼女の片手には小さな瓦礫のようなものが握られており、それが先ほどまで天井を覆っていた天蓋ということは直ぐに分かった。
避難した地下街は皮肉なことに、超巨大少女カナンにとっては小さな人間が大量に蠢くだけの食料庫でしかなかったのだ。
***
「んっふふ~♪みんな小さすぎて見えにくいよぉ♪」
そういって、カナンは足元の人間たちを見下ろしながら巨大な口から舌なめずりをして見せる。
そんな彼女の動きは、地下街にいた人間を怯えさせるには十分すぎるほどの恐怖を与えて、地下シェルターに逃げ込んだ市民たちもその振動や轟音に怯えて身を寄せ合う様に固まって震えていた。
「わぁ~♪これ、皆可愛い~♪食べちゃうのもったいないなぁ~あはは♪」
そんな様子を遥か上空から見下ろしていた巨大な瞳がギラリと輝いて、口元からは舌が垂れる。まるで獲物を見つけた獣のような飢えた視線だった。
「あはは、嘘だと思った?本当に食べてあげるからね?」
カナンは言い終わると同時に四つん這いになると、顔を地面に近づける。
その姿はまるで巨大な犬のようで、人々は一層恐怖に身を縮こまらせて震えていると、次の瞬間には、彼女の吐息で一気にむわぁっと蒸れた熱気があたりに充満する。
「あはは♪小人さんの臭いでいっぱいだぁ〜。すっごい興奮するなぁ……」
広大な口の中を震え上がる人々に見せつけるように大きく口を開けると、つやつやと濡れた赤い口腔内が何処までも深く広がっている。それは体の一部と言うよりも、一つの巨大な生き物のような、そんな圧倒的なスケールを感じさせる。
そして、その口からゆっくりと唾液が糸を引いて、人が集まっている場所に滴り落ちてくると、たちまち人々の膝下までヌルっとした生暖かい唾液が包み込んだ。あまりにも桁違いな唾液の量に、震え悲鳴をあげ暴れる人々。
「あーん♡」
世界すら飲み込んでしまいそうに思える巨大な口から赤く濡れた巨大なクジラのような物体がぬっ、と這い出てきた。
それは巨大な少女の舌。長さは数百メートルをも軽く越える。舌だけで地上に存在するどんな建物よりも巨大な怪物に見えた。
そんな高層建築物よりも巨大な舌は地表の邪魔な構造物を薙ぎ倒して蹴散らしながら、地下に囚われた人々に襲いかかる。
舌の直撃を受けた建物は瓦礫も残らないほど溶けて消えていき、運悪くビルに取り残された人々は跡形もなく消失していた。
ズウゥン……!!と再び地下に振動が響き渡る。どうやら巨大な少女の舌が地表に触れたようだ。
しかしそれは小さき人間からすれば死を呼ぶに等しいものでもある。人々は必死になって舌先から逃げ出そうと駆け出した。
そんな人々を追い立てるかのようにカナンは、はしたなくも唾液を垂れ流しながら追撃を行う。
「んっふふ~♪逃げちゃダーメ♪」
舌は人々が集まってる場所や、地下空間の天井の崩落した部分をピンポイントで狙ってくる。
舌が地表に近づくと人々は悲鳴を上げて体を投げ出すようにして避けようとするが、圧倒的な質量とスピードの前にはどうしようもない。
少女はそんな人々の恐怖などお構いなしに、舌全体を眼下の地下街ごとべちゃべちゃと舐めまわしていく。
舌乳頭で覆われた細かい無数の突起が人間を捕らえ、唾液の粘着力で完全に絡めとる。その巨大さ故に、舌の捕食行為から逃れられるのは困難であり、人がいたであろう痕跡など微塵も無かった。
そんな圧倒的な暴虐に、人々は為す術もなく翻弄されるしかない。
地表の人々を蹂躙しながら舐めとり、カナンは満足げな表情で舐めとった跡地を見つめていた。
「ん……♡小人さんたちの味がする……美味しい……んっ……♡」
そして、彼女は舌を器用に動かして地表をペロペロと舐めていく。それに伴って地上にいた人々の命は蹂躙されていくのだった。
「ん~~♡やっぱり天然モノはひと味違うね♪」
お皿に残ったソースを味わうように再び舌を動かして地上を舐め回し始めるカナン。
普段の生活ならこのような品のない食べ方は絶対にしないが、周りには砂粒より小さな人間しかいないのだから気にすることもない。
そんな蹂躙劇が暫くの間続けられたのち、少女は一息つくために舌先の蹂躙を止め、人間や街の残骸を撒き散らしながら、巨大な舌が空にかえってゆく。
「んぐんぐ……」
カナンは頬に手を当てて舌で絡め取った人間や街の残骸を味わうように口の中で咀嚼しては、舌で転がしていた。
咀嚼する度に、口の中では何万人もの市民たちが自らの運命に絶望しながら死んでいっていることだろう。
そんな様子を思い浮かべてはクスっと笑いを漏らしながら彼女は、地下街だった舐め取ってドロドロの廃墟になった地下街を見下ろして、口に残った獲物を味がしなくなるまで堪能した後、口に残ったモノを喉を鳴らして吞み込んでしまう。
「えへへ♪全部食べちゃった……ご馳走様でした♡」
そう言いながらカナンは立ちあがり、片手をおでこに付けて遠くを見つめるようなポーズをとる。
「ん~……他に小人がいっぱいいそうな所ないかな~、まだ全然足りないよ……」
先ほど数万人も貪ったカナンだが、彼女のサイズからしたらまだほんの小腹を満たす程度にしかすぎない。
もっともっと食べ応えのある獲物はないのか?再現のない食欲を満たすべく、超巨大少女は新たな食料を探している。
「おっ?あそこなんか、良さそう♪」
カナンが見つけたのは、一際大きな公園だった。公園の中央には人工的に作られた大きな溜め池があるほか、野球場やテニスコートなどもあるようだ。
これだけ広い敷地に何十万人もの人々が避難していた。
そんな彼らを上から眺めるカナンの表情には、これから起こるであろう出来事に期待する、淫猥な笑みが浮かんでいたのだった。
「えへへ♪じゃあ、お邪魔しまーす♡」
カナンは地上の人々に見せつけるようにわざと足を滑らせながら公園の中へと踏み込んで行く。
ズウゥン……!ズウゥン……!!と大きな音を轟かせつつ巨大な足によって地面が掘り返され、付近一帯をクレーター状にしてしまう。
公園に避難していた人々は巨大少女の狙いが自分たちだと理解し、急いでその場から逃げようとしたがすでに遅かった。
逃げようと走り出したところで、全長23kmもある巨大少女の素足からは逃れられない。その凄まじい質量から繰り出される一歩は、まさしく天災といっても過言ではなく、逃げようと公園から脱した人々に容赦なく襲いかかり次々と踏みつぶしていった。
「うんうん、さっきの所よりもいっぱいいるね~♪」
足元にわらわらと蠢く小さな点たちを見下ろしながらカナンは楽し気に笑う。
先ほどと同じように四つん這いになって、上体を倒してその巨大な舌で公園に避難していた人々を食べ始めた。
その際、公園の周辺にあったホテルや雑居ビル群が、彼女のまるっこい乳房に押し潰されたのだが、これから起こる蹂躙劇の前では些細なことだった。
「あーむ♪」
一舐めで数千人が飲み込まれる巨人の一口はあまりにも大きく、僅か数回の舐めとりで公園の殆どを嘗め尽くしてしまい、人々がいた場所はべちゃべちゃに汚れ、緑豊かだった公園は唾液で汚される。
「んっ、ずちゅ……んっく、あむ……」
そうやって数万人もの人々を嘗めつくした超巨大少女は、最後にのどの渇きを潤すため公園のため池にも手を付ける。
巨大少女の唇が開き、池に唇をあてて、ゴクゴクと音を立てながら冷たい水を飲み始める。
「んっく、んく……っぷはぁ!」
瞬く間に巨大少女の喉に水が流れ落ちてゆく。流石に小さな池の水量程度では、彼女の渇きを癒すことなど出来るはずもなかったが、それでもいくらかは胃袋に清涼感をもたらすことができた。
ズウゥン……!と再度その大きな体を立てながら街を見下ろし仁王立ちするカナン。
「ふぅ……、ご馳走様。ふふっ、あんなにいたのに全然お腹いっぱいにならないなぁ〜。よし、あなた達が降伏するまでとことん食べちゃうから、覚悟してね♪」
超巨大少女はそう言うと、再び唇から下を出してペロッと舌なめずりをして見せる。
その姿を見た人々は、今度は自分たちが捕食される番だと気づくと一目散に逃げ出し、必死に走り続ける。
カナンはそんな人々の抵抗を楽しむようにゆっくりとした足取りで彼らの後を追い始めるのだった。
***
結局、この国の降伏宣言が下る前に、カナンが捕まえて味わった人数は10万人を軽く超えていたとされる。もっとも、その遺体すら見つかっていないのだから正確な数字は測れていない。
流石にそれだけの人間たちを食せばお腹いっぱいなるかと思ったが、彼女からしてみれば大した量ではないため、まだ満足できる状態ではなかったらしい。
もし、降伏せず無駄な抵抗をしていたらどうなっていたのだろうか。
彼女に捕食される以外にも、巨大な足で踏み荒らされた被害はさらに甚大で、踏み固められた跡地からは遺体を掘り起こすことは困難な上、さらに跡形もなくズタズタに引き裂かれているので、100万人以上の死者・行方不明者が発生していた。
そんな巨大少女の規格外な食事風景はあっという間に世界の人々が知ることになり、恐怖した国々が続々カナンの支配下に置かれていったという。
巨大な足跡だらけの跡地は、彼女の恐ろしさを際立たせるにはこれ以上にないほどの爪痕と言えよう。
この凄惨な惨状をもって、大自然すら容易く凌駕してしまうほどの巨人の恐怖と圧倒的な力を見せつけた傷跡は人類にとって未来永劫、忘れられない記憶となって刻まれる……。
誰もがそう思っていた。数日後に、またあの巨人が友人を連れてくるまでは……。
2.小人の街にしゃがみ込んで……
ズウゥゥンン!!!
巨人の襲撃から数日後、まだ被災した傷跡が場所も残っている中、またも巨人が現れた。
今度はこの前訪れた栗色のセミショートヘア少女に加え、同じ制服姿で1万倍の相当の巨躯を誇る黒髪のロングストレートの少女もだ。
一人だけでも深刻な被害をもたらしたのに、今度は巨人が二人も来訪してきたことにより、人類は言い様のない絶望感に包まれてしまった。
ズウゥゥンン……!!!そんな音と共に降り立った、比較する対象もないほどの巨体に人々は恐怖した。
たった一人の少女が上陸してきただけなのに、あの巨体で百万もの人間と多くの都市が壊滅していたのだ。
それが今度は二人も上陸してきたのだから、もう人々にとっては滅びが確定したも同然だった。
この絶望的な状況下で、カナンと同じ制服を着た巨人の一人が街を見下ろして、少女に声をかける。
「へぇ~これがカナンが征服した大陸の街なのね……」
「うん!凄く可愛いでしょ?」
「ふうん、ゴミみたいなチビが作った街にしてはまぁまぁじゃない……♪」
そんな楽し気な様子で二人は街を見下ろしつつ会話を交わす。その様子はまるで世界を滅ぼそうとして来たと言うよりも、まるでショッピングに来ているかのように、地面に広がる町並みを品定めをしているようだった。
やがて二人の巨人は、海から上陸すると手にしてきたソックスとローファーを履いた。
1万倍の少女に合わせて作られた全長25kmもある焦げ茶色のローファーは靴底の厚さだけでも、地表のビルを凌駕する高さになっている。
ズウゥン……!!ズウゥンン……!!! と大きな足音を響かせながら街を踏み潰していく巨人の二人。彼女たちが歩むたびに大地は大きく揺れ動き、数多くの人々はその揺れに翻弄されている。
踏み出された一足が地響きを起こし、強力なエネルギーを地面に伝えて、地表を捲れ上がらせては建物や道路を押し潰す。そうして生み出された無数の窪みの底に人々の営みをことごとく張り付かせて、地層の一部に置き換えていく。
「ホント小さすぎて、こんなんじゃ面白そうな物も無さそうな国ね」
「でも、小さくても頑張って生きてる所は可愛いでしょ!」
「そうかしら?脚の踏み場もない街に住んでる生き物なんてゴミみたいなものでしょ?」
「そんなことないよ!可愛いよ!」
「まぁ、カナンがそう思うならそれでいいんじゃない?私はこの国には何の興味もわかないけど」
そう言いながら二人は大きな一歩で街を踏み潰していく。
ズウゥン!!!と地響きが鳴り渡り、衝撃だけで建物が軋みを上げ崩壊してゆく。そんな様子を住民たちは絶望的な表情をしながら見つめているほかなかった。
「それにしても……よくこんな小さい姿で生活できるわね」
「小さくたっても人間だよ!頑張って生きてるんだよ!」
「……全く、こんな生き物の何処がそんなにいいのか、カナンはよくわからないわね……」
そんな会話を交わしながら二人の巨大少女は地に刻まれた足跡を更に増やしていく。歩くたびに街を踏み潰し、大地震のような地響きを響かせる彼女たちはまさに天災そのものだった。
カナンたちが目指すのはこの極小人間が営む国家の中でも中枢ともいえる、首都エリアである。
前回カナンが上陸した際には、踏み入れていない場所であり、未だ無傷の状態で残っていた。しかし、二人の巨人に目を付けられた以上、巨人たちの蹂躙が本格的に始まることになる。
「あ!あったよミオちゃん!」
ズウゥン……!
大きな音と振動と共に彼女たちの脚が止まる。どうやら目的地にたどり着いたようだ。
「ふーん、これがこの国の中枢……チビの割には、なかなか頑張ってるじゃない?」
そこには今まで見てきた小人の街の中でも一際大きな規模を誇っていた。流石は小さいとはいえ、国家の首都なだけはある。
が、超巨大女子高生二人を前にすると、首都エリアも子供部屋程度の大きさにしか過ぎないのだ。
「わあ~、小さい小人がたくさんいるね!」
「ええ……、こんなに繁殖していると、かえって気持ち悪いくらいね」
彼女たちの身長はおおよそ15~16kmほどあるため、目の前の国の首都エリアのほとんどが二人の影に覆われていた。
そんな巨大な二人が小人の街を前にして仁王立ちしながら聳え立つ姿は、矮小な人間たちを見下ろす巨神のように見えて、神の怒りを買ったような絶望感を人々に与えていることだろう。
「さてと、じゃあカナンの残った課題をとっととすませましょ……って、なにコイツら私たちを攻撃してるの?」
ミオと呼ばれた巨大少女が見下ろしてみると、足元に広がる街の外縁あたりに無数の黒い点が集まり、辛うじて見える位の小さな光を点滅させている。
その光は巨大なローファーに向かって飛んでいき、当たった瞬間飛散して消える。
どうやら首都に迫った巨人たちを何とか追い払うべく、何かミサイルのような物をを撃ち出しているようだった。
「こいつら……ゴミみたいな分際で生意気ね。カナンが躾してないから、チビどもが付け上がるのよ」
「えーっ、だって虐めるのは可哀想だったんだもん……」
「全く、何処までも甘いんだから……」
二人の巨人が会話をしている間にも光の攻撃は続いているのだが、痛くもかゆくもないといった様子で巨大少女たちは軍を見下ろしている。
だが、ミオと呼ばれる巨人は小人からの攻撃に対して込み上げる不快感を示していた。
どうやら、自分からしたら微生物のような存在に好き勝手されているのが気に食わないようで、ローファーを攻撃している場所に下ろした。
ズウゥン……!と地響きと共に砂煙が立ち込め、地上の軍の殆どがローファーの下に消えてしまう。だが、それでもミオは更なる一撃を加えようと脚を振り上げる。
「ああ!ダメだよミオちゃんっ!小人ちゃんが可哀そうだよ!」
「こんな奴ら、そもそも生きている価値も無いゴミなんだから、踏みつぶされたって文句は言えないでしょ?」
「そんなことないよ!小人ちゃんも生きてるんだよ!」
「カナンがそこまで言うのなら、仕方ないわね……」
「ありがとう、ミオちゃん♪」
「でも、課題はやらなきゃダメよ」
「あ……。そ、そうだよね……」
課題と言われたとたん、顔に影を落とすカナン。
実は前回のカナンが小人の街を訪問した時に、学校から与えられた課題を全て完了できていなかったのだ。
――やり残した課題、それは征服した街に証しとして『モニュメント』を残すこと。
しかし、小人の街というちっぽけな場所には、カナンの巨大なローファーでさえも、全ての建物を凌駕し、小人たちの空を全て覆い隠すほどに巨大存在だというのに、敢えて小人たちを支配した証など、わざわざ用意する必要ないように思えるのだが……。
とは言え、課題をやらなければ留年は免れない。カナンは渋々、下に広がる街を踏みつけながら街の中心に向かって歩き出し、ミオもそれについていく。
彼女たちが進むにつれ、小さな建物群が靴裏に蹂躙されて瓦礫へと変わってゆく。その様子を眼下に見下ろしながら二人の巨人は更に歩を進めた。
ズウゥン……ズウゥン……!!と一歩ごとに地面が大きく揺れ動き、足元で小人たちがパニックになっているのが感じ取れる。
砂粒にも等しい乗り物を使って少しでも巨人から距離を取ろうと必死なっているのだ。
そんな様子を遥か上空から見下ろしてミオは、彼らの必死な抵抗をあざ笑い、これから起こることを想像してほんの少しだけ、小さな彼らに同情してしまう。
(ふふっ、そんなに必死に逃げちゃってバカね……。カナンの課題が始まったら、素直に踏み潰された方がましだって思うかも知れないのよ?)
二人はすでに首都エリアの中心に位置する広場に達していた。首都の中心に立つ巨人二人。彼女たちを遮る存在はこの大陸中を探しても存在しない。
「ここならいいんじゃない?ほら、さっさと始めて終わらせましょ」
「う、うん……」
カナンは一歩前に出て、おもむろにスカートの中に手をいれると、なんとパンツを下ろし、その場にしゃがみこんだのだ。
都市の住民の頭上に広がったのは、スカートに包まれた女子高生のあられもない下半身。しかもそれがとてつもない大きさなのだから、彼らの目に飛び込んできたのはスカートから覗く巨大な肉の渓谷と、その中に街すら作れそうな菊門だった。
彼女がしゃがみこんだ際、股間から巨大な一本の黒い巨大な大木のようなものが落ち始めた。やがてそれは、ズドンッ!と轟音を立ててビルを数棟なぎ倒して落下した。
粉塵が落ち着き全容がわかると、人々は戦慄した。落ちてきたのは、樹齢数百年の大木ではなく、れっきとした少女の陰毛だった。巨木と見間違えてしまうほどに、太く長い巨大な陰毛なのだ。
そのあまりの大きさに、都市の住民たちは自分たちの身長を遥かに超える圧倒的な存在の前に恐怖し、恐れおののくばかりだった。
「う~ん……やっぱり恥ずかしいよぉ……」
「なによ、こんなちっぽけなゴミに見られて、何が恥ずかしいのよ」
「いや、ミオちゃんに見られていると恥ずかしくって……」
「全く、あなたが前回課題を終わらさなかったんだから、先生が私に監視役を任されたんだから仕方ないでしょ!」
「うう……」
カナンが羞恥心を感じて足をもじもじと動かすだけで、ズウゥン……という地響きと共に、足元で大都市が大きく揺れる。
それでも、ミオは構わずカナンに課題を急かした。
「ほら!早くやりなさいよ!」
「ううぅ……わかったよ、小人さんゴメンね……」
カナンが言い終えると、唇をきゅっと噛み締める。すると、しゃがんで突き出した肛門がヒクヒクと伸縮を繰り返し、じんわりと桃色の肉が顔を出し始めた。
その様子はまるで「今出してあげるね」と言わんばかりで、これが巨大少女のお尻の穴でなければ官能的な光景である。
やがて肛門からシューっという音が聞こえたかと思うと、腸内に溜まったガスがおならとして噴き出される。
ブウゥゥ……!!ぶびぃ!ぶすぅ~……ぶっすうぅぅう!!
2000m以上の上空で吹き荒ぶ超巨大少女の放屁。新陳代謝が活発とはいえ、排泄物を何日も貯めて溜めて作り上げたガスの圧力は凄まじく、その臭いも1万倍近い巨体の少女が生み出すものだけあって想像を絶する。
腐卵臭のようなきついツンとした臭いが周辺一帯に広がり、カナンの肛門の真下にあった街に突風となって拭き下ろされ、信号機や電線が音を立てて揺れ動き、街路樹が台風のように激しく煽られ、建物の窓やドアがガタガタと揺れる。
「(あぅ……、この間からお通じが来てないから、全然でないよぉ……)」
カナンはしばらく力んでみたが、一向に出る気配が無い。仕方ないので、彼女は更にお腹に力を込める。するとミチミチという音と共に肛門が広がり始めると茶色い固形物のような物が頭を覗かせ始めた。
それは間違いなく彼女の体内から出た排泄物である。しかし、問題なのはその大きさである。何せ体長が15kmもある大巨人の排泄物なのだ。すでに肛門から顔を出したカナンのウンチは、直径にして1,000mを超えている。そんな超巨大少女の大便が肛門からひり出され始めたのだ。
ずる……っ!!めりっ!ミチミチ……と固形と液体がまじりあった粘着質の音が大音量で響き渡り、半径数十キロ圏内にいた生物全ての耳に嫌でも聞こえて来た。しかし、恐ろしいことに、まだ彼女の大便の全容が出てきているわけではない。
「ふん!くっ!!んんっ!!」
ギチィ……!ミチ……ッ、メリッ……メリメリメリ……!!!
大地が揺れ動くような重々しい音とともについにカナンの極太うんちがみるみる産み出されてゆく。
すでに出てきた長さは1kmもあり、長大な一本糞と言った様相だ。しかしこれでもまだ全体の2分の1にも満たない長さなのである。
そんな超巨大少女のウンチが地上に落下したとき、どのくらいの被害がもたらされるのかは想像に難くない。
ズウゥン……!!ついに先端が街の一角に触れた。とんでもない質量を持った物体の落下音が、巨人のひり出す排泄物の圧倒的なスケール感を物語っている。
「そうそう、ちゃんと出せるじゃない♪小人の街を自分の者にした証に、特大のモニュメントを……って、あら?」
ミオが友人の様子を見ていると、大きなお尻から絶賛ひり出している肛門付近で、小さな閃光が走っていることに気付いた。
(ヤダっ、もしかして小人がカナンのうんちを止めようと、お尻に攻撃をしかけてるの……!?)
そう思ったら何だかおかしくて、ミオは思わず吹き出してしまう。
「あはは!ちょっとカナン!!小人があんたのうんちを止めようと攻撃してるわよ!?そんな攻撃なんかカナンには全然効かないのにね?いい様ね、女の子のウンチ一つ止められないなんて……」
「あぁん……、ミオちゃん恥ずかしいから見ないでよ~」
そんなやり取りを楽し気にする巨人二人を尻目に、小人の空軍はカナンの大火山の火口のような肛門めがけて攻撃を仕掛け、陸軍は巨大な肛門からモリモリと出てくる大便を止めるべく、全火力を巨大少女の排泄物に向けていた。
しかし、小人の必死の抵抗は実を結ばなかったようで、未だ凄まじいスピードでひり出され続けている大便の動きを防ぐことが出来ずにいるようだ。
それもそうだろう、全長15kmある巨大少女の極太ウンチなのだ。こんな凄まじい汚物を人間ごときの攻撃で止められるはずもない。
小さな砲弾は空しく極太ウンチに跳ね飛ばされるか、圧倒的な質量の前に無意味な爆炎を上げるだけの有様である。
そんな小人軍の猛攻をよそに、カナンはお尻に力を入れるとより一層加速して大便をひり出し続け、ついに終わりがやって来たようだった……。
メリッ!ミチィ……めりっ!!ボトッ!!!ぶびぃっ!!!!
ズドオオオオンン!!
巨大少女の肛門から切り離された巨大な物体が街のど真ん中に落下して、落下地点にあったビルや道路、鉄道、そして最後まで抵抗していた軍隊も、人間が作り上げたありとあらゆるものを全て押し潰し、豪快に粉塵を巻き上げる。
そしてその物体の正体は言わずもがな、超巨大少女の大便だ。
全長30km以上はある巨大な一本糞がカナンの大腸からひり出されて街のど真ん中に突き刺さり、その巨体をくねらせながら堂々と横たわった。
これほどまでに巨大なウンチをこの国の人間は見たことがないだろう。
それどころか、中にはこの極太ウンチより大きな山を見たことの無い者もいるかもしれない。
まさに超巨大少女がひり出した圧倒的な排泄物は、全ての人々を恐れおののかせるメモリアルモニュメントとなって、小人の街に刻み込まれている。
だが、当の本人はそんな光景なんかよりもお腹の様子に全く満足していないようで……。
「う~ん……まだ出そう……」
ミチ……ミチミチッ、メリッ!
再び彼女の肛門から太く長いウンチが姿を現した。今度のは直腸に比較的新しく溜めていただけあって、先程よりも太く短く凝縮された排泄物である。短く途切れた数十万トン超えの焦げ茶色の塊がボトボトと地面に落下し、先ほど出した巨大な一本糞の上に段々と重なるように積みあがってゆく。
(小人ちゃんの街が私のウンチで埋め尽くされちゃってる……)
そして、カナンの肛門からはまた一本太い大便がひり出され、数百万トンの排泄物をひり出したところでようやく彼女の排便が終わった。
それと同時に超巨大少女から落下した巨大な物体の下敷きになった街の中心部は、跡形もなく粉砕され、周りの建造物たちは極太ウンチが落下した衝撃で、崩壊するか傾斜してしまっている。
その惨状はまさに巨大な怪獣が舞い降りた跡地のような有様だった。
そんな圧倒的な大災害を引き起こしておきながら、当のカナン本人はというと……。
「ふーっ!スッキリした♪」
そう言って、何とも満足そうに排泄欲求を満たした下腹部の解放感を確かめるように擦っていた。
「随分と立派なモノをこしらえたわね……」
ミオは呆れながらも、思わず感嘆してしまう。何しろ都市の中心部から天まで届くような巨大な一本糞が堂々と横たわり、小人の街を見下ろしているのだ。
これをたかだか10代ほどの少女がひり出してしまったのだ。
こんなものを見せつけられては、流石の小人も抵抗する気力は削がれてしまうだろう。
ミオは課題を完了した証拠を残すため、カナンがひり出した排泄物の惨劇の光景を撮影し始めた。
「うぅ……ミオちゃん、そんなにいっぱい撮らなくても……」
「これが私の仕事なの。貴女が課題を完了出来なかったのが悪いのよ?」
「そ……そうだけど……」
恥ずかしそうにモジモジとスカートの上からお尻を抑える仕草を見せるカナン。
そんなことはお構い無く、友人が産み出した立派な極太ウンチと矮小すぎる小人の街の対比が面白くて、必要以上に撮影するミオ。
その時、カナンの肛門付近で飛び回る小さなものに気づいた。
先ほどまでカナンの排泄行為を止めようと奮迅していた空軍だった。彼らはその努力もむなしく、カナンの排泄を止めることが出来ず、守るべき街が少女の排泄物の下敷きになって壊滅するのを目の当たりにしていた。
何も出来なかった彼らに対して、ミオは嘲笑を込めた声色で声をかける。
「ふふっ、カナンのウンチはどうだった?あんたたちが何をしようが、この子のは止められないわよ」
ミオはそう言い放ってスマホを仕舞うと、戦闘機たちは、カナンの肛門に向け最後の抵抗を始めていた。
シワの一つ一つでさえも、小人が駆る戦闘機よりも巨大だが、それでも戦闘機はカナンの肛門に向け残った武装を全て叩きつける。
そんな様子を見てミオはくすくすと笑みを零した。
「無様ねぇ……そんな小さな武器で何しようとしてるのかしら?ウォシュレットのつもり?」
実際、攻撃されている本人は何ともないのか、気づく素振りさえ見せない。それどころか、巨大な肛門にこびりついた大便の欠片ですらびくともしない。
ミオにはそれが少しおかしくて仕方なかった。
「カナン、アンタお尻の穴で飛び回る小さなお友達に気付いてあげたらどう?小人がなんかやってるわよ?」
「え?ヤダぁ……、恥ずかしいからどっか行ってよぉ~……」
少し顔を赤らめて、お尻をフリフリと揺らして追い払おうとするカナン。
そんな様子にミオは吹き出してしまう。
「あははっ!」
友人が見せる可愛らしい仕草に、思わず胸がキュンとなるミオ。そんな彼女の気持ちをよそに、カナンのほうもなかなか上手く小人を追い払えない様子で困っていたのだが……その時、
ブォ~~ッ……ブッ!!ブゥゥゥスゥゥ……!!
カナンの肛門がわずかに蠢いたかと思うと、カバッと肛門が口を開けそこから一陣の風が吹き荒れた。
その風は小人を戦闘機ごと吹き飛ばす勢いであり、周辺一帯に余波として突風が吹き荒れる。そして風にあおられた航空機が次々と吹き飛ばされ、揚力を失った機体は舞い落ちる木の葉のように大地に落ちていった。
「あーぁ、カナンのオナラで小人たちの空軍は全滅しちゃったみたいね」
「あぅ……ごめんねぇ……オナラしちゃったぁ……」
そう言って申し訳なさそうな仕草をみせるカナン。
しかし、謝罪はそれだけで終わりを見せ、直ぐにお尻の不快感を取り除くためにポケットティッシュを取り出し、汚れた肛門を拭った。
「ふぅ……これでよしっと……」
そう言って汚れたティッシュをその場に放り捨てるカナン。
ズウウウウンンン!!
1万倍少女が使用した使用済みティッシュは、地面に落ちたと同時に巨大な爆煙と衝撃波が起こり、街の一角を一瞬で粉々にして吹き飛ばしてしまった。
ティッシュについたウンカスでさえ、地上のビルよりも巨大だった。この巨人たちはそれほどまでの圧倒的な力の差を小人たちに見せつけてくるのだ。
「課題も終わったし、帰ろっか?」
ミオがそう言って、頷いたカナンはパンツを戻して立ち上がった。
立ち上がって見下ろしても、自分が出したモノと小人の街のシュールすぎるスケールの違いに彼女は苦笑いを隠せない。
「なんか、私のウンチ大きすぎるよねぇ……」
ふとそんな言葉を漏らすカナン。
2人の少女の下には街を押しつぶして聳え立つのはこげ茶色の大峰。
まだ、彼女の体温や大便の微熱が残ったせいか、その表面はうっすらと湯気が立っている。
湯気をまとった極大ウンチはまるで、雲をまとった霊峰の如く聳え立っていた。超巨大少女に破壊されなかった街の地区は、すでに猛烈な悪臭が漂いはじめており、壊された地区よりも酷い惨状と呼べるほどとなっている。
そんな大便山の真下では逃げ遅れた小人たちが右往左往している。少女のたった一度の排便で住処を奪われ、先人たちが紡いできた街を汚された彼らの心は、立ち直れないほどにズタズタに引き裂かれていた。
「これで未来永劫、この国はあなたのモノね」
「うん、でも何だか恥ずかしいよぉ……」
「まぁ、これを見たら流石に誰も反抗しないでしょうね」
そう言ってミオはカナンの大便山を後にして、凄まじい足音を轟かせながら歩く巨人2人。
そんな彼女たちが残していった置き土産は、凄まじいとしか言いようがなかった。
かつての国の中心地だった街に鎮座するウンチ山は、小人たちの未来を暗示するかのように黒々として、威圧的な存在を放っていた。
そして、この世界の支配者が誰であるか、嫌でも忘れられぬ様に、この地に永遠と聳えるモニュメントとなって残り続けたのだった……。
3.紫峰先生の小人調査
紫峰まいは、三十路の女性教員。生物の授業を受け持っている。黒い髪を結い上げ、きりっとした顔立ちに、黒い瞳を眼鏡で飾り付けている。そして、年齢を感じさせない引き締まった体躯がキャリアスーツをピチッと着こなし、その下はパンツスタイルにハイヒールがトレードマークだ。
その体型で多くの男子生徒を魅了し、若い女性教員もいる中で、紫峰まいはその中でも特に人気が高い。
今日は、教え子の一人であるカナンが遅れて提出した課題の結果報告に目を通していた。
「あら、カナン……遅れた割には上出来じゃない。」
「えへへ、まい先生にそう言ってもらえると嬉しいな♪」
カナンはそんなことを言ってぱぁっと笑みを向けてくる。
そんな彼女の笑顔に癒されながら、課題をまとめたレポートにB+の評価を付ける。
「えー、なんでAじゃないの?」
「提出が遅れたことによる減点ね。それが嫌なら次からは期日内に出すこと」
「ぶー」
頬を膨らませるカナン。
「ふふっ、でもこれなら、次回はA評価は間違いないわよ?」
「ホント!?じゃあ頑張る!」
そうして課題の提出を済ませた彼女は職員室を後にした……。
「ふぅ……、さてと、間に合ってないのはこっちも同じなんだけどね……」
そう言いながら、一枚の書類に目を通す。
そこには課外学習用に最適な、小人の生息地をリストアップするように学校から指示された通達書だった。
「小人……ねぇ……」
紫峰先生は小さくつぶやいて、全く手を付けていない自分の仕事に鬱屈した気持ちを覚える。
(調べても見つからないのなら、自分の足で探し回るしかなさそうね……)
そう思いながら、今週末辺りにでも出かけてみようかしら?と思案する。
ちょうどいい、息抜きもかねて、ちょっと旅行に行ってみるのもいいかもしれない。
そう思い立った彼女はカナンのレポートをクリアファイルに入れてから、他の書類とまとめて机の隅に追いやった……。
(そういえば、この旅行は経費で落ちるのかしら……?)
***
迎えた週末、紫峰先生は動きやすいジーパンにTシャツ、上から薄手のジャケットを羽織った格好で小人の生息地とされている、とある大陸へと足を運ぶ。
水溜まりのような浅い海を暫く歩いていくと、目的の大陸を見つけた。その大陸は、巨人種である紫峰先生からすると小島のような広さの島でしかないが、よく見てみれば、小さいながらも形になっている砂浜や島の大きさに見合った小山に、地形に沿った河川が流れていたりと、ジオラマのような小さな世界がそこにはあった。
「なるほど、これなら小人も生息してそうね」
紫峰先生はそういいながら、赤いハイヒールで大陸に上陸した。上陸した大陸をぐるっと見渡してみるが、見る限り岩肌がむき出しになった石ころと苔のような森が存在するだけで、まだ小人の生息してるような雰囲気ではなさそうだ。
「それなら少し探してみましょうか……」
そうつぶやくと彼女は早速、小人の痕跡を探すことにした。
「……ここにもいないわね」
紫峰先生が降り立った砂浜から数分歩いたにも関わらず、小人の痕跡は何一つ見つからない。彼女は次第に本当にこんなところに、小人がここにいるのだろうか?と少し疑問に感じはじめた。
「いや……まだ決めつけるのは早いわね……」
そして今度は島の中心部に向かって歩くことにした。しかし、歩けど歩けど小人の痕跡は見つからない。
「もしかして、ここじゃないのかしら……?」
そう思い始めた紫峰先生は、一旦立ち止まってマップを開くことにした。昔の調査によると、今いる場所には小人の生息していた街が、それなりに存在していたことが記録されている。
「都市が形成されているといっても、ここには何もないじゃない……」
紫峰先生が言う通り、ここには矮小な森と河川が存在するだけで、街の痕跡は何一つ残されていない。
「はぁ……、無駄足だったみたいね……」
紫峰先生はため息をついて地図を閉じると、足元に横たわる苔の生えた岩に腰を掛けようとした。
しかし、彼女が岩に腰をおろした瞬間、岩はまるで段ボールで出来ていたかのように、彼女のお尻が音を立てながら崩れ始めてしまったのだ。
「きゃっ!何よこれ!?」
突然の事態に困惑する紫峰先生。だが、その間にも彼女のお尻が岩の中に埋もれて、徐々に姿勢も崩れていく。そして最後には、両足を高く広げるようにして尻餅をついてしまったのだった。
「いった~い、何なのよこれ!?」
そう言いながら、苛立ちを隠せない様子で姿勢を戻そうとする紫峰先生。
「ったくもう!ここは椅子になるものもないのかしら!!」
プリプリと怒りながら立ち上がろうとして、両手をついた先で違和感を覚える。
「?」
何かしらこれ……。紫峰先生の両手が触れたのは、苔に覆われている土、のはずだった。
しかし、彼女は自然界のものとは違う違和感を覚えたのだ。何か冷たいものが手のひらから来るような感覚だったのだが……。
「これって……」
確認するために手を動かし、地面をペタペタと触りながら、顔を近づけて観察してみる。
「もしかしてこれが小人の街……?」
砂利のようなものだと思っていた地面は、どうやら小人の街らしい。確かに、もっと観察してみれば、そこには信じられないほど小さいが、街並のようなものが確かにあった。
「え……?ウソ、こんなに小さかったの……!?」
まさかこんなにも小さいとは露知らず、紫峰先生はその街並みを見て驚愕していた。
そんな彼女の驚きもよそに、街は紫峰先生が歩き回った際に出来た足跡がそこらかしこに、刻み付けられている。
(良かった、今日はハイヒールだから、踏みつける面積が小さくて済んだわね)
小人からすれば、ピンヒールの太さでさえ、街一つ分以上の面積に相当することになるのだが、接地面積の少ないハイヒールのお陰で、踏み潰した範囲は最小限に抑えられていた。
***
「……なるほどね、ここらの小人の大きさは1ミリもないような、10万分の1以下の微生物レベルの存在なのね」
紫峰先生はスマホを見ながらそう呟く。この大陸は10センチ未満の小人の街が数えきれないほどあるようだ。
一通り周辺の調査をした紫峰先生は、調査を切り上げて報告書をまとめるためにタブレットにこの大陸に住む小人の情報を入力していた。
「うーん、でも流石にこれは小さすぎて、課題には向かないわね……」
学校側の思惑としては、自分達とはからだの大きさが違う小人への理解を深めるために、彼らを教材として『様々な課題』に使うことを期待されているのだが、これではあまりにも対象が小さすぎて、微生物と何が違うのか全く分からなくなって、生徒たちも困惑してしまうだろう。
やはり、いろいろなサイズの小人がいることを理解してもらう教材にするには、ある程度のサイズはあってほしい。
そんなことを思っていた紫峰先生だが、ふと別のことを考え始めていた。
「まぁでも、教材としては不合格だけれども、個人的に遊びに使うのはアリ……よね?」
小人の生息地を探してきた本来の目的は生徒達への教育である。しかし、教材として失格であるならば、私利私欲のために使ってはいけないという決まりはない。
つまり、この大陸の小人を自分が遊びで使ってしまうことは学校側にもバレていなければ、誰にも迷惑をかけることもない。
(それに小人の街で遊ぶのも久しぶりだし……)
そう考えた彼女はさっそく小人達の街を見て回ることに決めたのだった。
紫峰先生はマップを開いて周囲の街を確認する。今いる大陸には10センチ未満の微生物サイズの街が数十個以上も存在しており、それぞれが髪の毛みたいな細い鉄道や道路で繋がっている。そんな光景を見て紫峰先生は微笑する。
「まるで航空写真を見てるみたいね♪」
マップから目線を外して、今度は目の前にいる小人の街に目を向けてみる。
(本当に小さい……)
彼女はそう思いながら指先で、街の一つをツンツンと突っついた。その街は人口10万人を超す中規模都市なのだが、彼女の指は小人にとっては途方もない大きさだった。決して紫峰先生の指はそれほど太くはないのだが、彼女の指先の内側と街の面積がほぼ同じであることを考えると、その対比は驚くべきものである。
そんな彼女の指先が街に触れた瞬間、その指を中心に街の大部分が指先の下に消えてしまい、残ったエリアも突っついた衝撃波が広がり、柔らかい埃のような物が舞い上がる。ただそれだけで、街そのものがただ指先一つで消滅した。
「あー、ごめんごめん、軽く突っついたつもりだったのだけれど」
そういって指先に付着した街だった砂粒のような残骸を払う紫峰先生。
指先が当たっただけで1センチもないような小人の街が一撃でボロボロに崩れ去ったのだった。
そんな彼女の気まぐれな一撫でによって蹂躙された場所とは対照的に、今なお悠々と繁栄する都市があった。
「ふふ、これでも大都市なのね……」
紫峰先生がしゃがみ込んで街を見ると、極小サイズの小人のビルが街中に建ち並んでおり、苔や藻のように地面にこびりつく様にしてビルが所狭しと犇めき合っている様子が垣間見えた。
しかし、紫峰先生からしたら、直径30㎝ほどの丸い輪郭を描いた幾何学的な灰色の地面にしか見えないのだが、街の住人たちからすれば大都市以外の何物でもないのだろう。
おそらく、そんな小さな構造物一つ一つの隙間には、微生物クラスの人間たちが空を覆いつくす様にしゃがみ込んだ紫峰先生に恐れおののいているのだろう。
「みんな私のこと、どう見えてるのかしら?」
そんな小さい彼らの姿など見分けることができない紫峰先生は、小さい街を見下ろしていると、うずうずとした様子で彼らにイタズラすることに決める。
(ここに腰を下ろしたらどうなるのかしら?)
そんな子供みたいな好奇心で紫峰先生は、さっきと同じ要領で街のど真ん中にお尻を落としてみた。
ズズンッ!!!
「きゃっ!?」
すると一瞬にして街はどっしりとしたお尻の下敷きになり、彼女の臀部の形に沈み込んでしまった。
都市を丸ごと尻餅で押しつぶすその威力と質量の前に、小人たちはなす術もなく平らに押しつぶされてしまう。
しかし、そんな出来事を気にも留めずに彼女はそのまま街を磨り潰すかのように腰を動かして前後に動かしてみた。
「あ……んっ!これ楽しいわね♪」
小人からしたら小惑星クラスを超える体重でのしかかり、彼女の腰振りによって極小の街はたった10秒間でぐしゃぐしゃに形を変えられていく。
(ジーンズを脱いだら、さらに刺激が強くなるかしら?)
そんなことを考えながら、紫峰先生はジーンズのホックを外しファスナーを下ろしてジーンズを脱ぐ。
そこから飛び出したのは、黒いティーバックに象徴された彼女の肉感的な白い生尻に、健康的で引き締まった太腿。
「ふふ、どう?私のお尻は?」
ジーンズを脱ぎ捨てた彼女はまだ手の付けられていない無傷の街にお尻をかざして、自らの尻を優しくなで始める。
紫峰先生は普段からパンツラインが浮かび上がらないようにTバックを愛用している。白色のレースをあしらった黒いTバックは、彼女の肉厚なお尻をわずかに隠し、逆に彼女の大きなお尻のシルエットを浮かび上がらせているようだ。
そして彼女はTバックに指を引っ掛けてグイっと引っ張り上げ、プリッとしたお尻を見せつけるかのように強調させる。
そんなほとんど隠しきれていない尻肉を街の上空に近づけると、彼女を中心に街の大部分が一気に影に覆われる。
「お尻の下敷きになりたくないのなら逃げてもいいわよ♪」
そんな脅迫めいた言葉を発しても小人に逃げる手段などはない。小人の上空には、ふくらはぎ、太もも、そしてお尻が空を埋め尽くしている。
小人からすれば、直径50km以上もある巨大な臀部が上空を覆い、日差しを遮っているのだ。
たとえ車や電車を使ったとしても、あの地獄のような大きさのヒップからは逃げられない。
あきらめの境地に達した哀れな小人は、ただ頭上をどこまでも覆う生尻を拝み続けることしかできなかった。
そんな小人たちの絶望する様子を知ってか知らずか、紫峰先生は持ち上げていた尻を、ぐっと後ろに着きだす形で地面につけた。
ズンっ!!と腰を下ろした衝撃が紫峰先生も感じ取れた。超巨大な彼女でさえ、その衝撃を感じることが出来たのだから、地面にへばりつく小人たちには耐えられない衝撃が街を襲ったに違いない。
「んん……///」
だが、そんな小人なんか気にすることなく、紫峰先生はグリグリと左右に動かしてみると、柔らかでハリのある巨尻が街の表面を押し潰すようにして沈み込んでいく。
地面の柔らかさはさながらクッションの様であり、大陸程度の小人の都市ならお尻の下で簡単に圧縮できてしまう。
更に今度は腰を揺すり始めた。
「んっ!これ結構……いいわね!」
小人がお尻で押し潰される音と振動を体全体で感じ取りながら、その刺激に思わず声が出てしまう。
「あっ♡気持ちいい……♡」
どんどんと腰を振る速度を上げていき、それに合わせてTバックが徐々にズレていく。そして彼女の隠すべき部分が見えてしまいそうになったところで急に彼女は体を起こす。
「ほらぁ〜、がんばって逃げろ〜♡、のろのろしてると、おっきなお尻でプレスしちゃうぞ?♡」
お尻をゆっさゆっさと揺らしながら、紫峰先生は可愛らしい声色で煽る。
「じゃあ、いくわよ〜?♡」
紫峰先生がそう言うと潰し残した街のエリアに向け、ふっくらと盛り上がった恥丘を思いっきり押し付けた。
ぐしゃっ!!!
紫峰先生の股間の下にあった街は一瞬にして地面ごと圧縮されてしまい、跡形もなくなった。
「あ……♡ふぅ……♡」
紫峰先生の気持ちよさそうな声と共に持ち上げられた恥丘の跡地には、彼女のまるっこい大陰唇の跡がくっきりと刻まれて、その周りには潰されたビルや電車の残骸よりも巨大なレースの跡が深々とはっきり残されていた。
「はぁ……気持ちよかった……♡」
彼女は絶頂後のような恍惚とした表情で余韻に浸る。
――なんだ、こんな微生物みたいな小人の街でも、十分気持ちよくなるじゃない……。
ふとそんなことを考えていると、日ごろの欲求不満も重なり、段々とこの小さな街では満足できない気持ちになってしまった紫峰先生は、用済みとなった小人の街を止めのヒップドロップで吹き飛ばし、次の街に目を向けようとしていた。
(まだいっぱい残っているし、もっとすごいことしちゃおっかな?♡)
紫峰先生はイタズラしている子供のような笑みを浮かべながら周囲を見回してみる。もしこんな恥ずかしい姿を誰かに見られたら、恥ずかしくて顔から火を吹くだろう。しかし、ここには誰もいない。いるのは彼女と微生物レベルの人間たちだけ。
彼女は、ほぅとため息をついて深く息を吸って深呼吸してみる。お尻で小人の街を潰すのは気持ちが良かった。
紫峰先生はTシャツの上から自分の胸に触ってみる。自分の乳首が硬くなって、パンティーの前部も、興奮した彼女の蜜が溢れだし、しっとりと濡れ始めていることに気づいた。
彼女は手で自分のふくよかな胸を愛撫しながら、次の快感を得るための生け贄となる街を探してみる。
すると、自分がお尻の下敷きにした街から、一筋の細い蜘蛛の糸のような線がすっと伸びている。これは細すぎて細かいところまでよく見えないが、恐らく小人の鉄道か高速道路なのだろう、と紫峰先生は推察する。
その糸の先を辿っていくように、視線を送りながら目を凝らしていると、予想通り小さな街と思わしき、灰色の地面がそこにはあった。
(見つけた……!)
彼女は立ち上がり、ジーンズを拾って
シャツとTバッグだけの姿で歩き始めた。
「さっきの街より少しは、大きい街ね」
歩いて数歩でたどり着いた街は、先ほどの都市よりは確かに大きい、だがそれでも紫峰先生がいつも使っているクッションよりは狭い広さしかない。
彼女は街の縁に立ち、改めて自分と足元の小人との大きさの違いを確かめてみる。
爪先の先には小さな超高層ビルが並んでいる。米粒よりもずっと小さくて、彼女の指紋に入り込んでしまいそうな位に矮小だ。
それでも小さな彼らにとってそれは間違いなく大都市。小さいながらも超高層ビルが20〜30以上も、そこにあるのだ・・・。
そして地面には、細すぎる道路と線路が見える。彼女の目に写るのはそれが限界だった。そこを動いている人間はおろか、走っている自動車ですら見分けがつかない。
巨大過ぎる彼女の足と、小さ過ぎる彼ら……。生き残るために走っている人々と、街を覆い尽くしてしまうほどに巨大な彼女の影。
彼女の体重は地表を這う彼らのスケールでは計り知れない、天文学的な値に匹敵する。
一度、巨大な爪先が動き出したら、小さな彼らが誇る摩天楼たちなどひとたまりもなく踏み潰されてしまうだろう。
地上にいる誰しもが彼女の美しい足を止めることは出来ない。
巨大な彼女に見つかったこの街の住人は生殺与奪権を欲情した彼女に握られてしまったのだ。
もう、小人たちはありとあらゆる望みを断たれて、迫る巨大な素足に殺さないでくれとひれ伏して縋ることしか出来ない。
「うふふ……じゃあ始めましょうか♪」
紫峰先生はにやりと笑ったあと、シャツを脱ぎ捨て、ブラのホックを外して取り去った。
豊かな乳房がブラから解き放たれて、ぷるんと宙に弾む。彼女がブラを外した瞬間、豊満な双丘が勢いよくバウンドして揺れた。もうすでに乳首もムクムクと勃ってきているのが見えて、期待していることが窺える。
彼女は手にしたブラを、無造作に足元の都市の上に落とす。
ズドンッ!!!と重い衝撃を生んだ下着は、多くの高層ビルを下敷きにして街の上に鎮座している。
紫峰先生のブラは、巨大な彼女のおっぱいを支えていただけあって、そのカップの標高はこの大陸のどの山よりも高く、小さな街を丸ごと覆えそうな程の大きさだ。
それはブラジャー1枚の話ではない。シャツもパンツも同じだった。
紫峰先生は次にショーツのバンドに指をかけ、そして太股を擦り合わせながらゆっくりと下ろしていく。
彼女は街のどこに下ろすか軽く選んだのち、小人の街の上にポイッと投げてしまった。
小人の街は彼女の下着で見事に覆い隠されてしまう。小さな布きれは、ブラ同様多くの高層ビルに覆い被さる。そのショーツの重量だけでどれほどの建物を押しつぶしたのだろうか?
もし仮に建物やショーツの下敷きから辛うじて生き残った人々がいたとしても、彼らのか弱い力では、彼女の下着を持ち上げて脱出するのは不可能だろう。
そんな事を想像して、彼女はくすくすと笑ってしまう。
「ああ、こんな光景に見惚れるなんて……私ったら本当に変態ね」
そんな自虐的な独り言を呟きながら彼女は全裸になりつつ街を見下ろす。
もう地上には、先ほどまで歩いていたせいで、彼女の体重によって街のインフラはマヒ状態となり、この街から脱出は不可能だった。
紫峰先生の豊満な体が全てを見下ろしながら街の上に聳え立つ。そしてゆっくりとしゃがみ、街を脚で囲うように腰を下ろした。
「ん……少し楽しませてもらうわね」
そういいながら、彼女はゆっくりと股間に手を伸ばし、指を這わせて湿り気を確認する。
「あん……」
小さく、短く、甘ったるい声を紫峰先生が漏らすと、それに合わせて街全体がわずかに震えた。
彼女はそっと指を股間に伸ばしながら、そのまま恥丘の谷間に指を沿わせる。そして割れ目の中に軽く指を押し込んだ。
「ん、ん……♡」
指先のくすぐったい快感に紫峰先生は体を少しピクッと震えさせ、甘い嬌声を上げる。
そんな彼女の指先には粘り気のある液体が絡みつき、生温かい蜜の感触を感じさせていた。
「見て……もうこんなに……」
軽く触っただけで、指に付着した自分の愛液を見て妖艶な笑みを浮かべる彼女は、その濡れた証を街の上にそっと優しく落とした。
ぽたりと小さな水滴が一滴落ちただけで、何百という命が消える……。
その残酷なまでの破壊をしたというのに紫峰先生は逆にそれを興奮のスパイスにしているのだから始末が悪い。
彼女の愛液が落ちた場所には小人たちがわんさかといた筈だが、今や密液の雫が落ちたクレーターとツンとした匂いの粘液の湖となってしまい、その痕跡は跡形もない。
「はぁ……♡」
興奮で自分の息が荒くなっているのが、紫峰先生は分かった。心臓は今にも爆発しそうなくらい高鳴っている。もうこれ以上の我慢は出来ない。
「ふふっ……♡いただきます♪」
そう軽く舌なめずりをしながら呟いた彼女は、次に少し盛り上がった丘を指先に引っ掛けてくいっと広げてみた。するとその小さな街を覆い尽くす様にしてピンク色の秘密の花園が開かれた。
はぁはぁ……と息を荒げながら自らの股間の下に広がっているビル群にヌルっとした体液が流れ落ちる。
それは洪水となって、ビルが水没し、逃げ遅れた人々を容易く飲み込む。
「ん、んん……♡」
紫峰先生の熱い吐息と喘ぎ声が漏れる。彼女の秘所に人差し指と中指を密着させ、激しく出し入れする。
そのたびに洪水となった秘所からは粘液がはじけ飛び、股間の前の街に巨大な水滴となって爆撃のように降り注ぐ。
数十万もの小さな人々がそんな粘液の爆撃から逃れようと、必死で逃げ回る。だが、紫峰先生は容赦しない。
自分のふくよかな乳房に手を伸ばし、持ち上げるように揉みしだき、ゆっくりと弄んでみせる。
自分の自慰で多くの小人を潰すなんて……そんな背徳感が彼女をどんどんと昂ぶらせていく。
「ああん♡いい……♡」
クチュクチュと卑猥な音がだんだん大きくなってくる。その音が聞こえるたびに股間から熱い蜜が溢れて止まらない。
街のあらゆる場所で小さな建物は愛液の海に沈み込み、運よくその災厄を逃れた人々も粘液爆撃で徹底的に潰されてゆく。
だがそんな様子などお構いなしに紫峰先生は自分の自慰に没頭して行き、ついに地面の高層ビルに手を付ける。
小さな建物の数々は、そんな彼女の巨大な指で軽く摘まみ上げられて、ピンク色の巨大な大渓谷に落とした。
「く……んん♡」
嬌声と共に膣からは濃厚な愛液があふれ出て、股間の敏感な部分に入れられた高層ビルが途端に飲み込まれてしまった。彼女はそのビルの感触を楽しむつもりか、膣内に指を入れたままかき乱し始めてしまう。
「あ、あ、あん……すごい……♡」
紫峰先生は思わず指に力を込めてしまった。その瞬間、膣内に飲み込まれていた高層ビルは、くしゃっと軽い感触で潰れてしまう。
「はぁんッ♡もっと!もっと♡♡!!」
その衝撃で彼女は絶頂を迎えてしまいそうになるがなんとか必死に耐えた。もっとこの快楽を楽しみたかったからだ。
そして再び指を地表に動かした彼女は、先ほど同様地面からいくつものビルをつまむと、パラパラと陰唇の割れ目に落とし込んでいく。
「いい……気持ちいいわ……♡」
紫峰先生は愉悦に表情を歪め、さらなる快楽を求めて膣を弄る。指は愛液の分泌と共にどんどんと激しさを増していった。
「ふあっ!!もう……イくっ!!」
プシュっと割れ目から大量の愛液が漏れ出たと思った瞬間、紫峰先生は絶頂を迎える。それと同時に膣の中にあった建物もグシャっと潰れて愛液と一緒に飛び散った。
彼女が絶頂に達した瞬間、ビチャビチャと股間の前の街に激しく降り注いだ愛液はビルや小人たちを押し流し、やがてそれは酸っぱい匂いの湖となって、崩壊した街を水底に沈めてしまう……。
百万人近い犠牲を払い、紫峰先生は快楽に狂わされた淫らで官能的なオナニーで、最高の快感を得ていたのだった。
「ああん……♡はぁ……んぅ♡」
まだ物足りなさそうに指を股間の割れ目から抜き取りながら肩で息をする彼女の下半身からは洪水のように溢れ出る愛液とヌルヌルに濡れた道路が街の大部分を覆いつくしていた。
「はぁ……すっきりした♡たまには、こういう場所で発散させるのもいいわね♪」
汗ばんだ髪をかき上げながら、紫峰先生はスッキリした面持ちで言う。
「あ……そうだ……」
彼女が思い出したかのように立ち上がり、背後にある無傷の街並みに目を向ける。だが、目的はその先の脱ぎ捨てた服や下着だ。帰る前にあれらを回収しておかないと。
彼女は自分と衣類の間に存在する高層ビル群を無視するように、まだ無傷だった街の中に巨大な素足で踏みつけて侵入する。グシャッとした感触が足の裏に伝わり、街は自分の足跡に変わってしまう。
そんな行為を繰り返してビル群を横断した後、すべての服を回収したとき、下腹部からゴロゴロとした違和感を感じた……。
「……!?」
(これ……もしかして……!?)
紫峰先生を襲った感覚、それは誰もが感じる胃腸の活動したときの動き……お腹の中の切ないうずきがやってきたのである。
(もう、最近きてなかったのに……!)
お腹の中に溜まったモノの正体が、お通じであることに気付いた紫峰先生は思わず顔を赤くする。この感覚は、これ以上我慢できそうにない。
(どうしよう……)
足元の街に視線を向けてみる。今からしゃがみ、この足元の街並みを巻き込んでしまうことを無視してトイレとして用を足すか?
しかし、10万分の1しかない地表の街は彼女のお通じを受け止めることは到底叶わない。もし、ここで出せば被害は甚大であることは間違いないだろう……。
(でも、だめ……!もう我慢できないわ!!)
考えた結果、紫峰先生は意を決してその場にしゃがんでしまった。
「うっ……!くぅ……!!」
ぐぎゅるるるる……という音が下腹から聞こえ、紫峰先生を苦しめた感覚が、さらに急を要するのを感じた。
(早く楽になりたい!!)
限界を悟った彼女は、肛門を閉めていた括約筋の力を抜いた。それと同時にお尻の穴が開き始める。
肛門が盛り上がる様子は直接見れないが感覚で分かる……それが分かってしまうくらいには肛門に神経が集中していたのかもしれない。
そんな肛門に熱いものが迫るのを感じ、それが出てくる直前……。紫峰先生は下腹部に力をいれた。
「ふぅん……!」
ビッ、ブリュッ……、ブジュッ!ジャアアアアーーーーーーッッー!!!
巨大なガス抜き音と、大量の水が流れる音。それが上空の大気を震わせ、弾けるように大地にばら蒔かれていく。先ほどの巨大な自慰行為で滝のように流れ落ちた愛液の時とはけた違いの大音量で……。
(き、きたぁ……♡)
排便の快感に身を震わせる紫峰先生の顔は恍惚に染まっていた。だが、これから始まる惨状など彼女は知る由もない……。
仕事のストレスと乱れた食生活で崩壊した腸内フローラからでる紫峰先生のウンチは見るからに健康そうなものではなく、水を多く含んだ液状に近い軟便タイプ。
豪快に肛門から飛び出た汚物は土石流の如く四方八方に降り注いでいき、落下地点にあったビル群を叩き潰して、押し流す。
そしてその泥流は止まることを知らず、排泄行為で出来た奔流は地表にいる人間や車、全てぐしゃぐしゃに潰され飲み込んでゆく。
「ふっ……ん、ん♡」
ブジュッ!ジャアアアアーーーーーーッッッ…ブシャッ!!!!
上空から降ってきた汚泥に街は蹂躙され、人々は逃げ惑う。
その汚れた雨の一滴でさえ、街の一区画が泥濘の様な汚物の海に沈んでしまう。
(はぁ、すごい……♡気持ちいい♡)
降り注がれた汚泥はやがて、茶色い津波となってミクロサイズのビルや小人に襲いかかる。30万人はいたはずの住民は、物凄い速度で迫り来る泥濘の津波に、悲鳴をあげる暇すら与えず、彼らを飲み込み、ズタズタに引き裂いてしまう。
だが、紫峰先生は巨大な便意を解放した事によって、開放感とリラックスした身体の高揚感に包まれている。
自分の排泄行為により、足元で何が起きているのかなど気にもとめない彼女は、ただただ欲望のままに排泄を続けていく。
(ふぁ……♡いっぱい出て気持ちいい♡♡)
汚物となり果てた排泄物は広範囲に渡って広がって行き、一つの街を埋め尽くしたら隣の街へ、そこも埋め尽くしたらさらに隣の街も、やがて100万人が住んでいた地域を軟便と瓦礫に変えていってしまう。
もはやその中心にいた人間たちが生きているのか死んでいるのか……それすら分からなくなるほどに……。
こうして百万人以上もの命を奪った紫峰先生の排便はやっと終わりを迎えた。
たった数分間の出来事だったにも関わらず、それは1時間にも2時間にも感じられる程の壮絶なものだった。
「はぁ……いっぱい出た……♡♡♡」
下腹部の違和感も消え、ようやく冷静さを取り戻した紫峰先生はリラックスしたように息を吐いた。
彼女の大きなお尻の下には直径数十キロにもおよぶ巨大な茶色の湖が出来上がっていた。
その汚泥湖の底にはビルや車、瓦礫などが小人と共に沈んでいるのだが、もはやそこに大都市が広がっていたことなど誰にも分からない。
紫峰先生のお尻とは反対の股間側に位置していた街からは超巨大サイズの陰唇の肉壁に下ろされながら、一大スペクタクルの排泄行為を見せつけられて呆然としていた。超巨大女性教師の排泄行為により、都市圏の約半分が悪臭漂う汚泥に飲み込まれ滅亡してしまったのだ。
地形をも変えてしまうトイレシーンを目撃した人々は、死者数百万人を出した大災害に恐れおののき、自然と紫峰先生への畏敬の意を示すようになった。
「ふー、ちょっと出しすぎたかしら?」
そんな彼らの街全てをトイレに変えてしまった張本人の彼女はお尻を優しく振る。
その山脈のような巨大な肉塊が上空で大気を震わせながら揺れ動く光景は、想像を絶するものだったろう……。
大災害から生き延びた人々は祈るように、あの巨人がこれ以上の破壊行為をしないで、ここから立ち去ってくれと願う。
しかし、その願いは叶いそうもない……なぜなら紫峰先生の排泄欲求は完全に終わっておらず、まだまだ、この大災害の興奮から抜け出せそうになかったからだ……。
「ごめんなさいね、おしっこもしたくなっちゃったの、死にたくない人は早く逃げてください」
そう言った紫峰先生は、膀胱を閉めていた力を抜き、巨大な割れ目から溜まった液体を排出した。
ズドドドドドドドド!!!
彼女の股間の前で無事だったビルや小人に向けて放尿し始める。
彼女の股間から噴き上がる熱い鉄砲水が大地を穿ち、どこまでも黄色い飛沫を飛ばしていく。
遥か上空に存在する巨人の尿道から放たれるおしっこは直径1000mにもなる。それが音速を越え大地に注がれていくのだ。
それは地上の小人からすれば、天地創造の海が生まれる瞬間を目の当たりにしているのも同様であった。
巨大な滝の様に大地に叩きつけられるおしっこは、一瞬にしてその小人が築いてきた街や歴史など、彼らのありとあらゆる痕跡を全てを押し流し、盆地を黄色い海に変えていく……。
その勢いは凄まじく、最大出力で噴き出す様に出続けるおしっこが大地に到達すると、軽く1000mを越える深さまで地面を掘り返しながら、おしっこの波が盆地を飲み込み続ける。
そのおしっこの威力は凄まじいもので、人々は野ネズミの様に逃げ惑うことすら許されず、黄色い波に呑まれるしかない……。
だが、紫峰先生からすればただの排尿行為に過ぎず、特別な事ではない。
ただ、おしっこをした場所に小人の街があり、彼らの文明が紫峰先生のおしっこを受け止められない矮小で撮るに足らない微生物レベルと言うだけ。
自分のおしっこで大災害に見舞われ、凄まじい数の死者が出てしまった一つの地域など彼女は心を痛める素振りすらない。
小人が絶望に顔を歪ませる最中、それでも彼女の尿道から放たれるおしっこは勢いが衰えることを知らず、小人と街を次々と飲み込んでゆくのだった……。
そして数分間に渡って続いた排尿がようやく終わると、盆地には黄色い海だけが残っていた。
その面積は3000km2にも及んでおり、この盆地の5分の1を紫峰先生のおしっこが呑み込んでしまっていたのだ。
「すっきりしたぁ♪」
性欲と排尿欲求を満たしきった紫峰先生の顔は、すっかり晴れやかだった。
ようやく、紫峰先生の大災害は終わりを迎えようとしていた。
「さてと、出すのも出したし、帰りますか」
紫峰先生はティッシュを取り出し汚れたお尻とおまんこを丁寧に拭くと、それを丸め、さっきまで存在していた街だった物の上にぽいっと捨てると、地響きを立てながら立ち去って行った。
地上から見れば、まさに天変地異であった。先ほどまで綺麗な街並みが広がっていた盆地は今や、茶色の泥沼と黄色い湖、そして様々な瓦礫の山が残っているだけ……。
盆地に存在した100万人もの人々はその命と共に紫峰先生のゆるゆるウンチとおしっこの海に沈んでしまったのだった……。
「う~ん、スッキリしたし、明日からまた頑張らないと!」
紫峰先生は一つ伸びをすると、脱いでいた服を再び着直して、豪快な地響きを立てながら帰路につくのだった……。
***
彼女が去ってから48時間後、地上では小人の軍隊が紫峰先生の排泄行為の後処理をしていた。
まず先に汚泥の湖の沿岸に取り残されていた人々を救出し、その後被害状況の確認と死者や行方不明者の調査を始めたのだ。
彼らはあの巨人がもたらした、目も覆いたくなるような悲惨な光景に悲しみと怒りを禁じ得ない。
だが、どんなに悔しがったところで、巨大過ぎる紫峰先生に対抗できる術はない。
今も、彼女がお尻を拭いて投げ捨てたティッシュは、山のように鎮座しており、主要な道路を完全に塞いでしまっているのに、自分たちの力では動かすことすら出来ないのだから、絶望しかない。
無力な小人たちは、言いようのない臭気を放つ汚れたティッシュと茶色い泥濘を見つめて、これからどうすればいいのか途方に暮れるしかないのだった。